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中西輝政京都大教授の、「日本よ、“強い国”となれ」という骨のある論文が、正論11月号に掲載されている。この人の論文は、情報量が極めて多く、簡単にはまとめられない。朝鮮半島に関する部分だけ要約して、コメントする。
「今、日本に最も求められているのは、2008年を目指した中国外交の動きを、じっくりとフォローする新しい視野である。2008年には、アメリカをはじめ、台湾や韓国で元首の選挙が行われ、政権交代の可能性がある。 北朝鮮情勢より予断を許さないものに、韓国の国内情勢がある。ミサイル発射の金正日を擁護したノムヒョン政権は、その異常さを国の内外にさらした。 その支持率が余りにも低いので、2008年に誕生する次期政権が、親米保守派に変る可能性は十分ある。だが政権交代があっても、韓国が以前のように日米韓自由主義同盟を堅持する国家にもどるかは、楽観を許さない。 この夏、韓国で最も議論になっていたのが、米韓連合軍の“戦時指揮権”問題だった。1978年に米韓連合司令部ができたあと、戦時の指揮権は、ずっと米軍の司令官が兼務する連合司令官にある。 アメリカにとっては当然のことで、アメリカ軍人は外国軍人の指揮下で戦ってはならないという国是があり、第一次大戦でも第二次大戦でも、アメリカ軍はそれを守った。 韓国でも米軍は、戦時指揮権を最後まで手放さなかったが、実は連合司令官は、米韓両大統領の共同指示を受け、戦時といえども、米軍の独断で指揮権は行使できない。 ところがこの数年、韓国の親北反米左翼や、ノムヒョン政権は、この戦時指揮権を掲げて反米活動を活発化させた。自主防衛を主張するノムヒョン政権は、指揮権の返還を求め、当初は難色を示していたアメリカ国防総省も、“早ければ2009年に譲る”と表明した。 これは2009年以降に、韓国からアメリカ軍がいなくなる可能性があるということである。話が具体的になると、さすがの韓国政府も驚いて、2012年頃まで待ってくれと要請したが、9月14日の米韓首脳会談で正式に移管が合意された。 この事態は朝鮮戦争を想起させる。1950年、アメリカのアチソン国務長官は、“アメリカの責任をもつ防衛ラインは、フィリッピンー沖縄ー日本ーアリューシャン列島”と発言し、スターリンらに“アメリカは朝鮮半島を放棄した”と誤解させ、南侵を決意させた。 韓国の親米保守派や国防関係者の危機感は強く、韓国情勢は予断を許さない。この動きが、夏の北朝鮮によるミサイル発射、あるいは核実験準備とドッキングしているからだ。 朝鮮半島の“和戦”のカギは、北朝鮮から韓国に移っている。それを中国はじっと見ていて、北朝鮮の暴走を抑制するといいながら、実際には抑制せず、むしろ韓国を丸ごと中国の影響圏に抱え込むことで、半島全体をコントロールしようとしているのである。」 中国が韓国を丸ごとその勢力圏に抱え込むことになれば、間違いなく対馬海峡が「38度線」になる。民主党の鳩山幹事長の代表質問を聞いたが、彼らにそうした危機感は全くない。あるのは、安倍内閣の失点を誘おうとする意識ばかりである。いまさら中韓の走狗のように歴史認識を質して、どれだけの意味があるのか。
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