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コンコン。
「どうぞ」
ノックされたドアを見るジョフレ。誰が入ってくるか見ている。が、
「はっ!失礼致します!」
ドアが開く前の挨拶で誰だか見当がついてしまう。
キィ
ドアが開いて入ってきた人物は予想通り、ケビンだった。
「なにか用か?」
ジョフレはややすればめんどくさそうに話す。
「はっ!ジョフレ将軍にご相談が御座います!」
姿勢正しく、ケビンが話す。
ジョフレも相談と言われ、
「ほう・・・なんだね?」
椅子に座りなおし、本格的に聞く体制になる。
その本格的になったジョフレを見て、ケビンは話す。
「はっ!プレゼントについてであります!」
・・・
「プレゼント?」
「はっ!」
ジョフレの疑問にも力強く返事を返す。
「・・・」
「・・・」
暫し、ジョフレは考え、ケビンに聞く。
「あ〜・・・そのプレゼントとは・・・誰に渡す物かね?」
「はっ!マーシャ殿です!」
気持ちの良い返事である。ケビンには恥ずかしさなどは装備されていないようだ。
ジョフレは椅子から立ち上がり窓を見ながら、
「それは・・・クリスマスプレゼント・・・ということかね?」
「はっ!そうです!」
そう。今日はクリスマス。そのプレゼントの相談にやってきたようだった。
しかし、ジョフレは思う。
『何で当日に相談にくるかな?コイツは・・・』
背中越しにケビンを見ながら、話しだす。
「そうだな・・・マーシャに限らず、女性は貴金属に弱い傾向があるようだな」
「な、なるほど!」
ケビンはすかさずメモを取る。ジョフレはそれを知ってか知らずか、続ける。
「あとは・・・これは私の意見だが・・・例えば、足りない物を補
ってあげる物などはどうかと思うのだが・・・」
「さ、さすが将軍!!」
感服したようにジョフレを見ながら、メモを取る手は止まらない。
貴金属と足りない物
その二つのキーワードに○を大きく書いて囲む。何かを掴んだケビンはメモを素早くしまい、
「それでは、失礼致します!!」
バタン
と、ドアから出て行く。
「あとはだな・・・」
ケビンがいなくなったのにも気付かないまま、ジョフレは独り語っていた・・・
貴金属と足りない物
ケビンはそれを頭に過ぎらせながら、
『ふっ・・・プレゼント!恐るるにたらずだ!!』
わははと突然笑いながら廊下を歩くケビンの姿を見て、近くにいた侍女が泣き出していた・・・
そして、その夜。
「今日はクリスマスなのに、な〜んにもなかったな〜」
マーシャがつまらない顔をしながら自室へと帰っていく。
カチャ
ドアノブまでマーシャの気分を表しているかのように、つまらなそうに開いた気がしてくる。
が、マーシャは次の瞬間、驚きに包まれる。
「え?え?これって・・・」
室内の机の上にリボンでラッピングされた、いわゆるクリスマスプレゼントが置いてあった。
マーシャは驚きながらその箱の前に行くと、更に机の上には手紙が添えられていた。
『まさか・・・まさか!!』
マーシャの心が躍る。もしかして、ケビンからのプレゼントなのか?
急いでその手紙を開封して、目を通す。
手紙には、
『マーシャ殿。メリークリスマス。ささやかではあるが、
私からプレゼントである。喜んでいただければ幸いだ』
「クスッ」
いかにもケビンらしい手紙にマーシャは苦笑してしまう。
そして、いよいよプレゼントの箱を開ける。その中身は、
・・・銀の斧だった・・・
「?」
疑問に思いながら銀の斧を眺めていると箱の中にも、一枚の手紙が。
マーシャは開封して読んでみる。
『マーシャ殿は槍も剣も使える。しかし、更に斧まで使えるようになれば死角のない、最強の天馬騎士になるであろう!!』
ケビンの考えは貴金属の銀と、マーシャが装備の出来ない斧。
その二つを兼ね備えた銀の斧はまさにうってつけだと考えたようだ!!
「こんなもん!いるかぁぁぁぁ!!!!」
銀の斧はマーシャの手から放物線を描いて、クリミアの夜空に舞った・・・
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