hutatuyanosikiのブログ

山に目覚めた中年オヤジの山旅日記

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GWの北岳・敗退日記

皆様、令和あけましておめでとうございます。
令和も平成同様拙い記事を綴ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

さて、正月の燕岳山行以降、とにかく通常の土日は仕事の疲れがたまっており、遠征する気力がなく地元の山、二ツ箭山に通う週末を送っておりました。しかしこのGWはとにかくガツンと遠征をして来ようと、1か月程前からいろいろ山行の計画を練っていました。そして今年のGWは暦通り何とか十日間休むことが出来たので、この十日間の中で天候を見定め、少しでも天気のいい日に行こうと思い、連休初日からいつでも出発出来る準備をしていました。
しかし、どうもこのGW、前半は28日(日)のみ安定的に晴れるものの、その前後の天候は思わしくなく、後半は晴れ間が出るものの大気の状態が不安定となり雷雨の恐れがあるとのこと。そんなわけでせっかちな私は、29日(月)も何とか持ちそうな予報であったため、27日(土)に登山口近くまで行き、28日(日)〜30日(火)でアタックしてこようということで連休初日の27日(土)朝7時ころに自宅を出発、先ずは昨年の谷川岳山行の際にも立ち寄った、佐野ラーメンの店日向屋さんへ直行しました。

【4月27日(土)】
いつも通り急ぐ旅ではないので、下道ばかり使い、日向屋さんに着いたのは11時過ぎでした。到着すると、さすがに連休初日ということもあり長蛇の列。一瞬諦めようかとも思ったのですが、折角なので並ぶことにしました。
一時間半ほど並んでやっと入店でき、十分ほどで着丼、お味の方は昨年同様何とも言えない優しい味でやっぱり私の中ではこの店が一番かな?と思えるような味でした。
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さてさて、本題に戻りますが、今回の目的は北岳が一番美しく見えるという池山吊尾根上部のボーコン沢の頭付近から雪を纏った北岳を望み、残雪の北岳を足下にするというかなりハードな山行となりますが、かなり前から一度歩いてみたかったコースでもあります。
そして、北岳のメインの登山口である広河原は6月にならないとバスが入らないため、この時季は広河原のずっと手前の夜叉神峠から歩き、何ともドМな池山吊尾根という、いにしえのクラシックルートを辿ることとなります。
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佐野より熊谷や秩父を経由して雁坂トンネルを抜け山梨県に入ります。初めて走る道路ですが、地図で見るとかなりショートカットしているようで、ちょうどいいドライブコースです。

そして、甲府市内のスーパーで今晩の宴会の酒とつまみを買い出しし、今回も一昨年のGWに鳳凰三山に登った時と同様、道の駅しらねで車中泊します。
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【4月28日(日)】
道の駅を3時半頃出発し、登山口となる夜叉神峠には4時半頃到着、いわきから376km、やっぱり遠いです。
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ここの駐車場は2年前のGWに鳳凰三山に登った時にも使っており、この日も鳳凰三山に向かう人の車でいっぱいでした。
そして、近くにいた方に「北岳はこっちですよね?」と聞くと、「え?この時季、北岳登れるのですか?」と言われてしまいました。
なんだか嫌な予感がするな〜と思いながらも4時半過ぎにはてくてくと歩きだし、早速第一の関門である夜叉神トンネルが現れます。車道はシャッターで閉められており左側のドアから入ります。
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中に入ると、トンネルは直線のためはるか先に米粒のような小さな明かりが見えますが、それ以外は真っ暗闇で、とにかく不気味です。地図で見る限り1.5㎞近くあるでしょうか、真っ暗やみの中をヘッデン点けてひたすら米粒のような明かりを目指して歩きます。物音といえばトンネルに滴り落ちる地下水の音のみ・・・。結局私が出口を出るまでトンネル内に人が入ってきた様子はなく、前後約20分程度の間は誰もいないということになります。なんだか心細くなってきましたがとにかくここまで来たからには突進するしかないということで、トンネルを出てからもひたすら林道を歩き続けます。
するとしばらくすると、目の前に真っ白な雪を纏った北岳と間ノ岳の雄姿がドッカ〜ンとその姿を現わします。
とにかく今日の天気は文句なしの晴天です。問題は明日で、天気図を見る限りでは明日も何とか持ちそうなので、明日に賭けるべく、出来れば池山御池小屋の先の城峰というところ辺りまで足を伸ばしたいと思い誰もいない林道をひたすら歩き続けます。
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しかし、このルート、この南アルプス林道より野呂川発電所までの標高差約400mを一気に落されるというとんでもないドMなルートで、途中、南アルプス林道より、野呂川の谷底を見ただけで心が折れ始めてきます。
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途中、鷲住山展望台の先より左の登山道に入り、一度鷲ノ住山を緩やかに登ります。
鷲ノ住山まではちょっとした痩せ尾根があり、ストックが邪魔だったため、登山道の先に投げたところ、一本が崖から落ちてしまい、結局この先一本で山行を続けることとなりました。
なんだか今回の山行、ますます嫌な予感がするな〜と思いつつも、とにかく今日は少なくとも池山御池小屋まで行ってみようと思い転げ落ちそうな急坂を野呂川発電所まで下ります。
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野呂川の吊り橋には7時10分頃到着しました。ところがここから先林道に上がるまでがまた大変で、頼りないトラロープを掴んでよじ登るのですが、テン泊装備の重たいザックが邪魔をし、よじ登るのに一苦労しました。
とにかく今回のルート、あまり人が歩いていないせいか、結構道が荒れており、整備されていない印象を受けました。
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奈良田から来る林道に出た後は、また40分程の林道歩きで、やっと今回の本当の登山口である「あるき沢橋」のバス停に到着しました。ただしバス停といっても6月までバスは来ません。
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これより池山吊尾根のルートを登っていきます。のっけからとんでもない急登の連続です。ここは昭文社の山と高原地図では破線のルートで、踏み跡も不明瞭なところが多いですが、目印のテープが所々付けられており、そのテープを常に探しながら歩けば、迷うことはありませんでした。
途中、なだらかなところに出ると、昭和のものと思われるようなビールの缶があちらこちら転がっていました。
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そして、こんなお釜までも・・・。
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やはりこのルートは北岳に向かういにしえのクラシックルートなのでしょう。
一升瓶などもあちらこちらに転がっていました。
昔の人は軽量化のことは二の次だったのでしょう。すごいですね〜。

登っていくにつれて、対岸の南アルプス林道が気になりはじめます。もう対岸の林道の標高は越えたかな?などと考えながらとにかくひたすら急登を登り続けます。途中には倒木や、急なガレ場なども多く、決して油断は出来ません。
対岸の林道が下に見え始めてしばらくすると、やっとのことで吊尾根に乗ったようで、傾斜がなだらかになります。そしてしばらくなだらかな尾根道を歩くと、突然目の前が開け、草原の先に赤い屋根の小屋がありました。
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池はまだ雪に覆われていました。
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さすがに今日は、この先に行く気力はありませんでした。出来れば少しでも北岳の山頂に近い城峰という付近でテン泊したかったのですが、今日はこの小屋をゴールとします。
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小屋に入ると、すでに無人のテントが二張りありました。
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私も奥に陣取らせていただきました。
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小屋には11時40分に到着、まだまだ先に行ける時間ではありますが、とんでもないドMなコースでこれまで登山口を出て誰一人会っていません。しかも今日は天気がいいとはいえ空気はひんやりとしていて、夜はかなり冷え込みそうです。
気分は完全に宴会モード突入、ビールで乾杯しパスタとワインで段々いい気分になってきます。
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さすがに時間を持て余してしまったので、池の周りをのんびり歩いてみます。
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この辺りにも昭和の雰囲気が漂う空き缶がちらほらと・・・。
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「静かな湖畔の森の陰から〜♪♪」といった感じの、本当に静寂な場所です。
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だけどよく見るとごみが散乱しているのが残念です・・・。
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それから、しばらく昼寝をしていると16時ころだったでしょうか?物音に目が覚めると、5人組のパーティーが小屋の中に入ってきました。二張りのテントの主で、聞いてみると今日、北岳山頂をピストンして戻ってきたとのことでした。朝5時ころ小屋を出て今戻ってきたとのことで、約10時間かかっており、いかにこのルートがハードかということが分かります。そして皆さんの話では明日は午前中は天気が持ちますが、午後から崩れますよとのこと・・・。この時点では今回の山行はここが最終目的地という気持ちが湧いてきました。
ここまでもかなりハードなコースで地味に危険な個所がいくつかあります。仮に明日一日天気が持ったとしても、明後日は間違いなく雨です。雨に濡れたこのルートを下山することは危険以外の何物でもありません。しかも他に登山者は誰もいません。結局この日、私の後には誰も登山者は来ませんでした。ということはこの日の入山者は私だけ。携帯は完全に圏外で、万一怪我でもしたら命取りになります。
とにかく明日は慎重に下山しよう。そう心に決め再び眠りに着きました。

【4月29日(月)】
朝は3時半頃起床し5時に小屋を出発、5人のパーティーより少し先に出発します。あるき沢橋のバス停には7時半頃到着、そして野呂川の吊り橋へ向かいます。
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野呂川の吊り橋へは野呂川隧道の左のガードレールの間を抜けていきます。注意してみていないと見落としてしまいそうなところです。
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吊り橋に降りる難所を無事クリアし、ホッと胸をなでおろします。そしてここからはひたすらの登り返しが待っています。二泊の予定だったので、まだ一泊分のビール、酒、食料がザックの中に入っています。途中捨てて帰りたいくらいでしたが、そうはいきません。結局テントは小屋の中で張っただけ、アイゼンとピッケルも未使用・・・。
どんだけ無駄な荷物持ってるの?(泣き)と思いながら最後の力を振り絞ります。
そして、南アルプス林道を目前にした時の安堵感は半端なかったです。
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北岳、間ノ岳を振り返ると、どんより雲が垂れこめており、時折雨粒も落ちてきます。やはり、今日のうちに下山しておいて大正解でした。
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さあ、最後の難関?夜叉神トンネルです。この日は駐車場側のシャッターが開いているようで、駐車場側にも米粒のような明かりが見えます。
よし!このトンネルを抜ければ無事下界に戻れる!フリードくんが待ってる!と思いひたすら米粒を目指して暗闇を歩き続けます。
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そして、やっとのことでトンネルの出口に到着、まるでドラえもんの「どこでもドア」や「タイムマシーン」のような感じがしました(笑
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駐車場には11時20分頃到着、相変わらず鳳凰三山に行く人達の車でいっぱいでした。そして無事フリードくんが待っていてくれました。
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この後、千葉の実家に向かう予定ですが、渋滞に巻き込まれるのも嫌だし、まだ日にちはたっぷりあるので、またまた甲府のイトーヨーカドーで車中泊の買い出しをします。イトーヨーカドーの屋上に車を停めると、やはり南アルプスはどんよりとしておりました。それにしてもこの屋上は山好きにはもってこいの場所、甲府盆地を取り囲む山々が360度見渡せ、晴れた日にはきっと山座同定楽しいことでしょう。
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この後、定宿の道の駅甲斐大和で車中泊し翌日千葉の実家に向かいました。

ということで、今回の山行は見事に敗退に終わってしまいました。
ズバリ敗因は
①天候の見定めが甘かったこと
 結局、GW後半の天気は大気の状態が不安定とはいえ、
 雷雨などが発生している場所は今のところ関東などのごく一部で、
 昨日あたりから晴天が続いているようです。
 ま、結果論ですから止むを得ませんが・・・。
 そして
②今回のコースは自分の力量を超えていたこと
 三日間晴天に恵まれれば、もしかしたら登頂出来たかもしれませんが
 あまりにも登山者が少なく、ルートも整備されていないところが多く
 リスクが多かったこと。
 静かな山がいいとはいえ、やはり程々に登山者はいた方がいいと
 感じざるを得ませんでした。

折角、期待していた10連休の山行が敗退してしまったことは残念でしたが、とにかく無事下山できたことが何よりでした。
連休初日、山梨に向かう途中、車のラジオでちょうど「石丸謙二郎の山カフェ」という番組をやっておりました。そのなかでゲストの仲川希良さんというモデルでフィールドナビゲーターの方が山で泊まることの一番の魅力は「家に帰りたくなること」とのことでした。山に登ることで、自分の日常がいかに恵まれているかということを感じるのだそうです。
今回、私も強くそんなことを感じさせられた山旅となりました。

おしまい

閉じる コメント(6)

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こんにちは。
凄い所を歩いてきたんですね(@_@)
読んでるだけで冷や汗が出てきました。
無事でなによりでした。
家から仕事から解放されたくて山に行くけど結局最後は「家に帰りたくなる」そうかもしれませんね。
家が一番(笑)
素晴らしい眺めに乾杯🍻

2019/5/8(水) 午後 1:35 [ セとナのルンルン山日記 ]

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お疲れさまでした。オラなら真っ暗なトンネルで敗退かも。
futaさん、単独行なんですから、それなりの覚悟で入山しているんでしょうけど、それでも撤退するとはよほどすごいコースなんですね。
今年は南アに入ってみたいと思っています。還暦前に。

2019/5/8(水) 午後 9:27 山楽番

セナさん
おはようございます。
イヤー
ホント、南アルプスの展望のない樹林帯のなかを、ただひたすら歩いて辛い思いだけしてきた感じです。
でもまあ、無事で帰れれば良しとするしかないですね。
こんな山行もたまにはありかな?(笑い)

2019/5/9(木) 午前 6:29 [ hutatuyanosiki ]

山楽番さん
おはようございます。
やはり、林道歩きのあと、いきなり標高差400メートル近く落とされるのがきつかったですね。
荷物が思いから余計に感じますね。
是非、今年、南アルプスに足を運んで見て下さいね。
北アルプスとは、また違った良さがありますよ。

2019/5/9(木) 午前 6:34 [ hutatuyanosiki ]

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え〜〜!、北岳へ行ったのですか?。
池山吊り尾根も、鷲住山も、北岳からの下山に使っただけですが、長いし急だし大変な路でしたよ。かなりの覚悟で雪必要があるような・・・。でも、ボーコン沢ノ頭からの北岳バットレスの眺めだけでも感動ものと思いました。
ファイト!^_^//。

2019/5/10(金) 午後 10:45 [ katoh ]

加藤さん
おはようございます。
イヤー
もう北岳だけに「来ただけ」になってしまいましたよ〜(笑い)
加藤さんも歩かれたことがあるのですね。
さすがですね。
ところで、アンナプルナ一周の旅はいかがでしたか?
ホント、うらやましい限りです。
ホームページへのアップ、楽しみにしています!

2019/5/12(日) 午前 6:31 [ hutatuyanosiki ]


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