|
扉を開けて姿を現した人物。
その人物はとても異様な風体をしていた。
服装はそれほど不振なところはないのだが…
大きな鎌が肩から担ぐようにして持ち、
顔は仮面で隠されている。
その仮面は、いかにも道化といったもの。
しかし仮面はその人物の長くて赤い髪が振り乱されていて、はっきりとその全貌が見えなかった。
そんな人物が姿を現した。
あまりにも意外な人物の登場に店内に居た誰もが凍りつくように固まる。
『なんだ?あれは?』
その場に居た人物は誰もがそんな心境だったのだろう。
しかしその人物が店内を見渡している時に、店内に居た一人が口を開く。
「なんだ、アンタ?余興でもしてくれるのか?」
それはボーレだった。
ボーレは酔っていた勢いもあり、そんな事を尋ねたのだろう。
すると、
「じゃ〜、早速なんかやって見せてよ〜」
それに同調したこれまた酔っているワユが賛同する。
そんな酔っ払い二人を道化が見て
「ククク…」
低く、肩を震わせながら、笑う。
ボーレとワユが道化のそのしぐさにピクリと反応する。
そんな反応を察知してか知らずか、その道化は続ける。
「これはこれは、公明なグレイル傭兵団の…お荷物二人組みじゃありませんか?」
道化は二人の座るテーブルに近づき、
「そんなお荷物が、酒に酔って憂さを晴らす…ねぇ…」
二人を見やる。
酔っているのが流石にボーレとワユも喧嘩を売られているのだとわかる。
その二人が動く前に、道化は出口の扉まで飛び退り、
「何か余興を見せて欲しいのだろう?じゃ、こっちで面白いものを見せてあげよう…」
キィィ…
静かにドアを開ける。しかも、誘うかのように恭しく一礼などして…
ここまでやられたボーレとワユは、
「いいだろう、上等だ!」
「手加減してあげないからね!」
鼻息荒く、表へと出て行った。
|