ICAN(www.ican.or.jp) まにらブログ

人々の「ために」ではなく、人々と「ともに」。 人々と「ともに」悩み、「ともに」成長していく開発NGO、アイキャンのまにら事務所

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1人年間120万円の募金

さだ@まにら

一般的に言って、日本のNGOスタッフの給料はかなり低い。20歳台後半や30歳台であれば、一般企業で働くより、月当たり10万円以上低くなっている。(一部のお金持ちNGOを除く。)

お預かりした会費や寄付金、税金をできるだけ多く事業に使用するべきなのは言うまでもない。しかし、事業の中心が人であり、事業効果は人の労働環境によっても大きく左右されるのであるから、これでいい訳は決してない。企業がある程度のオフィスがあり、人件費をかけ、事業効率をあげるのと同じように、NGOも運営にある程度の投資がないと事業効率があがらない。

ICANのまにらのスタッフが日本に一時帰国した際、子どもを学校に入れようとしたら、「生活保護対象者」として様々な費用を免除されたとか。まさに「ミイラと取りがミイラになる」とはこのことだ。ここにNGOスタッフのかなしい現実がある。

よく考えてみると、「月10万以上給料が低い」ということは、言い換えれば「毎月10万円、年間120万円」ICANに募金しているようなもんだ。これはすごい。

朝から夜遅くまで祝祭日も仕事して、病気になって、ある事業地に行く時には遺書を書いて、電気もないところで生活して、山道を4時間も歩き続けて、ジープで携帯盗まれながら、その上毎月10万円寄付し続けるとは、自分の人生を捨てたか、よほどのマゾ(自虐愛好者)かのどちらかとしか、いいようがない。(しかも、大学院までいっておきながら。。。)いや、超マゾなんだ。たぶん。

この生活で自分が将来困るのであれば、自業自得で自分が悪いだけだし、扶養家族がいるわけでもないので迷惑をかけるわけでもない。ただ、親からしてみれば、子どもがどのような職業を持つかは選択できないのだから、可哀想だと思う。親が高齢者となり、そこに医療費も負担できない僕がいて、本当に申し訳なく思ったりする。

たぶん、ここで2つの選択肢がある。

1つは、生活できないから企業等で仕事をするか。
もう1つは、NGOスタッフという仕事でまともな給料をもらえないという構造を変えていくか。

さて、僕はどういう人生を歩んでいくんだろう。楽しみだ。

僕が言うのもおかしな話だけど、年間120万募金し続けるICANスタッフはみんな本当にマゾだ。120万円とは言いませんが、みなさんも「貧困」という敵と闘うために僕達と共に募金しませんか?

ICANからの5つのお約束:http://www.ican.or.jp/mission.html
会員登録、募金受付:http://www.ican.or.jp/member.html

注:現在、ICANスタッフ・理事一丸となって雇用状態の向上に向けて頑張っています。ただし、事業への支出は一定か増えることしかないので、全体の収入が増えないと厳しいですね。他のNGO団体も同じような状況にあると思います。NGO界みんなでがんばって底上げをしていきましょう。

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ごめん、すごい笑った♪でもね、私はNGOスタッフの前に高給取りの仕事を何年かして、料亭に行きタクシーで帰る生活をしたけれど、ちっとも心は満たされなかったよ。お互いNGOスタッフ地位構造のためにがんばろう! 削除

2006/8/12(土) 午後 6:43 [ さな ] 返信する

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お金の価値について考えてみました。こんなこと記述させていただくことを許してください。このブログを読んでみて、お金は非常に大切であり、ありがたみということを感じさせてくれます。そのお金をいかに使うかが非常に大切なことだと思います。例えば、会員として使うことやスタディーツアーで使うこと。それは自分にとっても相手にとっても有意義なお金です。僕は今後も有意義なことにお金を使うことに挑戦していきたい。さださんの文章には考えさせられることが多々あります。ありがとうございます。 削除

2006/8/13(日) 午前 1:13 [ かずひろ ] 返信する

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私も長年NGO界にいて同様の問題意識を持ち続けてきました。選択肢にはもう一つあると思います。それはソーシャルベンチャーとか社会起業家という選択肢です。社会的なことを生業にして、それでちゃんと稼いじゃう。ノーベル賞を取ったグラミンバンクのユヌスさんとか。私も最近起業しました。社会的なイシューしか扱わない自転車を使ったエコな広告媒体「アド*バイク」http://www.ad-bike.jpです。最近私の周りにも、社会的なフリペやフェアトレードの会社を興した人たちが結構いますよ。 削除

2006/12/19(火) 午後 4:37 [ コウ ] 返信する

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>コウさん。そうですね。そういう選択肢もあると思います。ただ、ICANの例を考えると、「社会起業」として成り立つ業種と成り立たない業種があるようにも思えます。他国における社会開発事業や緊急援助は「社会起業」として成り立つのか。本当に社会の中で底辺の暮らしをしている人に届くのか。というような事です。グラミンバンクはじめ、マイクロクレジットの弱点の1つは、文字も計算もできない、個人起業主となることもできない社会の最も底辺に置かれ続けた多くの女性に到達できなかった点だったと思います。

2007/1/18(木) 午後 6:04 ica*man*lao*f*ce 返信する

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そこが「社会から阻害され続けた人々」と「社会(そしてその社会の中で活躍する社会起業)」をどう結びつけるのかという挑戦なのかもしれません。もう1つは、これは記事と矛盾した悩みですが、開発系NGOスタッフの給料が日本の平均所得に近づけば近づくほど、事業地の人々のアスピレーションから離れていってしまうような気にもなります。そのような関係で、「共に歩んでいく」ことは可能なのか。それは結局、事業地の人々を給料の材料とし、自らの生活を安定させているだけではないかというような自己に向けられた根源的な問いです。

2007/1/18(木) 午後 6:11 ica*man*lao*f*ce 返信する

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そして、その日本の平均所得も世界でみれば大金持ちであり、日本とフィリピンの歪んだ関係のもとに生まれてくるわけで、右手で力の弱い人達に優しい「構造」にしようと活動して、左手でその構造の恩恵を受けようとしているとも言えるのかもしれません。つまり記事2つ目の選択肢はそれだけでは解決にならないのです。そんな自己矛盾があっても、生活保護を受けて生きていくわけにもいきませんので、平均所得はもらえるようにがんばるわけです。とても屈折した矛盾に満ちた職業だと感じています。

2007/1/18(木) 午後 6:27 ica*man*lao*f*ce 返信する

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最後に私見ですが、莫大な資金力やネットワーク、徹底したコスト意識を持つ企業により多くの第三世界の格安の製品が日本に流れてくる中、日本の企業として「フェア」トレを実施する為、日本で事務所経費を払い、まっとうな人件費を払っていくとすると、やはり労働者の賃金を抑えざるを得なくなるのではないかと感じます。ICANのような日本のNGOのフェアトレがまだ事業として回るのは、労賃を抑えなくても、日本側での経費をあまりかけていないことと、「善意」(市場論理外)によるものが大きいのが現状だと思います。

2007/1/18(木) 午後 7:05 ica*man*lao*f*ce 返信する

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>さて、僕はどういう人生を歩んでいくんだろう。楽しみだ。 タフですねー。頑張ってください。 ところで「矛盾」に関する視点ですが、NGOが支援者側の社会と被援助者の側との間で果たす「仲介」の役割にだけ絞って考えると有効な規範が見つかりません。せいぜい善意で動くというところです。しかし、社会起業の次というべきなのか、「変革」を射程に入れれば話は違いますね。夢物語にせずにそれを目指す気力があるかどうかです。生意気なこと言ってすみませんけれど・・・H.I

2007/1/18(木) 午後 10:38 [ Hiro ] 返信する

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>mirrorside2さん。はじめまして。コメントありがとうござます。「変革」についてですが、「(上記の矛盾のない社会への)変革」という意味でしょうか。このヤフーのコメント欄の文字制限のせいもあり、内容を伝えきれないところがでてきますが、「変革」のところをもう少し説明していただけますか?

2007/1/18(木) 午後 11:37 ica*man*lao*f*ce 返信する

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お会いしたことがある者です。^^ そう、上記の矛盾のない社会への変革ですね。もちろん短期的に解決できることではないですが、長期的ビジョンを持つ持たないは、仕事への動機付けに大きく影響することだと思います。財政的にも大変でそこまで考えられないとあきらめてしまうのでなく、希望があるから意欲を持てる、という方向に持っていくのがよいと思います。>ちっとも心は満たされなかったよ、との声でもわかりますが、物質的な満足だけでは生きられない、というところがヒントですよね。

2007/1/19(金) 午前 1:29 [ Hiro ] 返信する

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改めて「こんにちは」ですね。おそらくビジョンはどのような形で言語表現されるにしろ、すべてのNGOスタッフや理事さん、ボランティアさんや会員さん、そして上記の社会企業家さんも持っていて、だからこそ金銭面以外のところで「動機付け」され、それぞれに合った活動の参加形態をとっているのかと思います。ですから「ビジョンをあきらめている」人はいなくて、それは今後の「選択肢」でなく、「大前提」ではないでしょうか。ビジョンを持って、希望を持って、さてどうやって「生活保護の対象から外れよう?」といったカンジです。

2007/1/19(金) 午後 0:45 ica*man*lao*f*ce 返信する

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本文の記事やコウさんのコメントはその最後の部分(さてどうやって)について書かれたものですよね。70年代・80年代からこの業界に携わってきた方と話していて、昔はもっと厳しく、現在までに少しずつ改善されてきていることを感じつつ、更に雇用を安定させていかないと現実問題として30代以降(特に男性)の人材流失が止まらないことを危惧しています。これは、一個人を超えて、「市民社会」、そしてそれが一翼を担う「ガバナンス」を通し、日本に住んでいる人の生活の質にも影響を与えます。お互いがんばりましょうね。

2007/1/19(金) 午後 1:11 ica*man*lao*f*ce 返信する

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書き方が悪かったようです。すみません。ビジョンと書きましたが、ここで言いたかったのは前提としてのそれでなく、将来的にどういった方向へ社会や個人の生活をシフトしていけるか、という方法論も含めたものです。ですからたとえば途上国の人々の生活と日本に生きる人のそれとをより近い関係にするためにはどんなことが考えられるか、といったことをNGOで働く人間だけでなくもっと広範に人々を巻き込んで見つけていく必要性を考えます。

2007/1/19(金) 午後 2:02 [ Hiro ] 返信する

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