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CSで『あすの花嫁』を見た。
1962(昭和37)年の作品で
『キューポラのある街』や
『若い人』で裕次郎と共演した
時代の映画である。
原作は壺井栄で
『二十四の瞳』の小豆島が舞台である。
小百合ちゃんはこの映画を見て
非常に感動して大石先生を
演じてみたかったと
どこかで読んだ覚えがある。
奈良岡朋子が母親で
おばあちゃんが村瀬幸子だが
46年前の映画だけど
この頃からおばあちゃん役をやっている。
浜田光夫とは幼なじみだが
ポンポン小気味よい会話の中に
荒削りな気の強さが感じられた。
こういうズケズケと
言いたい事を言う気の強さと
反面感じやすく傷付きやすい
ナイーブな面を併せ持つ役柄が
多い小百合ちゃんではあるが・・・。
彼女は小豆島から
神戸の<御影>にある女子大に
入学する。
<御影>と言えば
僕は詩人の八木重吉を
思わずにいられない。
八木重吉は生前<秋の瞳>と言う
唯一の詩集を発行して
29歳の若さで亡くなった
キリスト教詩人である。
<御影>と言う駅が映った時
僕は<嗚呼、八木重吉も
かってはこの駅に降り立ったのだな>
と言う深い感慨をもよおした。
この短大で小百合は
岩本多代と親しくなる。
<たよ>ではなく<ますよ>と読むらしい
この女優はNHKのドラマで良く見た
落ち着いた美しい女優であった。
小百合ちゃんより5歳年上だが
この若くてキラキラした多代さんも美しい。
二人が海岸で水着姿になって
<ツイスト>を踊るシーンがあるが
小百合ちゃんは黒の水着で
多代さんは黒と白の縞模様の柄で
多代さんの方が美しかったが
真っ白なワンピース姿の小百合ちゃんは
惚れ惚れする程輝いていた。
両親から愛されない多代さんは
ある日自殺未遂を犯すが
母親にかって好きな人が居ると知った
小百合ちゃんは胸に大きな悩みを抱える。
母だって女だ。
<男の人を好きになって
どうしていけないの!?>
と強く迫られた小百合は
ただ黙って思い詰めたような顔をして
母親の顔を見詰める。
少女のような真っ直ぐな瞳で
母親を見詰める彼女の眼に
ひとすじの涙が流れるが
その幼い純真なアップの顔が
いじらしくも美しい。
この二人の少女は親から愛されず
また親との葛藤に悩み苦しむ姿が
描かれているが、
何時の時代でも子供から大人になる
思春期に於いて
親との関わりの中に
悩みと苦しみがあり
それによって人間として成長して行く姿が
この映画でも描かれている。
少女から女性として
逞しく強く生きて行く過程を
小百合ちゃんは精一杯演じて
美しく輝いた作品である。
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