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結局、何度も言ったことを長々と書いて、締まりのない締めくくりとなった。ごめんね。
「いい男がいない」とKさんは断言し、Sさんは「そうそう」と肯定した。男が価値を喪失したのだろうか、それとも女の求める男像に上昇傾向の変化があったのか、実のところ中は知らない。しかし、女が「いい男がいない」と思ってしまうような時代は、国は、不幸だ。そしてそれはゆるやかな少子化傾向と無関係ではない。当たり前だろう、より良き繁殖戦略を展開するために男同士が競争しあわない時代、女がときめいていられるわけないじゃないか。そういう国に、よい男よい女が佃煮のように大量に出現するわけがない、しぜん、恋愛そのものもだらだらした、緊張のないものとなる。それが婚姻後もセックスの回数にあるいはそのシリアスさに影響する、そんなこと充分想像できる。政府は「少子化担当省」まで設け、子育ての金銭的支援であるとか保育所の待機乳児・幼児の解消とかいろんな事を言うが、それが必要である社会背景は認めるとしても、ある種の、少なくない男女にとって、ギラギラした恋愛をする時代じゃないということが基本的な問題としてある、そのことは、わきまえたい。 で、卑怯な女が出現する。あえてダメ男を選ぶ。ダメ男と恋人関係を結ぶことには利益が(あまり生産的な利益ではないが)存在する。まずダメ男は女に努力を要求しない。2つめ、ダメ男との交際は、女に欠点を自覚させない。だから当たり前だがあえてダメ男を選ぶ女には必ず何かが、欠けている。しばしばそれは致命的な『何か』だったりする。 あるいは、恋愛が『ファッション化』する。 恋をしているということ、ある特定の異性とただならぬ関係を結んでいるということ、それがたちまちのうちに公言されてしまう時代というのは何なのだろうか。新しく恋愛を始めたカップルの片方が(しばしば両方が)そのことをいち早く広報してしまう時代というのは何なのだろうか。それはもう恋愛じゃない、とりあえず恋人(のような)が、いるということ、それを公言して自分をある種の場所にカテゴライズすること、それは何なのだろう。「友だち」と同じだ。ある種の人は言う、「友だちがいないことが苦痛じゃないのよ、友だちがいない人だと周囲から思われることが、耐えられないのよ」その『友だち』を『恋人』に変えてもこのレトリックは立派に(意味が立派なわけじゃない)成立する。 『恋人のいる人』に自分をカテゴライズしたいのだ。 言うも恥ずかしい当たり前のことだが、それは恋愛じゃない、少なくとも繁殖戦略としての男女の関係じゃない、それはどこまでも、ファッションにしか過ぎない。恋愛は秘め事としてするものだ、というような古いことを言うのは気が引けるが、あえて言うのはそうじゃない恋愛を展開するけなげで美しい人間も、決して多くはないが複数、知っているからだ。彼らは秘め、そして日々ギリギリの、シリアスな感情の交流をする。その中には決して世間に公表できないものを含む。もし世間にバレたら現在の生活を損なったり法律に触れたりするのかも知れないが、しかし。 しかし、そういう人たちの人生(と、顔)は、例外なく美しい。 そういう『恋愛』の対極に、ファッションとしての恋愛がある。「カレシができたさぁ」と公言する女にとってそれがいかに大切な男でありいかに緊張を必要とする時間であったとしても、それがファッション的な満足以上の何かを生み出すとは、とても思えない。 ファッションならファッションでかまわない、宝石を身につける、毛皮のコートを身につける、エルメスのバッグを持つ、男を連れ歩く。そうした1連のファッションに埋没しての『恋愛(疑問符付きの)』でありそれを双方が(少なくとも女が)自覚していればそんなに腹は立たない。うっとうしいなぁ、ですむ。でも中はオジンだし、上に書いたがそうじゃない人も知っているので、やっぱり書く。 ファッションとしての恋愛。 東京では一時的にアフロアメリカンの恋人を連れ歩く風潮が存在したが、それはなかなかの『ファッション』であった。顔が良い、スタイルが良い、芸がある、ユーモアのセンスがある、絵が描ける、写真が撮れる、映画が創れる、デザインができる……。男の『付加価値』をアクセサリーのように身につける、それが女の資産である時代、その延長線上に、アフロアメリカンの彼氏を持つ女、がいた。そういう時代が来ていたということだ。「なんだ作家の山田詠美のことじゃん」なんて言ってはいけない。たしかに彼女の恋人(結局夫)はアフロアメリカンだったが医者だし軍人だし大変な知識人、文化人である。その気になれば文学論の1つも書きそうな、大変な文筆家である。あれはファッションじゃない。そういうアメリカ人を恋人に、夫にするのに、山田詠美さんがどんなに自らの美質を磨いたか、想像してみるとよい。 でも普通のアフロアメリカンの男性なら、すぐにでも恋人に出来る。日本の女性は世界一人気があるし、世界一(たぶん)流動資産を持っても、いる。あなたがもし容姿に自信が無くても、BMWの1台ぐらい買ってあげるだけで、1年や2年は持続する。ファッションなのだからあなたにもそのくらいの準備はあるだろう。おめでとう。でも中はあなた(たち)を見ていると非常に気持ちが悪い。百回繰り返すが、そうじゃない恋人もこの日本にはいるのだ。 「新しいカレシができたさぁ」という発表を聞くと苛立つ中だけど、いまはとりあえずそういう人のファッションへの傾斜は認めるとして、なお「その、現在のあなた方2人の関係が、秘めてする恋愛に転じるとき、あなたは美しくなるかもよ」ということは申し上げたい。まぁ、そんなこと考えもしない人にとっては「ほっておいてよ」ということになる。 付け足しだけど、ある高校生カップル(残念ながら砂川在住じゃない)の話を書いて、終わる。男の方にはある悩みがあった。行きたいデートスポットがあまりに違うのだ。女は何故か、某高校の女子寮の近くを散歩したがった。当たり前だろう、女子寮の寮生に、恋人と一緒にいる自分を、見せるんだよ。たぶん、男の顔は当節流行だったのだろう。得意になる彼女の顔が見えるようだ。 ファッションである。 だが、男はあくまで男らしい奴だった。恋愛は暗がりで、2人きりになって語らうことだろ、と主張した。あ? 今「いやらしい」と思った? かまわないよ。できれば女子寮の窓下を散歩するのじゃなく、他の人間をうんと遠ざけた静かな暗がりで君と愛し合いたい、それが「いやらしい」ならいやらしいでいい。でも断言するが、いやらしいものを持たないで恋愛に、女に肉薄する男を、中はそもそも男と認めない。いやらしいから男は恋愛を始めるんだよ。 彼はあっというまに女を自分の側に引き寄せることに成功する。女子寮の窓下より自分達らしい場所があることを彼女にわからせる。2人きりの閉鎖空間で男の言葉に女は集中し女の存在に男は集中する。その緊張は、女子寮のある場所にはない。 そもそも『ファッションとしての恋愛』を、まともな男なら嫌うはずだ、という思いが中にはある。これを読んでくれているあなたが女であるなら、今あなたが思い描いている男との関係を今一度点検してみて欲しい。 その男を、同性の他者に見せたいという衝動が、あなたにはある? できるなら、恋人のいない女が佃煮のように群がっている場所(女子寮の窓下)を散歩しようと考えている? 彼の顔は、天下一品だと自分で思う? その答えは、実は重要なことをあなたに示唆している。つまりあなたが、彼を愛しているのか自分を愛しているに過ぎないのか、ということだ。 でも彼はあなたを暗がりへと導いているよ。導かないならそれは男じゃない。 どうする? |

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ファッション雑誌から飛び出てきた様な若い女性と腕を組んで私の町の一丁目を闊歩してみたいけど、現実は 違う、だからこれでいいのだ!!私は、普通、まとも?
2010/11/27(土) 午後 7:20
ととろじじぃ様ありがとうございます。うう〜む難しいですね。ただ今は、女性が男をブランド品のように身につけているというか…。男がファッションとしてファッショナブルな女性を……恐ろしい、魅力的な試みだけど恐ろしい。
2010/11/29(月) 午後 11:02 [ ichizoku2008meeting ]
とても興味深く読ませていただきました。彼氏ができるたびに自分の世界を連れまわしたがる女性と、できれば行きたくないと思っている男性のすれ違いはそういうことだったんですね。なるほどです。
2010/11/30(火) 午前 10:46 [ かおり ]
かおりさんお久しぶりです。ありがとうございます。まさにおっしゃるような女性、(男も?)いらっしゃいますよね。でも多くの男は、「あなたには僕しかいない」という事実で納得したがるものなのですけどね。ごくまれに『ついてゆきたがる男』がいて、みっともないですね。
2010/12/2(木) 午前 6:22 [ ichizoku2008meeting ]
大分前の記事ですが、コメントを書かずにはいられませんでした。
僕は現在高校生ですが親戚の人に「なんで彼女作らないの?」と聞かれたことがあります。その理由が同年代のカップルを見ていて どうしても「恋愛」ではなく「ただのファッション」と感じてしまうからでした。
LINEなどに投稿されるツーショットプリクラ、「一生放さない」等の恥ずかしい文の羅列、数ヶ月あるいは1ヶ月後には別れて罵声を浴びせ合う元カップル....これを端から見てしまうとカップルってこんなものなのかと思ってしまいます。僕も恋愛は密のするものだと思います。
2015/1/12(月) 午後 10:22 [ K ]
> Kさん
すみません、「密の」ではなく「秘かに」でした。タイプミス失礼しました。
2015/1/12(月) 午後 10:28 [ K ]