川崎エムブレム

心理カウンセラーとカラーセラピストとお好み焼き検定資格を取得しています。

SHADOW

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SHADOW 4

フォルカはいつものように仕事の依頼を聞きに、闇に包まれている一軒の酒場へ来ていた。
そのドアの前に立ちドアノブを握ったその時、
「…」
フォルカは違和感を感じた。
違和感…
それは店の中に感じる、人の気配がないからだ。
いつもなら必ずマスターの気配があるはずなのだが、その気配すら感じ取ることが出来ない。
「…」
わずかに警戒を強め、

キィィ…

ゆっくりとドアを開ける。
明かりの無い部屋の中をフォルカは素早く見渡す。
中には店の外で感じたように、人の気配が全く感じられなかった。
目で確認しても、人の姿が見受けられなかった。
フォルカは警戒したまま、店の奥へと進む。
いつもマスターがいるカウンター奥、その場所へと。
慎重に警戒を怠らないように進んだ先には、マスターが椅子に腰掛けていた。
「…」
フォルカはそのマスターの姿を視認する。
と、フォルカはカウンターの中へと飛び込み、マスターの椅子を蹴り上げる。
椅子は音もしないで空へと舞う。
椅子に座っていいたマスターもそのまま同じように空へと舞った。
フォルカは空へと舞う椅子とマスターをそのまま見続け…

ガン!

と椅子が横倒しに床に叩きつけられ、

ドスン!

とマスターの体も床に叩きつけられた。
マスターはその衝撃にもピクリともしない。
「…罠…じゃないか…」
フォルカは自分の感じた通り、店の中には誰もいないと確信をしていた。
それなのに、椅子に座るマスターが居る。
視認したその時点で、フォルカはマスターが死んでいると確信。
自然死ならばもがいた痕跡などが必ずあり、椅子に腰掛けているなんてことは考えられない。
しかし、フォルカが見たマスターは椅子に腰掛けていた。
この時点でマスターは殺されたのだとフォルカは考えた。
すると殺されたマスターが椅子に腰掛けているのは何故か?
フォルカは罠だと考えた。
そのためにマスターを椅子ごと蹴り上げ、罠ではないことを確認した。
だとすれば、椅子に座ったままなのは何故だったのか?
フォルカは床に横たわるマスターの体を調べた。
頭、首、腹、腕、足…
どこを見ても何の変化も見受けられなかった。

そう、何の変化も…

だとすればどのように殺されたのか?
その疑問が残る。
と、フォルカはまだ調べていないマスターの体を調べた。
その部分は背中。
フォルカがマスターの背中を見た。
「…」
そこには…





”フォルカ。もうちょいでチェックメイトだぜ?”





というメッセージが、マスターの背中をナイフで深く抉って書かれていた。

SHADOW 3

夜の帳が下りている。
輝くは月の明かりのみ。
闇の支配する中、一人の男がとある店にやってきた。

カラン…

ドアが開いた音が響き、
「今日も来たのか…仕事熱心だな…」
店の奥から店のマスターの声が響く。
店から入ってきた男は、声のするマスターの方へと足を進める。
男が目の前にやってくる前に、マスターは複数の書類をカウンターの前に無造作に投げる。
男はその書類に目を落とす。
「どの仕事を選んでも構わないぞ?」
マスターが男にそんなことを言う。
男は書類をまじまじと見て…

ドサドサドサ…

カウンターの下に書類を落とす。
「おいおい…何のつもりだ?」
マスターが落とした書類から男に視線を移す。
その瞬間、
男は左手でマスターの首を掴む。
「がはっ!」
咄嗟に喉を掴まれたマスターが声を詰まらせる。
そんなマスターに構わず、男はマスターの顔を自分の目の前に近づけてささやくように言う。

「テメェ…誰と間違えているんだ?」

そう。
この男はいつも仕事をこなしているあの男ではなかった。
男はわずかに掴んでいた喉の力を緩める。
マスターが話せるようにとの考えでだ。
しかしマスターはそんな男の配慮など知る事も無い。
が、男の考えているように話す。
「誰って…お前、フォルカじゃないのか…」
男はフォルカの名前を聞き、
「そうか。テメェはフォルカの事を知っているんだな?」
ニヤリと笑みを浮かべ…
「やっと!やっと見つけたぜ!フォルカ!!ギャハハハ」
高笑いを始める。
マスターには男の突然の笑いに戸惑った。
何故、殺し屋の火消し、フォルカを探していたのか?
そして、何故笑い始めるのか?
全く解らない。
そんな事を一瞬考えた。
と、男が掴んでいる左手の力が強くなる。
「クッ…」
マスターがまた苦しみ始める。その苦悶の表情に、男は告げる。

「テメェが知っている、フォルカの情報を全部言え。言わなければ、殺すぜ?

喉を掴んでいる力の強さから”言わなければ本当に殺される…”そう感じたマスターは、
フォルカの情報を男に与えた。





「なるほどねぇ…よくわかったぜ」
男は左手で掴んでいたマスターの喉をめんどくさそうに放す。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
床に落とされたマスターは掴まれていた喉を自分の手でさする。
そんなマスターのことをお構いなしに、
「おお、そうだ!」
ポンと手を叩いて気楽な感じで言う。
「フォルカにも俺からのメッセージを残しておかなきゃ、不公平だよな」
男はニコニコとしながら床にへたり込むマスターに言う。



「お前、俺から奴へののメッセージになれよ」

SHADOW 2

店を後にしてから、どれぐらいの時間が経ったのだろう。
男はとある場所へと来ていた。
その場所とは誰も立ち寄ることのない、隠された場所。
山にあるのだが、道に迷って偶然発見されることもなく、当然探索して見つけられるような場所でも
ない、そんな未開の地とも言える場所。
そこには小さな小屋が建っていた。
キィ…と男は扉を開けて、小屋の中へと入っていった。
男はその小屋の中でうっすらと輝いている、人影へと歩みを進める。
歩みを進めながら、いつもつけているマスクを外す。
そしてその人影に手を触れる…
がしかし、その人影に男の手が届くことはなかった。
小屋にいたうっすらと輝く人影。しかしうっすらと輝く人影なんてものはありえない。
では何が輝いていたのか?
輝く人影…それは、
”前身をくまなく氷付けされている人影”
そう。氷の中に人が閉じ込められているが為、その氷が輝いていたのだった。
その氷の中にいた人…それはとても美しい女性。
とても穏やかな表情をし、目を閉じている。
その氷の中の女性に男は呟く。
「あと少し…あと少しであの杖が買えるんだ…そうしたら…」
氷に閉ざされた女性の顔を撫でるようにして言う。
「君を生き返らせることが出来る…」
男は氷の女性に口付けをする。
そして再びマスクで口元を覆い、扉と向かう。
カチャ…と扉に手をかけて部屋を出る前に、もう一度その凍り付けの女性を見つめ、

「ティアノ…待っててくれ…」

そう囁いて、男は小屋を出て行った。

SHADOW 1

「よう…やっと来たか」
薄暗い店内の奥から声が聞こえてきた。
店内の光量と言えば、奥で揺らめく蝋燭の光のみ。それ以外、外からも光は無い。
それもそのはず、外は既に太陽の光と暫しの別れを告げ、闇が辺りを支配していた。
そんな闇の中を男はこの店へとやってきた。
まるで灯っている蝋燭の光に誘われるように。
男は店の奥の店主に向け、何かを投げる。
ドスッ!と、その何かは店主の目の前のカウンターで、自らの重量を表すような重い音を響かせた。
投げられたそれとは、革の袋。
店主は結ばれていた革の袋の口を開ける。そしてその中の物を目の前のカウンターに広げる。
ジャラジャラと音を響かせながら、蝋燭の光でそれは反射して輝く。
店主はそれを数え始め…
「ほう…今回は結構な額だな」
男に言うでもなく、つぶやいた。
男は特に返答を返さず、その光景を腕を組んで見ている。
もしかしたら独り言だと決め付けていたため、わざと返答を返さなかったかもしれないが、
そのところは男にしかわからないことだ。
すると店主は、今度は数えていたものから視線を男に移しながら言う。
「これだけの額って事は、相当無茶な仕事だったんじゃないのか?」
明確に男に対する質問だ。
男は店主の質問に対し、
「…」
無言だった。
店主は肩をすくめながら、
「やれやれ…もう少し愛想が良くてもいいんじゃないのかねぇ…」
と言う台詞を口にし、
「おっと。愛想のいい殺し屋ってなんか変だな」
クックック…と笑いながら、先ほどの自分の台詞を訂正した。

暫くの後、
「今回は5万だな…」
ようやく数え終わった店主が男に言う。
と、先ほどまで無言を貫いていた男が口を開く。
「…例のものはまだあるんだろうな…」
その男の初めての問いに対し、
「もちろんだ…これだろ?」
そう返して、店主は背後にある一つの杖を男に見せる。
男はその杖を目にして、きびすを返して店の出口へと向かおうとした。
そんな男に対して、店主は声をかける。
「これを買うには、あと少しだぜ?せいぜい頑張りな」
背中にそんな言葉を受けて、
「…それぐらいわかっている…」

バタン、と扉を閉め、男は闇へと姿を紛らわせていった…

SHADOW 序章

イズカ 「ひぃっ!き、貴様は……!」
フォルカ「……闇に落ちろ」
イズカ 「な…”なりそこない”を……!もっと…!!」

                            第四部 五章より

何故イズカはここまでフォルカを恐れているのか?
それはフォルカが裏の世界では名の通った殺し屋「火消し」だからなのだろう。
イズカも生物実験といういわば裏の世界の住人。火消しのことはよく知っていてもおかしくはない。
その火消しと対峙する…それは死を意味するのだろう。
しかしそうだとしたなら、フォルカの台詞は何故出てきたのだろうか?
彼が他の者と同じイズカに対して憎悪を持っていたからだろう。
が、その憎悪の正体は?
他の者は語る。
生物実験にされたラグズの無念の為にイズカに対して憎悪を向ける…と。
ではフォルカはどうなのだろう?
彼も同じなのだろうか?
ラグズが生物実験にされたから出た台詞なのだろうか?
それは違う。
彼には彼なりにイズカに対して燃やす憎悪があったのだ。

果たして、その理由とは…

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