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福島第一原発事故の避難者の声
「こんな思いさせたくない」 (NAZEN通信21号より) 埼玉に避難する渡辺弘幸さん・道代さん夫妻(楢葉)、菅野さん、佐藤さん(浪江)にお話を聞きました。
佐藤 地震がおきてすぐ「津波がくる」と役場に避難したんです。朝起きて帰るかな、というときに防護服で、消防署とか警察官がずらっと並んで「そのままバ スに乗りなさい」と。みんな置いてきちゃった。猫ちゃんも、車も。津島がいっぱいで別の体育館に。寒い中真っ暗で、なにも敷かないで寝たの。暖房もなかっ た。物資も届かなかったものね。おにぎり一つ。こんなの(ピンポン玉くらい)。もしくは唐揚げ。孫は「どっち食べるの」ときいたら「唐揚げたべる」と。食 べて、「ばあちゃんも唐揚げもらって」と(笑)。余震が怖くてね。水素爆発したでしょ。ご飯も食べないでまた乗せられて川俣まで。友人が新潟に行くという ので9人で行ったら、娘さんの家で。翌日に埼玉の娘のアパートに。最初はいいけど、狭いところなので、近くにアパートを借りて。3人だからまだよかったけ ど、大変だったですね。
渡辺道代 こんな思いはさせたくないよね。 佐 新築して4ヶ月しかたってなかったのに。 菅野 私はいわきの体育館に行って、食料は二人で200ccの水を半分ずつ。運動のマットが2、3枚しかなくて取り合いになって。ご飯は並ばないともらえ なくてスーパーマーケットに3重も4重もぐるぐる並んでた。パンも飲み物もないし。夫がとっておいてくれたのが、笹団子1個でした。受け入れがあるという ことで、埼玉に。お布団も全部用意してくれていて。その場所も長くいられなかったの。旅館を紹介され電話したら、すごい口調で「受け入れてません!」と。 5回目の抽選で壊される寸前の公営住宅に入居できました。岩手・宮城の避難者もいたけど、現在は原発で帰れない福島県民のみになってしまった。 佐 帰れるわけだから。原発とは違うからね。 渡辺弘幸 小学校に避難して、いわき、親戚の取手、それから大宮に。妹のマンションで、婆ちゃんとおじさんもいったからいらんなくて、アパートを借りたん ですよね。アパートはすきま風で寒くて娘もばあちゃんも出て。兄弟もバラバラです。神奈川といわきと、姉さんは群馬。兄貴は病院に入院して、1回会ったき り疎通はないです。隣近所とか田舎のつきあいが切れちゃって。 道 隣近所のコミュニティがとれない、それが一番私はつらい。一週間くらい話さなかったら、なんかおかしくなっちゃう。向こうならお裾分けとかあるけど、持ってっていいのかな、と。寂しい。 菅 いつでも(お裾分け)受け取ります(笑)。甘えないと会えないんです。 道 うちら会わなかったらどうだったか。 菅 私、家から出ない日が続いていたんですけど、お祭りに夫が出て、そこで同じ福島だということで。もう親戚以上のつきあい。それで家から出るようになったよね。 道 今はカレンダー真っ黒だよね。 菅 一番うれしかったのはハイキング。山あり川あり谷あり海ありだったから恋しいんですよ。足が痛かったけど、今は行きたくてしょうがないです。 ■帰れなんて無責任だ
菅 息子が20キロギリギリで働いてます。いわきの仮設。壁一枚じゃないですよ、板一枚。ボソボソも聞こえるんです。広野が帰らないと双葉は帰れないと躍起になっているんです。国は。 佐 帰らないで。 菅 署名運動しかないかと話しているんです。 弘 川一つ違えば帰っていい、補償も違う、そんな話ないですよね。 菅 向こうは、ホットスポットがある。病気になったら、救急車も呼んでいいのかって感じだし。 道 山ほど仮置き場に除染したものもある。足りないとまた重機で掘っているみたいですよね。たんぼとか、うちらの部落はみんな仮置き場。帰って万が一事故があったら怖いですよね。川内(かわうち)とか避難訓練を大がかりでやってました。 菅 急いでやらなくていいから、ある程度人体に差し障りなくなって除染を始めてもいいんじゃないかと思うんです。働いている人たちが気の毒で。 弘 避難解除になると税金も払わなきゃなんないでしょ。野菜や米作ったりしていたから、そこでどうやって生活していくのか考えると複雑なんですよ。 菅 野菜買ったことないもんね。もらったもらわないじゃなくて、はっきり言って私たちはもとの家に戻りたいのよね。原発がなければいられるんだもの。自分の家に。 弘 復興、復興、ってウソなんですよ。まやかし。 菅 元の生活に戻して欲しい。復興じゃなくてまず復旧してほしい。それをしないうちに帰ってこいというのは無責任じゃないのって。 道 原子力は手のつけようがないですものね。 菅 30キロ圏は帰れませんと言ってもらった方がいい。故郷への思いはあるけど、その方が早く自立できたはずですよ。中間貯蔵施設も決まってないのに帰れっていう楢葉もおかしい。まだこれからもドンドンでるわけでしょ。 道 延びた方がいいよね。 菅 人体実験したいんでしょ。避難解除後、早く帰還する人には、目の前にお金をちらつかせて、多くの人を惑わせている。解除してもすぐに前の生活はできないのにね。 弘 政治の上の方の圧力があって、住民や避難している人の身になってやってないですよ。孫の代まで続くんですよ、今やれることはしっかり負けないでやって くれって。帰る前にすべてをきちっとやってくださいって。原発に関しては、こういう組織をもってまとまんなきゃならないですよね。国と対抗しないと絶対に 負けます。沖縄だって負けちゃう。 ■いつもモヤモヤ、グルグル
佐 仮払いは返すものだと思わなかった。 道 うちは勝手に引かれてますよ。 菅 見舞金をくれって言いたい。 弘 高速道路はただですよね。JRも面倒見てもらえるといいんだけど。 道 包括にしたから入ってますとなっちゃった。一時帰宅の費用が1ヶ月1万円ちょっと。 佐 もう請求できないってことでしょ。 菅 引っ越し代は2回目はできませんて。それもおかしいと思いますけどね。 弘 不満言ったらいっぱいあるど。お金の問題、友達の問題、家の問題、ずっと繋がって、みんな話聞くとモヤモヤ今もしてる。いつもグルグル。 ■原発賛成とか言えないはず
弘 大工さんに「福島だけ取り残されている」と言われてがっくりきた。除染では今人手が足りなくて、と。東京の方がいいですからね。 菅 オリンピックだ。 弘 東京の方は、現状をなんで報道しないの。 菅 忘れてほしいからよ。過去のことにさせてんのよ。無理矢理。また始まったのよ。隠し事大好きだからね。東電さんは。 弘 先祖は四国なんですよね。明治あたりに常磐線が通って、鍬かついで開墾したと思うんですよね。それが今回の事故で二足三文。川内(せんだい)の住民 は、現実の福島を見てほしい。原発で死んだ人はいないとか言った人は、孫たちを連れて住んでみてくれと。原発賛成とか言えないはずなんですよね。自分だけ 安全なところで、帰っても大丈夫、何ベクレルとか。今の政治は平気でやっている。 ■私たちにやらせればいいのよ
佐 原発なくしたら電力がなくなるとか言って、太陽光を買い取らない。余ってるってことでしょ。 菅 太陽光発電を買うお金は、私たちが被っているわけでしょ。電力会社は絶対に損しない、お金をださない。東電は倒産しないで、黒字ってどういうこと? 補償もしないで。 弘 「原発が稼働しないと原子力行政が世界から取り残される」って、核兵器とからんでるんでしょ。 道 平和がいいですよねぇ。 佐 みんな望んでるんだよねぇ。 道 若い人は、自衛隊に入って、昔みたいに徴兵制度になっちゃったら大変ですよね。 弘 福島県で原発反対でやってんのに、自民党に入っちゃっている。どうにもおかしいんだよ。 道 若い人ががんばらないとね。 佐 誰を立てたらいいのか。 菅 みなさんが一番いいですよ。渡辺さんも佐藤さんも弁が立つし。(なに〜よく言うわ〜笑)。お金の使い方下手だから、私たちにやらせればいいのよ。苦労 しないで大臣になっている人ばっかりでしょ。一番問題なのは、大臣になる人でも、福島に1回も行ったことがない人がなっている。あれにはびっくりしました ね。「これからいきます」って言ったって遅いべよって、ね。 |
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