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政治資金スキャンダルまみれとなり、辞職も噂されるようになった小渕優子前経済産業相の群馬県第5選挙区では、今、中之条前町長とは別の元秘書が町長を務める長野原町で、直接影響を受ける住民の合意がないまま、生活道路が閉鎖される事態に陥っている。利根川支流の吾妻川とほぼ並行して通る国道145号で、八ッ場ダムが完成すれば水没する区間の一部である。
突然の「通行止め」通知「時下、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます」なる書き出しで、「このたび、ダム建設工事施工に伴い、工事専用道路等として利用するため、現国道145号の一部区間について「通行止め」となりますので、お知らせします」と書かれたお知らせが関係住民に配布されたのは10月29日までの2日間だ。通行止め開始日が「11月18日 正午より」とあり、問い合わせ先は、国の出先機関「八ッ場ダム工事事務所」と群馬県の「八ッ場ダム水源地域対策事務所」となっているが、長野原町役場ももちろん承知の上だ。
http://rpr.c.yimg.jp/im_siggo.bUkHG2RH1Q.EY8embVZw---x540-n1/amd/20141030-00040391-roupeiro-001-3-view.jpg 「ダム本体建設工事に伴う現国道145号「通行止め」のお知らせ」より一部抜粋
ここにはまだ2地区で複数世帯が、代替地整備の遅れ等の理由で八ッ場ダムに伴う移転に同意せず暮らしを続けており、今年の8月には、この事態を見越して4世帯が長野原町役場を訪れて萩原睦男町長へ直接「国道145号線存続」を要望し、また連名で同主旨の「要望書」を道路管理を任されている大澤正明群馬県知事に提出した。
ところが、9月から10月にかけて、すでに移転を済ませて生活に支障のない住民を交えて道路閉鎖への同意に多数決が取られ、要望もむなしく、「お知らせ」は上意下達で八ッ場ダム工事事務所から町へ、町から地区の代表を通じて住民に配布された。反対住民には一切、新たな説明がなかったという。
http://rpr.c.yimg.jp/im_siggwfEJUfKD0n48Jh33vYL5FA---x540-n1/amd/20141030-00040391-roupeiro-002-3-view.jpg 代替国道145号が写真中程の山腹に、その下に並行して現145号がある(9月撮影)
移転先の代替地には鉄鋼スラグ問題もダム本体に着工するには、国は、水没予定地から住民に移転してもらい、土地を買収しなければならない。しかし、未買収地の住民の中には、このままここに住み続けたいと考えている住民もいる。この時点で生活道路を封鎖するというのでは、あたかも嫌がらせである。
しかし、住民の移転先となる代替地では、大同特殊鋼(本社、愛知県)の渋川工場が逆有償で販売した鉄鋼スラグが使われたことが判明したばかり。その有害性を国は調査中であり、群馬県が生活安全上の理由から撤去を求めることも想定されている。なぜ、急ぐのか。
群馬県八ッ場ダム水源地域対策事務所は、「県庁の特定ダム対策課に連絡していただい」とし、この問題で唯一対応できるという特定ダム対策課技術次長は「不在」であった。
http://rpr.c.yimg.jp/im_siggeZgWNlEtJfjyzdPtgVK1BQ---x540-n1/amd/20141030-00040391-roupeiro-003-3-view.jpg 八ッ場ダム工事事務所(筆者撮影)
八ッ場ダム工事事務所も「担当が不在。いつ帰るか分からない。担当者に伝える」と広報担当の名前が告げられるが、この人物からは、何を問い合わせても返事があったことがない。
長野原町役場のダム対策室の担当者は、「一応、付替国道ができているので、そこに登ってもらって道路は使うようにしてある」と言い、そのために町道拡幅や、冬場の除雪を国に頼んだと言う。閉鎖理由は、「大型のダンプが通っては危険。本体工事の発注も済んでいる段階で、業者は早く着工したがっている」からだという。
八ッ場ダムマネーが受注業者から小渕元大臣に八ツ場ダムを巡っては、その受注業者から群馬県選出議員に多くの献金があると問題になった。2010年2月24日の国土交通委員会では中島正純衆議院議員(当時)の質問に対し、田口尚文総務省自治行政局選挙部長(当時)が、小渕元大臣の「自由民主党群馬県第五選挙区支部」には2006年から2008年までに受注企業である株式会社ヤマトから計108万円、「自由民主党群馬県ふるさと振興支部」には上原建設株式会社ほか23法人等から計765万円あったとの答弁がなされている。
小渕元大臣は元秘書である長野原町長と共に「せめて同意を取り付ける努力ぐらいはせよ」と国土交通省と群馬県に苦言してはどうか。自らは政治献金をもらう一方で、半世紀も翻弄し続けた選挙区民のために、「自民党王国」群馬のプライドにかけて最後の誠意を見せたらどうか。
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新自由主義と闘う労働者





