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10月30日、読売の「地球を読む」に、劇作家・山崎正和氏が、「日本的“平和”の転換点」と題して北の核実験を論じている。要約しコメントしたい。
「今回の危機に当たって注目されたのは、日本のイニシアティブだ。日本政府がまず独自の制裁を発表したことが、国際社会を動かした。安保理議長の座にあった大島国連大使の奮闘も印象的だが、あの決議が全会一致だったのも、日本戦後外交のうえで画期的だ。 しかし、本当の危機はこれからである。そもそも北朝鮮の核やミサイルは、日本の防衛にとって、“周辺事態”なのか、“平和維持活動”の対象なのかから、論議しなければならない。だが、もっと恐ろしいのは、まだ日本人の意識にのぼっていない現実的脅威である。 いよいよ制裁となった今日、我々は“制裁は宣戦布告を意味する”との北の暴言を、真剣に受け止めておく必要がある。もちろんこの脅迫は、核ミサイルが飛んでくることではない。そんな暴挙にでれば、日米安保の発動を招き、彼らの体制は一朝にして滅亡する。 現実に憂慮すべきは、小規模の攻撃であり、中途半端な侵略行為である。例えば都市に加えられるテロ攻撃であり、海外の日本人旅行者の拉致であり、なかんずく公海や日本領海での漁船の拿捕である。日本人を使った麻薬や偽造紙幣も増えるだろう。 すべては、日米安保条約の実効性を試すかたちで、瀬戸際でおこなわれると予想される。例えば、数隻の漁船が拿捕されて、海上自衛隊が実力で奪還できない場合、アメリカ海軍に依頼するほかない。もしアメリカが事態の拡大を恐れて、躊躇したらどうなるか。 日本人の安保への信頼は相当にゆらぐ。北朝鮮は日本人に敗北感を与えると同時に、日米の離間を計ることができる。現在の北朝鮮は、政治的にも道義的にも、破綻国家であり、通常の国際関係における国家として、立ち向かうことは難しい。 現憲法がいう、“平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼”しようにも、それができない国である。とりあえず政府は、安保の実効性を高めるために、日米間の協議を密にすべきだ。また自衛隊と海上保安庁は、漁船を海賊行為から守る体制を整えねばならない。 重要なのは、日本人の平和感覚を変えることだ。“水と平和はただ”という通念を改め、海外では自ら身の安全を、国内では治安のために市民的自由をどこまで犠牲にできるか論議を深める。日本人は今、身構えて生きることを学ばねばならない。」 林建良氏が言うように、「日本人は国民全体がぬくぬくと学園生活を送ってきた」。これを機会に我々は、日本の特徴である“軍事を知らない平和論や防衛論”からも卒業しなければならない。
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