前回の話の最後に出て来た、フーリエ級数を 0〜2π の範囲以上に拡張するというのはどういう事でしょうか。
一定の周期で繰り返す現象を扱うと言う意味では変わりが無いのですが、この「2π」という実に固定的なイメージの制約を外す事を考える訳ですね。
どういう風に考えるのかというと、「2π」を一般化された「周期」に置換えるという物です。
それには、「角周波数」(物理では角速度と言ってました)という考えを持ち込みます。
え〜と、n次波における周波数:fn、角周波数:ωn、周期:τとすると
ωn= 2πfn fn と τ の関係は、fn = 1/τ (サイクル/秒) でしたから
= 2π/τ
と定義されています。
ここで
τ= 2T なる T を導入すると
ωn = π/T
とする事が出来ます。
これを使って、前回の複素フーリエ級数とその係数 Cn は次のように書換えられる、という事です。
これで 2πという値は式の中から消えましたが、指数関数の中のn が消え、代わりに ωn が入って来て、不思議な感じですね。
それは、最初から「任意の周期」という考えを取入れて勉強を進めて来なかったからだと思います。
取合えず周期が 0〜2πという固定された値の方がイメージし易かったので。
いろんな参考資料では、最初からいきなり π/T や ωでフーリエ級数を表記した物も多くあり、それを見た時、”何のこっちゃ?” で直ぐに理解出来ませんでした。
しかしフーリエ級数では、基本波と n次の高調波の重ね合わせとして波形を捉えるので、本当は n・x とするより n次波における角周波数:ωn を使って ωn・x とした方がより正確な表現になるでしょう。それでωn を改めて次のように定義し直します。
ωn = n・π/T
これで離散性が明確に表現出来ました。
2T という物によって、2π・n という n次毎の周期が細分化(関数化)され、それが時間変数 x に掛かっている、と考えるのはどうでしょう。
それで次に、この T を、−∞〜+∞ に拡大してしまうという所へ進んで行きます。
前段階として、まず(20')式を(16')式へ代入してみます。
ただし、(20')式の時間変数 x は、ある n次波におけるローカル変数と見なす事ができるので、外部の変数 x との干渉を避けるため、別の記号 t を使うことにします。
さてここで、ωn は離散的な値であるので、お隣どうしの「離散間隔」なるものを、Δωとします。
すると、こういう式が成り立ちます。
これを使って上の式を変形、整理すると
となりますが、T→∞ とすると、Δω→0 となりますね。
そういう極限においては最早、ωn は離散的な量ではありえなく、連続量 ωとなってしまうんです。
それで上式の括弧の中を、新しい関数記号 F(ω) で書き出すと
となり、これを関数 f(x) の「フーリエ変換」と言うんですね。
数学的にはこういう定義になります。
一方括弧の外の部分では、同じく n に対して極限を取って、積分化すると
と書けます。これを関数 F(ω) の「フーリエ逆変換」と言います。
両式共に1/√2πが掛かっていますが、これが最初の頃に書いた事のある「正規化」の事かな?
いや、まだそこは確認していないです。
いや〜、疲れました。
今回はこのシリーズで一番難しかったかな。
特に、ωn = n・π/T を導入して来る所がなかなか理解出来なかった。
実は、本当に正しい理解の仕方であるか、まだ自信が無いんです。
しかし、これからもっと難しくなりそうです。