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11・29「デニス・バンクスと母なる大地を語る集い」はすばらしい集いでした。映画「ホピの予言」はネイティブアメリカンのすさまじい闘いの記録でした。こうした闘いの先頭に立ち続けてきたデニス・バンクスさんは、人を魅了してやまない戦士でした。さまざまな活動をしている方々の話や踊り、歌は、とても心に響くものでした。新たな出会いに感謝です。
この集いで、書記長・清水が行った発言の原稿をアップします。
11・29デニス・バンクスと母なる大地を語る集い
LIVE & トーク 「街を語る」 原発とめよう群馬 清水彰二
こんにちは。原発とめよう群馬の清水彰二といいます。群馬合同労働組合という、会社に雇われて給料をもらっている人なら誰でも入れる労働組合の書記長をしています。
デニス・バンクスさんと初めて出会ったのは、去年の11月22日のタカキンでした。「高崎駅西口再稼働抗議金曜日行動」、略してタカキン。首相官邸前・国会前の金曜日行動に連帯して毎週続けてきました。デニスさんが参加してくれた昨日で122回目、あの大雪の日も含めて一回も休むことなく続けてきました。
「街を語る」というお題なので、組合のことを話させていただきます。群馬合同労組では、この11月に入ってから異変が起こっています。小さな、どちらかというとおじさん中心の組合に、青年の相談と加入が続きました。5人が加入し、会社との団体交渉に立ち上がっています。社長に対して積年の怒りを叩きつけています。
ある自動車関連の工場で働く28歳の女性は、土曜祝日は休日だったのに勝手に出勤日に変更されたと37歳の同僚といっしょに相談の電話をかけてきた。21歳で正社員で採用されて6年あまり、去年の給与所得が年間107万円、一月89000円にしかならない。先に払うお金を引くと、使えるお金が月に3000円くらいしかない。結婚もできないし、子供も生めない。車を買い換えることもできない。団体交渉の場で、一日に買えるのはこれだけだ、と、ひとつ10円のチロルチョコを9個、社長の前に広げて見せた。
また建設関係の会社で働いていた34歳、18歳、19歳の3人。朝の5時に会社に集合して、千葉や茨城の現場に行くことが多かった。帰りは21時22時になることも。ところがこの会社は残業代はつけず、それぞれいちにち12,000円、7,000円、5,000円で働かせた。社長とケンカになったら、あれこれこじつけて給料を払わない。団体交渉から逃げる社長をみんなでとっ捕まえてつるし上げ、来週また団体交渉をやります。
私たち「群馬合同労働組合」は「闘う労働組合を取り戻そう」とか「職場に闘う労働組合をつくろう」と呼びかけて活動しています。「闘う」と言うと、若い人は殴ったり、まず暴力のイメージを持たれるようですが、そうではありません。さっきお話しした会社、誰も会社の法律である就業規則を見たことがありません。有給休暇も、うちの会社にはない、とだまされていた。なぜこうした現実が当たり前になっているのか。労働組合が闘わなくなったからです。労働組合が労働者の味方でなく、会社の見方になってしまったからです。「闘う」というのは、何よりもおかしいことはおかしい、正当な権利は権利として要求しよう、ということです。しかしこの一言が本当に勇気のいることです。ワンマン社長相手にこんなことを言ったらクビになるかもしれない。いったん要求が通ってもイジメが始まるかもしれない。若者はこの先何十年もそこで働くかもしれない。だからなかなか声をあげられない。
でも黙っていたら生きていけない。消費増税に、円安による値上げだけで食費がゼロになりかねない。昔と違って若者は未来に希望を見つけることもできず、失うものも持ってはいない。だから勇気を出して立ち上がるしかない。まだまだ声をあげる人は少数派かもしれない。しかし労働者は誇り高い存在である、必ず立ち上がる、ということを、私は彼らからあらためて教えられています。
労働相談をやっていると、よく「うちの会社の連中は自分の事しか考えないやつばかり」というあきらめの声を聞きます。だけど、人間というのは、どんな人間であっても「自分だけよければいい」という気持ちと、「みんなのため、力を合わせてがんばりたい」という気持ちと、両方持っているものです。その時に、どちらがどれだけ強いか、それが問題です。労働者全体の利益のために団結して闘おうと旗を振る、そういう労働組合が必要です。労働運動というのは、「オレもがんばるからお前もがんばろう」と、労働者の中にある「みんなのため力を合わせてがんばりたい」という気持ちを育てる運動だと思います。
こういうことを私に教えてくれたのは「動労千葉」という、昔国鉄、今JRの、運転士を中心にした労働組合を指導した中野洋さんという人です。日本に核開発を持ち込んだ中曽根康弘が、国鉄の闘う労働組合をつぶせば、改憲やって日本も戦争ができるようになると企んだのが、国鉄の分割・民営化でした。3人に1人は必要ない、JRに採用しない、クビだ、とやった。「自分だけよければいい」という気持ちをクビの脅しであおり立て、労働者を蹴落とし合いに投げ込んだ。全員解雇も辞さずにストライキで闘った動労千葉以外は、完全に闘う骨が折れてしまった。以来、少数の闘う労働組合以外、ストライキもやらなくなった。
私たち「群馬合同労働組合」がいま挑戦している「闘い」は、職場でおかしいことはおかしいと声をあげ、仲間との団結を組織する「闘い」です。奪われた団結と労働組合、職場の仲間との信頼関係を労働組合の闘いの中で取り戻す挑戦です。この闘いは勇気がいる。苦しくて、重たい。だけど、この闘いは、楽しくもあり、やりがいもある。なぜなら自分と、仲間に誇りを取り戻す闘いだからです。日本中に、世界中に、仲間をつくる「闘い」だからです。
3・11以降、原発に反対する運動が巻き起こりました。群馬では私たちは「原発とめよう群馬」をつくり、学習会、集会、デモを行ってきました。東京の首都圏反原発連合などでは、「シングルイシュー」といって、「原発」以外のことは言わないというルールでやっていますが、「原発とめよう群馬」では「すべての問題はつながっている」「根っこは同じ」という考えを大事にし、戦争につながるあらゆる問題にノー!と声をあげてきました。
科学が発達し、技術の革新もめざましい。人類は豊かになるはずだ。しかし労働者も農民も漁民も食っていくこともできない。世界中で失業と貧困がまん延している。一方で、世界の生産能力は過剰になっている。景気が悪いのは作っても売れないから。競争相手を打ち倒さないと生き残れない。何かが間違っている。本来人々を豊かにするはずの、ものを作り出す生産活動が、資本家がもうける目的でしか行われないからいけないんです。世界を支配する1パーセントの資本家階級が、社会を独占しているから、農民も漁民も、すべての働く民衆が苦しんでいる。1パーセントの資本家階級が、支配者の地位を守るためには、戦争も原発も環境破壊も辞さない。
ホピの予言はこのように言ったそうです。
ホピの予言はこのように言ったそうです。
「世界は今物質への強欲のためにバランスを失っており、このままでは世界は終わる。」
まさにその通りだと思います。アメリカで数百年間、闘い続けてきたネイティブアメリカン、そのリーダーとしてNever Give Up!と闘い続けてきたデニス・バンクスさん。ネイティブアメリカンがそうであったように、人間が隣人と人間らしくともに生き、自然と共存する、そういう社会は絶対に可能です。今日のこういう交流と連帯の場を持てたことをうれしく思います。今日集まったみなさん、力を集め、分断を打ち破って、総合力で原発も戦争もぶっ飛ばしましょう。
最後に二つお願いをします。国鉄分割・民営化はまだ終わっていません。解雇撤回の裁判が山場を迎え、外注化による安全崩壊が限界点に達しています。青年の闘いも始まりました。国鉄解雇撤回一〇万筆署名にご協力ください。
もうひとつは、高崎経済大学の学生であった星野文昭さんの再審にむけた全証拠開示を要求する署名にご協力ください。星野さんは沖縄に米軍基地を固定化する「沖縄返還協定」に反対してデモの先頭に立ちました。その報復として、警察官が死亡した事件の実行犯にでっち上げられ、無期懲役刑。38年、無実を叫び闘い続けています。こんな見せしめのでっち上げ、改憲と戦争がせまっている今こそ、星野さんを取り戻さなければなりません。検察が隠し持つすべての証拠を開示せよという署名です。ぜひご協力をお願いします。
ありがとうございました。
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