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アメリカのバラク・オバマ政府が、北朝鮮の核兵器保有を既成事実化するのではないかという憂慮が大きくなっている。ヒラリー・クリントン米国務長官は9日、北朝鮮が1〜6基の核兵器を保有しているだろうと判断していると語った。クリントン長官はこの日、ケンタッキー州ルイビル大学で行った演説の質疑応答の中で、このように明らかにした。クリントン長官は2日後の11日、ABC放送に出演して、北朝鮮とイランの核能力に関して、北朝鮮は核兵器を保有する国であり、イランは核兵器開発を追求する国であると、明確に区別した。それにも関わらず、アメリカは北朝鮮を公式に核保有国と見なしてはいないとも語った。
しかし、アメリカ外交分野の責任者のこのような発言を無視することはできない。アメリカが北朝鮮の核兵器保有を既成事実化するということは、即ち、対北朝鮮政策の現実的目標が、核廃棄から凍結へと後退する可能性を示唆するからである。 このような憂慮は目新しいことではない。既に米合同軍司令部の『2008合同作戦環境』報告書と、米国家情報委員会の『2025年世界秩序の展望』報告書、そしてロバート・ゲイツ国防相が2009年初め『フォーリン・アフェアーズ』紙に寄稿した記事の中で、北朝鮮を核兵器保有国として描写した。 アメリカ政府はこのような発言が、北朝鮮を核保有国と認定することでは決してないという立場を明らかにしたが、同盟国に疑問を持たせるには充分である。北朝鮮が保有する1〜6基の核兵器が、アメリカにとっては当面の脅威ではないかも知れないが、東北アジアにとっては致命的な脅威になり得るからである。核兵器保有が既成事実化したら、北朝鮮は核兵器を前面に立たせて、全世界を威嚇するのは明白だからである。従って、国際社会はアメリカのオバマ政府が北核廃棄ではなく凍結へと後退することに対して、断固として反対しなければならない。 オバマ政府は初期の対北朝鮮2カ国間対話不可から、6カ国協議の枠組み内での2カ国間対話、そして6カ国協議再開のために必要なら2カ国間対話も先に出来るという形に、少しずつ譲歩して来た。北核に関しても、外交的成果に対する期待感もあるが、現実論に押されて次第に退行することも有り得る。クリントン長官の発言が、これまでのアメリカ政府関係者の発言と同様だとしても、北朝鮮の核保有を容認したり、核保有国と認定しては決してならない。このような発言は、北朝鮮に核保有国と認定され得るという誤ったシグナルを送るだけである。アメリカを含む国際社会は、北核の「完全な廃棄」という戦略目標を、少しも後退させてはならない。 |
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2010年04月27日
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