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4ストエンジンオイル考 〜粘度指数 油温と粘度〜

エンジン焼き付き等熱トラブルの多いTX750のエンジンオイルについて検討していました。
そしてネットでいろいろ調べますと、面白いデータがありました。
▼オイルの粘度指数による油温と粘度の変化です。 エンジンオイルの粘度と粘度指数
イメージ 1

粘度30番と10W、そしてMobil 0W−40の油温変化のグラフで、オイルの特性が大変分かり易いグラフです。

このグラフについてよく見てみます。
水冷エンジンですと水温は80〜120℃で、油温は少し高めからほぼ同じ程度の温度です。
空冷ですと、TX750のサーキット走行で油温163℃というデータが有りましたので、水冷+30〜40℃位高めということでしょうか。

グラフの縦軸は動粘度ですが、対数目盛りとなっているので、上に行くほど急激に粘度が上がっています。すなわち逆に温度が上がると急激にオイルの粘度が下がって居る事を示しています。
どうもここら辺に油温上昇→粘度低下→油圧低下→油膜切れ→焼き付きと結びつくメカニズムがありそうです、
空冷TX750の油温が変化する80〜160℃近辺をもう少し詳しく見るため、上のグラフからデータを写して、EXCELで書いて解析してみましょう。

▼「エンジンオイルの粘度と粘度指数」のグラフからデータを読み取り、グラフを作成します。
元のグラフは、粘度30番と10W、そしてMobil 0W−40の3つのオイルのグラフだけでしたが、この他に20W−40、20W−50番、そしてCastrol Fomula RS相当の10W−50のグラフを書き入れてみます。
イメージ 2


80℃以下はエンジン始動時、および暖気時の最初の数分だけですので連続運転時は関係有りませんので省略し、80〜160℃の範囲を拡大してみます。
イメージ 3

これが、通常連続運転時エンジンで使われている温度範囲です。
120℃以上は、グラフより延長したデータで、推定線となります。
縦目盛りは対数なので、随分粘度の差が有る事が分かります。
空冷で問題となりそうな140℃近辺でみると、20W−40よりは20W−50や、10W−50の方が粘度が保たれて居ると推定されます。

粘度が落ちる事により油圧が落ち、メタル、ピストン等の潤滑が不十分となり、油膜が保持され難くなり、焼き付などの損傷が生じます。
サーキットランのハードなエンジン使用で163℃の油温を記録していますので、10〜20W−50相当のオイルを使った方がいいと推定されます。

この高温粘度特性と合わせて、昨日の記事にも解説した150℃でのHTHSV(高温高せん断粘度)の高いオイルを使用したいですが、このHTHSV(高温高せん断粘度)は一般には公開されていませんので、オイルの選択が難しい所です。

オイル、特に合成油は120℃以上で酸化、分解されやすく粘度低下が生じやすくなっているので、合成油の場合は早めのオイル交換をするか、または50番などの粘度の高い鉱物油を使うのがいいと思われます。

Castrol Fomula RSの10W−50を使うなら早めのオイル交換、クラッシックタイプの鉱物油なら20W−50を入れておけば、エンジン温度が上がっても安心かもしれません。
注目すべきは100℃以上で、20W−50より、10W−50の方が高温粘度が高いと推定される事です。10W−50のFomula RS、是非使って見たい所です。

また、油温が低く安定した水冷エンジン用の**W−30等を入れると空冷エンジンでは焼き付などのトラブルが生じる可能性が大きいのでタブーと言えます。間違っても入れないようにしましょう。

実際は油温と油圧を実測してオイルを確認することが必要です。トラブルの多いTXなど、油温、油圧計を装備した方がいいかもしれません。

ここで原点に立ち返ってみると、高温まで上がって温度をコントロールできず、温度変化が激しく、焼き付などの危険性が高い欠点を持つのが空冷エンジンでした。
それを温度変化を80〜120℃程度に抑えコントロールしたのが水冷エンジンでした。

空冷の160℃にまで達する油温に対処するためにはやはり高温粘度のあるオイルを使うのが必須と思われます。その他、さらにオイルクーラー等ももちろん効果的ですが、トラブル回避の為にはやはり高粘度のオイルは欠かせないだろうと思われます。

追記:XLSの元FILEあります。元グラフから物差しや、粘度指数表の動粘度データから対数グラフを作成するのは結構大変です。綺麗に整理後、必要な方にはお分けしますので申し出下さいませ。

水の粘度データ追加 '08/11/02

純水の粘度、動粘度および密度 http://www.as-1.co.jp/academy/24/24-2.html
 エンジンオイルの140℃前後の動粘度相当
温度℃ 20
粘度cP(mPa・s) 1.002
動粘度cSt(mm2/S) 1.004
密度g/cm2w 0.99820

エンジンオイル粘度グラフ EXCELワークシート追加

▼下記xlsデータをダウンロードし、EXCELで開いて御利用下さい。
 oil.xls →右ボタンクリックで保存。
 http://www.geocities.jp/icarus777z/download/oil.xls →保存出来ない場合の直接アドレス


ICARUS

閉じる コメント(23)

ボブボスさん、GS400って名品ですね。昔は結構走ってましたね。なかなか渋いバイクです。当時ペンゾイルって結構高かったと思います。車でも高級品の類でした。
GT750は2ストなので、ミッション系の潤滑なので安物でOKですね。
私はいつも安物のCastrolをホームセンターで買ってました。
特に問題も無かったのでそれ以来気に入ってるんですよ。

2008/10/11(土) 午後 1:06 ICARUS

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凄いですね「Castrol Fomula RS相当の10W−50」・・そうです絶対いいと思います。これも書き忘れましたが北海道では乗れる期間が短いのですがオイル交換は結構短めに交換していますCB系で2ヶ月に1回のペースです。ドカ(MHR)は毎月交換してました何れもクラッチ等全く問題ありませんです。クラシックも良さそうですね。使って見る価値はありますね。

2008/10/11(土) 午後 9:58 道産子

純水の粘度、動粘度および密度
エンジンオイルの140℃前後の動粘度相当
http://www.as-1.co.jp/academy/24/24-2.html

温度℃ 20
粘度cP{mPa・s} 1.002
動粘度cSt{mm2/S} 1.004
密度g/cm2w 0.99820

2008/11/2(日) 午前 7:54 ICARUS

道産子さんお奨めの10W-50で来春は試してみます。
キャンペーンなんかで安い時期に手配いたします。旧車ですからエンジンの微細な隙間からオイルが漏れ出す可能性も捨てきれませんね・・んん
20W-50もチェックしておきます。

2008/11/2(日) 午前 11:00 atti

ん〜零戦の時代はろくなパッキンやシールが無くてオイルダラダラが当たり前でしたが、グラマン等はオイル漏れなどほとんど無かったらしいです。
’60年代からトヨタのレーシングエンジンや、量産DOHCエンジンを委託生産していたヤマハですから加工精度もまず問題無いと思われ。
’70年代以降ですとオイル漏れは何がしかの不具合があると思われ。修理するときちんとオイル漏れが直ると思われ。
しかし、私のTXのオイル漏れは漏れ箇所、原因不明〜
重症ならエンジン換装っす。はは。

2008/11/2(日) 午後 10:29 ICARUS

10W、20Wは40℃での低温粘度なので、始動時だけの事です。
低いほうがいいです。
100℃の高温粘度が同じ50なら、高温せん断粘度が高いほうがいいらしいです。
合成油もある現在、古い20W−50に拘る必要もないかと思われ。
来年私も人柱となるべく10W−50でチャレンジします。
自動車用10W−40も現在好調ですよん〜

2008/11/2(日) 午後 10:43 ICARUS

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icarus777zさん
初めまして!

突然ですが、icarus777zさんが作成した動粘度から粘度指数の傾きを出すエクセルを頂けないでしょうか??
40度・100度の動粘度から、グラフは専用の未記入専用方眼紙に記入すればプロットできるのですが、エクセル上で自由にグラフを出せるものを探していまして・・

オイルに関しての考察ですが、仰るとおりです。
例えとして20W-40と0W-40を比較すると、高油温自(120度〜)では、0W-40の方が比較すると硬いです。
一般的には、20W-40が硬いオイルと思われているようですが‥

2009/6/1(月) 午後 11:43 [ heh*he_*an*20*0 ]

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【続き】
動粘度は銘柄によって多少差があります。
したがって、同じ10W-40だとしても銘柄によって、軽い感じ・重い感じと感じられる事はあると思います。
また動粘度が同じでもモリブデンの処方によってはフリクションが少なくなり軽く回る・・ということもあります。

あと、HTHSですが、一般には2.6以下は不味い‥とされています。
ただ、2.6以下というのは現代のエンジンでの値だと思いますので旧車には当てはまらないかな。
一例ですが、0W-20で40度動粘度38付近・100度動粘度8.3付近、HTHSは2.6と言ったところです。

2009/6/1(月) 午後 11:44 [ heh*he_*an*20*0 ]

heh*he_*an*20*0 さん、こんにちは。
メーカーの香りがしますね。素人じゃ分からないことです。
オイル屋さんか、メーカーのエンジン設計者さんでしょうか。笑
私はICARUS技研工業のワークスですが〜

ファイルがみあたらなくて〜 帰ってからもう一度探してみます。
個人的にはなかなか面白いグラフだと思っているんですが、共感して頂き嬉しいです。

2009/6/2(火) 午後 1:33 ICARUS

heh*he_*an*20*0 さん、実践経験かなりおありですね。
昔shellのオイルを使っていたレーシングエンジンが、スポンサーの関係でmobilに変わった事がありました。
mobilは粘度が高いにもかかわらずメタル系などにトラブルが多発し、またフリクションも多くパワーがでませんでした。
shellは粘度が低くサラサラのオイルでしたが、トラブルも無く、パワーも出て最高のオイルだったことがあります。
オイルは表示粘度だけでは語れない、そのことをまざまざと思い知らされました。
オイルは添加剤等のノウハウも沢山あって奥深くて難しいですね〜
いろいろ教えてくださいね。よろしくです。

2009/6/2(火) 午後 1:43 ICARUS

EXCELファイル発見しました。
私の作業用でしたので、整理してUP致しますのでお待ち下さいませ。またここでご案内致します。

2009/6/2(火) 午後 8:27 ICARUS

エンジンオイル温度−粘度EXCELグラフダウンロードを記事最後に追加しました。ダウンロードしてお使い居ただけますので御利用下さい!

2009/6/2(火) 午後 10:51 ICARUS

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icarus777zさん

早速、アップして頂いたようで・・・有難うございます!
これから見てみたいと思います。

メーカーの香り‥ コレ以上は勘弁してくださいw
もっとも、私は設計ではないのですが‥
勿論オイルの専門家でもないのですww。
ただ、色々と奥が深い世界の様です。

shellはサラサラでも良かった。。。
高温での粘度低下を防ぐ粘度指数向上剤がmobilと違ったのでしょうね。HTHSが高かったのでしょうか?

2009/6/3(水) 午前 0:37 [ heh*he_*an*20*0 ]

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ベースオイルも産地があって、それによりけりなのかも。
とあるオイルにベースオイル産地が「韓国」というのもあったりして驚いたりもしました。韓国産だから劣ると言うことは無いのでしょうが。。

最近のトレンドは低粘度油で燃費を稼ぐ様になっていますが、厳しい走行条件、例えばアウトバーンや、山岳地帯での高速道路(中南米であるのです)数%勾配で国産車リミッター速度付近で全開登坂などを行う地域向けでは、オイルクーラーを設定していますね。当然負荷の軽い走行しかしない国向けは無しであったり(日本でも全開にされる時間は、一般道を走る限り長くても30秒位ですよね?)

という事で、特殊な車以外吊るしでのサーキット走行は結構危険だと思います‥(←コレでエンジンが壊れても、純正油が正規に入っていていれば保障はしてくれることもありますが・・)
油温計は最低でも付けたほうが良いと思いますよ。

こちらこそ宜しくお願いします。

2009/6/3(水) 午前 0:38 [ heh*he_*an*20*0 ]

heh*he_*an*20*0 さん、おはようございます。
エンジンとはまるで生き物のようで面白いものですね。
エンジンオイル一つで結構特性が変わってしまいますね。
ご指摘の様にShellのはおそらく高温でHTHSが高くて油膜切れがしにくかったのでしょうね。
機械、特にエンジンは正直なもので、直ぐに正直に反応してしまいます。
量産エンジンですと突出した設計をしていないので分かりにくいですが、レーシングエンジンですと各部のマージンを削ってピークを追求しているのでパワーの出る出ない、不具合の有り無しが正直に出てしまいます。

ワークス系ですと、モータリングによりフリクション解析などもしますが、おおよそエンジンで発生しているパワーの20%程度は内部摩擦で失われているのでパワーを出す為にもこのオイルは重要な役割を担っていますね。

2009/6/3(水) 午前 10:10 ICARUS

またトラブルでいいますと、高温による油膜切れや、キャビテーションなども注意しなければならない項目ですね。
高温による油膜切れではやはりオイルクーラーが効果的でしょうか。
以前はフィンのついたオイルクーラーが一般的でしたが、量産では、オイルフィルターの手前に水冷式のオイルクラ−がついて居たりします。低燃費車の場合は、コールドスタート時高いオイル粘度によるフリクションを減らすため、オイルウォーマーの役割も果たし早くオイル温度を上げ、粘度を下げる役割も果たします。
冷間時ですが、あまり粘度を上げますと冷えた冷間始動時にオイルの吸い上げ時にキャビテーションが発生する事があり、レーシングエンジンでは、始動時回転が制限されたりします。

ネンジーさんから以前、ベースオイルはほとんどがテキサコなど大手のオイルがベースになっていると聞きました。石油は名水と同じで産地により成分が異なりますので、ベースオイルもいろいろ特性があるのでしょうね。

2009/6/3(水) 午前 10:12 ICARUS

最近の0W−系の低粘度オイルは、ベースが低粘度になっているようですので、高温では危険だと私も思います。ただ、粘度データの公開されtれいるモービルの0W−40やカストロルのXF−08(5W−40)等は高温粘度がそこそこありますので、添加剤などで高温粘度を確保しているのだろうと思われ、高負荷エンジンにも一度試して見たいと思っています。

自動車ですと多くの評価試験項目の中に、400時間高速耐久という項目があり市販車はこれをクリアしていますので最高回転数までの使用でしたらまず問題はないと思います。
通常潤滑で厳しいのはメタル系で、特に高回転での耐焼きつき性が厳しいので、最高回転でオーバーレブさせて回すのは特に最近の低粘度省エネオイルでは極めて危険だと思います。
もっともメーカーのスポーツ車では、動弁系よりもこのメタル保護のためにレブカットを施す事もあるようです。

2009/6/3(水) 午前 10:12 ICARUS

私もオイルトラブルの多いTXで、この高温特性が良いだろうと思われる5W−40などを使いたいのですが、ご指摘のように、油圧、油温計を取り付け監視しながら実機テストをしたいと思っています。

オイルのトレンドは良く分からないのですが、グリース等では、二硫化モリブデンではなく、黄色い有機モリブデンの添加が主流をなしているようで、耐焼きつき性がかなり改善されているようです。
その他いろいろ特色のある添加剤も在るようですがまた別の機会に〜

2009/6/3(水) 午前 10:13 ICARUS

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すばらしい情報ですね。
お気に入り登録させていただきました。
又、私の管理するBMWのバイクのHPでも紹介させていただきましたので報告いたします。

http://www.ohv-boxer.com/c-board-01/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=13139;id=#13152

2010/9/1(水) 午前 10:41 min*43*2

こんにちはminiさん、オールドBMWっていいですね。ビッグツインですね。
やはり旧車の空冷は皆さんオイルで苦労されてますね。
RSの15W−50はTXで使って見ましたがよさげでした。
粘度が高いとアイドリング性が悪くなりエンストしたりアイドリングを高くせざる得ないので低温で柔らかく、高温でも固いオイルを選びたいですね。

ただオイルは粘度が高くてもフリクションが多くてパワーが食われ発熱して粘度が下がったりするものや、粘度が高くても他のオイルより焼きつき易い物もあって実際に試して見ないと分からないです。
せめてオイルプレッシャーやテンプゲージでデータを取りたいですね。
今後ともよろしくお願いします。

2010/9/1(水) 午前 11:36 ICARUS


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