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Capter37『リガート戦隊の栄光』
ジャイガーはリガート04号機に装填した白霊珠の光に誘われるように、新宿御苑を縦断し、国立競技場の一部を破壊した後、外苑東通り沿いに南下を続けている。
リガート4機はホバリングしながら、ジャイガーの四方を囲み、つかず離れず適度な距離を保ちながら刺激することの無いよう注意深く低速で移動している。
どうやら白霊珠の光にはジャイガーに対して一種の沈静効果があるらしい。あの猛り狂っていた凶暴な神獣が破壊衝動もみせず、前方の小さな白い光に魅入られたように導かれていた。
ジャイガーの通過した直下はさすがにかなりなダメージを被ったが、リガートオペレーターの巧みな操縦で被害は最小限にコントロールされていた。進路にあった東京ミッドタウンも幸いなことに破壊を免れた。周辺の民間人も一部の不届きな若者たちをのぞいて、警察と自衛隊の指示に従い比較的混乱もなく危険区域からの待避を続けている。
幸いなことにジャイガーは人間にはまったく興味を示す様子がなかった。
ジャイガーとリガートは午前0時を過ぎるころ、JR田町駅付近を通過し、港区の芝浦ふ頭に到達した。
その頃、またガメラも自衛隊の護衛艦に囲まれた形で東京湾中央を北上していた。未明には中央防波堤埋立地から羽田を結ぶエリアへの上陸が予測された。
偵察ヘリから送られてきた画像を解析すると、ガメラの右肩の甲羅には明らかに仙台でのレギオンとの戦闘でダメージを受けた痕跡が残っており、当該個体はGⅡの公算大であると現地に展開している陸自偵察部隊より中央作戦司令室に報告がはいった。 当初ガメラは一個体であると認識されていたが、南鳥島で発見された無数の遺骸の存在や1995年から99年にかけて出現した3体の形状に著しく差違があったこと、またのちのDNA解析の結果から3体はそれぞれ遺伝子操作されたクローンで別個体であることが明らかになっていた。
防衛省内では、木曽で蒼龍王に倒されたガメラは1995年最初に福岡に出現した個体でGⅠ、現在生存が確認されている2体は'96年札幌のGⅡ、'99年渋谷襲撃のGⅢとそれぞれを識別するための呼称がすでに通達されていた。 防衛省特殊生物戦略研究機構では採取した細胞を培養した結果、進化の度合いから見てGⅠ、GⅡがプロトタイプでありGⅢが完成形であるという結論にいたっていた。
そしていままさにジャイガーと対峙しようとしているのは、かつて足利でレギオンを粉砕したGⅡであった。 ジャイガーはガメラの存在を察知したのか、6枚の翼を展開し大きく咆吼した。
「00:30 目標に飛翔の兆候あり、先制攻撃の許可を求む」 中央作戦司令室にリガート部隊の指揮官櫛田一尉より意見具申がはいる。 「威嚇攻撃を許可する。先見がGⅡ上陸を確認するまで現状に留置せよ」 4機のリガートはバーニアから青白い炎を発しながらジャイガーの左右前方に展開し、D-5誘導弾の照準を目標にロックした。
オペレーターが発射ボタンを押そうとしたその時、突然上空から所属不明の民間ヘリがリガート04号機に近づいてきた。 「攻撃中止!この空域に民間航空機の侵入は許可されていない。危険ですからただちに上空から退去しなさい。繰り返し警告する…」
ヘリからはいっこうに応答もなく、命令に従い飛び去る気配もない。 真っ黒な機体が上空でホバリングしながら04号機の正面に近づいた直後、操縦席後部から発射された対戦車ロケット弾と思われる弾頭が04号機上部で炸裂した。 04号機は衝撃で大きく揺さぶられる。モノアイの上部に装着されていた白霊珠の格納容器が空中に舞い上がる。白煙とともに弧を描きながら落下していく白霊珠は、想像できないほどの俊敏さで跳躍したジャイガーの大きく開かれた真っ赤な口腔の中に消えていった。 黒いヘリはそのまま空域を全速力で離脱していく。その開いた扉から鈍く光る白い仮面を着けた女の姿が視認された。 白霊珠を吸収したジャイガーはいままでの様相とはまったく違い、怒りに充血した眼から狂気の光を放ち口からだらだらと強酸性の唾液をしたたらせながら、前方に立ちはだかるリガートをまるで獲物と見定めるように睨みつけた。
「攻撃開始!」 4機のリガートのミサイルポッドから一斉にD-5誘導弾が発射される。ジャイガーの巨大な体躯の数カ所から、赤黒い強酸性の体液が大量に飛び散る。悲鳴にも雄叫びにも聞こえるジャイガーの咆吼が周辺の空気を著しく振動させる。 全身の筋肉がブルブルと震えると、穿孔した傷口から溶解し半ば液体化した弾頭が地上に落下する。傷口から流れ出す体液もすぐに止まり傷口は瞬く間にふさがった。蒼龍王と同じくすさまじい再生力を持っている。イリスに有効だったD-5誘導弾もジャイガーに致命的なダメージを与えることは不可能に思えた。 「ひるむな!D-5全弾飽和攻撃!」 移動指揮車の全体に櫛田一尉のゲキがとぶ。 ジャイガーの周りを低空で素早く周回しながら、リガートのミサイルポッドが一斉に火を噴く。誘導弾の白煙と105mm連装榴弾砲の弾幕で視界が遮られる。 4機のリガートは誘導弾全弾撃ちつくした。すさまじい爆裂音が芝浦ふ頭に全体に響き渡る。おびただしい砂塵と立ち上る炎と黒煙でジャイガーの姿はまったく視認できない。 赤外線センサーのモニターにジャイガーのシルエットだけが浮かび上がっている。
「全弾命中!目標行動停止。よしとどめを指す」
櫛田一尉の表情が少し緩んだ。榴弾砲で抹殺すべく4機が接近した瞬間、黒煙の中から放たれたジャイガーの毒針が04号機を正確にヒットする。リガートの厚い装甲板を貫いたかと思うと鈍い音とともに強酸性の毒液が飛び散る。04号機の装甲板が醜く歪み溶け落ちた瞬間、燃料タンクが誘爆を起こし木っ端微塵に四散した。 「全機、戦闘区域から離脱させろ!」 しかし時遅く、05号機は太い尾の先端にある鋭いカギ状のツメで貫かれ、06号機と激突2機とも炎に包まれ錐もみ状態で東京湾に墜落する。 07号機はフルスロットルでバーニアを噴射し全速力で上空へ離脱を試みたが、一瞬早く跳躍したジャイガーが右脚に食らいつく。まるでガラス細工のように右脚は砕け引きちぎられた。 07号機だけはからくも戦闘空域から脱出することができたが損傷が著しく、事実上リガート部隊は全滅した。櫛田一尉はただ呆然とモニターを見つめている。固く握りしめた拳が小刻みに震えていた。
ジャイガーが飛び立とうとふたたび翼を展開した直後、海上から2つの巨大な火球がジャイガーをかすめふ頭の施設を粉砕した。周囲は一面烈火に包まれる。不意を突かれたジャイガーは衝撃波にあおられレインボーブリッジ高架橋に激突、苦悶の表情を浮かべ咆吼したがすぐに態勢を立て直した。ジャイガーはアンカーレイジの上に軽々と跳躍し、まるで獲物を狙う猛獣のように東京湾を凝視している。
ジャイガーの視線の先、台場方向の海上に黒く巨大な影が浮かび上がった。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ついに東京決戦第1ラウンド戦闘開始
リガート戦隊は健闘むなしくジャイガーに一蹴されてしまいました
そしてついにお台場で大怪獣決闘の始まりデッス
さてさていかにあいなりますことやら乞うご期待
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『ガメラ4』妄想の小部屋
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Capter36 『剣の行方』
「それは案外単純な理由かもしれないよ」
日高博士は不釣り合いに大きなタンブラーを左手に持って千里の質問にあっさりと答えた。右手はまだ爆破事件のときの負傷が癒えず、肘から手首にかけて巻かれた包帯と吊っている三角巾が痛々しかった。 「今回の超新星爆発で放出されたニュートリノが一番高濃度に降り注いだのがたまたま日本列島だったということじゃないかな。若しくは高濃度になる地理的要因があったのかもしれない。それによって異世界をつなぐワームホールの発生に最も適した条件が日本列島にそろってしまった…。有史以前数千年前からすでにその兆候があったんじゃと思う。人類が誕生して以後の時間など宇宙の時間単位で考えるとほんの一瞬にすぎないからね。なぜ日本ばかりに怪獣が現れるのか…そう考えないと納得できる説明ができない。宇宙規模ですでにプログラムされていた事象じゃろう」
「私は門外漢だが古代ヨーロッパにもインドにも異世界の存在を示唆する伝説や神話のたぐいは星の数ほど伝承されているからね。中国にも新大陸にも…むしろ世界中いたるところに残っている。日本の記紀神話もしかり…それらは今日本列島で起こっている惨事と同様の事象をそれぞれの時代、場所ですでに人類が経験していたことの証じゃないのかね…キリストや釈迦が実在したのなら悪魔や悪鬼、妖怪のたぐいも実在していたと考える方がむしろ自然な発想だろう…ならば、今怪獣たちが次々と日本に出現するのは、9月になると台風が上陸する確立が高くなるのとおそらく同じレベルじゃないだろうか。それによって生じる災害規模は桁外れでありがたくはないが…」 博士は大声で独り言のようにつぶやきながら、再度テーブルに置いたタンブラーを手に取った。中身はどうやらミルクティーらしい。かすかに立ち上る湯気から甘い香りが漂っている。
晩秋の昼下がり、京南大学のキャンパスはあんな大事件があったとはとうてい思えないほどゆったりと時間が流れていた。
千里はいつものように缶珈琲をくるくる回しながら物理学研究室の壁にもたれかかっている。悟もようやく元気を取り戻した様子で2人の会話を興味深そうに聞きいっていた。真弓も教授の推論に耳をかたむけながらタブレットでイリスに関する資料を再チェックしている。 「結局、私もイリスについてなんにも判っていなかったみたい。生物として考えるとガメラが倒した1個体しか存在しないというのはむしろ不自然、社の沢の近くに大規模な営巣地があるということを早く認識するべきだった。そうしたら少なくとも再びイリスが現れることがなかったのに…」
真弓は唇をかみしめた。 「いや、むしろ綾奈さんがコントロールしている以上イリスの存在は私たちにとって力強い助っ人かもしれないわよ。蒼龍王を倒すにはいくら2頭いるとはいえガメラには難しいかも…それにジャイガーの存在も無視できない。さっきの博士の仮説が正しいとすればジャイガーは必ず日本に現れる…」 千里は無意識に回している缶珈琲をいっきに飲み干し、机の上に置かれている小さな木箱に視線を移した。 3日前、正確にはあの事件の日の午後、貴幸が諏訪へ車を走らせていた時間…自衛隊とイリスの攻防戦の終息を待って、千里たちは南飛鳥村の守部家から米森の乗ってきた大学の古びた公用車に便乗して天理市にある石上(いそのかみ)神宮に向かっていた。
避難する人たちの渋滞に巻き込まれながらようやく天理市内に到着したときはすでに日没の時間となっていた。米森と淺黄は3人と別れ急ぎ横浜への帰路につく。ガメラの行方と南鳥島で遭遇した海中宮殿の正体を解明する手がかりをつかむため、米森のいた病院に入院している東都工大の唐澤教授に話を聞くためだ。
あたりが夕闇に包まれる頃、千里たち3人は神宮の大鳥居をくぐり拝殿に向かって杉並木の参道を足早に進んでいた。
「今ぐらいの時間が逢魔が時というんでしょうねェ。この神域の外では、数えきれないくらいの魑魅魍魎が跋扈している気がする…」 千里のなにげないつぶやきを聞いて悟は背筋に寒気を感じ思わずあたりを見回した。 石上神宮の主祭神は布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿る布都御魂大神 (ふつのみたまのおおかみ) 。天羽々斬剣(あめのはばきりのつるぎ)に宿る都斯魂大神 (ふつしみたまのおおかみ) 。そして、天璽十種瑞宝(あまつしるしとくさのみづのたから)に宿る布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)の三神である。
社伝によれば、布都御魂剣は建御雷(たけみかづち)・経津主(ふつぬし)二神による葦原中国平定の際に使われた剣で、神武東征で熊野において神武天皇が危機に陥った時に、高倉下(夢に天照大神、高木神、建御雷神が現れ手に入れた)を通して天皇の元に渡った。その後物部氏の祖宇摩志麻治命(うましまじのみこと)により宮中で祀られていたが、崇神天皇7年、勅命により物部氏の伊香色雄命(いかがしこおのみこと)が現在地に遷し、「石上大神」として祀ったのが石上神宮の創建であると言われている。 素盞嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇を斬った天羽々斬剣が、石上布都魂神社(現・岡山県赤磐市)から当社へ遷されたとも伝えている。この剣は石上布都魂神社では明治以前には布都御魂剣と伝えてられていた。 千里は比較神話学研究のフィールドワークで学生を連れて何度となく石上神宮を訪れていた。持ち前の人なつっこい性格で、宮司や社務所の職員とはかねてより親交があった。とくに物部宮司には古文献の解読や禁足地から出土した遺物の調査について何度となく貴重なレクチャーやアドバイスを受けていた。
「先生こんな遅い時間にどうしはりました」
社務所の奥で職員と雑談していた年配の神職が千里に気づいて声をかけた。 「どうもご無沙汰してます。実は急ぎ宮司様にご教授いただきたいことがございまして夜分遅く失礼とは思いましたがお邪魔いたしました。宮司様はいらっしゃいますでしょうか」 千里は深く丁寧に一礼した。後ろで控えていた真弓も悟も同じように頭を下げた。 「ニュースを見てたぶんいらっしゃると思いましたよ。いまうわさしてたところですわ。さあさあどうぞお上がり下さい」 3人は神職に案内され参集殿の一角にある18畳ほどの正方形の広間に通された。千里はのんびりと構えていたが、真弓と悟は慣れない空間に少し落ち着かないようだ。 ほどなく白装束を着た宮司、物部忠近が広間へ入ってきた。
「先生よくいらっしゃいました。3年ぶりですかな。今回はまた大変なお仕事をされてるようでご苦労様です」 物部宮司は神職らしく長身で穏やかな物腰の人物だった。歳は70歳前後だろうか。 あいさつもそこそこに千里が話を切り出す。
「単刀直入に申し上げます。明治11年菅政友によって禁足地が発掘される以前から、もう一振りの十束の剣が存在したという事実はございませんでしょうか」 物部宮司は唐突な千里の質問に少しも動揺することもなく冷静な口調で千里に問い返した。 「先生、それがこの度の未曾有の禍を納めることのできるゆいいつの手立てになりますかな」 「はい。間違いなく」 千里はなんのためらいもなくはっきりと答える。 宮司はしばらく沈黙したのち 「そうですか……少々お待ち頂けますかな」 ゆっくりと立ち上がると、広間に隣接した暗い渡り廊下の奥へ姿を消した。 3人はただ黙って宮司の帰りを待っていた。古い襖絵がゆらゆらと蝋燭の光に揺れている。 やがてその襖が静かに開くと、20cm四方くらいの正方形の古い木箱を恭しく掲げながら宮司が広間に帰ってきた。
「これは真の天羽々斬剣を復活させる尊いご神体であると伝わっています。天羽々斬剣はスサノオが八岐大蛇の尾を切ったとき天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)に当たって3つに砕けた。そのひとつがこのご神体、剣先は建御名方(たけみなかた)、束は事代主(ことしろぬし)の手に渡ったと古文書に記されていたという報告を耳にした記憶があるが、その古文書はたしかあなたが…」 「そう…南飛鳥村守部家に伝わる通称守部文書。いままでの記紀神話の解釈とずいぶん異なるので、正直発表する自信がなかったのですが、いまでは物証が無くても確信できるようになりました。天羽々斬剣の束部はあの柳星張の社の十束剣ですね」 広間の蝋燭の灯が風もないのに大きく揺らいだ…
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まったく突拍子もない方向に進んでおりますが
中2病オヤジの妄想2次創作ということでご勘弁くださいませ〜
ちょっと謎が解けつつあるでしょ
とにかく掲示されたかずかずの伏線を
なんとかつじつまが合うよう整理して繋げたいと思います〜
メインイベントの怪獣バトルロイヤルはその後に…
もうしばらくお付き合いくださいませ〜
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Capter35 『ミシャクジの神』
社の沢で千里たちと別れた日の正午頃、貴幸は中央道小牧ジャンクション付近を東へひとり車を走らせていた。葛城山中の脱出劇からまったく休息はとっていなかったが強靱に鍛えられた貴幸の肉体にはまったくと言っていいほどダメージはなかった。
レンタカーのナビTVからは、今朝突然葛城山に出現した怪獣と自衛隊との交戦をレポーターが興奮した声で実況している。画面にはイリスとリガートの戦闘がリアルタイムで鮮明に映し出されていた。その映像をチラチラと横目でうかがいながら貴幸はアクセルを踏み続けた。
目的地は長野県諏訪市、貴幸はある重要な約束を綾奈から託されていた。助手席のシートの上に無造作に置かれたバックの中から、50cmほどの古い布製の袋がのぞいている。かなり古いものらしく、色あせてところどころ朽ちてはいるが袋全体に金糸で不思議な文様が刺繍されている。間違いなく社の沢の柳星張の祠から消失した十束の剣だった。
貴幸の脳裏ではイラクからの帰国途中、綾奈から聞いた不思議な運命の話がグルグルと繰り返し再生されていた。
「もうすぐ現世の存亡にかかわるような大きな禍が訪れる。そうなる前に阻止するのがあなたと私に課せられた運命…」 「なぜそれが俺の運命なんだ。おれは祖国を守るために戦う義務はあったが、それ以上でもそれ以下でもない。おれにそんな大それたことができるはずがない」 「それはもう遠い過去のこと、あなたは13年間あなたであってあなたでなかった。あなたの中にもうひとりのあなたがいたのよ。それはあなたとはまったく違うあなた…」 「この世界には私たちの存在する宇宙とまったく別の宇宙が互いに重なり合いながら無数に存在している…そしてその世界にはそれぞれ姿も運命も違うもうひとりの自分がいる」 「南の空に赤い星、天津甕星(あまつみかぼし)が現れるとき永遠に交わることのない異世界を距てる結界が力を失い、それぞれの境界が曖昧となりお互いに干渉し合ってしまう。あなたの世界現世エンと井氷鹿の世界幽世クルは今ひとつに繋がっている」 「13年前、あの事件の後のあなたは井氷鹿の世界のあなた…そうこの世界の高来貴幸は13年間自分の体の中で眠っていたのよ」 「そして私も柳星張の社でもうひとり私と入れ替わった。幽世では私と井氷鹿は母子、私は井氷鹿の娘出石(いずし)…」 表情ひとつ変えず淡々と話している綾奈の横顔を思い出す。貴幸は額から流れ落ちた汗の冷たさまで鮮明に記憶していた。 諏訪市に到着した頃には、あたりはすっかり暗くなっていた。貴幸は周辺を注意深くうかがいながら諏訪大社本宮の裏山にある旧宝殿へ小走りで向かっていった。
諏訪大社の祭神は建御名方神であるが、古くは出雲系の建御名方ではなくミシャクジ神、蛇神ソソウ神、狩猟の神チカト神、石木の神モレヤ神などの諏訪地方の土着の神々であるという説もある。 柳田國男はミシャクジ神は大和民族以前の先住民族の神、大和民族と先住民族を距てる塞の神=境界の神であると考察している。 「やっといらっしゃいましたね」
灯りもなく、真っ暗な旧宝殿の前で、宮司の白装束をまとったひとりの老人が貴幸を待っていた。 「出石の命を受けてやってきました。約束のものをお貸し頂けますでしょうか」 貴幸は深く一礼すると丁寧に老人に問いかける。 老人はかなりな高齢と思われるが長身で矍鑠としたたたずまいであった。白髪が月に光にぼんやりと輝いている。 「あなたがお持ちの証を拝見できますかな」
貴幸は右手に持った古い布袋を差し出した。老人はそれを恭しく受け取ると軽く一礼し無言で社の中へ消えていった。 どのくらい時間が経過したのだろう。ほんの数分が貴幸には永遠の時間に感じた。あせる気持ちを静めるため胸ポケットから取り出したたばこに火をつけてはすぐにもみ消す仕草を何度も繰り返していた。
旧宝殿の中からは聞き取ることのできないようなかすかな声で祝詞のような言葉がもれ聞こえてくる。 やがて木戸が静かに開くと、老人が旧宝殿の中へ貴幸を招き入れた。
「ここは蛇神ソソウ神が奉られた祠、世間一般には建御名方の父、大国主命の祭殿となっておるがの」 うすぐらい蝋燭の光に照らされて異形の影がゆらゆらと揺らめいている。 「これは…蒼龍王…」 かなりシンボル化はされてはいるが、たしかにあの禍々しい邪神の特徴が強調されたような妖気をまとった神像が貴幸を威圧するようにあたりを睥睨している。 八束之岩屋に穿がかれていた無数の石像のレリーフに似ているようにも思えた。
「これがソソウ神じゃ。ミシャクジ様の化身とも眷属ともいわれておる」
「お主にこれをお渡しするよう出石様から仰せつかっていた」 老人は貴幸に十束の剣を返すと、邪神像の前に奉られた著しく錆びて朽ちかけた1mほどの平たく長い棒上の供物を恭しく貴幸に差し出した。 「これはその剣の剣身じゃ。永劫の時を重ねこの地に結界を結び禍津神を封印してきた。しかし天津甕星が現れたいま、その力およばず禍津神が復活した。ふたつに別れた剣が一体とならなければもう現世を守ることができない」 「この錆びた剣がいったいどうすれば一体になるというのですか」 老人はだまってソソウ神像が手に掲げている球状の物体を慎重に手に取った。 それは長い年月で表面が変色しているため最初はなにか判らなかったが、老人に目の前に差し出されると鈍く青く光る珠であることが理解できた。 「蒼霊珠…」 貴幸はうめくようにつぶやいた。 「それはときが来れば判る。それを持って禍津神を封印するのじゃ」 「あなたはいったい…」 「私の名は守矢轍齋、いにしえよりこの社を守ってきた。もうこれで私の役目は終わる。早く行きなされ。すでにときは満ちている。これを託す者はあなたの身近にいる」 貴幸は暗く細い山道を転がるように下ると、路側に無造作に止めてあった車に飛び乗った。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
謎の神ミシャクジさま登場
挿絵の石像がないのでピンチヒッターで『婆羅陀巍山神』に登場してもらいました
蒼龍王に似て無くもないでしょ
ミシャクジ神もソソウ神も実際に諏訪地方に原始宗教として存在した神らしいです
井氷鹿(井加里姫)の娘は葛木出石姫といって
『天孫本紀』という文献に登場するそうです
兵庫県丹後地方の出石に関係あるのかなぁ〜
父は天村雲命、八岐大蛇のシッポから出てきた
天叢雲剣(草薙剣)を人格化した神ですね
なかなか古代の浪漫でしょ〜
あくまで素材ですから設定とかはめっちゃ適当ですけど〜ダハハ
これからしばらくはちょっと時間をさかのぼって
いままでの伏線を少し整理したいと思います
そうしないとどうやってつじつまを合わせるか終わりが見えてきませんから〜
まだまだしばらくは終わりそうにないですね
お付き合いよろしくお願いいたしま〜す
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Capter34 『首都決戦前夜』
同時刻、東京湾三浦半島沖を哨戒していた海上保安庁第3管区所属の巡視船“しきね”より官邸の危機管理センターへ緊急入電がはいった。
「浦賀水道観音崎東端1海里の海中を毎時20ノットで北北東に進行する巨大生物と思われる物体を補足、大きさ・形状から推測してガメラと思われます」 「このまま北上すると20:30頃羽田から浦安を結ぶ海岸線に到達し上陸する可能性大、引き続き追尾します」 「なに!またしてもガメラか!ガメラはいったい何頭いるんだ」
棚橋大臣の罵声がセンター中に響く。 「ガメラは我々の救世主かもしれませんよ。ともかくこれを使ってジャイガーを海岸線に誘導しましょう。お台場付近で一番人口密度の低い場所はどこですか」 千里は閣僚たちに早口で進言した。 「それはいったいなんだね。そんなものであの化け物を誘導できるのか」 棚橋大臣がまたいらだちながら口をはさむ。 「先ほどのザハド教授のメッセージにあった“白き魂”です。ニネヴェの遺跡にジャイガーを封印していたもの…イリスにもガメラにも同じような封印石があります。4体とも同じ共通のファクターを持っているんですよ」 「おそらくジャイガーがこれの存在に気づくとなんらかの反応を示すと思います。なんせ自分を何千年も封印していた憎い代物ですからねェ。これがなければ永遠に自由を得られるわけですから…ひょっとしたらそれとは真逆に強大なパワーを得るかけがえのないツールかもしれない」 「そんな不確かな情報では国民に対して責任が取れないだろう。君は考古学者らしいがもっと説得力のある説明はできないのかね」 棚橋大臣は不機嫌そうに千里をにらみつけた。 「いまはだれひとりとして確信を持っている人物などいないでしょう。でも今この時間、何千何万とういう東京都民が怪物に蹂躙され生命の危険にさらされている。その危機を脱却できる可能性が少しでもあるならば、確信はなくても試みることが我々政府としての責務ではないでしょうか。全責任は私が取る。高来先生お願いします」
山岸総理が千里に歩み寄ると両手で強く千里の手を握りしめた。 その様子を見ると、さすがに棚橋大臣も沈黙するしかなかった。 「方法はお任せします。危険ですができるだけこの珠をジャイガーが視認できる距離まで近づいて下さい。おそらくこの光に誘われて追ってくると思います。ジャイガーは巨体ですがかなり俊敏な動きのできる動物です。どうぞくれぐれも奪われないよう気をつけて下さい。海岸線まで誘導できたらあとはガメラに運命を託すのです。そのときこの白霊珠がどのような現象をもたらすのかまったく判りませんが…」 首相官邸の中庭に大型ヘリの爆音が響く。2機のオスプレイに懸架された陸自迷彩色に塗装されたリガート04号機がゆっくりとヘリポートに着地した。
残り3機は市ヶ谷の統合参謀本部に集結していた。
「特戦研装備班はリガート04号機のモノアイ上部へ誘導体格納用の装備を増設すること。20分で作業を完了されたい。現在目標は豊島区目白付近にあってゆっくりした速度で新宿副都心方面に向かって南下中、20:00を持ってリガート部隊は作戦行動に移る。なお本作戦の目的は目標の殲滅ではない。被害を最小に抑えながら、目標を東京湾中央埋立地方面に誘導することにある。04号機は目標正面に配置05,06,07号機は目標の4方向から04号機を援護、やむおえない場合を除き威嚇攻撃以外は極力回避すること。移動指揮車には追って作戦要領を発令する」
「横須賀の第2護衛艦隊は速やかに東京湾羽田沖に展開ガメラを捕捉し、湾岸への上陸を目標誘導完了まで阻止すること。なお上陸地点は東京湾中央防波堤外側埋立地、想定時間は00:00とする。以上」 官邸に集結した首都圏防衛守備隊T.M.E.D.Fおよび横須賀に停泊中の第2護衛艦隊に統合幕僚本部中央作戦司令室より命令が下った。
海自横須賀基地では、オペレーションアポカリプスで壊滅した第1艦隊に代わって佐世保より転属してきた第2護衛艦隊の最新鋭DDH「やくも」「いざなみ」「たかちほ」そして先の作戦でゆいいつ生き残った「ふたかみ」が次々と出航していった。
浦賀水道ではすでに湾内に侵入しているガメラを足止めするため、厚木第3航空隊所属のP3C対戦哨戒機が威嚇攻撃を開始している。 20:00 4機のリガートは一斉に電動モーターを起動させた。あたりに高周波の大気を切り裂くような駆動音が響き渡る。先に市ヶ谷の3機がバーニアを点火し、防衛省上空を北西へ超低空で滑空していった。続いて白霊珠を装備した04号機が首相官邸のヘリポートを飛び立つ。千里と真弓は黙って、官邸上空を飛び去るリガートを見上げていた。
「おそらく蒼龍王も劉朱鶏もきっとここへ姿を現すはずよ。ここが決戦の地、だれももう忘れてしまってるけど、関東平野はかつて日本最大の霊場だったところ…ここがすべての終着点なのかもしれないね」 「神武東征神話について、日本人の始祖が日本列島よりも遥か西の地から出た民族であり、故郷を追われ安住の地を目指して東方へ移動していって日本に到達したことを暗示していると主張する学者もいるわ。守部文書にもそれらしき記述があって正直驚いた」 「イスラエル王国がアッシリアに滅ぼされ、祖国を追われた同国民がどこかに消えたのが西暦紀元前721年。世界史屈指の謎とされるイスラエルの失われた10支族のお話…神武天皇の誕生年は紀元前711年で、イスラエル10支族が失踪したのは紀元前721年とその差は僅か10年…これから推測して神武天皇は失われたイスラエル10支族を意味し、東征神話はイスラエルから日本へ達した彼らの旅路を示すという説もあるわ。レムリアを追放されたマンティコアの王ヤイゲル・セラビムはアッシリアの砂漠へ封印される以前、イスラエルの民を追って日本に襲来し、破壊神として黒霊亀や劉朱鶏、そして蒼龍王と日本全土が焦土とかすまで死闘を繰り広げたのかも…西の魔獣魁白帝として…そしていま、再び日本に現れた」 千里は遠ざかるリガートを見つめながら背負っているデイパックから白布に包まれた小さな正方形の木箱を注意深く取り出した。箱を開けるとその中に入っていたのは長さ15cmほどの錆びて朽ちかけた鉄剣のかけら…千里はもう一度リガートの飛び去った方向を見上げ唇を噛みしめた…
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いよいよ決戦が近づいてきた予感…
でもなにひとつ謎が解明されてないんですよねェ〜
中2病オヤジとしてはなんとか理屈をこねて
少しでもつじつまを合わせたいんですけど〜ダハハ
とにかく首都決戦近し
これでクライマックスになるのかそれともまだまだ続くのか…
書いてる本人にも分からないというカオス状態www
期待しないでご愛読くださいませ〜
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Capter33 『東京カタストロフ』
「な、なんで我が国だけに次々と化け物が集まってくるんだ…」
首相官邸内の危機管理センターへ向かう公用車の中で防衛省の齋藤政務次官は憤懣やりかたない表情で独り言をつぶやいた。 官邸前の六本木通りは報道陣と警備の警官そして避難する群衆で騒然としている。 群衆の波をかき分けながら、公用車がエントランスに到着すると齋藤は小走りに駆け出して官邸の中へ消えていった。 危機管理センターにはすでに山岸総理をはじめ関係各閣僚と政務・事務各次官のほとんどが集合していた。前方の大きなモニターには、未知の強大な白い魔獣が見慣れた池袋駅前のビル街を完膚無きまでに破壊し、市民を次々と蹂躙している惨劇の様子が克明に映し出されてる。それはとても冷静に直視できるような状況ではなかった。
管理センターへ市ヶ谷の防衛省中央作戦司令室より次々と情報がもたらされる。 「池袋東口付近に出現した巨大生物は、先月7日未明イラク北部モスル郊外、ニネヴェ遺跡を破壊し、国連軍一個中隊を壊滅させ消息を絶った古代アッシリア伝説の魔獣ヤイゲル・セラビム、英名ジャイガーと同一の個体と思われる」 「ジャイガーは蒼龍王と同じくワームホールを発現させて移動する能力を備えていると思われ、イラクから亜空間を通じて日本に現れたものと推測される。なおなぜ東京に出現したか意図は不明」 「豊島区、新宿区、文京区、港区に緊急避難命令発令。住民の避難を速やかに完了するよう警視庁、および守備隊は万全を期すること。今は目標を刺激することはできるだけ避け、避難が安全に完了するよう状況を監視せられたい」 「松戸の特戦研にリガートの出動を要請しろ」
棚橋防衛大臣のしゃがれた大声がセンター内に響く。 先のイリスとの戦闘で初運用されたリガートの戦闘効果は幕僚本部でも評価が高かった。 「リガートはイリス迎撃戦で3機が破壊され残り4機となっていますがすべて出動させますか」
「当たり前だ!いま使わずしていつ使うんだ。私は総理から守備隊の指揮権を一任されている」 棚橋防衛大臣は制服組幹部に対して声高に言い放った。 棚橋大臣はもと陸自の制服組出身で現内閣内でも生粋のタカ派として知られていた。 平時であれば国会で問題となりそうな過激な発言であったが、だれもそれを諫める者はなかった。穏健派の山岸総理はただ黙ってモニターを見つめている。 「18:30(ヒトハチサンマル)リガード4機、松戸を発進しました」 「守備隊および陸自第1師団は連携して避難状況を確認ののちリガート到着を待って総攻撃を開始せよ。東京湾方向へ誘導し、住民の生命財産に被害を及ぼさない地域を選択していっきに撃滅を図ることとする」 中央即応群首都守備隊は13年前のガメラ渋谷襲撃の教訓から巨大生物の首都出現を想定し、首都防衛を任務とする内閣直属の部隊として各自衛隊混成で精鋭を招集し編制されていた。最新鋭の10式戦車を始め、陸海空とも最先端の装備を有している。リガートの運用ももちろんその中に含まれていた。
「東京湾へ誘導するには東京の中心部を縦断させなくてはならない。住民を安全に避難させながら、あの怪物を誘導するなんてとうてい無理じゃないのか。ましてや1000万東京都民を短時間で安全に避難させることなんてとうてい不可能だ」 制服組の幹部や閣僚の側近たちは小声でヒソヒソつぶやいていたが、首都守備隊の作戦を傍観するつもりかだれも防衛大臣に直接意見具申する者はなかった。 齋藤はそのつぶやきを後ろに聞いていたが、苦々しく思うだけでどうすることもできなかった。 ジャイガーはまるで獲物を追い求めるように池袋駅前からゆっくりと目白方向へ南下を開始した。サーチライトに照らし出された全身は乳白色に妖しく輝いている。全身が無駄のない筋肉に包まれ、まるでネコ科の猛獣のように動きはしなやかでガメラや蒼龍王のようなは虫類的な行動パターンとは明らかに異なっているように思えた。
猛獣と明らかに異なるのは背中に林立するヤマアラシのような無数の鬣と3対6枚の翼、鼻先にある2本の角、剣牙虎のごとき上顎の牙、眼光は鋭く狂気に満ち、全身には不鮮明な暗赤色のシマ模様が確認できる。背面の鬣の周囲に細かなウロコが密集しているのが見て取れる。尾はサソリのように節くれ立って黒く先端はカギ状の針が鋭く尖っている。 体躯は蒼龍王を凌駕するほど長大で全長は150m体重は1000tはゆうに超えているだろう。ときおり6枚の翼をX型に拡げ突風を巻き起こす。その翼は月光と赤い超新星の光を反射し美しく七色に照り輝いている。イラクの国連軍よりもたらされた情報は的確にジャイガーの特徴を捉えていた。 ジャイガーが首を振るたび、口の左右からぼたぼたと唾液がこぼれ落ちる。するとそれが落下した地面や構造物が異臭を放ち白煙を上げてたちまちのうちに溶解した。ジャイガーの体液は鼻部の角や鬣から発射される毒針と同じく強酸性の液体で組成されているらしい。これではリガートのD-5誘導弾で攻撃を加えると体液が周辺に飛び散り被害がますます拡大する恐れがある。
現地からの報告に中央作戦司令室では攻撃計画の変更を余儀なくされ当惑を隠せなかった。
作戦司令室が対応に苦慮している頃、イラク大使館から首相官邸に一本の電話が入った。モスル大学の考古学者アル・ザハド教授から重要なメッセージが届いているというのだ。ザハド教授はカルデア神話の世界的権威である。
「古代アッシリアの魔導書には、マンティコアの王、ヤイゲル・セラビムは遠き月の沈む果ての天空の城門より追放され、この砂の世界へ幽閉された。ヤイゲル・セラビムは我が身を封印した神を憎む。天空に赤き月が現れるとき白き魂の封印が解かれ古のものたちが復権し神への復讐のため再び現世に降臨する。現世と幽世は一体となり永劫の時を刻む。と記録されています。ニネヴェから奪い去られた白き魂を早くみつけて再びヤイゲルを封印しないとこの世に生ける者すべてが喰いつくされる」 「何のことかさっぱり判らんじゃないか。日本にはこの手の学者はおらんのか」
棚橋大臣は不機嫌そうに顔をしかめると、秘書官に手渡されたペットボトルの水をいっきに飲み干した。 そのときもう一人の秘書官が山岸総理に伝えた。
「官邸に京南大学の高来准教授とミスカトニック大学の長峰研究員がお見えになっているとのことです。なにか重要な情報をお持ちとか…」 「早く入室の許可をお願いします」
斎藤政務次官が総理に小声で進言する。
千里と真弓がエレベーターから慌ただしく走り出てきた。制止しようとするSPを齋藤が一喝した。 千里は大臣たちの前へ進むと無言でショルダーバックから小さな箱を取り出す。蓋を開けるとその中では楕円形の白い珠が規則正しく明滅していた。
「これで、ジャイガーを誘導できるかもしれません」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今回はジャイガーが主役なので、挿絵がわりの画像がありませぬ〜ダハハ
あえてジャイガーをUPするならこんな感じでしょうか
これは、ご存じモンハンに登場する氷牙竜ベリオロスです〜
表情がネコ科の猛獣みたいでしょ
サーベルタイガーのような大きな牙が特徴デッス
でも、ジャイガーのように鼻先に1対のツノがないし、背中にトゲトゲもありません
それにベリオロスは翼竜タイプで前肢が翼になっています
ジャイガーはドラゴンタイプで背中に3対6枚の翼があります イメージ的には熾天使セラフィムやバビロニアの魔神パズズの翼の感じです
フォルムは「緯度0大作戦」のグリホンをもっとかっこよくした感じ…
自分にデッサン力があったら画に描いたり立体物作ってみたいんですけど〜
残念ながらその能力はございませぬ〜ダハハ
よって恐れ入りますが文章で想像してみてくださいね
さてさてジャイガーに蹂躙された東京はどうなってしまうんでしょう〜
風雲急を告げる次回を乞うご期待
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