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そして、朝。
ドンドン。
扉を叩く音。そして、声が聞こえる。
「お〜い!子供の親が見つかったぞ〜!!」
その声に反応して、突っ伏したテーブルから顔を上げるシノン。
「うぁ?親〜?」
少し寝ぼけながら、扉まで歩いていく。そこにはケビンに連れられた
ノンの両親らしき2人が立っていた。
「あ〜!!おと〜さ〜ん!!おか〜さ〜ん!!」
シノンの後ろにまで来ていたノンが、その2人に飛びつく。
「探したぞ!ノン!!」
「もう・・・心配させないで・・・」
安心したのだろう。言葉を発してから、その場にへたり込む両親。
シノンはケビンに聞く。
「よく親が見つかったもんだな?」
「今朝早く、詰め所に来られてな。それでここまで来たというわけなのだ」
ケビンの答えを聞いたシノンは再開に浸る親子に声を掛ける。
「ところで・・・なんで俺を親父と間違えたんだ?あと、ティアマトさんをお袋に?」
シノンの当初からの疑問であった事柄を聞く。すると、父親が答えてきた。
「いやぁ・・・この子は”赤い髪の長髪”の方を見かけると何故だか
私達と間違えていなくなってしまうんですよ。」
はて?
シノンは両親の髪を見る。両親の髪は茶色。しかも父親は短い髪である。
「全然違うじゃねぇか・・・!?」
「そうなんですよね。何故だか不思議で不思議で・・・」
父親は頭を掻きながら、あははと笑い飛ばす。
そして、両親とケビンに連れられてノンが砦を離れる時。
「おう。もう間違えんじゃねえぞ!?」
シノンがノンに声を掛ける。と、ノンがシノンの元に駆け寄る。
「ないしょのお話するから、しゃがんで耳かして〜!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねながら、ノンが言う。
「ハァ・・・はいはい」
渋々と言ったカンジでシノンがしゃがむ。その耳元でノンが言う。
「わたし、あかいかみがだいすきだから、おと〜さん、おか〜さん
もあかいかみならいいなぁ、っておもうからときどきまちがえちゃ
うの」
『なんだそりゃ』
心の中で毒付くシノン。ノンは続ける。
「でもね・・・シノンおと〜さんはやさしかったから、たまにあいにきてい〜い?」
シノンはノン以外の誰にも聞こえない声で言う。
「・・・いいぜ・・・」
その返答を聞いて、ノンは声まで笑顔で言う。
「ほんと〜!!ありがと〜!!」
大きな声で返事をしてから・・・
ちゅっ
シノンの頬にキスをして、両親の元に駆け寄る。両親はお辞儀をひとつしてきびすをかえし、歩き出す。
そして暫く歩いてから、ノンがこちらを振り向いて言う。
「ぜったい来るからね〜!!」
シノンは手を軽く振る。
「・・・ケッ・・・やってくれるぜ・・・」
小さな声で嫌味をつぶやいているが、顔は笑っていた。
その顔を見てから、ノンはまた歩き始めた。
ノンが見えなくなるまで手を振っていたシノン。1人つぶやく。
「・・・子供か・・・いいもんかもな・・・」
そして砦に戻ろうとする。が、
「うふふふふ・・・シノン・・・あなたの気持ち・・・うふふふふ・・・」
ヤバめな人がフラフラ砦から歩いてきた。
「ど・・・どうしたんだ?ティアマトさん!?」
ゆっくりと顔を上げてティアマトは告げる。
「・・・あなたの事を考えててね・・・寝ていないだけ・・・」
『考える?俺のこと!?』
シノンには身に覚えがない。何のことだか。そう、酔って言った事など微塵も・・・
「なんのことだ!?」
「うふふふ・・・もう・・・照れちゃって・・・」
ゆっくり近づいてくるティアマト。シノンは何か言い知れない不安と恐怖に苛まれる。
『なんだなんだ!?よくわかんねぇが・・・』
シノンは逃げた。
「・・・もう・・・お待ちになって・・・私のマイハニィイイイ・・・」
はぁはぁはぁ・・・
「ほら、立って!もっと僕を叩いてくれなきゃ!!」
叩きつかれてしゃがみこんでいるミストに更に叩けと催促しているヨファ。
それを同じ部屋で眺め、そして外ではなんかよくわからない追いかけっこを眺めるキルロイが言う。
「今日も平和ですね」
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