ukkyeeeさんの記事からの転載です。
http://blogs.yahoo.co.jp/ukkyeee/17566070.html
イスラエルは生存をかけてアラブの拒絶派と戦っているのか? ーIsrael fighting for its existence against rejectionist Arabs?ー
Israel fighting for its existence against rejectionist Arabs?
By Arab Media Watch chairman Sharif Hikmat Nashashibi.
10 August 2006
イスラエルは生存をかけてアラブの拒絶派と戦っているのか?
by アラブ・メディア・ウォッチ 会長 シャリフ・ヒクマット・ナシャシビ
多くの読者にとってこのタイトルは、まったくとんでもないことだと感じるだろう。しかしこれはイスラエルの支持者たちによって際限なく繰り返されている主張である。イスラエルは生存を賭けて戦っているのではないし、アラブは平和にやっていくことを拒否しているわけでもない、これは明白な事実だ。
この主張の前半、イスラエルは生き残るために戦っているという部分は、1948年のイスラエル建国当時から使われてきた。実際は、アラブ諸国より常に軍事的に勝っていた。その証拠にイスラエルは、建国時よりアラブの土地に対して拡張し、攻撃し、侵略し、占領してきた。
しかし主張は最近、説得力がない。ヨルダンとエジプト(これまで最も強いイスラエルの敵)と平和に付き合っていることや他のアラブ諸国と目立った衝突がないことを考慮してもだ。(隣国シリアは軍事力でイスラエルと対抗できないことは広く認識されている。)
今のところ戦っているのはパレスチナ過激派とヒズボラだけだ。事実上、この地域における唯一の核武装国で、世界で最も高度な兵器を持ち、数百、数千もの訓練された兵士がいて、政治的、経済的に世界でただひとつのスーパーパワーに支えられ、1年間数十億もの援助がある国が、原始的な兵器で武装した2,3千人の過激派を相手に戦っている。
パレスチナ人は(国も)軍隊も持たず、イスラエルによって外の世界から遮断されている。レバノン軍はイスラエルと戦ってもいないが、何よりも象徴的だ。ヒズボラの兵器は主に1970年代の年代物のロケットだ。イスラエルがパレスチナとレバノンに与えている破壊の程度を客観的に見れば、そしてその逆を見れば、生き残りのために戦っているのは後者の2国であることは明らかだ。
イスラエルが平和を望んでいるのにアラブが拒否している、という主張は思い違いに過ぎない。いくら記憶力の悪い方でも、2002年の重要なアラブ和平案は覚えているだろう。この提案はパレスチナを含む22のアラブ連合すべての承認を得ており、その時から再開された。
提案は、(イスラエルが)1967年に占領したアラブの領土から完全撤退することを条件に、国連決議194に乗っ取った「包括的な和平」、イスラエルとの「普通の関係」、「周辺諸国の安全保障」、「パレスチナ難民問題の解決」をアラブ各国に要求している。
提案文はここ→
http://www.al-bab.com/arab/docs/league/peace02.htm
「われわれは、アラブ諸国とイスラエルの関係を、アラブ諸国と別の国々との関係と同じようにしたいと思っている」、提唱したサウジの外相、プリンス・サウド・アルファイサルは言った。「近隣のすべての国はイスラエルと平和にやって行くだろう。生存権を認めるだろう。もしこれでイスラエルの安全が保障されないとしたら、間違いなく銃口では安全保障とならないだろう。」
http://edition.cnn.com/2002/WORLD/meast/03/28/arab.league/
国際法に照らしても全く公明正大なこの提案は、イスラエルに拒否された。そして案の定、アメリカが承認しなかった。当時の首相アリエル・シャロンの助言者、ドア・ゴールドはこの提案を「イスラエルにとって期待できるものがない」と言った。
http://news.scotsman.com/international.cfm?id=339752002
このアラブ和平の提案で思い出すのは、イスラエルの元首相デイビッド・ベングリオンの有名な言葉だ:「もし私がアラブのリーダーだったら、イスラエルとの合意書には絶対にサインしないだろう。当たり前だ。われわれは彼らの国を奪っているのだから。反ユダヤ、ナチス、アウシュヴィッツがあったが、それは彼らのせいか? 彼らにとっては、われわれが来て国を奪った、それだけだ。受け入れられる訳がないだろう?」(ベン−グリオン、自伝、ミカエル・ベン−ゾア)
いった誰が拒絶しているのか?
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イスラエル人、イスラエル国家のアイデンティティーと言うのは迫害に遭い続け、更に現在も尚近隣諸国から迫害に遭っている「被害者意識」「選民の受難」が根底原理に成っているので、その「被害者ステイタス」が無くなるとアイデンティティーとしての「イスラエル国家」が消滅してしまいます。
その意味での「現存イスラエルの崩壊」無しには「平等の人間、普通の民衆としてのユダヤ人達」はこの中東の地域で平和共存し得ないですね。中東地域の一員としての民衆、市民として、またイスラエル建国前の様にこの地域に融合共存するユダヤ教徒民衆として平和にキリスト教徒、イスラム教徒達と暮らす事を認め、生活し始めた瞬間が「現存イスラエル国家概念の崩壊」です。
その論理をヘズボッラは正論として、世界に突きつけて挑んでいる訳だと思います。そう言う意味での「イスラエルの生存を賭けた戦い」なんです。その意味で彼等は全く本気で間違ってはいないです。イスラエル人達を実際に武力やテロ活動で物理的にもう一度ディアスポラ、離散させようなどと言う次元では全然なく、存在原理論の問題としての現存イスラエル国家の是非を問う、高度に論理的な議論であるが故に、ヘズボッラはイスラエル、西洋キリスト教世界にとっての最悪最強の敵と視なされている訳でしょう。
西洋キリスト教界が第二次大戦後から今日まで臆病、無責任にも避け続けてきた論議をヘズボッラとそのイスラム教徒論客達は真っ向から世界中に問い、人権、人道価値に則った答えを出す事を要求、議論を挑んでいる訳です。
イランの傀儡の如くに欧米日本メディアでは扱われ続けていますが、実際ヘズボッラの論じる時限はイラン大統領のヒステリックなアジテーションとは全く次元を異にした論理での議論である事は明らかです。
ヘズボッラをテロリスト集団と断定するには、彼らの議論を真っ向から正論論破し得る世界中の哲学者、宗教学者、論理学者を揃え公共のオープンフォーラムで見事に論破させてから、その存在と武装抵抗行動を否定する必要があると思います。