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フクロムシ&コブクロムシ怪獣なんでも研究所
地震、噴火、核ミサイル いつ現れるのか プルガサリ…

書庫『ガメラ4』妄想の小部屋

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Capter51 『脱 出!』
  貴幸は、白霊珠をかかえ、生存本能のみで行動する野獣のように、ただがむしゃらに逃走を試みる。しかし体長がゆうに60mを超える巨獣の足下から無事逃れるのはほとんど奇蹟に近いことかもしれないという恐怖感が全身を硬直させ思うように身体が動かない。ジャイガーは明らかに白霊珠を奪還すべく、貴幸を追おうとするが、イリスの触手に捉えられ意思とは逆にジリジリと後方へ引き離されていく。

 怒りが頂点に達したジャイガーは肩口に突き刺さったテンタクランサーに食らいつくと鋭い牙に渾身の力を込めて粉々にかみ砕いた。粉砕された触手の先端から噴水のように血液が飛び散る。白い魔獣は一瞬ひるんだ邪神に体当たり、仰向けに倒れたところに覆い被さると左腕のツメでのど元を深く抉った。鮮血があたりを赤く染める。イリスは体制を立て直すと右腕のスピアで覆い被さるジャイガー腹部を貫く。ジャイガーは苦悶の叫び声を上げるとイリスともども岸壁から大井側の海中に崩れ落ちた。

 貴幸は、背後で2頭の巨獣の壮絶な闘争を肌で感じながら、粘液が足下に絡みつく瓦礫の狭間をただひたすら生き延びるため走り続けた。
 しばらく進むと前方に無残な鉄塊と化したリガートが横たわっていた。瓦礫を伝ってハッチのねじ曲がったコクピットへ這い上がり、すぐさま無線機のスイッチを入れる。モニターにかすかなオレンジ色のLEDが点灯した。
「こちら00-07…白霊珠を確保、ただ本機は損傷おびただしく再起動不可能。これより自力で脱出を試みる。千里聞こえるか!まだなんとか生きてるぞ!」
 そのときレシーバーに一番聞きたかった声が飛び込んできた。
「あなた大丈夫!まだ死んだらダメだから!櫛田君にあやまらなくちゃいけないでしょ。梓にもいままでのこと許してもらわないと、これから拾いに行くから待ってて!」
「先輩!いっぱつ借りを返すまで死なないでくださいよ!」

 貴幸にとってその声はなによりのカンフル剤になった。白霊珠を入れた装備袋を肩にかけ、大きく息を整えると歪んだハッチから再び戦場へと脚を踏み下ろした。
「とにかく、ここから一刻も早く離れなければ…」
 ジャイガーの粘液の中へ再び脚を下ろしたとき、リガートの脱落したミサイルポッドと倒壊した倉庫の隙間に倒れて動かない人影が眼に入った。注意深く近づくとそこには見慣れた黒ずくめの女性が横たわっていた。
「井氷鹿、君の守護獣は君を守ってくれなかったようだな」
 井氷鹿は薄く眼を開け、貴幸と視線が合ったがそのまま、無言で再び眼を閉じた。
  貴幸は、井氷鹿の右腕を肩に回すと引きずるように歩き始めた。

  やがて、ジャイガーの粘液溜まりに代わってギャオスの腐臭の立ちこめる南東側の岸壁の突端にたどり着いた。貴幸はその強靱な体力をほとんど消耗し、肩で息をしながら荒れ果てた道路に膝をつき、2頭の闘争の続く大井ふ頭方向へ視線を向けた。
 2頭の咆吼と地面から鈍い振動は伝わるが、立ちこめた黒い粉塵で巨獣の姿を確認することはできない。
「そろそろゲームオーバーにしないか。このままじゃなにもかもなくなっちまう」
  貴幸の言葉に反応することなく井氷鹿は黙って、崩れたコンクリートの擁壁にもたれかかっていた。
  貴幸は、大きくため息を吐くと、井氷鹿のバックから朱霊珠を取り出すと渦巻く黒煙の濃淡でマダラ状になった灰色の上空を見上げた。

 そのとき南西の方向から聞き覚えのある爆音が近づいてくる。舞い上がる粉塵の中から現れたのは、迷彩色に塗装された陸自のオスプレイ、千里の搭乗した櫛田のシーガルツーだった。
  見るも無惨な状態で飛行できるのが不思議なほど機体にダメージを受けたオスプレイは岸壁の突端に開けた狭いスペースに左右にローリングしながら乱暴に着陸した。
 走ってくる千里たちに貴幸はふたつの霊珠の入った薄汚れた装備袋を差し出す。
 「これで、神の遊戯は終わりにしよう」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

千里たちのもとへついに四魂霊珠が集結
はたして大いなる謎は解けるのか
そして捕らえられた井氷鹿の運命は
ガメラよイリスよ立ち上がれ

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Chapter50 『蘇りし白き獣神』
 悪魔の笛の音と超塩基物質の攻撃にさらされ、瀕死の状態で横たわるジャイガー…。
 貴幸はその約200m前方にリガードを着地させた。コクピットを開き、タラップを踏みしめジャイガーが吐しゃした粘液溜まりへ注意深く脚を下ろす。本来なら強酸性の体液でたちどころに溶解されてしまうところだが、超塩基に中和されドロドロとしたゲル状の薄黄色い液体に変質している。

 貴幸は膝下まで浸かり、纏わりつく粘液をかき分けながらジャイガーの方向へゆっくりと歩いていった。あたりには鼻を突く不快な臭気が充満している。リガートのスピーカーから放たれている大音量の悪魔の笛の音が、追い打ちをかけるようにじわじわと精神を圧迫する。ジャイガーの四肢が小刻みに痙攣し、その振動が体液を介して膝元から伝わってくるのが判る。

 全身の感覚を研ぎ澄まし慎重に状況を見極めながら、瀕死の野獣に近づいていく。やがてジャイガーの頭部が小山のように思えるほどの至近距離にたどり着いた。
「たしかこのあたりだったが…あれは決して錯覚なんかじゃない」
   貴幸は、自分に言い聞かせながらあたりを注意深く探る。反面、なぜか動物の本能にも似た不確かな自信があった。

   午前8:20…時間的にはすっかり夜が明けていたが、火災による黒煙と強風で舞い上がる砂塵で、太陽光は遮断されまるで夕暮れのようにあたりは薄暗い。
   一心不乱に、周りを探る貴幸の眼にコンクリートの瓦礫の隙間から、白い小さな物体の鈍い光が飛び込んできた。
「あった!あれだ」
  貴幸は、悪臭を放つ体液の沼をかき分け、隙間に近づくと溜まった粘い液体を気にすることもなく、手を浸し白い珠を拾い上げた。ニネヴェの遺跡のとき以来、井氷鹿の謀略で一度はジャイガーに略奪された白霊珠を再び奪還することができた。
「こちら00-07、白霊珠を回収した。ただちに帰投する」 
  独り言のようにトランシーバーに告げ、振り返りジャイガーの頭部を一瞥すると、リガートの方向に足早にとって返した。 

   リガートまであと100m…そのとき背後の黒煙の中から突然対戦車ロケット弾が放たれ、貴幸の直上をリガートに向かって一直線に飛び去る。
  貴幸は悪魔の笛の音色に遮られ、背後にヘリが近寄っていることを不覚にも気づかなかった。
「井氷鹿…!」
  貴幸の悲痛な叫びをかき消すように、ロケット弾はリガートのスピーカー付近に命中、リガートは衝撃で横倒しとなり、悪魔の笛の重低音がプッツリと途絶えた。

  貴幸は爆風で後方へ吹き飛ばされ、コンクリート塊で右肩を強打しその場に倒れ込んだ。崩壊した高速道路の狭い平地に着陸したヘリから、黒いコートを着た女と同じく黒いスーツの屈強な男がゆっくりと近づいてきた。目深にかぶった帽子の影にうっすらと笑みを浮かべた女の表情が、倒れた貴幸の目におぼろげに映った。

「それはもともと私があなたに命令して手に入れようとしたもの。だから返してもらうわね。あなたの役目は終わったのよ。悪く思わないで」
 黒いスーツの男が貴幸から白霊珠を奪おうとする。貴幸は横たわったまま白霊珠を体液の中へ放り投げた。男は無言で貴幸の頭に拳銃を突きつける。
  貴幸は、覚悟を決めて充血した眼で男をにらみつけた。

   そのとき、轟音と共に瓦礫の一部が大きく崩落する。振り返ると大地を切り裂くような咆吼とともに砂塵の中から巨獣の頭がゆっくりと立ち上がるのが見えた。
 拘束していた悪魔の笛から開放され、旺盛な復元力でネクローシスを起こした細胞も急激に再生している。恐るべきジャイガーの生命力に貴幸は震撼した。

 ジャイガーは目の前にある黒いヘリを左前脚ではじき飛ばす。ヘリは貴幸のすぐ上空をかすめ横たわったリガートに激突し爆発炎上した。貴幸は、瓦礫の隙間に身を伏せたが、発生した熱風に視界を奪われ、井氷鹿と黒いスーツの男の姿を見失った。振り返るとジャイガーの雪山のような白い巨体が目前に覆いかぶさってくる。
「千里!梓!」
万事休す!貴幸は白霊珠を抱え込むと心の中で妻と娘の名を叫んだ。

 そのとき、鈍く肉を切り裂くような生々しい音がしたかと思うと、鋭い先端を持った複数の赤い触手が、ジャイガーの太い首に巻きつき、あるいは翼の付け根部分を深くえぐった。あたりにまたしても黄色い体液が大量に飛び散る。ジャイガーは苦悶の表情を浮かべ大きく咆哮した。
  まったく視界のきかない黒煙と砂塵が渦巻くジャイガーの背後から、異形の朱い怪鳥のシルエットがまるでわき上がる積乱雲のように不気味に浮かび上がった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

恐るべき生命力で復活したジャイガー
イリスははたして人類の敵か味方か
大海原に消えたシアンキングとガメラの運命は
はたして四大怪獣の死闘の結末やいかに
風雲急を告げる怒濤の展開に乞うご期待

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Chapter49 『緋巫女』
   まさかそんな古の女王の名を聞くことになろうとは…米森は辰興の言葉がすぐに理解できず、呆然と淺黄の方向に振り向いた。淺黄はだまって辰興の顔を見つめている。 

   そのとき、古びた木製のドアがきしんだ音を立てて大きく開いた。入ってきたのは、全身が泥に汚れ顔半分が醜く崩れた女…手には赤い石の球体をかかえている。
「井氷鹿!なぜ帰ってきた。朱霊珠は無事か!」
いままで物静かに語っていた辰興が突然声を荒げた。
  先ほどとはうって変わって、表情は明らかに怒りに震えているのが見て取れる。
  井氷鹿は焦燥感と疲労感に包まれ肩で大きく息をしている。立っているのがやっとのような状態に見えたが辰興は、手を差し伸べることもなく、射るような視線でただじっと回答を待っているだけだった。

「劉朱鶏の大いなる御心はまたしても私を拒み出石の意思に従いました。でもご安心ください。私が朱霊珠を持っている限り出石が劉朱鶏になることはできない。そのときこそ私が…」
「たわけたことを、もう劉朱鶏におまえを受け入れる意思はない。しかし安心しろ。出石の魂がやがて綾奈に取って代わり劉朱鶏と一体となる。そうなれば劉朱鶏は本来の姿を取り戻し、蒼龍王とともにこの汚れた人間の世界を浄化する。おまえはただ出石が我々のもとに帰ってくるのを待っておればよいのだ」

「綾奈さんの意思は絶対に負けない。出石の思いもまた綾奈さんと同じ、あなたたちの望む世界には決してならないわ」
ずっと沈黙を守っていた淺黄が静かに口を開いた。
「私はガメラと心が通ったとき私の中にもう一人の私がいるのを感じた。でも今はなにも感じない。でも私の心の奥深くに眠っているのであればその人の力を借りてでもあなたたちの計画を阻止するわ。この世界は私たちみんなのものだからあなたたちの自由にはさせない。ガメラはあなたたちを許さない!」

「ほう…君にもうそんな力が宿っているとは思えないが…緋巫女は君の中ですでに永遠の眠りについているのかも知れない。おそらく二度と覚醒することはないだろう。仙台で勾玉が自壊したときに君の中の緋巫女は消滅したのだよ。あの勾玉は緋巫女とガメラを結ぶゆいいつのツールだったのだからね」
「緋巫女は裏切り者だ。我々を欺き、我々が創造した人間を先導し、多くの魂を幽世へ追放した。そして残った者は異端者として迫害した。おまえが現世のゆいいつの支配者として君臨しようとした罪は深い。なのにこともあろうか娘の出石が緋巫女に荷担するとは以外だった。しかしそれももうたいした障害ではない。再び現世と幽世を繋ぐ天磐門が開く時が来た。我々は神として再び現世に降臨する」
辰興は両腕を大きく拡げ狂気のごとく笑った。

 淺黄はすうっと魂が抜けたように立ち上がると、突然信じられないような素早さで脇にいた黒づくめの大男を突き飛ばす。米森もその瞬間倒れた男の持っていた拳銃を奪い取った。
 淺黄はすぐさまドアから駆け出す。米森も後に続く。ふたりは地下室に向かうと無我夢中であの謎の球体の渦の中に飛び込んだ。

 部屋の中では、辰興がふたりを追うこともなくかすかに微笑みを浮かべている。
 そして井氷鹿の状態など気にする様子もなく冷徹に命令した。
「まあいい。すべては計画どおり…おまえはすぐにふたりのあとを追え。そしてやつらの持つ三つの霊珠を奪ってこいそれが天磐門を開く鍵だ。私はルルイエへ向かう」

  どれほど時間が経過したのだろう。米森と浅黄は気がつくと冷たい地下室の床におり重なるように倒れていた。頭上では、例の球体が青白く光りながら不気味に蠢いている。
   米森は淺黄を支えると地下室の階段をよろよろと上っていった。はたして今がいつの時間なのか想像もできないが、少なくともさっきまでいた1945年ではないようだ。周辺の様相から最初侵入したときの廃墟のように思える。散乱した家具や調度品の残骸をよけながら、テラスから庭に出る。東の空はうっすらと白みかけていた。西の天上ではベテルギウスが不穏な緋色の光を放っている。
そのときかすかな振動と低い爆発音とともに北東の空が赤く染まるのが見えた。
「いこう!早く行かないと手遅れになる!」
米森は淺黄の手を取ると、足早に辰興の洋館から脱出した。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
どうもボキャブラリーがプアーでうまく表現できなくて
なんかいまいちおぼつかない展開ですが
大体こんな感じで次のステップへwww
次はまたまた大怪獣首都圏大乱闘 
乞うご期待

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Chapter48 『1945』
「あんたらはいったい何者なんだ。あんな化物たちを東京に呼び寄せていったいなにを企んでいる。俺にも判るように説明しろ!」
 米森は苦々しい表情で言葉を吐き捨てた。辰興は米森の問いには無言で、部屋の隅々にある蝋燭に火をともすと、先に座っていた木製の椅子にゆっくりと腰をおろした。

「君たちは…いや少なくとも高来准教授は我々の存在についてうすうす察しがついていることだろう。君も高来さんから話を聞いているのではないのかね」
「あんたたちがシッポのある妖怪の末裔だと言っていたが、そんな話は信じられない」
「そうか…それは心外だが当たらずとも遠からずといったところかな。確かに尾の生えた有尾人ではないが、遠い昔土蜘蛛と呼ばれた異端者であったことは間違いない。それに末裔ではなく私自信がその時代に存在していたんだ。いや今でも存在しているというべきか。我々にとって時間というものは対して価値を持たない。完全にコントロールできるものだからね。その気になれば君たちの世界のどの時間にも存在することができるのだよ。さっきも言ったが時間という概念は、君たちの世界を形作っている重要な要素かもしれないが、我々にとってはほとんど意味を持たないものだよ」
   辰興はグラスにワインを注ぐとまたおもむろに立ち上がった。ゆらゆらと揺れる蝋燭の炎に無表情な横顔が照らされている。

「そもそも我々にとって時の流れは君たちの世界のように不変的なものではない。我々の世界と君たちの世界の時間という概念はまったく違うものだと言っても過言ではないだろう。古来より君たちの先人が我々に畏怖の眼を向け排除したがるのは、我々の存在自体が理解できず恐れているからじゃないかね」
「なんのことを言ってるのか分からない!だいいちあなたが朝倉辰興だという証拠なんてないじゃないか。時間を自由に行き来できるなんて話僕には誇大妄想としか思えない」 
  米森は辰興に強く反論した。淺黄はただ黙ってふたりの会話を聞いている。

「今日がいつだか分かるかね米森くん、想像もできないだろうが1945年1月1日…実に象徴的な年の幕開けだろう。この夏、君たちの国はかつて経験したこと無い大量殺戮の洗礼を受け、屈辱的な敗北を迎える。私は自由に君たちの歴史を改ざんすることができるが、そんなことをしても対して意味を持たない。君たちがここに来る前の時間にすべてが終わってしまうからね」
「それより、君たちはこれから私の起こす行動に興味があるんじゃないのかね。夜が明けると私は佐世保へ出立する。私が南太平洋の海底でいったいなにをするのか。そうしてどうやって日本へ帰ってくるのか興味はつきないだろう…まあ帰ってきた方法についてはすでに君たちも体験ずみだが」
 すでにあたりは漆黒の闇に包まれている。昭和20年の冬の闇は、自分たちの時間のそれより濃厚で、全身にまとわりついてくるように感じた。

「カール・フォン・ヴァイストールについてはもうよくご存じだろう。彼は…いや私はアーネンエルベを使って長年世界中至る所に伝わる神話・伝承を研究し、ようやく探し求めていたもののありかを見つけることができた。そしてこれからそれを、南太平洋の海底深くに隠されている客人を招き入れる鍵を受け取りに行く。我々と君たちの境界を取り払い世界をひとつにするために…そのためのゲートを開ける鍵だ。これも高来さんから聞いていたんじゃないのかね。そもそもいま君たちを脅かしている四柱の戦神はゲートの番人だ。そして世界をリセットする者…しかし君たちがマナと呼ぶ者が我々を裏切り1体だけその使命を書き換えた。それが黒龍亀駕瞑羅、そしてあろうことかゲートを開く鍵を我々から遠ざけるため深い海に沈めたんだよ。君たちの始祖が乗ってきた舟とともに…」
   達興の言葉は、米森にはにわかに理解できない古のお伽話のように思えた。

「君たちの始祖というのはちょっとニュアンスが違うかもしれないね。君たちの始祖が我々だといった方が正しいかもしれない。そもそも君たちを創造したのが我々なのだよ。我々が君たちが神あるいは魂と呼ぶ者そのものなんだ。君たちは我々が創造した器にすぎない。しかしその器が事もあろうか自我を持ち反乱を企て創造主を幽界へ追放した…愚かなことに使役するために造られた者たちに裏切られたのだよ。かろうじて現世に残った少数の者は異端者として迫害され、闇に紛れて細々と生きてきた。しかし長い年月を経て再び我が同胞が現世に復活する時がきたのだ。そのためには世界中に増殖した君たち人類を駆除する必要がある。器は必要数以上は不要だからね。そのためにギャオスが覚醒したのだよ。しかしまたしても黒龍亀を使って我々の計画を邪魔するものが現れた。それが君だ草薙淺黄君、いやマナと呼んだほうがいいかな。それともヒミコといったほうが正しいか…」
蝋燭の炎が風もないのに大きく揺らいだ……

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

またまたひらめいてちょっと設定を変えました
そのため以前の文章もつじつまがあうよういじってあります
少々理屈っぽくなっちゃいますけど
あともう少し辰興氏に説明してもらおうと思いマッス

闘いの結末も気になるところではありますが
今しばらくお付き合いくださいませ〜

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Chapter47 『夕闇のせまる縁にて』
  遠くで古いアナログレコードの奏でるパッヘルベルの四重奏が流れている。
  かすかな陽の光の中に横たわっているのが、肌の感触から理解できた。
  米森はゆっくりと目を開いた。どうやら洋室のソファーで気を失っていたらしい。自分がどういう状況だったのかすぐには理解できない。
  半円形に張り出したテラスの窓ガラスを通して弱々しいオレンジ色の夕日の光が差し込んでいる。米森はゆっくりと身体を起こした。この部屋はどこかで見た記憶があるのだが思い出せない。頭がズキズキと痛む。

「気がついたかね。米森君」
 ふいに背後から声をかけられ、米森は反射的にソファーから立ち上がり声のする方向に身体を向け身構えた。そこには長身の初老の男が、木製のチェアにすわってじっと米森を見つめている。
  物静かなたたずまいだったが、眼光は射るように鋭い。陽の届かぬ部屋の奥でよく見えないが、どこか日本人離れした異国の雰囲気を持った人物だった。

  その男はゆっくりと立ち上がり、脇にあったグラスに水を注ぐと米森に差し出した。
「よくここが分かったね。まあいつかはたどりつくと予想はしていたんだが…」
「淺黄は…淺黄さんをどこへやった」
 米森は声を荒げて問い詰める。
「大丈夫だ。隣の部屋で休んでる。もうすぐ気がつくと思うよ」
 男は、もう一度手に持ったグラスを米森に差し出した。
  米森に受け取る意思がないことをさとると、静かにデスクの上に置いた。
「なにから聞きたいのかね。質問はたくさんありそうだ」
 男は年代物と思われるワインを別のグラスに注ぐ。

「私は朝倉辰興、もうよくご存じでしょう。そしてもう一つの名はカール・フォン・ヴァイストール…これもだいたい察しが付いていたのでは?」
 男は軽く笑みをうかべ、米森にさほど注意をはらうこともなく、夕日の差し込むテラスの方向へゆっくりと進みながら、手に持ったワイングラスを唇にはこんだ。

「そして大昔、君たちの始祖が私に付けた名前は、天叢雲…」
「えっ!それじゃ井氷鹿の…」 
米森は軽いめまいを覚えソファに座り込んだ。
「そう、そして出石の父親…でも君たちの古い記録に書かれているような妖怪のような存在じゃないよ。君たちを創造した者…言うなれば神といったところかな」
 男は再びワイングラスを口にすると、じっと夕日を眺めながら静かに語った。
 顔面は夕日に照らされ、炎に包まれたようなオレンジ色に染まっている。
 
  そのとき、部屋の隅にあるドアが開き、淺黄が黒いスーツの男に支えられて入ってきた。「淺黄さん大丈夫か!」
  米森は男の手を振り払うと淺黄をソファに座らせる。
 「ちょっとフラフラするけど大丈夫…それよりここはどこ…」
  米森と淺黄は改めてあたりの様子をうかがう。

 広い洋室で半円形に張り出したテラス、部屋の中にはクラシックな調度品が配置され、壁いっぱいの書棚にはおびただしい数の洋書が規則正しく並んでいる。
  2人の座った中央の大きなソファも年代を感じさせるもので、部屋の隅に置かれた木製デスクの上には、筆記用具と書類がきちんと整理されていた。
  2人は、デジャヴ感というか、うまく表現できない奇妙な感覚を覚えた。たしかにここには来たことがある。いやついさっきこの部屋に立っていた気がする。

「そう、お察しのとおりここはさっき君たちが入ってきた部屋だよ。時間は少し違うがね。まあそんなことはたいした問題じゃない。ようこそ私の世界へ。歓迎するよ」
  男は、冷たいほほえみを浮かべてゆっくりと振り返った。
「私は時間と空間を自由に行き来する術を持っている。おっと君たちももう体験済みだね。もちろんこの姿も本当の私の姿じゃない。朝倉辰興という洋服を着ているようなものだ。ヴァイストールにしても同じ…本当の私はこことはまったく違う世界にいる。でも君たちの行動はすべて把握していた。高来准教授たちの行動もね」

  辰興はワイングラスをデスクの上に置いた。
「君たちの持ってる時間など実にはかないものだ。我々は人類の誕生するずっと以前からこの世界に住んでいたんだよ。君たち人類が反乱を起こすまでは実に平和な世界だったんだ」
  まるで独り言のように辰興は淡々と無表情で語っている。部屋の中のすべてが寒々とした夕闇に飲み込まれつつあった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

怪獣たちの闘いとは少しの間離れて
米森と浅黄のところへお話を戻します
ほんと思いつきで書いてるものでお話の順番が支離滅裂ですねェ〜
しばし静のエピソードでお口直し…デヘヘ

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