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うつむき姫
むかしむかしあるところに
まだわかくうつくしいおひめさまがいました
でもおひめさまはいつもだまってうつむいていました
それはおひめさまのおかあさまがなくなったひからでした
いつのひからかおひめさまはうつむきひめとよばれるようになりました
おうさまはうつむきひめがげんきになってほしいとねがっていました
そこでむすめにえがおをとりもどしてくれたものには
おしろとりょうちをあたえるというおふれをだしました
くにじゅうからわれこそはとたくさんのわかものがあつまってきました
おうさまはこれはとおもうわかものをうつむきひめにあわせたのでした
いろんなわかものがいろんなはなしやいろんなげいをみせました
でもうつむきひめはやはりだまってうつむいたままでした
もうだれもうつむきひめのこころをひらくことはできないと
おうさまはあきらめかけていました
さいごのわかものはしずかなうみのようなひとみをしていました
そのわかものはうつむきひめとおなじようにだまってうつむいていました
でもそのごもうつむきひめはそのわかものとあいつづけました
あってもおたがいにだまってうつむいたままです
わかものとうつむきひめがであってからすうねんがすぎました
うつむきひめがはじめてかたくとじていたくちをひらきました
わたしがうつむくようになったおなじながいねんげつを
ひたすらわたしのことをかんがえてくださいました
こころのなかでわたしのためになみだをながしてくださいました
あなたのこころのこえがわたしにはきこえました
わかものがかおをあげるとうつくしいえかおがそこにありました
まぐまぐ!「花を歌うかな」'09/3/7 No.1305 から転載
http://ichirof60.dip.jp/hanauta9/1305.html
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