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… 1月5日付の田中龍作ジャーナルより。
野宿者に炊き出しと野営をさせまいと年末年始(12月26日〜1月3日)に公園(※)を閉鎖した渋谷区。
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年明けの1月4日には、開門した公園に入ってきた野宿者を施錠して閉じ込めた。それも厳冬の深夜だ。
4日夜、野宿者のAさん(51歳)は渋谷区の夜間施錠に反対するため神宮通り公園にいた。公園はその日、朝から開門していたのでAさんは入った。Aさんが普段、寝泊まりするのは地下街だ。
午後9時頃、疲れが出てウトウトした。目が覚めたのは11時。寒いので公園から出ようとしたが、4つの出入口はいずれも施錠されていた。渋谷区の委託業者がカギをかけたのだ。
公園はAさんの身長とほぼ同じ1・6mの高さの鉄製フェンスで囲まれている。Aさんは糖尿病で手足に しびれ があり満足に動けない。フェンスを乗り越えることは不可能なのだ。
Aさんは通行人に助けを求めた。「警察か消防に連絡してくれ」と。だが夜も11時を過ぎ通行人は まばらだ。
A さんによると3人目か4人目の通行人が110番通報してくれた。警察が駆けつけたが、公園のカギを開けることはできなかった。このため消防のレスキュー隊 が出動した。Aさんはストレッチャーに乗せられ、フェンス越しに救助された。公園から脱出できたのは午前2時頃だった。
この日の朝は公園の水道が凍結して水が出なくなるほどの冷え込みだった。救出が遅れれば凍死する危険性もあった。
〜公園行政批判の声は閲覧禁止〜 「公園は炊き出しをする場所ではない」。野宿者の締め出しは渋谷区の桑原敏武区長の見解に基づく。
公園は誰のために、何のためにあるのか? 野宿者と支援者は桑原区長との面会を求めて渋谷区役所を訪れた。
区長が不在ということもあってか、応対したのは吉武成寛「緑と水公園課(以後、公園課)」課長だった。吉武課長は制服警察官8人に守られる格好で登場した。
吉武課長は施錠の事実を認めたうえで「(Aさんが)いらっしゃったということであれば申しわけない」と謝罪した。 公園課長は事態の深刻さを認識していないようすだった。そもそも公園に施錠するなどという非常識なことをしなければ、今回のような事態は起きなかった。
「殺人行政」とまで批判されている渋谷区の行政を区民はどう思っているのだろうか? 野宿者と支援者のうち代表3人が、区役所に寄せられる区民の声を閲覧するため広報課に足を運んだ。
公園行政に関する意見は、年末からこれまでに23件が寄せられていた。「野宿者の締め出しは止めて下さい。殺人は止めて下さい」「ホームレス締め出しのニュースを知り心を痛めています」・・・。
のっけから厳しい批判ばかりだ。すると吉武課長は広報課に命じて閲覧を止めさせた。都合の悪いことは知られたくないのだ。
渋谷区が野宿者排除の口実にする住民からの苦情は、実はデッチあげではないのか。 「越年越冬」の期間中、食材に費用がかからないほど次から次へと差し入れが届いた。野宿者が迷惑だったら、これほどの差し入れが届くだろうか?
渋谷区は宮下公園を多国籍企業ナイキに貸す一方で野宿者を排除した。オリンピック誘致が決まった2014年は神宮通公園、美竹公園からも締め出したのである。
人間の命よりも営利追求に走る姿は、もはや行政とは呼べない。99%の生き血を啜る強欲資本主義の代行機関だ。
▼ アメリカでは、33都市でホームレスに食事を与えることを禁止する条例が可決された。いわゆる「小泉・竹中」改革からアメリカを手本にして弱肉強食の市場原理主義を推進して来た日本は、これでホームレス対策もアメリカ並みになった。「最後は金目」の安倍政権下の日本では、貧しい人々には、住む場所も食べるものも与えてはならないというわけだ。
これで、本当にいいのか!
ホームレスになりたくてなった人間など一人もいない!
事情は何であれ、弱肉強食の市場原理が大きな要因であることは間違いのない事実である。
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