大人の童話

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健気な女

自分に似た男をみつけた
そこに
居場所を求めた

男はまだ若く 
二人は幼かった
男は
この世の矛盾を彼女にぶつけます。
少しずつだった
彼女は母親のようにそれを受け容れたけれど
その選択もその時の二人には間違っていたのかもしれない

結局、それが男をだめにしてしまった。


また、一人になってしまった
いえ、小さな生命を宿していました。

産婦人科のベッドで一人
だれにも祝福されなかったけれど
新しい家族を生みました

そしてすぐに働いた。

彼女はもう一人ではない。

守るべきものがいる。

居場所をみつけた。いえ、自分で作ったのです。

困った女

彼女の逃げた場所は苦難の荒野です

貧しさと
過酷があったけれど

それでも自由があると思った

そこに居場所を探した


裏切られることを人一倍恐れていた
言い寄る男はたくさんいました
そこで彼女なりに工夫をした
愚かな工夫です。


それでも彼女の選択はいつもイエスかノーのふたつだけ

引き寄せるカードは常に貧乏くじばかりです。

正しいとか、間違っている ではなく
彼女のプライドが
必ず損を選ばせてしまう

幸せを望むくせに
後ろめたさがついてまわります。

誰よりも素直で従順で誠実なのに
その優しさを隠さなければ生きていけないと考えました。

やさしい女

やさしい女がいた

並はずれた感受性が相手の悲しみを察してしまう

だから拒めない。

幼い頃、とてもショックなことがあった。
大切な人から拒絶されてしまった。
記憶を消してしまうほどの
傷を背負ってしまった。

だから彼女は拒めない。

イエスか、ノーか

選択はいつもふたつだけ。

いつもイエスのカードを手にします。
それが抱えきれないほどになってしまって
彼女は考えた。

この先の自分の運命を想像してしまった

それでも、きっとわたしは拒めない。


そして、逃げました。

遠い見知らぬ街

そっと

彼女の背中に手をあてた

哀しい思い出が
みえました。

夫の暴力に耐えかねて幼子を抱いて家を飛び出した

京都の姉のアパートを目指した。

駅について、
公衆電話から姉に電話したけれど
留守だった。

彼女は姉の住所を知らない。

見知らぬ街で幼子を抱いてトボトボと歩きます。あてもなく
公衆電話があるたびに姉に電話をかけてみるけれど
まだ帰ってきていない。

季節は二月

着の身着のままで飛び出してきたので
コートなど羽織っていない

見上げた冬の月がとても綺麗で
涙が零れてしまいそう

涙は

零れた。

幼子をぎゅっと抱きしめて必死に勇気をだそうとする。

勇気と一緒に涙も零れてしまいます。


心細くて
心細くて消えてしまいそう

第三の男

動き出した地下鉄 
揺れている体と気持を抑えて
彼女の方に近づいた

背中ごしに肩に手を

と横から誰かが彼女の肩に手を

知らない男

地味なブレザーの男

「どうしました?」

「……別に」

彼女が無愛想に答えた。

誰だこの男?

「こんな本があるんです。読んでみませんか」

鞄の中から分厚い本と薄い小冊子を取りだした。

ものみの塔・・・

エホバの証人か!

すかさず、彼女が男の胸ぐらをつかんで言った

「わてはな、前の旦那の保証人でっせ」

「はあ?」

「まだ返済終わってまへんのや」

「はあ・・・」

「どうしてくれんねん!」


いいぞいいぞもっとやれ

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