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誰かにとってぜひ必要、という情報をもって成立しているのではないこのブログ、お立ち寄りくださるのは私の健康を案じてのご親戚知人の方のみ、と承知しておりますので、甘えて四方山話、政治のお話。
政治家ほど、揶揄されちゃかされることの多い職業はございません。まぁそもそも、数週間にわたって車上から自分の名前を連呼する人間としての恥がまずおかしい。それと、「何が何でもオレの方が人間が優秀で仕事もでき約束も守るのだから次の日曜日には小学校に出かけていって紙に俺の名前を書け」という暴力というか脅迫の、その対極の所に私の愛する日本文化があったのでございます。そんな人間が信用できるわけないじゃないですか。以前あるところでそれを言ったら、「あんたは子どもだ」と言われました。開き直るわけじゃないですが、それなら私は子どもでけっこう、大けっこうでございます。 政治家の行動と発言は、時に笑えるのでございます。良かった子どもで。 でも政治家のファルスが、毎回「笑える」かというとそんなこともないのであります。時に、不愉快になります。 閣僚まで経験された方が所属政党を離脱し、新しく結成する新党の名前が「立ち上がれ日本」であるというのを聞き、イヤ〜な気持ちになりました。 理由はいくつかあります、新党結成に参画する議員の平均年齢が70歳、そのオジンが(何度も言いましたが私も十二分にオジンですが)繰り返し政策から置いてきぼりを食らった若者や、立ち上がろうとしても踏みつけにされてきた(たとえば首都圏近くで子どもを身ごもったばかりの若い女性とか)国民に向かい、あるいはこの国そのものに向かい、「立ち上がれ」と命令したり励ましたりする資格も器量も、何より実力もないだろうと思うことが1つ。 そして、かつては政党や派閥のおかげで潤沢、ではないにしろまぁ一定の選挙資金も手にしていた連中が、野党になってしまったその母体から、沈む船から飛び降りるように離れていく、その際になんらかのもっともらしい理由を付ける姿がみっともなくて見ていてイヤだということが1つ。 せめて、「決まってるじゃん、自民党員のままでいちゃ選挙で勝てないからだよ」ぐらい言ってくれると賛同はできないまでも納得はできるのですが、こんな時に執行部を押しつけられてそれでも奮闘している(あるいは『少なくとも自党を見限ってはいない』)京都出身の若い議員を名指しして、「執行部が変わろうとしないからだ」などとイチャモンを付けるようでは、見苦しいを通り越して、もう良識の気絶状態でございましょう。 イヤ〜な気になった理由は、他にもあります。「立ち上がれ」はニュアンスとして「がんばれ」に通じ、私はその手の励ましが、何より何より、もう本当に嫌いである、ということにつきます。 誰かを鼓舞する、励ますときには、注意が必要であります。そして、本当に支えが、寄り添いや見守りが必要な人には、それは絶対に言ってはいけない言葉であるのでした。私自身がそうです、倒れて立ち上がろうともがいているまさにその時、横から「立ち上がれ」という人がもしいたら、そこに金属バットがあれば私は、殴ります。 ある若い先生が、ぽろりとこぼしたことがありました。自分の吐いた言葉が、もしかしたらある人の自死に影響したのではないかということです。数年持ち続けておられた悩みを、ある時本当にただ一度、漏らされたのでした。 彼女は自分より更に若い先生から、心中の苦しみを打ち明けられたのだそうです。生徒との、父母との、同僚教員との人間関係の不調。授業の不調。それに対し、「まぁがんばりなよ。それしかないんだし。」とアドバイス。言葉は、正確にこの通りです。 その瞬間、相手の顔が、実にイヤ〜な感じに変化したので、「しまった」と思ったが、もう遅い。そしてその夜、相談者は自殺してしまいます。 以来その先生は、消せない悩みを抱えて教員生活を送ることになります。敬愛する長崎県出身の作家も書いております、「がんばれ」などという言葉は、すでに充分がんばっていてとっくの昔にそんな『励まし』の必要じゃなくなっている相手に対する以外、使ってはいけない。やらなきゃ、自分を駆り立てなきゃ、と強迫観念を抱いて(しまって)いる人間に対し、「がんばれ」などという言葉は禁物なのだと。私もそう思うし、判断力のある人なら誰でもそう思うはずであります。 新党の名前は、どこまでも錯誤であります。「立ち上がれ」は「がんばれ」とはもちろん違う単語であるし、使われるシチュエーションも微妙に違う、それは承知しております。しかし新党を立ち上げようとしている人の中に、無自覚に共通のニュアンスが抱かれていることは明白であります。日本の何かは(どこかは、誰かは)今なお「座って」いると思っている、その点がすでに錯誤であります。生存の本能を抱いた人間は老いも若きも、危機感の量に応じてすでに立ち上がっているのであり、それを示す徴候はいくつだってあります。海外留学をもくろむ人の多さ、英語や中国語を初めとする外国語ブームの定着、あるいは高名な作家が500人のスタッフと共におそろしい時間をかけて作った職業紹介本が、サイズの大きさと価格にもかかわらず130万部も売れるということからして、のどかな時代が過ぎ去り生き残りをかけて、あるいは『仕事』という、生活の糧と人間の誇りという無二の重大物を約束するものの獲得に向けて闘うことが必要な時代が来ていること、それが自覚され言い換えれば人びとがこの時代に『立ち』むかおうとしていることを表しているのであります。 「立ち上がれ日本」。 売り言葉に買い言葉で応じるとしたら、「あなたには言われたくない」のであります。 |
白黒写真への挑戦
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3月14日(日)は、森山大道さんが東川町の文化ギャラリーでアーティストトークをする日。 |
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森山大道さんの写真を見に、東川町へ。 |
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コニカC35にトライXを入れて。 |
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白黒写真を、思い出したように撮ります。 |



