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フクロムシ&コブクロムシ怪獣なんでも研究所
地震、噴火、核ミサイル いつ現れるのか プルガサリ…

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Chapter20 『遠い星の伝説』 
  米森は、病室のベットに座って四角い窓枠で区切られた狭い風景をぼんやりと眺めていた。夕暮れ時の横須賀港の遠望はなんとなくもの悲しく、柄にもなく人恋しい気持ちになってしまう。
かすかに残る真弓の温もりの余韻にひたりながら、断片的に残ったあの太平洋上の悪夢を何度も頭の中で反復しながら自分なりに整理していた。
 そのとき、唐突に枕元に置いてあった携帯電話の着信音が病室に響く。看護師に注意されないよう急いで取り上げた。
「米森さんお久しぶりです」
草薙 浅黄…!? 米国留学の後、メラネシアの民俗学研究員としてニュージーランドにある研究施設に赴任していることは風の便りに聞いてはいたが、連絡を取り合うこともなく10年以上も疎遠になっていた。携帯電話の奥から聞こえてくる声には懐かしいと思う反面、ほんの数日前に話したことがあるように、時の隔たりをまったく感じないのが自分でも不思議だった。
「突然のお電話ごめんなさい。実は今成田にいます。はつしま事件のことはニュースで知りました。ガメラのことも気がかりで帰ってきてしまいました。米森さんがそちらへ入院されていることはJAMSTECでお聞きしました。これから病院へお邪魔してもよろしいでしょうか。大事なお話があるんですが…」
スマホの向こうの声は物静かではあるが若干震えているようにも思えた。
「うん、それじゃこっちから出かけていくよ。8時に品川プリンスのロビーで…大丈夫、もうピンピンしてるから、こんなところで寝てる気分じゃないんだ」
 米森は携帯を置くと、看護師に気づかれないようすばやく私服に着替えた。真弓に連絡しようかとも思ったが、面会のあと再度、関西へ行くと聞いていたのであえて黙っていることにした。
思考力は幾分ぼんやりとしていたが、真弓たちががんばってるのにこんなところでじっと寝てなんかいられないという使命感で身体がストレス無く動くのが自分でも信じられなかった。
 
   米森は人目につかないように通用口から抜け出すと、流しのタクシーを呼び止め横須賀駅に向かった。
 夕暮れ時の駅周辺は退社する会社員と学生たちが重なり合い、いつもと変わらない騒然とした日常が繰り広げられている。
午後8時より幾分早くホテルのロビーに入ったが、浅黄はすでに到着していた。
「お体が十分回復していらしゃらないのに病院までお電話して本当にごめんなさい」
浅黄は深々と頭を下げた。
 13年の時の流れは、当たり前ではあるがまだあどけなかった女子高生を魅力的な大人の女性に変貌させている。
「真弓さんはおげんきですか」
「う うん…」 
米森は言葉につまった。浅黄に合うのは真弓との結婚式以来、離婚したことは浅黄には伝えていなかった。
「今、悟君たちと奈良へ行ってて、淺黄さんに会えないことを残念がっていたよ」
とっさに取り繕った自分に少し嫌悪感を覚える。
「早速ですが…」
淺黄は、ラウンジのソファーに座るまもなく、不思議な物語を話し始めた。
「私はいまニュージーランドのロトルアにある国立民俗学研究所で仕事をしています。真弓さんがギャオスの謎を追っているの同じく、私はガメラの事が少しでも知りたくて、メラネシアの島々に伝わるマナの伝承を研究しています。日本には琉球語のセヂ、マブイをマナとする説があります。いろいろ調べていくうちに太陽からのマナであるフツノミタマを受けてヒヒイロカネをはらむ大地を崇める信仰、そしてその儀礼を司る卜部氏の伝承にたどりつきました」
 
  昔、南太平洋に浮かぶ大きな大陸に4柱の荒ぶる戦神がいた。戦神は兄弟でありながら眷属を従え絶えず争いに明け暮れていた。そのためかつて栄えた大陸には見渡すかぎり骸の山と草ひとつ生えない荒涼とした大地が広がっていた。創造神は怒り、大陸を4つに割り戦神をそれぞれを交わることのない天の果て、水の果て、砂の果て、時の果てに幽閉し、二度とこの世に現れないよう4つの霊珠で封印した。この霊珠が一つになると4つの大地が再び一つとなり、戦神が復活し、また果てしない戦いが始まりがすべての命が滅びへ向かう…
 
  米森と淺黄はしばらく沈黙していた。
 自分が上陸したあの邪悪に満ちた岩塊は封印された大陸の一部だったのでは、何者かの意思で浮遊する大陸…
以前、千里から聞いた守部文書に記された奇怪な天磐舟伝説のことを思い出した。
 
  始神元無極體主(モトフミクライヌシ)が宇宙を、ニ代神は銀河系、三代神は天地、四代神以降が太陽系惑星、地球の軌道を創造した。
 七代神の皇子天之御中主(アメノミナカヌシ)は、天磐舟(アメノイワフネ)に乗り、天元根国(アメノモトネノクニ)天越根国(アメノコシネノクニ)に天孫として降臨し、初代天職(アメノマツリ)天皇となる。 以後、天職天皇は25代続き、世界各地に皇子や皇女が王として君臨することとなる。
 ミヨイ、タミアラという2つの大陸も王のもとで栄えていたが、のちに天変地異により海中に没してしまう。大陸の民は天磐舟で脱出し日本へ渡来した。
  始神を祭った宮は、何万年たっても風化しない謎の金属日緋色金(ヒヒイロカネ)におおわれ、美しく光り輝いていたという……
 
 地球人の祖先は天磐舟に乗って宇宙からやってきた…本来あるべき自分たちの世界から追放された異世界の種族だったのかもしれない。 メビウスの輪のような終わりのない妄想が頭の中を飛び交う。
 火山性ガスの毒素の影響でいまだ混乱が解けない思考の中ではどうにも整理が付かない。
 「そうだ 淺黄さん、急な話で申し訳ないがぼくといっしょに京都の京南大学へ付き合ってくれないか」
 淺黄は、不意に立ち上がった米森の行動に少し驚いた表情を見せたが、
 「分かりました。ご一緒します」
淺黄には米森が大切ななにかを思い出したことが感覚的に理解できた。
 二人はホテルのエントランスで客待ちしているタクシーに足早に乗り込む。外はすっかり夜のとばりに包まれ、冷たい雨が降り始めていた。
 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
いやあ〜忘れた頃にやってくる妄想中二病小説です〜
どうも書き進むうちに時系列がおかしくなって先へ行ったり、戻ったり…ダハハ
つじつまが合わなくなったところも多々あり、その度過去に戻って修正してますので、変に感じたところは前振りのところを思い出して読み返してくださいまし〜
 
とうとう竹内文献の一説までいただいてしまいました。フロシキ広げすぎて収拾がつきませぬ〜そろそろクライマックスに近づかなくてはいけないんですがまだまだ先みたいです。ではでは、つまらんなんておっしゃらずこれからもお付き合いのほどよろしくお願いいたしま〜す

  • 待ってましたよ。
    どんどん続けてくださいね。
    楽しみにしてます。

    [ ebi*4*super ]

    2014/6/24(火) 午後 9:56

    返信する
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    ご期待にそえるようがんばりマッス(^^v

    フクロムシ

    2014/6/24(火) 午後 10:59

    返信する

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