北朝鮮分析

北朝鮮のブログ : huntbaki@yahoo.co.jp

北朝鮮問題の分析

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党代表者大会を前にした対内用メッセージか?

金正日が今回の訪中で、父親である金日成の革命遺跡地の参拝に重点を置いたことを受けて、その背景に関心が集まっている。金正日は訪中の初日である26日の早朝未明、北朝鮮慈江道の満浦(マンポ)市で鴨緑江(アムロックガン)を渡り中国の吉林省集安市を経てまっすぐに吉林に向かい、父親の金日成の母校である毓文中学校と抗日遺跡の地である北山公園を訪問した。金正日が26日に訪問した中国吉林市の毓文中学校は、この日、北朝鮮代表団と中国公安などの訪問で、非常に混雑したとのことである。

続けて訪中4日目の29日にも、長春から専用の特別列車を使って夜通し移動して、黒竜江省哈爾濱(ハルビン)市に直行して、一日中、亡き父親の革命遺跡地を訪問したとのことである。ハルビン市は金日成がパルチザン運動を繰り広げて、在命中は共産主義運動の拠点と考えた所なので、金正日が直接訪問して参拝したのだろうというのが大体の解釈である。

金正日の今回の訪中日程を見てみると、長春の南湖ホテルから胡錦涛(フジンタオ)中国国家主席と中国-北朝鮮首脳会談をした日程を除けば、3泊4日の日程の半分程度を、金日成革命遺跡地の参拝に使ったわけである。

実際、毓文中学校は金日成が共産主義思想を吸収した所であり、ハルビン市は直接にパルチザン運動を行った所であるという点を考慮したら、金正日がこのような行程を消化した意図は大体見当がつく。来月に予定された労働党最高指導機関の選挙のための党代表者大会を前に、父親である金日成の革命課業を受け継ぐ「ジェスチャー」をする意図があったという分析が提示される。すなわち対内宣伝用である公算が大きいというわけである。

最近、一層強まった国際社会の圧迫により、国際的な孤立と経済的な困難が加重された状況で、日本の圧迫に打ち勝ってパルチザン運動を展開した金日成の革命遺跡地を参拝することにより、革命意志の継勝を強調する一方で、現在の苦難に打ち勝とうという「メッセージ」を伝えようとする行動だろうという分析も可能である。

もちろん、朝鮮労働党代表者大会を前にした時点で、後継者指名を暗示した行動であるという指摘も提示される。注目される点は、金正日の3男である金正雲の訪中同行である。しかしこれも、金日成の革命遺跡地を金正日と共にその息子が視察することで、北朝鮮の後継者であることを公式に知らせるための行動の一環であるというのである。このような点から推測して見ると、今回の訪中で金正日と金正雲の亡き父親の革命遺跡地の視察は、以降、北朝鮮で大々的に「広報」される可能性が大きいという憶測が提起される。
これまで韓国国内の北朝鮮に関連する団体は、北朝鮮にコメを支援しなければならないと主張してきた。しかし、幸いにも韓国政府は、このような一部の主張を無視して、一貫した対北朝鮮政策を固守して来た。ところが、最近になって、韓国の一部有力政治家が、北朝鮮にコメをあげなければならないと主張している。本当に情けない主張である。

「北朝鮮へのコメ支援=北朝鮮軍の軍需米=侵略エネルギー」

このような公式を、彼らは本当に知らないのだろうか。もちろん北朝鮮に大洪水が起こって、UNに援助を要請したとしたら、人道的に支援することもありえるだろう。しかし北朝鮮にコメをあげたら、そのコメが本当に必要な人民のものになると考えるのは、政治家に似合わない幼稚な発想である。

北朝鮮の食糧問題は、基本的に彼らの非効率的な社会主義的分配システムに根本原因がある。実際、北朝鮮が1年に生産する食糧は、彼らが充分に自給自足することができる量だと言う。しかし、分配システムに問題があるので、労働党幹部は豊かで贅沢な生活を楽しむ一方、一般人民たちは飢えてしまうのである。これは、指導層の腐敗に大きな原因がある。金正日の豪華で贅沢な生活は、既によく知られているし、人民が飢えても、多額の資金を使って大量破壊兵器を開発するという現実が、北朝鮮を現在のような非常識な社会に作り上げたのである。従って現在のような北朝鮮の食糧問題は、北朝鮮の社会を改革する以外に、解決方法がないのである。

故に、北朝鮮を本当に助けたければ、正常な社会になるように助けるのが一番良い方法である。単にコメをあげたら、北朝鮮社会の矛盾が解決されるのではない。北朝鮮社会の矛盾が解決されないのは、外部から支援されたコメが全て軍隊で使われたり、指導層が所有してしまうからである。以前、韓国の金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は、北朝鮮に莫大な資金を支援して、国際社会の非難を浴びた。そしてその結果、北朝鮮に核とミサイル、生化学兵器の開発という結果をもたらした。もし再び韓国が北朝鮮にコメを支援したら、これは東北アジア安保の脅威につながるだけではなく、国際社会の逆賊になる行為である。

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北朝鮮の食料事情が本格的に悪化し始めた1970年代末頃から、農民たちの不満を減らして、農業生産性を高めるためのインセンティブとして、集団農場の農場員一世帯当り60〜80m2程度の畑を与え、個人で耕作できるように許容した。ところで、この個人耕作用の畑の生産性が、集団農場に比べると10倍以上になるという驚くべき結果が現われ、北朝鮮政府を慌てさせた。

このように農村で野菜などの余剰農産物が生産されるようになり、このような農産物と犬、兎、山羊などの家畜を対象に、10日に1回くらいの割合で開かれる「原始的形態の市場」で、主に生活必需品と農産品の物々交換の直接取引が行われるようになった。これを「農民市場」または「市場」と呼ぶようになった。

当初は数カ所しかなかった農民市場が、90年代に入って急激に増加した。郡別に1〜2カ所、市別に3〜5カ所の「市場(チャンマダン)」と呼ばれる「農民市場」が現れ、北朝鮮全域に約350カ所が誕生したとのことである。「市場」では北朝鮮全体の生活必需品の60〜70%が取り引きされていると言う。また、取り引きされる商品の大部分は、中国を通じて入って来たものであり、取り引き価格は北朝鮮の公式価格(配給価格)の少なくとも数10倍から数100倍、時には1,000倍の闇取り引き価格もあるとのことである。

価格の差が最も激しい「コメ」の場合を例にあげてみると、コメ1kgの公式配給価格は0.08ウォンなのに、闇取り引き価格は、信じられないことに約75ウォンであり、下級労働者1カ月分の月給に相当するという。すると、闇取り引き中心の農民市場の登場は、単に北朝鮮の食糧不足などの物資の欠乏と経済的な立ち後れだけを意味するのだろうか?総体的な経済破綻という側面だけではなく、もっと根本的で深刻な問題を示唆している現象ではないかという点を考えて見る必要がある。

[1]共産革命の最初のボタンと最後のボタン

ソ連占領軍が1946年2月8日、「北朝鮮臨時人民委員会」を設置して真っ先に着手したことは、1946年3月5日に制定した、所謂、「土地改革法令」であった。これは農業経済が主流を成していた当時の社会で、「人民民主革命」を推進するためには、既存の土地制度を崩壊させて既存の民族主義勢力の経済的基盤を抹殺するという側面と、共産党が生産手段を掌握するという2つの側面から、「重要な意味」を持っていた。

土地改革初期の「耕者有田」というスローガンは、北朝鮮政権の樹立後、第1次、第2次経済計画と朝鮮戦争前後の復旧時期を経て、1958年に毛沢東式の「農村集団化」の強行へと繋がり、終には農民を一時的に欺いた共産化政策だったことが明らかにされた。

その後、1972年12月に改訂された北朝鮮の社会主義憲法では、農業だけではなく鉱、工業などの北朝鮮の全ての生産手段と所有形態は、公有と共有しかない完璧な社会主義天国になったと断言した。

このように北朝鮮の共産集団は、「私有制度と市場経済」の破壊を社会主義革命の目標にして、「農業の集団化」という世紀の愚かな手段を選択したのである。特に北朝鮮の場合、社会主義革命の開始と完成(?)を、農村の集団化と市場経済の抹殺に置いた。

このように見てみると、農民市場(市場)の登場と拡散は、社会主義革命の失敗を意味すると考えられる。即ち、「資本主義とブルジョアの生成」をもたらす危険性がある反社会主義的状況を捨てておくしかないということは、単純な経済難の一断面ではなく、体制崩壊の兆候と見なければならない。

1945年8月17日、羅津(ナジン)港に上陸して北朝鮮に進駐したソ連軍と忠実な追従者の金日成が、混信の努力で完成しようとした共産化革命が約60年で「失敗」終わったということが、市場という名前の「農民市場」の登場で分かる。

[2]苦難の実験が、とうとう終わりを告げるのか?

北朝鮮金正日の独裁体制を支えている3本の柱は何だろうか?

(1)人間の本能的基本欲求を抑圧統制する政治社会的制度及び装置
(2)厳格な相互批判監視と処罰の恐怖
(3)徹底的な閉鎖で、人民に対する集団洗脳教育と体制盲従、盲信の維持

こういった項目を労働党宣伝扇動プログラムと有機的に結合させて相乗効果を出して運営することによって、今飢え死にしても「金正日将軍の恩恵、我々方式の社会主義地上楽園」だけを呪文のように唱えて、幸せに死んで行く群衆たちで一杯の謎の国を作り上げた。北朝鮮の人民を金正日独裁政権に奴隷のように屈服させるメカニズムの中で一番重要なことは、何よりも「人間の本能的基本欲求を抑圧統制」する手法のようである。このメカニズムの主要骨子は、a.配給制、b.自由の制限、c.思想統制だと言える。

まず、「配給制」は全ての人民に余裕と充足を与えないことによって、服従と忠誠を強要することができる。これは共産党式支配と抑圧論理の基本になる。北朝鮮は食糧を含む全ての生活必需品を、徹底的な「配給制」で管理して来た。

ここで、人間生存の基本要素とも言える「食糧配給」問題を詳しく調べて見よう。北朝鮮は1958年に農村の集団化と共に、社会主義建設という名目で、全面的な食糧配給制を実施した。「食糧の無駄使いを無くして、全ての構成員に均等に分配する」というそれらしい理由と名分を掲げていたが、食糧の無駄使い防止と均等分配よりも、「戦争備蓄用のコメ」の確保と、身分による「差等受恵の制度化」、及び共産革命の基本である「私有制度と市場経済」の抹殺という目標が隠されていた制度だと言える。このように考えてみると、市場と呼ばれる市場が各地に生まれたことは、「資本主義とブルジョアを生成」させて、60年間金日成から金正日まで世代を超えて引き継がれてきた社会主義体制が崩壊する兆候と見られる。

また、農民市場が北朝鮮住民の生活必需品の60〜70%を供給するようになったということは、単純に物資供給体系に異常が生じたこと以上の意味がある。強力な住民抑圧統制手段の一つが完全に麻痺して無力化されたことを意味するからである。また、「市場」の発達は必然的に人々の往来をもたらすので、口コミで伝えられる情報の流通を統制することができなくなる。もちろん、旅行、居住地の移転、職業の選択、私有財産の制限などの社会的強制の緩和、あるいは解体が不可欠になるという意味もある。

「市場」の登場が社会主義体制に及ぼす打撃は、想像することができない程大きくて深刻なものである。全国350カ所に「市場」が生じたということは、共産政権が住民に対する「統制力」を徐々に喪失しているという証拠であると同時に、約60年間続いた苦難の実験が完全に失敗したことを意味する。

[3]新しいスタートはどのように始められるか?

北朝鮮に「市場」が登場したと言って、金正日独裁体制が崩壊することを意味するのではない。ただ、苦難の社会主義60年の実験が終わって、体制の崩壊が始まったことを意味するのである。そうなると、北朝鮮の崩壊現象をどのように管理するかが問題である。国際社会の一部では、まだ対北朝鮮支援をしなければならないと主張している。しかし、このような支援の目的が、崩壊しつつある金正日政権を対象にするとしたら問題である。金正日を相手にドルと食糧を提供しても、金正日独裁体制の延命の助けになるかも知れないが、「北朝鮮体制」の秩序ある変化を期待することはできないからである。北朝鮮人民の抑圧と苦痛だけが延長される結果をもたらすだけである。

従って、目標は北朝鮮の市場にならなければならない。北朝鮮当局を経ないで、北朝鮮の「市場」に大量で良い商品を投入することができたら、これを購入する北朝鮮人民は新しい世界を知るようになるからである。即ち、彼らを覚醒させられるからである。このように国際社会は北朝鮮政権を相手にするのではなく、北朝鮮市場に侵透する方法を捜さなければならない。

「市場」の活性化こそ、北朝鮮独裁政権の圧制を乗り越えられる最も効果的な方法だからである。金正日に「改革開放」を要求する必要もない。「市場」の成長が、即ち改革であり開放だからである。

北朝鮮の忠誠文化

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金正日は自分に忠誠を誓う者には全てを容認してあげるが、少しでも忠誠心が疑わしくなると全てを剥奪してしまう。このような両極端を併用しながら、幹部たちを相手に「恐怖政治」を進める。自分を「恐ろしい存在」と絶え間なく浮上させながら、幹部たちに「忠誠」を強要する。

1990年代末から金正日が作り出した「忠誠」文化が、末端の幹部階層まで拡散し、90年代後半から直属の上級幹部に自分の全てを捧げる「オールイン(All-in)文化」が普遍化された。

金正日を頂点にする組職構造の中で、幹部たちは自分の意思半分、他人の意思半分で、誰かのグループに属するようになる。金正日一人だけに向かっている権力構造の中で、幹部たちが生き残るためには「無限の競争」をするしかないからである。幹部たちの間の競争の基準が能力と経験ではなく、金正日個人に対する「忠誠度」で左右される状況なので、仕方なく誰かのグループに属さなければならない。

このような状況なので、あるグループの最高幹部が粛清されたら、彼が後援してきた下級幹部たちも全員粛清される。罪が許されてまた幹部職に復帰する時も同様である。全てが集団で行われる。2000年代に金正日の妹婿であるチャン・ソンテクが粛清されてから再起する過程で、数十〜数百人の幹部たちが同時に追放されてから復帰したのが代表的な例である。

直属の上官に全てを任せるオールイン文化は、幹部たちの不正と腐敗を爆発的に増加させた。

直属の上官に評価されるためには、必ずお金が必要である。上級幹部の小遣い、娯楽、家廷生活を補助するための賄賂だけではなく、上級幹部の体面を支えるための活動にもお金が必要である。例えば、一級連合企業所の党支配人のグループに属した幹部は、金日成-金正日の誕生日毎に金日成の花や金正日の花を予め準備して、もっと上の人たちに支配人の名前で花を贈る。このようなことをするには、少なくないお金が掛かる。

また別の側面から見たら、上級幹部が権力を失えば一緒に没落するので、「この地位にいる間に、精一杯財産を増やそう」という考えが広まった。幹部の地位はいつも不安定なので、信じられるのはお金しかないのである。老後のためや、検閲に掛かった時に助けてもらう為に、一番切実なものは「お金」である。

1990年代の「苦難の行軍」の前までは、名目上は首領と党、祖国と人民のために最も献身する人を幹部に選抜するという原則が維持された。幹部選出の基本核心は当然出身成分だが、これに首領-党-大衆に対する総合的な忠誠心と共に、一定の能力と経験までが要求された。当時は幹部自らと家族の安否より、首領-党-人民のために働かなければならないという「服務精神」が最高の美徳として教育された。

1980年代までは、引退した党幹部が余生を貧しく暮らす姿がよく見られた。幹部として働いていた時、真面目に仕事ばかりしていたので、老後の準備が十分に出来なかったからである。もちろん当時も私利私欲に目がくらんだ幹部たちも少なくなかったが、少なくとも外見だけでも「貧しく」見えるように努力した。

この時期に頭の回転が速い幹部たちが注目したのは、年老報奨金制度である。この制度は功労者の資格を獲得した人に限り、定年退職後の配給600g(1日分)と毎月60ウォンの年老報奨金が支給されるものだった。選定対象は、金日成勲章を授与された人と、「英雄」称号者、国旗勳章(努力勲章と功労メダルを含む)5個以上を授与された人などである。

ところで、工場企業所の支配人、あるいは党秘書以上級の幹部になれば、この制度の恵沢を受けることができる候補者になれる。毎年、金日成の誕生日などの国家の節日の毎に勲章の授与式が行われるが、彼等の殆どが年老報奨金の対象になれるチャンスが与えられる。

勲章の推薦・授与は市・郡人民委員会の表彰指導員が担当するが、推薦の選考が進められる時に、優先して幹部たちが授与されるように下工作をして、「分け合い」の規則を適用するのが殆どだった。従って、大部分の上位幹部たちは、特別な過ちがない限り、定年退職に合わせて勲章が授与され、年老報奨金で安楽な老後を楽しむことができた。

しかし、このような文化は金正日の執権以降、具体的には90年代の「苦難の行軍」以降、大きく変質してしまった。つまり、金正日式の「一人忠誠主義」が拡散し、2000年代の物質万能主義まで加味されて、お金と物質に対する幹部たちの欲望は果てしなく大きくなったのである。「物質欲」が「名誉欲」を追い越したのである。特に北朝鮮政府の供給能力が低下して、「年老保障金制度」の実際の運営が中断され、例え運営されたとしても物価高騰のために、何の魅力もなくなった。

結局、幹部たちは2000年代以降、「お金」に向けて走り始めた。既にお金は権力の副収入ではなく、権力の主要動機に変わった。同時に、幹部たちの保身主議も目立って強くなった。

80年代の幹部たちの保身主義が「一切の過ちなく、停年退職しよう」くらいだったとしたら、2000年代の保身主義は「上級幹部に憎まれないのなら、何をしても良い」という形の積極的な日和見主義に変わった。国家の法や道徳の遵守は既に考慮する対象ではなくなった。上級幹部だけに問題視されなかったら、あとは「自分の能力」次第だった。

このような理由のため、2000年代以降、北朝鮮の幹部たちの麻薬、密輸、公金横領などの個人経済の不正腐敗は急激に増加した。幹部たちの不正腐敗が増加するにつれて、上級幹部に対する依存度と忠誠心は更に強くなった。信じられるのは、結局、上級幹部しかないからである。

幹部たちの保身主義と不正が蔓延したことを受けて、政敵を除去したり政治的な犠牲の羊が必要な時も、「不正と腐敗」が定番メニューとして登場するようになった。

2009年11月30日の貨幤改革の失敗責任を問われて、2010年3月に銃殺されたパク・ナムギ労働党財政経理部長には、「貨幤改革直前に予め情報を側近たちに流して、旧貨幤を大挙処分してドルを確保するなど、違法で個人財産を増やした」という罪目が加えられたことが代表的な例である。

しかし逆に言ったら、幹部たちの保身主義のために、最大の被害を被っている人は、正に金正日である。上級幹部だけに従って、お金だけでも沢山に集めようとする幹部たちが、金正日の指示を真心誠意執行するわけがない。結果的に、保身主義に夢中の幹部たちは、「首領の権威」を深刻に毀損する。また、このような幹部たちの不正腐敗理が人民たちに暴露されたら、住民たちの反発が金正日を向けられる。


今まで金正日体制維持の為の主要動力だった幹部たちが、今や金正日権威を崩壊させる害虫の役割をしている。予想されたブーメランである。但し、20年以上に渡って保身主義で訓練された北朝鮮の幹部層が、何時、金正日に背を向けるかは非常に興味深いテーマである。唯一明らかな点は、そのクリティカル・ポイントが急速に近付いているということである。

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中国の「以夷制夷」戦略…
6カ国協議の成功より、北朝鮮先を前面に立たせて、日本、アメリカ、韓国の共助体制破壊に逆利用する。


UN安保理でチョナン号事態を円満に成功させた中国が、6カ国協議の再開を急いでいる。遅々とし進展が見られない6カ国協議の議長国としての体面もあるが、チョナン号事態により日本、アメリカ、韓国の関係が密接になったことを受けて、中国の牽制心理が作用したようである。

それならば、中国が6カ国協議再開を急がせる真意は、果して何なのだろうか。北核の完全廃棄を望むアメリカをはじめとする国際社会の要求を、受け入れたのだろうか?

結論は、そうではないようである。今まで6カ国協議の重要な局面毎に、中国は北核問題を対米戦略の次元で扱って来た。即ち、中国は北朝鮮の核兵器保有と核開発を内心容認する戦略を取りながらも、対外的には強大国の核兵器削減という流れに便乗して、国際的努力に形式的に同調して来た。

北朝鮮を前面に立たせて、日本とアメリカの力の相乗作用を阻止しようと考えたのである。中国は6カ国協議の議長国としてだけでなく、政治、軍事、経済的な面からも、北朝鮮に絶対的な影響力を行使できる国である。中国の決定の行方如何で、北核を廃棄できる充分な役割を果たせる位置にある。

それにも関わらず、中国は北核廃棄の為に、一度も北朝鮮に圧力を行使したことがない。中国のこのような2重態度には、どのような戦略的意図があるのだろうか?

第1に、中国は北朝鮮の核兵器保有と核開発政策を利用したら、東北アジアでのアメリカの覇権を牽制することができると考えている。北朝鮮はテポドン・ミサイルなどの中・長距離核運搬手段を持っており、日本は勿論の事、沖縄、グアムなどにある米軍基地が射程圏内に入っている。従って、日本、アメリカには軍事的に直接的な脅威手段になり得るという点を、利用しようとしているのである。これは、中国が国際平和に逆行するという認識を与えないで、北朝鮮を通じた一種の代理戦効果を狙っているのである。

第2に、6カ国協議で北朝鮮が核を保有することを通して狙っているアメリカとの平和協定締結を、最大限に利用しようという戦略である。アメリカ-北朝鮮の平和協定が締結されたら、米軍を韓半島から完全に撤収させられる名分と実利を得ることが出来る。そうなったら、中国は東北アジアにおけるアメリカの影響力を弱化させられるという戦略的判断をしているのである。そうなったら、東北アジア地域で中国が戦略的イニシアチブが掌握できて、座っているだけで利益が得られるだろうと予測しているのである。

第3に、日本、アメリカ、韓国の共助体制を弱化させるのに、北朝鮮を利用しようという戦略である。北朝鮮は崖っぷち戦略戦術と国際テロ、反人権的活動などで、国際社会から不良国家という烙印を押されて久しい。中国がこのような北朝鮮を擁護する理由は、正にこのような北朝鮮の非常識な行動が、場合によっては日本、アメリカ、韓国の共助体制を弱化させるのに効果があると判断しているからである。即ち、中国は北朝鮮の非常識な行動を取り成す条件として、東北アジアで中国の影響力が認められて、外交的優位を維持するのに利用できると考えているのである。

第4に、6カ国協議で失敗しても、アメリカは北朝鮮の核基地攻撃という積極的な武力手段を行使することができないということが分かり、これを戦略的に最大限に利用するというのである。アメリカは以前、共産主義者との会談や休戦会談などで、攻勢的になれず、常に最善策でなければ次善策を選択して来た。ブッシュ政権初期には、北朝鮮を「悪の枢軸」と規定して北核の完全な廃棄という戦略を固守したが、北朝鮮が2回の核実験を強行した後は、現実的に北朝鮮の核兵器保有を内部的に評価しながらも、核保有国と認定することができないというジレンマに陥ってきた。最近になって、アメリカは北核を解決する際に、北朝鮮が核を固守する限り、北核廃棄の代わりに北核封鎖というラインに後退するという政策転換も感知されている。このようなアメリカの政策変化を、中国が見逃すわけがない。北核を認めても、中国に反抗する北朝鮮ではないからである。

結局、中国は東北アジアでの基本戦略として「以夷制夷」戦略を行使している。北朝鮮を中国の最前線に立たせて、日本、アメリカ、韓国を抑制する戦略である。中国のこのような戦略的2重性は、6カ国協議で中国が北核廃棄の為に自ら先頭に立つ必要はないし、むしろ北朝鮮の体制維持が中国としては非常に切実なので、北朝鮮を直・間接的に支援して行くのが有利だと判断しているからである。

既に、北朝鮮が犯した韓国戦艦チョナン号の攻撃から分かった様に、中国はUN安保理議長声明で北朝鮮を糾弾するより、むしろ北朝鮮に兔罪符を与える悪役を買って出ている。こういった点から、中国のこの2重性を赤裸々にうかがい知ることができる。

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