宗教批判と全啓示の哲学

〈意識に直接作用する人格的存在〉の問題を探究します

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 宇宙や意識の起源に神が関与しているという創世説、創造論に対する真剣な再考は蔑ろにされている。実際に、中間の時代としての中世はこの神の問題でしっちゃかめっちゃかにっちもさっちもいかなくなっていたが故に乗り越えられるべき断層であったと見なされているが、実は最も正面からこの問題を捉え考え抜こうとしていた時代だったとも言えよう。神と過去の歴史は一体で、過去へのベクトルを許してしまえば起源にある神の一撃、根拠としての神が出て来てしまう、よって過去は第一に克服されるべきものになり神は馬鹿にしておいていいものになった。ルネサンスの人間主義、近代の革命思想、進歩思想。
 今やその過去の柵(しがらみ)を振り切ろうとした議論の上に乗っかるように保守思想が成立していることに人々は無頓着である。革命の反動でしか成り立たない思想。これが成立するのは、だから逆に言えば進歩思想、人間主義の厚い蓄積があるからであり、歴史を冷静に振り返れるのは神の問題は最早問題にしてもしなくてもいいものとされているからである。神の問題をそこまで貶めて押し返したのは革新派の方である。
 ところが、神の問題はなくなっているわけではない。蔑ろにされて根本的な解決をしないままいい加減に打ち遣って措かれているだけである。いつまた問題になるかもしれない大いなる危険がここには隠されている。
 この宇宙の起源を説明するのに神は要らないとも言えるし、最初の一撃を神のものと設定せざるを得ないとも言える。人間の意識の成立の時点で神の精神的な介入があったとも考えられるし、自然の進化はサルからヒトへの進化を環境変化によってのみ引き起こしたという説明に終始することもできなくはない。私自身は、宇宙と意識の起源に神の要素を考えねばならない可能性は大いにある、というかそれを確信さえしているがそうは考えない人もいるし考えなくてもよい。少なくとも、確信を保つ私にとってはその可能性を考えすらしないことは危険極まりないことである。近代という革命の時代の後に漸く落ち着いて歴史について考え直せる保守の時代になったはいいものの、この問題はもう一度改めて考え直されるどころか振り返られてさえいない。宇宙と意識というこの世界の時間の最初と最後の突端に位置する決定的出来事に、神の問題を含めて解明するのでなければ議論はウソになる。そして、それができていない内にはいつまた無自覚、無意識のかたちで神/悪魔の介入があるかもしれないというリスクが残っているということは対処法として煉られていなければならないのである。

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古代神は女性神が多いのでは?日本でいえば、伊勢神宮も、白山神社も。いのちが産み出される自然のちからを敬っていた頃を、科学技術が発達した現代の今こそ、日本のルーツとして再確認すべき時。バランスを取り戻すのに、女性とこどもと老人と生活者そのものの視点が重要とおもいます。

2010/1/29(金) 午後 5:41 [ myoue ]

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貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。
神話や神々の問題で母性とか母制ということを見直すことには全く賛成します。
ただ、私がここで言明し解明したいと思っていますのは、性の二元論から遙かに超えた処にあると思っています。問題として突き放さねばならない側面と決して忽せに出来ない、不分明であることに反してそんなにいい加減なことではない側面の両方を考えておかねばならない、と。

2010/1/30(土) 午後 6:53 [ Hyperion oder derEremit inSirius ]

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今日は。
気まぐれなコメントです。

>私自身は、宇宙と意識の起源に神の要素を考えねばならない可能性は大いにある、というかそれを確信さえしているがそうは考えない人もいるし考えなくてもよい。

上記の主張が真だとすれば、要するに一切は神の責任の下にあることになります。個人の自由意志ももちろん最初の神の一撃(物理の初期条件)によっていかようにもコントロールされます。

仔細に考えてみればユダヤ人をガス室に押し込まんとする人の意志
も、悪魔の意図するものも全ては神の眼前にて生起する訳です。
つまるところこの全宇宙の全現象はすべて神の眼前にて生起します。
(もちろん無神論や反神論さえも、また原爆の閃光が発する瞬間も)
ましてや人間のでる幕などそもそも一瞬たりとも有り得ない。

要するに全ては神なのだから、補足も追加もなんも無い!!

2010/8/24(火) 午後 2:41 [ cqf*234* ]

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気まぐれと言いますより悲観的すぎるように思います。
私の論旨はそうではありません。
第一に望みを託すとしたら、それは物理学であり科学ということに私ですら確信を保っています。現に、科学は最初の一撃について随分詳しく解明してきたのではありませんか。あと一歩というところまで来ていて、物理学の最先端は今や殆どそのことに費やされているといった具合ですから。
更に、その一撃の後に起こることは、必然性の中に自由度を獲得している、規則に従っているからそれに基づいて自由を獲得できているはずです。そこにおいても神は別の形で介入している可能性があるというのが特に私の論旨ですが、脳についてだけ物理学が解明の手を緩めたりすることもないでしょう。
それでも、宇宙と意識を射程に収め近い将来根本的に解決しても、まだその先がある、次のもっと大きな課題が待ち受けているだろう、今までの物理学はまだまだ最初の一歩だということだと思っております。

2010/8/24(火) 午後 10:31 [ Hyperion oder derEremit inSirius ]

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私には難解で?です。

2010/8/29(日) 午後 10:00 [ cqf*234* ]

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