川崎エムブレム

心理カウンセラーとカラーセラピストとお好み焼き検定資格を取得しています。

シノンおと〜さん?

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

そして、朝。

ドンドン。
扉を叩く音。そして、声が聞こえる。
「お〜い!子供の親が見つかったぞ〜!!」
その声に反応して、突っ伏したテーブルから顔を上げるシノン。
「うぁ?親〜?」
少し寝ぼけながら、扉まで歩いていく。そこにはケビンに連れられた
ノンの両親らしき2人が立っていた。
「あ〜!!おと〜さ〜ん!!おか〜さ〜ん!!」
シノンの後ろにまで来ていたノンが、その2人に飛びつく。
「探したぞ!ノン!!」
「もう・・・心配させないで・・・」
安心したのだろう。言葉を発してから、その場にへたり込む両親。
シノンはケビンに聞く。
「よく親が見つかったもんだな?」
「今朝早く、詰め所に来られてな。それでここまで来たというわけなのだ」
ケビンの答えを聞いたシノンは再開に浸る親子に声を掛ける。
「ところで・・・なんで俺を親父と間違えたんだ?あと、ティアマトさんをお袋に?」
シノンの当初からの疑問であった事柄を聞く。すると、父親が答えてきた。
「いやぁ・・・この子は”赤い髪の長髪”の方を見かけると何故だか
私達と間違えていなくなってしまうんですよ。」
はて?
シノンは両親の髪を見る。両親の髪は茶色。しかも父親は短い髪である。
「全然違うじゃねぇか・・・!?」
「そうなんですよね。何故だか不思議で不思議で・・・」
父親は頭を掻きながら、あははと笑い飛ばす。

そして、両親とケビンに連れられてノンが砦を離れる時。
「おう。もう間違えんじゃねえぞ!?」
シノンがノンに声を掛ける。と、ノンがシノンの元に駆け寄る。
「ないしょのお話するから、しゃがんで耳かして〜!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねながら、ノンが言う。
「ハァ・・・はいはい」
渋々と言ったカンジでシノンがしゃがむ。その耳元でノンが言う。
「わたし、あかいかみがだいすきだから、おと〜さん、おか〜さん
もあかいかみならいいなぁ、っておもうからときどきまちがえちゃ
うの」
『なんだそりゃ』
心の中で毒付くシノン。ノンは続ける。
「でもね・・・シノンおと〜さんはやさしかったから、たまにあいにきてい〜い?」
シノンはノン以外の誰にも聞こえない声で言う。
「・・・いいぜ・・・」
その返答を聞いて、ノンは声まで笑顔で言う。
「ほんと〜!!ありがと〜!!」
大きな声で返事をしてから・・・

ちゅっ

シノンの頬にキスをして、両親の元に駆け寄る。両親はお辞儀をひとつしてきびすをかえし、歩き出す。
そして暫く歩いてから、ノンがこちらを振り向いて言う。
「ぜったい来るからね〜!!」
シノンは手を軽く振る。
「・・・ケッ・・・やってくれるぜ・・・」
小さな声で嫌味をつぶやいているが、顔は笑っていた。
その顔を見てから、ノンはまた歩き始めた。

ノンが見えなくなるまで手を振っていたシノン。1人つぶやく。
「・・・子供か・・・いいもんかもな・・・」
そして砦に戻ろうとする。が、
「うふふふふ・・・シノン・・・あなたの気持ち・・・うふふふふ・・・」
ヤバめな人がフラフラ砦から歩いてきた。
「ど・・・どうしたんだ?ティアマトさん!?」
ゆっくりと顔を上げてティアマトは告げる。
「・・・あなたの事を考えててね・・・寝ていないだけ・・・」
『考える?俺のこと!?』
シノンには身に覚えがない。何のことだか。そう、酔って言った事など微塵も・・・
「なんのことだ!?」
「うふふふ・・・もう・・・照れちゃって・・・」
ゆっくり近づいてくるティアマト。シノンは何か言い知れない不安と恐怖に苛まれる。
『なんだなんだ!?よくわかんねぇが・・・』
シノンは逃げた。
「・・・もう・・・お待ちになって・・・私のマイハニィイイイ・・・」



はぁはぁはぁ・・・
「ほら、立って!もっと僕を叩いてくれなきゃ!!」
叩きつかれてしゃがみこんでいるミストに更に叩けと催促しているヨファ。






それを同じ部屋で眺め、そして外ではなんかよくわからない追いかけっこを眺めるキルロイが言う。



「今日も平和ですね」

シノンおと〜さん?6

バタン

ティアアマトは部屋に戻ってベッドに倒れこむ。そして、先ほどのシノンの言葉を思い出す。

『あのシノンが酔ってあんなことを言うなんて・・・ということは・・・ええっと・・・』
・・・いろいろ考える・・・

ボン!

頭の中が爆発し、顔が真っ赤になる。(何を考えたのだろう・・・)
『ていうことは・・・シノンは・・・』
そして、また考える。

ボンボン!!

更に爆発する。(だから、何を・・・)
しかし・・・ハッと我に返る。
「いえ!駄目よ!!私にはグレイルが!!!」
想像の中ではグレイルは旦那になっているようだ。(なかなか逞しい想像な・・・)
が、更にハッとする。
『でも、私のグレイル(私の違う)はもうこの世にいないし・・・』
ぽけ〜っと考える。
そして、こんな言葉がつい口から出る。
「・・・もしかして・・・ラストチャンス・・・?」

次はシノンのことを考える。
『まぁ、いい男の部類には入るわね・・・目つきは悪いけど・・・』
更に突っ込んで考える。
『歳もそんなに離れていないし・・・』
結論が出る。


「・・・アリね・・・」


そして、総合的に考える。
『シノンは前から私のことが好きだけど、酔っていないと本音が話
せない・・・ということは私から行くしかないわね・・・』
じゅるりとよだれを拭きながら囁く。

「・・・うふふふふ・・・シノン・・・私色に染めてあげるわ・・・」



その頃。

パンパンパン。

「もっと強く!もっと僕をぶってください!!!」
かなりのディープな扉を開けて、扉の奥に歩み始めた若き弓使いの姿が・・・

シノンおと〜さん?5

ダン!

「・・・ったく。意味がわかんねぇ!!」
アルコールの入っていたジョッキを飲み干し、テーブルに叩きつける。
空になったシノンのジョッキにすばやく酒を注ぐガトリー。
ジョッキが酒で満たされたと同時にまた口に運ぶ。

んぐ、んぐ、んぐ。

ダン!

「大体俺が親父って一体どういうことだ!?」
先ほどと同じように酒を注いでいたガトリーが言う。
「でも、見に覚えがないんっすよね?だったら・・・」
そこまで言っている間に注がれた酒をまた口に運ぶ。

んぐ、んぐ、んぐ。

ダン!

「あるから困ってんじゃねーか!!!」
リプレイのように酒を注ぐガトリーが思う。
『じゃあ、自業自得じゃないっすか・・・?』
注がれた酒を見ながらシノンは言う。
「テメェ・・・自業自得とか思ってんじゃねぇだろうな・・・?」
ビクリとしてガトリーは言う。
「そ、そんなこと思ってないっすよ!!」
そして、注がれた酒を口に運ぶシノン。

1時間ほどしただろうか?ティアマトもシノンとガトリーが酒を呑んでいる部屋に姿を現す。
「ふぅ。あの子、寝たわよ?おと〜さん。」
ニコリとシノンに微笑んで言うティアマト。
シノンはティアマトのほうをゆっくりと振り向く。
「あぁ?誰が親父だぁ??」
「ちょ・・・シノン。あなた顔真っ赤じゃないの!」
シノンの顔は既に真っ赤目はトロンとしている。俗に言う”出来上がって”いた。
ティアマトはガトリーを見て聞く。
「どんだけ呑んだの?」
ガトリーは転がっている酒樽を指差す。
「・・・これ全部、シノンが・・・?
うなずくガトリー。
ティアマトはシノンに言う。
「シノン。あなた呑みすぎよ?」
シノンは答える。
「へっへ〜ん。呑みすぎていませんよ〜」
「・・・駄目だわ・・・」
普段とは全く違うシノンの対応を見て、ティアマトが頭を抱える。
「あの子にこんなシノンの姿見せないだけ、まだましかしら・・・」
と、ガトリーが思い出したように言う。
「そういえば、あのノンちゃん。カワイイっすね。あれは10年後がたのしみっすね・・・」
そう言い、何かを思い浮かべているガトリー。と、
「バカヤロウ!!!」
シノンが大声を出す。
シノンの大声に驚く、ガトリーとティアマト。シノンが続ける。
「まだ確証はねぇがな・・・アイツは俺の娘かも知れねぇんだ!!
そんな娘に、テメェなんか近づけてたまるか!!!」
「・・・」
「・・・」
絶句しているティアマトとガトリー。まだシノンが続ける。
「いや!!!どんな男だろうとアイツに近づけてたまるか!!!
返り討ちにしてくれるわ!!!!」
「・・・」
「・・・」
何故かイスに立ち上がって叫んでいたシノン。ガトリーが言う。
「ティアマトさん・・・シノンさん、大丈夫っすか・・・」
ティアマトは頭を横に振って言う。
「・・・重症ね・・・」
深いため息とともに、再度頭を抱えるティアマト。
それを見たシノンがイスに座ってティアマトに言う。
「どした、どした!?」
「・・・いいから、少し黙ってて・・・」
ウンザリしたカンジでティアマトが言う。それでもシノンは言う。
「なに言ってんだ?イイ女が悩んでるってのに、それをほっておける
男がいると思ってんのか?」
ティアマトはゆっくりシノンを見る。
「・・・え?・・・」
シノンは畳み掛ける。
「アンタはわかっちゃねぇかも知んねーが、町に出ると見ている男共が結構いるんだぜ?」
「・・・」
何故か顔が赤いティアマト。シノンは先ほどよりもトロンとした目で
続けてくる。
「どんな男だって、アンタを狙ってるんだぜ?それは俺だっ・・・」
と、シノンの声が止まる。
不審に思ってティアマトがシノンを見る。と、

「・・・すう・・・すう・・・」

寝息を立てている。
そんなシノンを見て、先ほどまでのシノンの言葉を思い浮かべ・・・

ガタン

突然席を立って、そそくさと部屋を後にするティアマト。
残された眠るシノンとガトリー。考えた答えをガトリーは口に出す。

「どういうことなんすか?意味がわかんないっすねぇ・・・?」




その頃
・・・パン・・・パン・・・パン・・・
パンパンに腫れ上がった頬のヨファが、胸倉を掴んで未だに叩くミストに言う。

「・・はははは・・・殺せ殺せ・・・もっと叩けばいいさ!!!!」

ヨファの”何か”が壊れ始めていた。

シノンおと〜さん?4

バーン
「帰ったぞ!
シノンが砦の扉を蹴り開ける。右にノン、左にヨファを従えて。
「ちょっと!シノンさん!
ヨファが声を上げる。
「あん?なんだよ?
ジロリとヨファを見る。ヨファはシノンの耳元で囁く。
「・・・ノンちゃんもいるんですから、少しは気をつけてくださいよ。
そう言われ、シノンはゆっくりとノンを見やる。ノンは固まっている。
『しまった!いつものクセでやっちまった・・・マズッタか・・・?
そんなことを思っていると、ノンがシノンを見上げて、
「おと〜さん、かっこい〜!!
大声を出して眼を輝かせている・・・
「・・・さすが、シノンさんのお子さ・・・
ヨファのつぶやきを最後まで聞かずにヨファのスネを蹴り上げる・・・

「もう!シノンさん!いつもいつもドアを蹴らないでよ!!
砦の奥から声が聞こえる。と、その声の人物、ミストがやってきた。
ミストは腰に手を当てながら、シノンの目を見て言う。
「またドアが壊れたらどうするのよ!少しは考えて・・・
ミストの声が小さくなってくる。視線の先にはノンがいた。少し思案し、尋ねる。
「どうしたの、この子?
ミストが前かがみになってノンを見る。ぶっきらぼうにシノンが答える。
「さぁな。なんだろな。
「さぁな、ってシノンさんの後ろに隠れてるじゃない。
いつの間にかノンはシノンの右手を強く握りながら、後ろに隠れな
がらミストを見ている。
ミストはニッコリとノンに言う。
「どうしたのかなぁ〜?お姉ちゃんに教えてくれない?
先ほどより強くシノンの右手を握ってノンはゆっくりと口を開く。
「お・・・
「お?
ノンの言う言葉をオウム返しに言うミスト。と、何故か涙を溜めるノン。
「え、え?
戸惑うミスト。すると突然大声が響く。

「うぇぇぇぇぇん!!!このおばちゃん恐いよ〜〜!!!!

「お・・・おばちゃ・・・ん・・・
泣き叫ぶノンの声。ノンの言葉に固まるミスト。残りの2人は、
「くっくっく。
声を押し殺してミストに聞こえないように笑うシノン。
「ミストちゃんがおばちゃん!!あっはっはっは!!
盛大に笑うヨファ。

「何が・・・おかしい・・・の・・・

ヨファの笑い声に反応してミストがヨファを見る。ギクリとして
ゆっくりミストを見るヨファ。

「何が・・・おかしい・・・の・・・

ミストの目を見て後悔をするヨファ。見なければよかったと。ミス
トはゆっくりヨファに近づく。そして、呪いの言葉を吐き出す・・・

「何が・・・おかしい・・・の・・・

「い・・・いや〜〜〜〜〜!!!!!
ヨファが全力で逃げる。
「またんかい、このガキが!!!!!
ミストがミストじゃない言葉を使ってヨファを追いかける。

「なんすか。そうぞうしいっすねぇ。
「ミスト、どうかしたか?
奥からガトリーとボーレがやってきた。
「テメェ等!こっちにくんじゃねぇ!!!!
2人の姿が見えた瞬間にシノンの声が響く。意味がわからない2人。
ガトリーとボーレが目を見合わせる。
「どういうことっすか?シノンさん。
代表でガトリーが聞いてくる。シノンはノンを抱き上げて少し後ろに隠すようにして言う。

「バカがうつるだろうが!!!

「なっ!
ボーレが驚愕の声を上げる。余りにもな言葉である。
ガトリーは、

「うっす。シノンさんがそう言うならわかったっス。
納得して奥に引っ込んでいく・・・
「・・・それでいいのか?ガトリー・・・
ボーレがつぶやく。

「もう!みんなして夜だってのに騒々しいわよ?
ティアマトの声がして奥からやって来た。
シノンを見てから暫し硬直する。何か抱いているからだ。
「・・・シノン・・・その子、どうしたの・・・?
「よくわかんねぇが、迷子を預かることになったみてぇだ。
ティアマトの問いに答えるシノン。あの事は内緒にして。
が、すぐにバレる。
「おと〜さん。さっきのおばちゃんは?
いつの間にやら泣き止み、ミストをきょろきょろと探す。
「お・・・おと〜さん・・・?
ティアマトが固まりながらも復唱する。シノンが頭を掻きながら言う。
「なんかわかんねぇが、このガキの親が俺に似てるらしいからそう言われてんだ。
「本当に??
疑惑の眼差しを向けるティアマト。
「あったりめぇだ!!
シノンは思わず声を荒らげる。
突然の大声にビクッと体を硬直させて顔を埋めるノン。
「ちょっと、何大声だしてんのよ?ビックリしてるじゃないの。
ティアマトはシノンが抱いているノンの頭を撫でながら言う。
「ビックリしたね〜。大丈夫よ〜。
優しく声を掛けられてゆっくりとその声の主を見るノン。
と、ノンは暫くティアマトの顔をジロジロと見る。そして、
「あ〜!!!!
大声を出してティアマトを指差して、





「おか〜さんだ!!!!!!!!







・・・シノンもティアマトもその場で固まる・・・









その頃、お祈りをしているキルロイ。
「今日も一日平和に暮らせて、有難う御座います。

その横でミストに胸倉つかまれてはたかれているヨファ。顔はもう
パンパンにハレ上がっている・・・
お祈りを済ませたキルロイはその光景を”見なかったこと”にしてその場から立ち去る。


「ちょ、キルロイさん!!助けてよ〜〜!!!!

シノンおと〜さん?3

「・・・見つかりませんね・・・
「・・・そうだな・・・
もう陽も暮れて来て、薄暗くなり始めている。シノンの背中のノンは
依然眠ったまま・・・
「どうします?
ヨファがこれからの事を聞いてくる。シノンは背中のノンを見て言う。
「こういうときは、国に任せればいいだろ。
ヨファはシノンの顔を覗き込む。
「いいんですか〜?
何かニヤケて言う。シノンは少し身構える。
「な・・・何がだよ?
「おと〜さんが育児放棄しちゃって〜?
「テメェ・・・最近調子コイてんな?
逃げ回るヨファを追いかけるシノン。

追いかけっこをしながらもクリミア城の兵士詰め所に辿り着く。
「すいませ〜ん。迷子ですけど〜!
ヨファが兵士詰め所の扉を叩く。

カチャ

扉が開く。そして見知った顔が出てきた。
「何?迷子だと!?
ケビンだった。シノンはあからさまに苦い顔をする。
『・・・よりによって・・・コイツか・・・
ケビンは扉を叩いていたヨファに視線を落とす。
「おおっ!ヨファ殿ではないか!?
「お久しぶりです。ケビンさん。
軽く挨拶を交わし、ケビンが続ける。
「で、迷子とはヨファ殿の事かな!?
なんの嫌味もなく真剣な眼で聞いてくるケビン。
「・・・違います・・・
ヨファは呆れた返事をしてシノンを指差す。
「シノンさんが背負っているんです。
ケビンがシノンの背中のノンを見る。
「ほう・・・
まじまじと見ているケビン。なんだか自分の背中を見られている気
がしてすごい嫌なシノン。
「で、
ケビンがシノンの顔を見て言う。
「何処で誘拐したのだ?シノン殿?
「テメェ!話聞いてたのか!!
スネを全力で蹴り上げるシノン。ケビンはははと笑う。
「いやぁ、冗談冗談。
「・・・その前にスネ・・・痛くねぇのか・・・
「うん?なんのことだ?
とくにこれといってなんともない様子のケビン。
「・・・だから・・・バカは嫌なんだ・・・

ヨファから事の顛末を聞いたケビン。
「なるほど・・・
ケビンはシノンに聞く。
「シノン殿は心当たりがないと申されるのだな?
シノンは胸を張って言う。
「当たり前だ!心当たりなんかない!!・・・と・・・信じたい・・・
後半の言葉は誰かに聞かせるでもなく、小さな声で自分への暗示のように言う。
「ふぅむ。それでは仕方がない・・・もう外も暗いし、こちらで預かる事にしよう。
「本当か!
シノンの顔があからさまに明るい表情になる。
「親御さんも探して、こちらに尋ねてくることもあるしな!
「よし!それじゃあ頼むぜ!!
シノンの背中からケビンの手にノンが移動させられる。
首をコキコキ鳴らして肩まで回して言う。
「よし!じゃ、帰るぜ!
「うむ!あとは任せてくれ!
シノンはそういいながらさっさときびすを返す。
「あ、待ってくださいよ〜。
ヨファも慌ててついてくる。
シノンの横まで来て言う。
「いいんですか〜?預けちゃって?
シノンはギロリとヨファを見る。
「バカか!面倒なことは極力避けるもんだ!・・・それにな?
「・・・それに?
シノンが笑顔で言う。
「本当の親御さんに会える確立もグッとあがるし、あの子の為なんだぜ!?
「うわ・・・嘘くさ・・・
そんな会話をしながら歩いていると、

「う〜ん・・・
ノンが起きる。
まだぼやける眼をこすってよく見てみる。どこだかわからない。
「あれぇ?
「む。起きたか?
ケビンがノンを見る。と、
「おと〜さんはどこ?
ケビンは言う。
「父上殿はもう少しここで待っていれば来てくれるはず!もう暫く待たれよ!
「・・・うん?
ケビンの言い回しがわからないノン。キョロキョロしてみると、シノンの後姿を見つける。
「あ!!おと〜さ〜ん!!
叫ぶが早いか、駆け出している。その叫び声に気付いたシノンは後ろを振り返る。
「げ・・・
駆け寄るノンに気付いて軽く走り出す。ヨファもなんとなく走って付いていく。
「あ!待ってよ!おと〜さ〜ん!!!
シノンの行動がわかったノンは全力で走るが、シノンに追いつけない。すると、突然立ち止まり座り込む。
「う・・・うぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!
泣きはじめるノン。後ろからケビンが駆け寄る。
「大丈夫、大丈夫。ちゃんとした本当の父上がすぐに来てくれるはず。
なだめるケビン。しかし、ノンは泣き止まない。

「シノンさん。やりすぎじゃないですか?
ヨファに言われ立ち止まるシノン。
「・・・う〜ん・・・
頭をクシャクシャとかきむしる。シノンとヨファは未だ泣いている
ノンを木陰から少し覗いてみる。
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!
必死でなだめているケビン。何を言っているか泣き声で全く聞こえない。
「何事だ!!!
突然でかい声がこだまする。シノンとヨファはその声のした方向を見る。ケビンはその場で敬礼をしている・・・?
「は!!迷子であります!!!
「何!!迷子だと!!!
・・・ジョフレだった・・・
ジョフレは泣いているノンの前にきて聞く。
「おい、迷子!!!何処から来たのだ!!!
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!
泣いているだけのノン。ジョフレは聞く。
「泣いているだけではわからん!!!はっきりと物申せ!!!!
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!
先ほどより泣き声が大きくなる。
「ちぃぃ!!
ジョフレは舌打ちをし、ノンに聞くことは諦める。
敬礼中のケビンに聞く。
「どういうことだ!!!
「はっ!!!先ほどシノン殿とヨファ殿が連れて参りました!!!
ジョフレはケビンをにらむように見る。
「なに!?シノンが連れてきただと!?
「はっ!!!
「あいつのことだ!!誘拐ではないのか!!!
「はっ!!!そうではないようです!!!
「証拠は!!!
「はっ!!!ありません!!!
「バカモノ!!!
パシンとケビンをはたく。
「あんな犯罪者予備軍みたいな男が子供を連れてきたんだろ!?そ
れはもう犯罪を犯したと告白したと同じではないか!!!
「いや・・・それは・・・
「バカモノ!!!
パシンとまたはたかれるケビン。

「ジョフレさんに何かしました?
木陰で見ていたヨファがシノンに聞く。シノンは立ち上がり、無言で
ノンの元に歩いていく。
「あ!?おと〜さんだ!!
ノンが気付いてシノンに駆け寄る。
「何!?父親だと!?
ジョフレが振り向く。シノンがちょうどノンを抱き上げているとこ
ろだった。シノンは静かに言う。
「ガキがどうなろうがしったこっちゃねぇが、お前らのとこにおい
ておくには余りにも・・・だからこのガキはウチの砦で暫く預かっておくぜ。
そういいシノンはきびすを返しヨファのいる方へ歩く。
「ほう・・・私の目の前で堂々と誘拐とは・・・いい度胸だな・・・
ジョフレが勇者の槍を構える。
「ケッ。あほくせぇ。
背中越しに一瞥くれてそのまま進んでいくシノン。ジョフレはその
まま飛び・・・
「くらえ!!!正義の裁き!!!
「ジョフレ!!!
かかろうとしたジョフレが止まる。その声の方をみんなが見ると・・・
「ね・・・姉さん・・・
ルキノだった。ルキノはジョフレに言う。
「エリンシア様がお呼びよ?早くきなさい!!
ジョフレは首を傾げる。
「エリンシア様が私に用事?一体それは何だ?
「これよ!!
ルキノは右手の木刀と左手のライブの杖を掲げる。
「・・・うそだ・・・
ジョフレは襟首をルキノに捕まれ、引きずられていく。


・・・これから魅惑のショ〜タイムがはじまるらしい・・・


「おと〜さん。
抱っこされているノンに抱きつかれるシノン。隣で歩いているヨファ
が言う。
「シノンさん。子供には優しいですからね〜。
ニコニコしているノンとニコニコしているヨファ。それを見てシノン。


「・・・ケッ・・・

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
さけ
さけ
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(41)
  • shion
  • ライブドア(山梨玉菜)
  • 佐々木敦子
  • ちなみちやん
友だち一覧
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事