(ビクターエンターテインメント/1260円)テクノのライブなんてはなからバカにしてた。だって機械で音作んでしょ?ボーカルの派手なアクションも、ギタリストのクールなプレイもないんでしょ?そうなの?じゃあCDで聴いた方が音いいんじゃないの?つまんないんじゃないの?懺悔します。昨年末に見たレイ・ハラカミのライブは、渋さ知らズやデートコース並み、ある意味でそれ以上の体験だった。信じられる?1000人は入ろうかという大バコで、中途半端な長髪のオタクっぽい1人の青年が、ただ機械を前に髪振り乱してるだけで、客は狂ったように踊ってるんだよ?ポイントは「待ちの時間」だった。重いキックが会場を揺らす。華麗でスペイシーなエレクトリックピアノの分散和音が乱れ飛ぶ。と、突然リズムが消える。ピアノだけになる。客は待つ。次のキックの音を待つ。あるでしょ、初めてのデート。遅れてる彼女が姿を現すまでの人生で最も胸踊るとき。合格発表会場で受験番号を探している間。長い海外旅行から帰ってくる恋人を待つくそったれた成田空港の待ち合い。待ってるときが人生で最もどきどきするじゃない?なんでアンダーワールドが急にリズムを消すか、テクノミュージシャンがミキサー操作で音を一瞬ミュートさせるのかやっとわかったよ。聴く人に待たせてるんだ。いわゆるブレイク。宙に消えるようなピアノのリフレインに耳を傾け、リキッドルームで客は待つ。次に聞こえるドラムを期待する。そこへ「ドン」と入るキック。「まじやべえよ!」と誰もが狂喜する!で、くるりのマキシシングルなのだ。「なんでくるり?レイハラカミじゃないの?」。このシングルには、「ばらの花レイハラカミミックス」が入ってる。そのバックトラックが、かなりあのライブの音源に近いのだ。リズムはもっとハードだったけどね。別のライブでレイハラカミを見た人は、彼のオリジナルアルバム同様、アートな音に良いのか悪いのかよくわからん感想をもったみたいだが、だったらこれを聴いて、ほんのちょっと触りを感じてみよう。同じライブに参加してたCo-Fusionの「惑星づくり」も超かっこいいよ。しかしくるりのシングルって似たようなメロディーが多いな。
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