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米軍にとって本当の脅威はロシアではなく、平和だ

芳ちゃんのブログさんのサイトより、転載
http://yocchan31.blogspot.jp/2016/06/blog-post_13.html


2016年6月13日月曜日
 

米国の国家予算の半分は軍事費に注ぎ込まれる。

これは誰が見ても異常だ。何故かと言うと、米国の貧困者層は拡大するばかりであり、まともな医療を受けることや高等教育を受けることが出来ないまま放置されているからだ。米国の失業率は粉飾され、意図的に見かけを良くしている。実際の失業率は遥かに高いと言われて久しい。これが「民主国家」を唱導して来た米国の現状である。米国は、今や、「軍事至上国家」と呼ぶにふさわしい程だ。

肥大した軍産複合体に関しては多くの識者がさまざまな意見を述べている。

それらの中で、「米軍にとって本当の脅威はロシアではなく、平和だ」と題する記事 [注1] が目についた。辛辣極まりない表題ではあるが、軍産複合体の実態を適切に伝えるものだと言えよう。

また、別の記事の著者はこの米国の軍産複合体を「宿主を食い殺す寄生者」と称しているが、これも軍産複合体の実態を別の言葉で表現したものである。

本日のブログでは上記の記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。米ロ間の緊張を高めることによって自分たちの利益を最大化しようとする米国の軍産複合体とそれに引き回されている国際関係について少しでも多く理解しておきたい。

<引用開始>

まさに怪物のように膨れ上がった米国の軍事予算は「木を見て、森を見ず」という昔から使われている格言が非常にうまく当てはまる。米国の軍事費は過剰なまでに肥大化し、多くの場合間違った考えに基づいている。

最近の数年間、ワシントン政府の年間軍事予算は平均で約6000憶ドルに達する。この金額は米国政府の裁量支出の半分を超す。教育や医療および社会保障のための予算を優に越している。そして、この金額は世界各国の年間軍事支出の総額となる1.7兆ドルの三分の一強を占める。

1961年にアイゼンハワー大統領が辞任の際に行った演説で初めて警告を発した軍産複合体の台頭は疑いようもなく米国の社会ならびに経済の中心的、かつ、決定的な性格を持つようになってしまった。米国経済の非常に大きな部分が政府によって支出される軍事費に依存していることから、「米国の自由市場に基づく資本主義」について喋る際には決まってとんでもない矛盾語法に陥ることになる。

言い方を変えてみよう。もしも米国の軍事予算を何らかの方法によって他国並みのレベルに大幅に低減することができるとするならば、我々が知っているように全ての領域でパワーを誇っている軍産複合体や米国という国家は完全に消滅してしまうことだろう。もっと好ましい状況が何れは現れるだろうことには何の疑いの余地もないが、大企業にとってはその衝撃は計り知れないものとなる。それ故、軍事費の大幅削減は強烈な抵抗に遭遇するに違いない。

これがルーマニアへ米国のミサイル防衛システムを設置し、ロシアとの「冷戦」の緊張関係が今週一挙に深刻化したことの前後関係である。8憶ドルもするいわゆるミサイル防衛システムは今後2年間のうちにポーランドにも設置され、グリーンランドから南スペインに至るヨーロッパ全域を網羅する計画である。

ワシントン政府とNATOの高官らはイージス・ミサイル防衛網はロシアを目標にしたものではないと言う。説得力はまったくないが、米主導の軍事同盟はこのシステムはイランや他の不特定の「ならず者国家」から発射される弾道ミサイルに対して防衛をするものだと主張する。ヨーロッパはイランの弾道ミサイルの射程の遥かに先に位置することや、テヘラン政府とP5+1 の国々との間で昨年国際的な核に関する合意が署名され、成立している事実を考えると、「イランからのロケットに対する防衛」という説明はその信頼性を失う。

この新しいミサイル防衛システムはロシアを狙うものではないとして執拗に否定する米国やNATOの主張をロシアは信じない。クレムリン政府はこの最近実施された配備はロシアの安全保障にとっては脅威となるとして非難した。それに加えて、クレムリンは適切な対応策をとって、戦略核のバランスを維持する用意があるとも述べた。この米国のイージス・システムは、どう見ても、ロシアに対して「第1撃を加える選択肢」をNATO軍に付与することにあると考えられるからである。

ここでは主要な点を議論する前に幾つかの事柄を明確化しておかなければならない。第1に、ヨーロッパ各国は昨年の7月に署名された画期的なP5+1 による合意を受けて、目下、イランのビジネスへの投資やイラン市場を追っかけている。ドイツやフランス、イタリア、英国およびオーストリアはイランが持つ巨大な経済力の潜在性を取り込もうとして互いに競い合っている。ロシアの高官が指摘しているように、イランがそのような将来性のあるパートナーに対して軍事的脅威を与えるなどという考えは如何にも滑稽である。

第2に、米国がとった試みはロシアにとっては無害だとする米国の強い主張は常識を蔑視する卑劣な行為である。彼らのこの主張は、オバマ大統領やペンタゴンのトップの将軍らを含めて、ワシントン政府が今までに述べて来た数多くの表明とは矛盾するのである。それらの表明によると、ロシアはヨーロッパにとっては脅威となる存在であるのだ。ワシントン政府はヨーロッパにおける軍事支出を4倍に増加し、兵員やタンク、戦闘機ならびに戦艦を増派し、「ロシアの侵攻を阻止する」という極めて明確な理由をもってロシアとの国境付近で大規模な軍事演習を行っている。

換言すると、ロシアは世界でもトップクラスの敵国であって、ワシントン政府によればヨーロッパの存続の脅威になると見なされているのだ。つまり、米国が今週イージス・ミサイル・システムを東欧に配備したことはロシアに対するワシントン政府の好戦的な主張と見事に辻褄が合っている。彼らの主張を無理やりに別様に推論して、米国と米主導のNATO加盟国はロシアに向かって攻勢を掛けているわけではないと結論付けることは非論理的であり、ばかばかしい程に幼稚でさえもある。

ロシアを世界的な安全保障の脅威であると描くことは、もちろん、ばかばかしいことだ。米国のこの種の主張は中国やイランおよび北朝鮮についても当てはまる。米国が主張するこれらの「敵国」はすべてがひどく誇張されている。 

ロシアによるクリミアの「併合」とかウクライナ東部への「侵攻」といった西側の主張は西側のニュース・メディアによって執拗に増幅されているが、これらの主張は事実によって容易に反論することが可能であり、ワシントン政府がキエフで秘密裏に行った政権交代が偽りであることを示すことによってもっと正確なバランス感覚を与えることも可能である。

それでもなお、西側が扇動する恐怖は絶え間のないメディアによるプロパガンダによって支えられ、これらの怪しげな主張を一纏めにしてロシアはハイブリッド戦争によってヨーロッパ全土に害を及ぼすというもっと大きな、恐怖に満ちたロシア像に仕上げることにある程度成功している。確かに、これはロシア人を人さらいとして見るばかげた恐怖物語であるに過ぎないのだが、その底流には人種差別やスラブ人を野蛮人として悪魔視したナチの思想が見え隠れする。

しかし、このようにロシア人を悪魔視することは、それ以外でもロシアを世界の敵として見ることと共に、米国の軍産複合体にとってはどうしても必要な強力な支えであり、米国経済を機能させ続けるためには不可欠なのである。

ワシントン政府によって費やされる6000憶ドルはロシアが費やす軍事費のほぼ10倍に相当する。それにもかかわらず、現実を反転させて、ロシアは脅威であると彼らは主張する! 

米国の軍事予算は米国に次いで多額の軍事予算を計上する9か国の合計よりも大きい。つまり、「ストックホルム国際平和研究所」(SIPRI)によると、これらの9か国とは中国、サウジアラビア、ロシア、英国、フランス、ドイツ、インド、日本および韓国である。

米国経済は我々が理解しているごとくペンタゴンや大企業、ウオールストリートの大銀行、ならびに、議会における利害関係者によって支配されており、政府による膨大な軍事支出が無かったとしたら存続し続けることは出来ないだろう。これはほぼ間違いない。

構造的には、米経済はすっかり白骨化し、戦争経済となっている。米国の経済を維持するには、たとえそれが冷戦であろうと熱い戦争であろうと、米国は引き続きその基盤を戦争に置くことしか他にはないのである。歴史家たちは米国が近代国家として存続してきた240年間で、米国の歴史の95パーセントもが戦争や海外での紛争に関与してきたと指摘することだろう。

ソ連邦との冷戦の最中、ワシントンにおいて何度となく再燃したテーマはいわゆる「ミサイル・ギャップ」だった。これは米国が優勢な軍事力を失う事を意味していた。そして、これは膨大な軍事支出や執拗な軍拡競争をもたらし、ついにはソ連邦の崩壊を招いた。

ドルの優位性に基づいて無限に借金を続けているワシントン政府(現時点で20兆ドルに近い)は自身に特権を与え、米国はこの破滅的な軍事費の浪費振りを自ら検証する機会を活用することはなかった。

この無鉄砲な状況は今も健在である。冷戦が公式に終了して既に4分の1世紀が経過しているが、米国の軍事費の浪費は相も変わらず浪費家らしい、非持続的なペースで続いているのである。

この失態をワシントン政府が継続するには、全世界を恐怖と憎しみの狂乱状態に追い込むしかない。これこそがロシアや中国との冷戦を近年再燃させなければならなかった理由である。刀を鋤に変換させることはできない。米経済を指揮する米国の支配者層やその利害関係者らにとっては鋤はもはや何の利用価値もないからである。

ロシアのウラジミール・プーチン大統領は何回かにわたって安全保障に関する世界的な協力を、特に、米国に向けて呼びかけて来た。モスクワ政府は、最近、新たな軍拡競争に入りたいとは思わないと述べている。軍事費の暴走によって旧ソ連邦が壊滅的な経験をしたことを考えると、これはロシアの観察者にとっては容易に理解可能である。

しかしながら、それこそがまさに米国が望んでいることであり、引き起こしたいことなのである。つまり、それは世界規模の軍拡競争である。これによって、米国は自分たちの怪物じみた軍備を正当化することができるからだ。

SIPRIによると、中国とロシアの両国は2015年にはそれぞれが7.5パーセント増と軍事予算を引き上げた。

ロシアの国家的資源や国を挙げての発展に余分な重荷を負わせて、歪を与えかねないことを考えると、ロシアは軍拡競争に関わりたくはないだろう。

しかし、米国がロシアの玄関先へ新たにミサイル防衛システムを設置したとなると、ロシアも軍事的関与を拡大することに余儀なくされるだろう。この刺激ははなはだ厄介である。

そして、それこそがワシントン政府がまさに意図していることだ。客観的に言って、ロシアがワシントンやその同盟国にとって安全保障上の脅威であるということではない。ワシントンにとっての本当の脅威は、実は、軍産複合体の存在がこの上なく冗長なものとして感じられる平和に満ちた国際関係なのである。 

世界の平和が米国の大企業の資本主義的なパワーの拠り所とはまったく対極の位置にあるという現実は実に悩ましいことだ。

恥ずべきことではあるが、世界は戦争のリスクにさらされている。米国のエリートたちの特権を維持するためには他のすべてを破滅に導いても構わないとするリスクにさらされているのだ。米国市民のほとんどはこの悪魔的な不条理に苦しむことになろう。彼らは貧困や窮乏に耐えなければならないが、その一方で大企業のエリートたちは常識に欠けた軍事的浪費のために年間6000憶ドルもの予算を吸い上げているのである。

著者のプロフィール: フィニアン・カニンガムは大手のニュース・メディアにて編集者や物書きを務めてきた。彼は国際関係に関して幅広く執筆しており、彼の記事は多言語で出版されている。

<引用終了>

これで仮訳は終了した。

この著者が述べている内容は実に説得力がある。日頃あれこれと断片的に感じている事柄を著者は見事に纏め上げ、解説してくれている。この記事の表題が意味するところは非常に奥深い。新資本主義やネオリベラリズムあるいはグローバリズムが内蔵する決定的な矛盾を簡潔に描写している点が素晴らしいと思う。非常に啓蒙的である。

「客観的に言って、ロシアがワシントンやその同盟国にとって安全保障上の脅威であるということではない。ワシントンにとっての本当の脅威は、実は、軍産複合体の存在がこの上なく冗長なものとして感じられる平和に満ちた国際関係なのである」というくだりは実に秀逸だ。

この記事を読んで、「米国は軌道修正をすることが出来るのだろうか」という疑問に誰もが襲われることだろう。このことについては、残念ながら私は悲観的だ。米国の人口の99パーセント占める大衆は実際には政治に対する発言権を持ってはいないからだ。大衆の対極にあるエリートたちに軌道修正を望むことは不可能だ。ふたつのグループの間には共有する価値観がない。この疑問に答えられる人が果たしているのか?今進行中の米大統領選の結果によっては、ある程度の答えが出て来るのかも知れない。

今、米国政府や軍産複合体が進めようとしている方向は軍拡である。その行き着くところは最終的には第3次世界大戦、あるいは、米ロ間ならびに米中間の核戦争である。今から70年前までのツキジデスの罠には「核」という文字はなかった。当時のツキジデスの罠は、核戦争のリスクに晒された今日の国際環境から見れば、牧歌的にさえ見える。しかしながら、今や、米ロ両国が保有する核弾頭の総量は地球上の生命を何回でも抹殺することが可能だ。

他にもっと有力な、持続性のある筋書きがあって欲しいものだが、果たしてどうだろうか?

ついに、人類の英知が試される時が到来した・・・

参照:
注1: Peace, Not Russia, Is Real Threat to US Power: By Finian Cunningham, Information Clearing House / SCF, May/17/2016

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<休憩1>
    Enya - Only Time


<休憩2>
    時代 By Hayley

<おまけ1>
本土の大半の日本人は、日々の暮らしに追われて沖縄どころか、隣の家のことさえも考える余裕が無いのが現状。更に、マスゴミの洗脳で、中国軍が攻めてくるかもしれないと心配し、占領軍である在日米軍を友軍と誤認している。したがって、沖縄で「琉球独立運動」が盛んになるとか、あるいは、全ての国際紛争を話し合いで解決する「東アジア平和条約」の締結で、中国やロシアとの劇的な関係改善が進まない限り、本土の日本人が沖縄県民と同じ立場で基地問題を考え、米軍に撤退を要求するような事態は起きないだろう。

       【スピーチ全文掲載】「何のためにこの工事は行われるのか? 
       アメリカ様のためだ!」山本太郎議員が沖縄・高江でスピーチ?
       「高江は、高江に生きる人々のものだ」と訴え!  

<おまけ2>
ロッキード事件は、戦後、米国の属国と化した日本を、真の独立国家にしようと孤軍奮闘した自民党田中派を潰すために、米国が仕組んだ陰謀であり、田中派の真の継承者である小沢一郎氏への冤罪攻撃も、同じ意図の陰謀であった!!

         20160725 UPLAN【シンポジウム『田中角栄』】
         『田中角栄を葬ったのは誰だ』刊行を記念して! 
        
         シンポジウム「田中角栄」より抜粋② 石井一(元自治大臣)

<おまけ3>
日本は民主主義国で、中国は独裁国家と思っていたら大間違い。日本は偽装「民主主義国」であり、中国やロシアと同じ。

       大手新聞社のドイツ人編集者がマスメディアがコントロール
       されていることを証言

 <おまけ4>
世界中に血の雨を降らせてきた米国の恐ろしい正体。日本の大半の政治家たちは、米国が恐ろしくて何も言えない。戦後米国は、世界中でロシアや中国とは比較にならないほど多数の民間人を殺していながら、「付帯的被害」で済ませている。日本のマスゴミも積極的に米国の世界支配に協力して、ロシアや中国を実態以上に悪魔化するウソ報道を続け、日本人がロシアや中国を憎悪するように仕向けている。

        エコノミック ヒットマン Democracy Now !


<おまけ5>
 「報道の自由などというものは存在しない」
   元『ニューヨーク・タイムズ』紙記者のジョン・スウィントン
   コラム(Our World) No.503 報道の自由 From : ビル・トッテン より
http://blog.livedoor.jp/googooinvest/archives/2010458.html
(出所:Labor's Untold Story, by Richard O.Boyer and Herbert M. Morais, Published by United Electrical, Radio&Machine Workers of America, NY 1955/1979)

<おまけ6>
    苫米地英人×山田正彦 新刊『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、
   こうだった!』刊行記念特別対談

<おまけ7>
世界では、「タックス・ヘイブン」を悪用した脱税は、既に20年以上も前に、経済協力開発機構(OECD)が調査を始めるなどしてニュースにもなり、公然化していた。だから、日本のマスゴミや検察(特捜部)や国税庁が、この「タックス・ヘイブン」問題を知らないわけが無い。ところが、今でも日本は大企業の脱税天国であり、日本で、まともに税金を払っているのは中小企業と国民だけなので、日本は「財政赤字」に陥った。

この大企業の脱税を、検察(特捜部)や国税庁は、天下り先の確保のために、「摘発しない」という不作為で隠蔽に加担している。また、マスゴミも「報道しない」という不作為で隠蔽に加担し、大企業から巨額の報酬(名目は広告費)を得ている。日本が大企業の脱税天国なのは、日本の検察(特捜部)やマスゴミが隠蔽に加担しているからである。

苫米地氏は、長谷川豊氏のTV番組「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、日本の有名大企業である<電通、東京電力、JAL、住友金属工業、住友林業、ドワンゴ、NTTドコモ、楽天、ライブドア、ソフトバンク、オリックス、野村証券、大和証券、日興証券、東京海上、日商岩井、三菱商事、伊藤忠商事、丸紅、豊田通商>などが軒並み、租税回避地を悪用して脱税していることを暴露した!!

★これは、戦後民主主義が「擬制民主主義」(=巨大資本の独裁体制)でしかないことを、TVで公然と暴いた歴史的快挙である!!

また、この件を最初に報道したのがドイツのゴールドマン・サックス系の報道機関で、しかも同様の手口で脱税しているはずの米国企業が流出したデータには掲載されていないので、この情報流出事件の裏にはCIAがあり、ロシアや中国の首脳部攻撃が目的だった可能性があると指摘している。

        ★必見! 5/12 パナマ文書 Dr.苫米地

<おまけ8>
        ★必見! 長谷川豊 苫米地英人のパナマ文書叩きの後日談語る

●経済協力開発機構(OECD)は1996年から「タックス・ヘイブン」の調査を始め、2000年には「タックス・ヘイブン」として、世界35ヶ国・地域のリストを公表した。つまり、世界では20年以上も前から、この件は問題化していたのだが、この件を日本のマスゴミはほとんど報道しなかった。★1

そして、自民党政権と御用経済学者どもは、この件を許容しつつ、一方では、過去約30年間で日本の法人税を、約43%から約23%へと約半分に引き下げた。★2

法人税+法人住民税+法人事業税の「法人実効税率」は15年度で32・11%だが、共産党の「赤旗」によると、大企業用の優遇税制によって、税引き前利益が1000億円以上だった大企業50社が実際に払った法人実効税の税率は、約半分の16・7%に過ぎないという。★3

●自公政府が法人税を引き下げた理由は、日本の法人税は外国と比べると高過ぎるので、日本企業が競争で不利なるとか、外国企業の日本進出が進まず、その分の雇用喪失が起きているとかだった。しかし、小沢一郎氏が力説していたように、実際の日本企業の公的負担率は米国とほぼ同じで、特に高いわけでもなかったのである。

しかし、この法人税の引き下げや、公共事業で増えた財政赤字埋め合わせるために、1989年に初めて大衆課税である消費税が導入された。経団連から巨額の政治資金を得ている自民党は、大企業の「タックス・ヘイブン」を悪用した脱税の見逃しや、公共事業で国家財政を赤字にし、それを根拠に消費税率の導入と税率の引き上げが行われてきた。

●つまり、過去30年、1%のために99%が犠牲にされる巨大企業優先政策が実行されてきた結果、一方では、今年の大企業(資本金10億円以上)の内部留保は約300兆円以上となるのが確実だが、一方では、益々国民の窮乏化が進行している。

更に、経済のグローバル化でコスト競争が激化したために、一部の労働者を非正規化する棄民政策(労働者の分断支配政策)が実行され、更に貧富の格差が広がった。その結果、子供の6人に1人が貧困に陥る事態となった。また、世界で最も激しく進む「少子高齢化」や大規模自然災害の可能性もあり、日本は再び危機を迎えつつある。

●こうした現状に対して御用経済学者どもは、更に一層、経済競争を強いる「成長戦略」★4なるものの導入を唱えている。しかし、国民の平均年収が400万円前後に達すると成長が軒並み停止したヨーロッパの現状を見れば、これ以上の経済成長など、不可能であることは明らかである。おそらく、この400万円前後の平均年収という国民経済に、現在の「世界資本主義システム」の「均衡点」があるからだろう。つまり、これ以上、平均年収が高くなると企業の海外移転が激化し、賃金の引き下げ圧力が働くと思われる。

また、これ以上、日本や欧米が経済成長を続けた場合、更に一層、環境問題が悪化し、取り返しがつかない事態になることも明らかである。したがって、日本や欧米社会の貧困層が救われるには、国民一人当たりGDPを維持する政策を実行しつつも、一方では「再分配政策」を強力に進めて格差を解消するしか、他に方法は無い。つまり、日本や欧米社会は、本格的な<階級闘争の時代>に突入しつつある。★5

★1:苫米地英人氏によると、全世界の「タックス・ヘイブン」には、米国のGDPの約2年分に当たる約3200兆円もの資金が隠されているという。

★2:シンガポールのように、日本よりも法人税がかなり低い国には経済制裁を課してでも、法人税の引き上げを要求すべきである。なぜなら、現状のように法人税の引き下げ競争を続けたら、最終的には法人税は限りなくゼロに近くなり、減少した税収分は消費税の引き上げ等の大衆課税で賄うしかなくなるからである。

★3:所得税+住民税の最高税率も、過去約30年間で76%から約45%に引き下げられ、1%の税負担は減少した。この背景には旧ソ連の崩壊がある。

というのは、旧ソ連は反動的な「国家社会主義」ではあったが、強力な巨大資本の対抗勢力だったので、西側の巨大資本は自国での「革命」を阻止するために、旧ソ連と同じ「8時間労働制」を導入し、福祉にも予算を割くことで国内の労働者を懐柔してきたからである。

しかし、旧ソ連が消滅して「革命」の可能性が無くなると、この労働者への懐柔政策の必要性は消滅し、無限に増殖しようとする巨大資本の「本性」が爆発した。1980年代後半から、全世界的規模で計画的にプロパガンダされた「新自由主義イデオロギー」は、<強欲>な巨大資本の「本性」を解放するために仕組まれた巧妙な「イデオロギー操作」であり、この累進課税制の軽減は、その「成果」である。

★4:経済競争の激化は、益々人々を相互に敵対化=孤立化させ、「過労死」や「うつ病」患者を増やす。この大人社会での競争激化は、必然的に、子供たちの競争も激化させるので、日本や欧米では子供の「うつ病」患者が激増している。資本主義の競争社会は子供を「うつ病」にする狂った社会であり、その結果、日本では毎年、500人前後の未成年が自殺し、20代死因の第一位も自殺となってしまった。

★5:●NHKなどのテレビは日本の労働者が目指すべき理想的な労働者像として職人を取り上げ、様々な番組で職人(匠)称賛している。しかし、マスゴミが頻りにプロパガンダしている労働者の職人化も時代錯誤の妄想に過ぎない。

なぜなら、職人的労働は封建社会のような変化が乏しい「静的な社会」=「冷たい社会」でのみ、可能な労働形態だからである。資本主義社会は、機械化により大半の労働を「単純労働化」=「マニュアル労働化」させることで成立した社会システムであり、この社会の特徴は、激しく変化し続ける「動的な社会」=「熱い社会」だからだ。

それで、日本の大半の労働者は、企業や産業の栄枯盛衰に合わせて、短時間のマニュアル教育で素早く他の労働が実行できるようにならねば生きてゆけない。つまり、この社会の大半の労働者は、様々な「単純労働」を経験することは可能だが、どれも一時的な労働(雇用)でしかないために、大半の労働者は職人的労働者になることはできない。非正規労働者が典型だが、定期的に「雇い止め」(解雇)され、職人になりたくともなれないのが現実である。

●テレビがプロパガンダしている職人(匠)は、アメリカの民衆が長い間、夢見てきた「アメリカン・ドリーム」のような実現不可能な夢に過ぎない。米国の予備選で、社会主義者であるサンダース候補が活躍したことからもわかるように、「アメリカン・ドリーム」なるものは欺瞞に過ぎないことが、ついに知れ渡ってしまった。

労働者の職人化は、格差問題等で不信感が増大した資本主義=巨大資本の支配体制への民衆の期待を繋ぎ留めるプロパガンダなのである。しかも、労働者の職人化どころか逆に、大半の「単純労働」を代行できる「AIロボット」の実用化が日程に上ってきた。

●激しいコスト削減競争を続けている企業は、この「AIロボット」を導入してコスト削減に成功しないと生き残れない。それで当初は、他社よりも早く「AIロボット」化でコストの削減に成功した企業が勝者となって繁栄する。しかし、やがて失業者の増大で「需要の減少」(つまり「生産過剰」)が起こり、市場の縮小が起きる。

すると、当初繁栄した企業も衰退し、失業者の増大で社会は不安定化するが、それでも資本主義者は「部分最適、全体不適合」の<罠>に陥る。つまり、世界的なレベルで激しいコスト削減競争を続ける個別企業は、「AIロボット」化を推進するしかなく、政府も同じなので、資本主義は自滅へと向かうだろう。

というのは、世界中の巨大企業が多額の資本投資をして「AIロボット」の開発を進めているので、各国の政府が「AIロボット」の開発や販売を禁止すると、原発と同じように、投資資金の回収が不可能となり、巨大企業の経営が不安定化する。

●それで、中国やロシアなどの特殊官僚が支配する国は別としても、巨大企業の政治的代理人に過ぎない西側政府は、「AIロボット」の禁止など出来るわけがない。つまり、西側政府は「AIロボット」の販売を認めても、あるいは逆に販売を禁止しても、どちらでも現在の経済システムは動揺し、突発的な世界同時恐慌が起こる可能性さえもある。

あるいは、世界恐慌は起きなくとも、長期間の深刻な不況が続いて、現在の経済システムは深刻な打撃を受ける。このように、世界各地で失業者が反資本勢力と化し、革命が起きる可能性も出てくる。

●そもそも、「AIロボット」の開発は、義務的労働の軽減=労働時間の短縮=自由時間の拡大を可能にする革新的な夢の技術である。

しかし、一般的に資本(企業)は、労働者を同じ賃金で雇いながら、より長い時間働かせた方が生産性が向上して利益も上がるので、労働時間の短縮=生産性の減退など、<法>で強制されない限りしない。

厳しい競争を続けている企業は一時的に競争に負け、利潤が激減しても耐えられるようにするため、「資本の蓄積」(内部留保などの資産の増大)を最大の目標として活動している。だから、生産性を向上させるために、「ホワイトカラーエグゼンプション」などの導入で、労働時間の延長を目論んでも、生産性を減退させる労働時間の短縮など絶対にしない。

●要するに、「AIロボット」の開発と普及は、資本主義の本性が<反労働者>であることを、誰にでも疑問の余地なく暴露してしまうのであるが、それでも、新しい産業が興って失業者を吸収することを期待し、企業は労働者の首切りと「AIロボット」の導入を続け、政府も容認するしかない。

もちろん、新しい産業が一時期、一定の失業者を吸収する可能性もあるのだが、その新産業にも「AIロボット」が導入されるので、再び失業者は増えて反資本主義運動が強大化する事態となり、社会主義革命が日程に上るだろう。

このような情勢となれば、巨大資本の支配下にある西側政府は、失業者を減らすための戦争を、何らかの大義名分で起こすかもしれない。人間は生きてゆけなくなれば、座して死を待つよりも、自分たちを棄民した体制への反抗を開始するからだ。

それで、巨大資本は戦争で工場などの資産を失うかもしれないが、革命で全てを失うよりもマシなので、戦争により、相互に殺し合わせて、危険な失業者を減らそうとするのである。

●この戦争の危機を回避するには、生産技術の革新による生産性の向上を、生産力の増大だけでなく、生きるために仕方なく行う「義務的労働時間」を縮小し、自由時間を延長させられる非営利企業による経済システム、すなわち「社会主義」に移行するしかない。

この移行が成功するには、日本や欧米、中国、ロシアなどの大国で同時的に「社会主義革命」を起こして労働者階級の政権を各国に樹立し、その政権が連携して資本主義的営利企業を、非営利の協同組合企業やNPO企業に再編する解決方法しか無い。

●ロシアや中国などの自称「社会主義国」は、元々は開発途上国だったので、資本主義陣営に対抗するために労働を神秘化し、人間性の回復や矯正などの特別な意味を付与して国民に労働を強いた。

しかし、マルクスは一貫して、労働時間の短縮=自由時間の拡大を訴えていたので、国民に労働を強いるような国が「社会主義体制」ではないことは明白である。

つまり、通常のイメージとは逆に、<労働時間の短縮=自由の拡大>を目指すのが「社会主義」であり、この体制だけが、生産技術の革新による生産性の向上を、自由の拡大(義務的労働時間の短縮)のために使える社会システム。だから、「社会主義」こそが真の人類の「自由な共同体」を建設する試みである。

●というのは、「自由の権利」は保持していても、それを行使する「自由時間」が無ければ、「自由の権利」は無意味だからである。実質的に自由を拡大することとは、自由時間を拡大・延長することだからである。

ところが、自由主義を自称してきた資本主義は非正規労働化で、人々が昼も夜も働かないと生きられない社会にし、民衆から時間を収奪するシステムを強化した。だから、やがてマルクスが予想した通り、失業者が「蜂起」して<世界同時革命>が起こり、社会主義派が勝利するだろう。

●とは言えマルクスは、社会主義社会であれ何であれ、何らかの欠陥がある限り革命を続けるという<永久革命論者>であった。だから、マルクスは社会主義を唱えたが、決して社会主義社会を人類の最終的な理想社会として提案したのではない。

というのは、われわれの思惟は、われわれが生きている現在の資本主義という歴史的時代に捕らわれ、制限されているからである。われわれの思惟は過去の総括であり、人間には未来は過去と現在から、蓋然的、趨勢的にしか予想できない。

だから、マルクスは必ず社会主義社会が実現するとか、社会主義社会(共産主義社会は人類の最終的な理想社会だとか考えなかった。それは実現してみないとわからない問題なのである。

しかし、サルトルが指摘したように、人類は時代毎の理想社会の実現を追い求めて生きるしかないので、資本主義が続く限り、必然的に資本主義の否定的側面を排除した社会主義社会が、実現を目指すべき次の理想社会ということになる。

要するに、人間はサルの親類縁者でしかなく、その知性には限界があると謙虚に考えるべきである。それで、人間の知性は滅多に真理を把握することなど出来ず、弁証法的に試行錯誤していると考えるのが、マルクス思想の立場。したがって、人間の知性を過剰に高く評価する科学主義の「科学的マルクス主義」なるものは、マルクス思想の堕落である。



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