川崎エムブレム

心理カウンセラーとカラーセラピストとお好み焼き検定資格を取得しています。

GAME OVERのはじまり

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僕が気がついたら、そこはトイレの個室だった。
僕はトイレの個室で気を失っていたのだ。
ドアを開けたら、またあの人型がいるのかもしれない。
もしかしたら、同じように誰もいないかしれない。
何の音も聞こえないのかもしれない。
もしかしたら…

”しかし、ドアを開けないことには何も始まらんな…”

そんなことを考えてしまう。
しかしそれは考えすぎだと言うことはすぐにわかった。
個室のトイレの外が騒がしい音が聞こえているから。
恐る恐る僕はドアを開ける。
個室の外には小をしながら話している子が2人いた。
トイレの床にあった、髪の毛もなかった。

「戻ってきた…?」

自分では独り言のようにつぶやいたつもりだったが、小をしていた2人が振り返って僕を見て
不思議そうな顔をしていたことから考えると、そこそこ大きな声だったのかもしれない。
僕は少し恥ずかしくなり、トイレを出た。
ゲームコーナーにはゲームに興じる子供や、付き添いの大人の姿が見えていた。
そして先ほどとは打って変わってやかましいほどのデパート内。
何故だかわからないがドッと疲れた僕。

”ようわからんけど…帰るか…”

何気に腕時計を見る。
時計は先ほどとは違い、ちゃんと時間を示していた。
時間は18時を回っていた。

”…なんでや?”

デパートに来たのは10時のOPEN直後。
それなのに今の時間は18時過ぎ。
なんだか良く分からないけど、とりあえずは戻ってきたことだけで十分だった。
駐輪場の自転車に乗り、僕は帰路へついた。





これが僕が体験した20年ほど前の出来事です。
気を失うまでのあの光景はなんだったのか?
もしかして夢だったのか?
それはなんだったのかわからない。
でもあの恐怖は忘れられないほど、心に刻まれている。
どこでどうなったのかなんてわからない。
でも僕は思う。

今の世の中以外にも、いろんな世界があるのかもしれない、と。
(ちなみにこの一件以来、GAME OVERの声が誰よりも怖くなりました…)

個室に入った僕。
これだけで助かったとは思えなかった。
それは…

「ぱlしづdんrrっかいいあmm!!!」

またもや聞こえる、人型の声。
それも近づいていることがはっきりとわかるからだ。
耳を手で塞いでいるのに、

ズズッ…ズズッ…

引きずる足音が聞こえてくる。
そして、

「kれあぢmじいいねいぢえいんるちゃあl!!!」

再び聞こえてくる声。そして、

ドコン!!ドコン!!!

力一杯に殴られる、僕が入っているトイレの個室ドア。

”このままじゃヤバイ!!”

殴られたドアはいつか開いてしまうんではないか?
そう考えた僕は両手でドアが開かないように押さえるようにした。
耳を押さえていないから、

「bきdないzmしあにだおぽあp!!!」

人型の叫びがダイレクトに鼓膜を震わす。
その叫びに恐怖するが、耳を塞ぐわけにはいかない。
ドアを手で押さえないと!!
涙を流しているけど、手には最大限込められる力を入れてドアを押さえる。
それでも、

ドコン!!ドコン!!!

何度も殴られるドア。

「dじゃいぢあねおお29jd7d!!!」

何度も聞こえる叫び声。
どれだけ時間が過ぎたのかなんてわからない。
永遠に思える時間、恐怖に恐れながらも、両手の力でドアを押さえる。
ここで左手の腕時計がチラッと目に入る。
残り2分から時間を見ていないから、タイムアウトまでの時間が見えた。
残りは8秒。
このタイムアウトが意味するのは何なのかはわからない。
それでもあと8秒後には何かが起こる。
もうそれしか希望はない。
依然として殴られるドアと叫び声が聞こえてくるが僕は心の中で、

”6…5…4…”

カウントダウンしていた。
そしてタイムアウトを待つ。

”3…2…1…”

”もうすぐだ。もうすぐ…”

殴られるドア、聞こえる叫び声。
その恐怖より、タイムアウトの希望のほうが圧倒的に僕を包み込む。
そしてついに腕時計の表示が…

”0…”

終わりを告げた。
その瞬間にドアを殴る音が止み、叫び声も聞こえなくなった。
僕は思った。

”助かった…”

放心したまま、ホッとした僕。
両手の力も抜いた。
今までに入れたことのない全力での力で、腕が疲れていた。
腕を揉んで、リラックスさせてあげようとする。
涙も拭いて、ようやく落ち着いた僕。

”よし!”

僕はドアを開けた。
そしてそこで僕は気を失った。
目の前の人型の存在を見て、そしてその人型の台詞に。


”まだだよ…”

人型に気づかれた僕は逃げる。
が、やはり怖さからか走れるほど、足腰はしっかりとしていない。
それでも何とか逃げなければ。
どこに逃げればわからないが、とりあえず人型のいない反対側へ向かう。
そしてその方向にある場所に逃げ込めるところがあることに気がついた。
僕は急ぎつつ、人型から逃げる。
ここで僕の背後で、


”うないあpはうあおあおkkk!!!!!!!”


文字通りの言葉ではなく、意味がわからない雄叫びが聞こえてきた。
多分人型が発したのだろう。
しかしそんなことを確認なんて出来ない。
その雄叫びから、人型が怒っているのが伝わってきたから。
僕は逃げる。
その背後では、

”jllllっぁあいあえうy”

何か言葉を発しつつ近づいているであろう人型。
そして僕はようやく目的地へとたどり着いた。
そこはトイレだった。

”トイレの個室に逃げるしかない!!”

男子トイレの個室へ向かう僕。
手を洗う場所にある鏡がなんとなく目に入る。
そこには、

”液アニd寝言うrぢおおぱぺええっ出え”

意味のわからない言葉が赤いインクで書かれていた。
そのインクはおそらくだが、血などだと思う。
それに少し肝を冷やすが、今はそれどころではない。
個室に逃げなければ!!
僕はトイレの中へ。
そこに見た光景は…
床一面に敷き詰められたような、髪の毛が広がっていた。

「なんだよこれ!!!」

またも涙を流す僕。
気持ちが悪いけど、トイレの個室に今は逃げなければ!
その思いで僕は髪の毛を踏みしめながら、2つある個室の手前の個室のドアを開ける。が、
ドアが開かない。

”嘘やろ!”

焦る僕。そこに、

「rかいあにあぢあんrっけいmmmk」

再び聞こえる、人型の謎の雄叫び。
僕はもう一つある、奥の個室のドアを開ける。

”頼むよ!開いてくれよ!!”

その願いが通じたのか、ドアは開いた。
直ぐさま中に入り、鍵を閉める。
そして耳を手でふさぐ。

”もう勘弁してくれ…”

しかし、この願いは通じなかった。

GAME OVERのはじまり 9

腕時計は残り3分を切って、カウントダウンしている。
動かなくなった人型。
投入した100円。
考えてみた結果、

”あのゲーム台に100円入れたから、人型が止まったのか?
 で、あとこの腕時計のカウントダウンが終ったら、また動くのか…?”

確かめるにはもう一度同じ事をすればいいのだが、
はっきり言ってそんなことをもう一度繰り返したいと思わない。
ならば腕時計のカウントダウンが終わる前に逃げなければ。

”また動く出すかもしれない人型…”

再び恐怖がこみ上げてきた。
僕は逃げようとする。
が…

”どこに逃げればええんや…”

漠然と途方に暮れる。
どこへ行ってもダメ。
頼みの綱だと思ったゲーム台も違っていた。
色々と考えてみても、どうしようもなかった。
その間にも腕時計のカウントダウンが進む。

”早く…早く…”

時間制限があると、それだけで焦ってくる。
色々と考えてみる。
しかし、焦っているためか、考えがまとまらない。
どうすれば良いのかわからない。
気ばかりが逸る。

”残り時間はどれだけか?”

腕時計を見た。
残りは2分5秒くらいだったと思う。

”くっそ〜、後2分かよ!!”

2分後にはあの人型がまた僕を追いかけてくる。
そんなことを考えているとまた焦る。
が、ここで思いもよらないことが起こった。

人型が動き出したのだ!

大きく開いた口が僕が先ほどいた辺りを食いつく。
両手で僕を押さえように動いた。
その動きに僕は寒気がした。
間違いなく、僕は食べられていたのだろうと。
思わずその場で硬直した僕。
そして僕を食べたはずなのに、食べた感触の無かった人型。
人型は口を閉じ、キョロキョロとしている。
そして人型は見つけた。
僕の姿を。

僕はそれを感じとり、その場から逃げようとした。

GAME OVERのはじまり 8

ようやく100円がゲーム台の投入口へと入った。

”これで戻れる…”

ホッとした僕。
そう、これで元に戻れた。


…はずだった…


しかし、依然としてゲーム台は真っ暗なまま。
そして静かなままの空間。

「なんでや…」

わけがわからない僕。
100円を入れれば元に戻ると思っていたのに、違っていたこの事実。
これには愕然とした。
もう絶望しかない。
そして背後に感じていた気配。
それは人型のものなのだろう。
僕は悟った。

”死ぬんか…”

人型にどうやって殺されるのかわからないが、間違いなく人型によって僕は死ぬだろう。

”何をしても助からんかったか…”

涙を流し、震える僕。
もう覚悟するしかない。
諦めた僕は目を閉じた。
そして、死ぬ覚悟をした。







しかし、何も起こらない。

”…”

もしかしたら焦らしているのだろうか?
そんなことを考える。
が…
一向に何も始まる気配がない。

”…なんでやろ?”

死すら覚悟していた僕は先ほどまでとは違い、人型を見ることに対して恐怖を感じていなかった。
いや、恐怖という感情がこのときは麻痺していたのだろう。
振り返った僕が見たのは、
今にも襲い掛からんとしている、人型の姿だった。
顔だと思われる部分全てが口となって、顔全体が口として広がっている。
両手は僕を押さえつけようとしている。
それなのに…

”なんで動いてないんや?”

そうなのだ。
止まっているのだ。
人型だけが時間を止められているかのように。
不思議に思う僕は人型に触れないようにその場をゆっくりと離れた。
少し離れたところで、涙を服の袖で拭う。その時、

コン!

と左腕の腕時計が頭に当たった。
そこでなんとなく、

”今何時なんやろ?”

なんとなく時計を見やる。
僕が当時つけていた腕時計はデジタル式の腕時計。
そのデジタル表示を見たときに、

”?”

頭の中がクエスチョンマークになっていた。
表示されていた時間。
そこに表示されていたのは数字だったが、
今が何時なのかを教えてくれなかった。
教えてくれた情報。それは、

残り3分を切ってカウントダウンしている表示だった。

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