線とマチエール

このBlogの日記は私小説風の体裁を取っています。そのため、出来事、登場人物の心境には作者の主観も含まれます。予めご了承ください

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 先々日のことですが何気なくテレ朝の「TVタックル」を観ていたら、ヤッパリ先日参院選を圧勝した「自民党」vs「野党」の論戦が生放送で行なわれていました。

 当然ながら「憲法9条」および「国防軍」についての議論も、議論とは言えない程度の尺の短さで行なわれていました。

 自民党議員が繰り返し(ある意味)アジテーションする論理は、「現憲法は、GHQの押し付け憲法ゆえ、改正すべき」云々。「現在の中国の情勢を鑑み、現憲法ではこの国は守れない」云々でした。

    *   *   *

 僕は百歩譲って、自民党の論理にも一分の理があると思います。がしかし、僕は次の立場を明確にとります。

 「押し付け憲法」に関しては、僕は幼年期の教育課程から、「憲法9条」の理想の高さを教えられてきました。そして、あらゆる角度から鑑み、恒久平和を希求する憲法の素晴らしさを認めています。

 その上で、自民党にはこう問いたい。

 「何故、押し付けられたモノだからといって、受け入れてはいけないのですか?」

 もし仮に、ここにある種の押し売りがあって、強面で家に怒鳴り込んで、こちらが否応なくその商品を買わされたとします。確かにそれはクーリングオフすべきです。

 ですが翻って、様々な歴史や、様々な(日米を問わず、)人物が関わった複雑多義な要素を持つ憲法問題に関して、はたして短絡的な「押し売り」の論が成立するのでしょうか。

 僕はこの点、「論」が浅いように思います。

    *   *   *

 そして「国防軍」に関してですが、次の点からこの問題も問いたいと思います。

 確かに仮に他国に攻められたら、自国を保持しなければいけませんが、ですが、その主たる選択肢は、はたして「軍」だけでしょうか?

 TVでは(どう好意的に観ても)ファナティックにしか見えない自民党若手議員が、野党相手に「国を失ったら」、もしくは「攻め込まれたら」、貴方達はいかにこの国を保持するのか、といったようなことを息巻いていました。

 が残念ながら、ではいったいこの国を守るために、誰が人殺しの役割を担うのですか?というような人道的なテーマは(TVの上では、)自民党からは皆無でした。

 翻って「国防」と「人道」とは、それぞれがテーマする論理から、別々に導きだされた議論の帰結だと思います。ですから僕が百歩譲るのは、どちらも「論」としては正しいという事。

 それゆえに「愛国心」とは、矛盾と葛藤のはざ間に位置するのであって、安易に政権の思惑によって美化すべきモノではありません。

 この点も、自民党の意見は「論」が浅いように思います。

    *   *   *

 もちろん以上は、TVという尺の短い中で展開された短絡的議論だと僕は思いますが、しかし、国会中継一つとっても、昨今の政治がTVと同レベルの尺の短い議論で展開されているように、国民に印象付けられている気がしてなりません。

 特に衆参の「捻じれ解消」の賛辞には空恐ろしさも感じます。

 いったい捻じれが解消されて、法案が通り易くなって、何が良いのでしょうか?多様な反対意見のなかで、合意が醸成されてこその民主主義ではなかったのでしょうか?

 僕には次のような、僕の意見に対する反論も聴こえてきます。現行の捻じれ状態では、21世紀の即断を迫られるような国際情勢にはついて行けない云々。

 いやいや、あえて反論すれば、それは本末転倒であって、本来多様な意見の中から必要な「一」を醸成する胆の据わったあり方こそが、政治家の力量ではなかったのか?くだんの番組の議員からは、次のような本音もこぼれました。

 「議論は尽くしますが、最終的には民主主義的採決にゆだねる」と。

 結果多数決で決めるという意味だと思いますが、現在最大の与党は「自民党」であることを鑑みると、ねじれ解消の趣旨は、やっぱり「独裁」の謂いでは無いでしょうか。

    *   *   *

 そんな事をつらつら考えながら、僕はふと2008年11月に亡くなった、筑紫哲也氏の次の文章を思い出しました。

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 「論」も愉し

  近ごろ「論」が浅くなっていると思いませんか。
  その良し悪し、是非、正しいか違っているかを問う前に。
  そうやってひとつの「論」の専制が起きる時、
  失なわれるのは自由の気風。
  そうならないために、もっと「論」を愉しみませんか。

  二〇〇八年夏 筑紫哲也
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 はたして「議論」とは、矛盾する論理の「あわい(間)」から、新しいイマージュを創造することなのであって、決して自分の「論」で他人を打ち負かすことではない。

 昨今の「自民党」議員には、あらためてその事を思い直してもらいたいモノだと、そう思った。

 


おしまい


※写真はasahi.comより転載。

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