安積道也 〜教会音楽家のひとりごと〜

ドイツで教会音楽家として働いていましたが、2008年に帰国しました。福岡で活動中です。

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コンサート終了 1

先週末オルガンコンサートが無事終了しました。
 
当日は、天候にも恵まれ、絶好の外出日和。
西南学院大学チャペル修道院生活(毎日チャペルにこもり、鍵盤上で独り迷走・・もとい瞑想)に入って、早2週間。今日で修道生活ともおわかれ。
 
午後4時に開演なので、午前中にゆっくりして、10時過ぎにチャペルに向いました。オルガンビルダーの奮闘のおかげで、オルガンのカプラーも調子を取り戻し、あとはリード管を調律するのみ。
90分ゆっくりと最後の指ならしをし、ひとり昼食をとったころに、リコーダー奏者の大坪由香さんがご到着。本番用のスポットライトを確認して、早速合わせてみます。これで彼女とのリハーサルは全部で4回目。《恋するうぐいす》は相変わらずの切れ味で、一瞬でも気を抜くと僕も聴き惚れて、弾くのを忘れてしまう程です。


そのあと、中村先生とアシスタント二人がいらして、「化身」の最後の通し練習。前回は部分ごと、止まりながらの演奏だったので、作曲家の中村先生も実際に完全な形での演奏を聴くのはこれが初めてでした。演奏後、先生からテンポとアーティキュレーションについて、3点ほど修正点が出て、その場で修正しました。きっと彼も、自分の作品としてもっといろいろ言いたいことがあったと思うのですが、「演奏家」へのリスペクトもお持ちの方で、見事な距離感をもって修正点を示して下さいました。そのご配慮に心から感謝です。
 
すべての準備を終えたので、部屋にかえって着替えて一休み、とおもい開演70分まえの1450にチャペルの出口へ。
すると、
 
すでにいらっしゃった!伊万里から14名!!
 
「あづみせんせ〜!」

・・・とものすごいテンション。

これは頑張らねば!!
 
後に、西南のある教授から伺ったところ、待ち時間の間、彼女たちが一番賑やかだったそうです。たまにはいいですね〜〜

行列の様子

イメージ 1

 
開演15分前に控室に行くと、大坪さんはすでにスタンバイ。真っ赤なドレスがとってもお似合いで、まさに、《恋するうぐいす》にぴったりの衣装でした。
開演5分前、スタッフから、「本日、乳幼児が25名ほどはいりました」と報告が。
 
おお、それはすごくうれしい。
 
というのも、先日、西南の舞鶴幼稚園に仕事に行ったとき、僕は、お母さんたちに直接、次のようなことをお話ししたからです。
 
・ぼくは良い音楽をみなさんにも、そしてお子さんにも聴いてほしい。だから子どもさんを、是非連れてきてください。
・でもコンサートは公の音空間。静寂は音楽に必要。(映画館が暗くないと困りますよね)
・子どもは泣いてあたりまえ。でも、泣いた子どもを外であやすのもあたりまえ。
・西南大学チャペルで、大人から乳幼児まで共に音楽に耳を傾け楽しめる時間と空間を作ることが、僕の願い。
・そのため、お互い少しずつ配慮して、そんな「場」を作っていきたい。協力して下さい。
 
もしも、余りに子供たちが走り回って「運動会」をするようだったら、以上の内容をもう一度、曲間に語る覚悟があったのですが、その必要はまったくありませんでした。後でアンケートを見たら、確かに幼稚園関係者が沢山きてくれていて、うれしかったです。
 
会場はすでにほぼ満席に近く、736名もの方が来場したとのこと。熱気もすごく、オルガンのある二階もすでに暑い!→リード管がくるう!!→暖房を切る!!!と一連の動作をこなし、一曲目へ。
 
指もよく動く。気も音楽もよく練れている。聴衆の「聴く力」もすごく力強い。二曲目との間にMCを自分で入れて、リコーダーの大坪さんが登場。冒頭ブクステフーデの少しお堅い音楽から一転、恋するうぐいすは、まさに聴衆を魅了したようです。(僕も魅了された・・)


いらした方はお気づきでしょうが、《恋するうぐいす》を大坪さんは、オルガンから離れた二階の角から吹きました。少し間接的で、夜空に鳴くナイチンゲールが想像できたのではないでしょうか。実はあのポジションに落ち着くまで、大坪さんには三階後方や、二階と三階の間などチャペルのありとあらゆる場所に行ってもらい、吹き比べたのです。大坪さん同様、僕自身、ドイツのさまざまな教会で空間と音響について、いろいろ経験があるため、立ち位置によって、響きの印象がまったく変わることをよく知っています。ちなみに響きが最高によかった組み合わせは、リコーダーが一般には入れない三階の後ろ(プロジェクターの置いてある場所)から吹いて、それを二階席の側面、中ほどで聴いたものでした。しかし、聴衆を全員二階にあげるわけにもいかず、二番目によかったあの角位置を選択した次第でした。

次はカッコウのカプリッチョ。本来オルガンソロ曲ですが、ぼくが適当に割り振って、半分くらいの「カッコウ」をリコーダーにお願いして、「オルガンとリコーダーのおしゃべり」を実現しました。


大坪さんが、のっけからやってくれました。今までのリハーサルではやったこともないテンポとアーティキュレーションで、「かっこ・・」とぶっきらぼうにお始めになった。当然、こちらも無愛想にお答えする。すると少し色気を交えて返してきたので、こっちも調子にのって、答えてみた・・・そんな感じで始まったカッコウのカプリッチョは、お互い次の手を読みあい、裏をかく形でヒートアップして、あっという間に終了。演奏している本人が最も楽しんだ一曲でした。
 
中村滋延先生の「化身」がいよいよ初演を迎えます。先生のお話は熱を帯び、分かりやすく、しかし、その間に二人のアシスタントの緊張感はマックスに・・・!!
 
ちなみに譜めくりやストップ操作のアシスタント作業は演奏者以上に緊張するもので、お一人の方は「夢にまで出てきた」そうです。僕も昔散々アシスタントをしたのですが、今でも緊張します。お二人に感謝!!(本番はノーミスでした。ブラボー!)
 
先生の説明が終わるのをまって演奏を開始。最初の難所は見事にクリアー。次の難関は若干指が転んでしまった。止まっちゃいけない、と先に行き、難しいテンポ設定を無事にクリアーして、物語を先に進めます。弾きながらいろんな情景が音楽から浮かんでき、とても楽しく演奏しました。それにしても、700人もの(子どもを含めた)お客さんの集中力は素晴らしかった。それに助けられて、それなりに納得のいく初演となったと思います。

初演の場合、演奏技術上、苦労が多いことがあるのですが、中村先生の「化身」は音楽的に面白く、弾き手のこと、聴き手のことを十分考慮に入れたうえでの作品に仕上がっています。もしも出版されるようなことがあったら、是非ご覧ください。
 
後半に続く。

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