ほんわか生活

髪を20センチ以上切ってすっきりんこ♪

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一瞬で、なにもかも

*





夜、どこへ向かうと言うの
首都高のネオンのまたたき
ラジオから流れる
流行の曲たち
深くシートに体を沈め
あなたの横顔が
暗くて
よく見えないわ
飛ばして,
もっと
もっと
飛ばしてよ,
隠し持った短剣で
胸をひとつきするような
刺激的なスピードが欲しい




あなたがうすく唇を舐めて
私の出すGOサイン
ああ、メーターが数値を超えていく
横に並んでいた外車を
追い抜いて
追ってくる車を引き離して
このまま
夜の沈黙に消えてしまいたいのよ




何か失って
ぽっかり空いた穴を
うめていくだけの
一瞬,一瞬に
もうはどめがきかないのよ
もうどうでもいいの
私たち生きている
制限速度を破って
どこまでいけるか試してみたい
対向速度がはやすぎて
もう目を開けるのもやっと
ああ
あのカーブで
もう
なにもかも忘れてしまいたいのよ













*

さよならの恋

*





さよならは
悲しい声でうたって
朝、
日の出間近のうすぐらい中で
一羽の小鳥がまちきれずに
空気をふるわせたように
それは
やわらかなブランケットみたいな感触で
あなたの頬や唇を濡らしたみたいな
さめざめとした
雨が
降る音




肺に満ちていく空気は
重力にまで反発していくのよ
不思議ね
こんな気持ちになるなんて
不思議ね
どこにこんな水源があったのかしら




くちづけをした
次の瞬間には
わたしたち
もう他人で
もともと他人だったことを
こんな痛みで思いだすなんて
本当にばかげてるわ




さよならは
悲しい声でうたって
わたしたちの間にあった
音をひとつずつ上手に編みこむように









*

あじさい

*





たくさんの
ちいさな花びらが
肩をよせあっている
天から降り注ぐものを
一身に受けて
容をまあるくさせて
時折、目を細めてしまうほど
まばゆいキラメキの
レモンイエローの午後
雨の粒はこんなに大きかったかしら,
ひそひそと
話し声がどこからか聞こえる
庭の片隅で
そうやって5月が終わり
6月がはじまっていく






こわれてしまわないように
大事にあつかって
そっと触れて
うすい青紫色が
雫をこぼすたびに
大きくおじぎする
ひたん
音の無い音
こぼれおちた雫の先には
苔むす大地
じっとりと
飽和しているみたい






息づかいが聞こえる?
そこにはないものの数だけ
目に見えるものの数だけ
空気に溶けているものがあるの
しぃ
しぃ しぃ。。
ねぇ 声を
ねぇ 声を無くしてみて
この時だけ
この瞬間だけ
私たちの体内は水たまりみたいになって
呼吸だけをするように
手をつないでいようよ
なんにも考えないでいいよ
ただ
手をつないでいようよ

















*

神に捧ぐ






またこの町に帰ってきた


2時間に1本のバスに揺られ
まるで異国と勘違いしたくなるのどかさ
いつもなら
あくびをして見逃してしまう退屈な日常に
私は
思わず息をのむ
ああ、
緑はこんなに
青く黄色く光を受けただろうか
表面をすべるだけでなく
裏側まで透ける葉たちが
風にひとつにそよいでいる
バスの窓を強引にあけると
肥えた土の匂いがする
地中深くまで
きっと多くが重なりあっている







私は生家に戻る前に工房に寄る
何の縁もゆかりも無い爺さんに会うために
わざわざ遠回りをする
ちょっと気が向いただけ
と ワザと可愛げない言葉を口にする
私はその人の名前しか知らない
名前も本当のものか知らない





工房はまばらな民家の端にあり
裏道も裏道で
あまりにひっそりとしていた
猫すらいない
ただ太陽が申し訳なく差し込むだけ
戸は開いていた
土間を通り勝手に入っていく
全ての戸が開け放され
爺さんの背中が見える





帰ってきたんか、
こちらに顔をあげずに爺さんは言う
私はただ頷く
爺さんは肩を揺らす、喜んでいる
ただそれだけで会話は終わり
私は柱に体を預けて爺さんの背中を見ている
前に来た時
爺さんは当然のように
何の変化もないトーンで答えた
見んくても空気で分かるもんながや、
どういう人間なんかもな、




爺さんは神楽の舞の面を彫っている
毎日、毎日、
薄暗い工房で
神さんに捧ぐもんを作っている
彫っている指先を見たい
その最中の面の成り行きを見たい
思っても爺さんは背を向けて
絶対に見せない踏み込めない雰囲気を放つ
その皺でたるんだ肘の動きと肩の動き
後頭部が前後する動き
その淡々とした静かさに宿る激しさ
体内に点る蝋燭の炎
その面をつけて踊る男たちを想像する
上半身を露にし
田畑で鍛えた筋肉の躍動
浅黒い肌を流れ飛び散る汗
深い皺をもつ爺さんの面が
若い男たちの顔となり
荒々しい
渦を巻き起こしていく
鬼気迫るような
喜びに満ち溢れるような
神さんが宿る瞬間のために
毎日を費やす爺さんの背中






私は腰をあげる
また来るからね。
離れがたい恋人にいうように
私は小さく呟いて
また
明るい陽の緑の下へ戻った
次はないかもしれない
いつもそう思いながらも
私は
また
明るい陽の緑の下へ戻っていく





























春、丸の内線にて









 君のことを
 必死にわすれようとしたら
 春になっていた


 7:45 丸の内線
 つり革で体を支えながら
 右手の文庫本に目を落としている
 薄暗い地下を
 猛スピードで駆けているなんて嘘みたい
 敷かれたレールを疑うことなくなぞる鉄の箱
 決まった場所で乗っては降りて
 ドアが閉まると
 急にはっきりする音源
 ipodの音量をさげ
 西新宿駅の蛍光灯が切れかかっている
 もう朝なのに
 まるで深夜と変わらない
 ぼんやりと文字をなぞっていく
 新宿でどっと人が流れ出る
 ぼんやりと文字をなぞっていく



 ふっと
 90ページ目の紙が白々とした
 私の影が文字をぼんやりとさせた
 目をあげるとそこは四谷、
 高らかな車内放送が遠のいてゆく 
 青々と澄んだ空を
 覆うように伸びる枝々の花
 花、花、花、
 さくら、

 

 嗚呼、
 もう 春なんだ





 朝陽が
 うすく色づく花弁の群生を溶かすように
 窓へとたどりつき
 体のどこかが震えている
 失ってもなお求めてしまう
 その瞬間瞬間に
 たやすく声を無くしてしまいながら
 その容だけは
 しっかりと目に焼きついたままで










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