前小笠原村議会議員 一木重夫の政治日記

第5回&10回マニフェスト大賞受賞・令和元年7月の村長選挙に向けて準備中!

全体表示

[ リスト ]

あれから12年が経ちました。
関係者もほとんどが退職されたので、今後の政治家育成のためにも
「おが丸燃油調整金大幅値上げ阻止の舞台裏」
を初めて公表しようと思います。
 
 
2007年10月、小笠原海運が燃料調整金の設定を表明しました。
2等片道3000円以上の値上げになります。
当時、燃油価格の上昇が社会問題になっていました。
燃料調整金は燃油の高騰分を乗客が負担する制度。
自助努力ではどうにもならない場合にのみ、燃料高騰分を乗客等が負担する制度です。
しかし、私が燃油高騰分の乗客が負担すべき金額を試算してみると、2等片道で1360円。
小笠原海運が提示する価格と2倍以上の開きがありました。
しかも小笠原海運は
「赤字だから大変」
と自助努力ではどうにもならないアピールをします。
しかし、財務状況を示す書類を村議会には一切公表しませんでした。
燃油調整金の導入を裏で主導した東京都も
「赤字だから」
との理由で燃油調整金の導入を支持していました。
 
 
しかし、小笠原海運の過去の運賃値上げの経緯を調べてみると、どうにも解せない部分がありました。
燃油価格は昭和53年〜61年にも大きく高騰したことがあり、昭和58年〜60年にかけておが丸運賃が2等片道で4200円値上がっていたのです(当時作成した図を参照)。
イメージ 1

その後、燃油価格は大幅に下落し、15年間ほど燃油価格がむしろ激安になっていた時代がありました。
その激安の時代でも4200円の値上げは据え置かれていました。
その間、小笠原海運は相当な収益をあげていて、内部留保をしていたはず。
また、平成19年からの燃油価格の高騰は昭和53年〜61年と同程度。
観光客も人口も増加している中、昭和58年〜60年にかけての運賃値上げ分でも、平成19年からの燃油価格の高騰分を賄えるはずです。
 
 
そこで私は小笠原海運の財務状況を調べるために、帝国データバンクから4000円で情報を仕入れました。
しかし、その情報には小笠原海運の内部留保や黒字を示すデータはありませんでした。
失意の中、何とか情報を得ようと、夜な夜なインターネットで小笠原海運の財務状況を示す資料を探していました。
すると、1つのページに辿り着きました。
親会社でもある東海汽船の中間決算短信の資料です。
その資料を見ると、直近の小笠原海運の財務状況が細かく書かれてありました。
6月の中間期で黒字決算していることが資料から読み取れるだけでなく、
「小笠原海運の収益好転」
との記述を発見。
しかも、親会社である東海汽船に6億円もの貸付金があることも判明しました。
 
 
翌日、私ともう1人の村議の2人で、裏で調整金を主導していた東京都の関係者を呼び出しました。
「こんな資料が出てきたんだけど。東京都は燃油調整金の導入をどう説明するの?」
その職員は困り果ててうなだれています。
「まずいなぁ・・・一木さん、この資料、まずいよ。。。。」
今まで「赤字だから」と説明してきたのに、黒字でしかも業績が好調、内部留保金が数億円もある事を示す資料が出てきてしまったのです。
「この資料を一木さんのブログに書かれたら、東京都は説明に窮する。どうしたらいいのか・・・」
困り果ててる都職員を前に、私は提案しました。
「私は燃油調整金の導入には反対していない。燃油の高騰分を一部乗客が負担するのは理解できる。でも、便乗値上げは良くない。正当な金額にしてくれれば、私はこの資料をブログにも全戸配布の機関誌にも載せないから。」
「わ、分かりました・・・本庁(新宿)と相談してみます。公表するのは少しお待ちください。」
私はこの情報を村長にも伝え、小笠原海運との交渉材料として、最後の切り札にすることを村長とも確認しました。
 
 
それから2週間後の2007年12月、小笠原海運は突然、44%も値下げをした燃油調整金を新たに提示してきました。
年額にすると9千万円の値下げでした。
私が試算していた乗客が負担すべき金額よりも少しだけ高い金額。
しかし、当時他の海運会社には無かった燃油価格が安くなったら値下げをするという「マイナスゾーン」の設置も勝ち得たので、燃油調整金の導入を了承しました。
 
 
一件落着をした数週間後、東京都のある公務員が道端で私に声をかけてきました。
「一木さん、燃油調整金の件ですが・・・実は私、東海汽船の株を個人的に持っていまして。この株主総会の資料に「黒字」って書かれてあるんですよね。燃油調整金の交渉材料にならないかと思って・・・東京都の公務員がこんなことを政治家に情報提供するのはまずいと思ったのですが、島民のためになると思って・・・」
「ありがとうございます。実はその資料、もう交渉の材料に使ったんですよ。海運も値下げを提示してきました。大幅な値上げは阻止できたので、ご安心ください。」
「えーーー、もう見つけていたんですか!それは良かった!ありがとうございます!!」
「いえいえ、こちらこそ情報提供ありがとうございます。でも内緒にしててくださいね。東京都のメンツもありますので。」
「承知しました!」
 
 
この一件で学んだことは、特に利害関係のある政治の交渉にはカードが必要だということ。
単にお願いする、要望するだけでは、なかなか実現できないということです。
今後、政治家を目指すみなさんの参考になればと思い、当時の資料を振り返りながら、記事を書いてみました。
今後の参考にしてもらえると幸いです。
 
 
また、今でもブログやfacebookに書けない政治交渉ネタはたくさんあります。
公開しても関係者に迷惑をかけない段階になったら、今後のためにも順次公開していきます(^-^)


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事