あん動物病院日記

4月19日(水)の午後は休診いたします

動物病院的な話

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猫エイズのワクチン

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人にエイズウイルス(HIV)があるように、

猫にも猫エイズ(FIV)があります。



人間同様、エイズという病気で命を落とすわけではなく、

発症すると、エイズウイルスが猫の免疫力(抵抗力)をなくしてしまうため、

様々な病気になりやすく、また治りにくい体にされてしまいます。



厄介なことに、

一度感染するとウイルスを消失させる方法はありません


つまり、予防が重要になってくるわけです。



主要な感染経路は、ネコ同士の喧嘩による咬み傷です。

交尾感染や母ネコから子猫への感染もまれに起こります。

同居猫同士のグルーミング(毛づくろい)や同じ給水などでは感染しません。


また、ヒトや犬への感染もありません。






そこで、今回発売されたのが、「フェロバックスFIV」

猫エイズ予防ワクチンです。


アメリカでは2002年にすでに実用化されていたものが、日本でも登場したわけです。




ワクチンを作るのに使用された猫エイズウイルスには「静岡株」なるものが使われています。

なんか誇らしいような、微妙な感じです。

静岡で分離されたウイルスの抗原を使用しているようです。






今回のワクチン、いくつか特徴(欠点?)があります。



初年度は1か月おきに3回の接種が必要


十分な効果を得るために、3回接種しなければなりません。

2年目からは毎年1回でいいようです。

飼い主さんがちゃんと3回来てくれるかどうかが心配なところです。



自分が以前、犬に激しく噛まれて人間の病院に行ったのですが、

破傷風のトキソイドを注射されました。

「あと2回打ちに来てくださいね」

なんて言われたのですが、面倒くさくなって行かなかったものです。






ワクチン接種後にウイルス感染検査をすると陽性になってしまう


当たり前といえば当たり前なんですが、

ワクチンというのは、病原体を体に入れる行為なわけですから、

体が反応して抗体を作ったら、院内で使う検査キットの結果は「感染しています」になります。

ワクチン前にきっちりと陰性であることを確認するでしょうが、

その後の感染の有無に対する判定が難しくなります。


まったく判定不可能なわけではなく、

専門の機関でPCRという遺伝子検査をすれば感染を調べられるのですが、

ちょっと大がかりになってしまいますね。




このような条件でも打ちたいという患者さんがいたら、仕入れてみたいと思います。


ただ、基本的には100%室内飼育すれば、このワクチンは必要ないと思います。

直接エイズを持っている猫と接触しない限り感染らないわけですから。







個人的に思う、このワクチンの適応例は、


すでにFIV陽性猫がいる家が、陰性の猫を同居させたい場合


FIV陰性の猫を飼っている家が、陽性の猫を同居させたい場合


この2パターンでしょうか。



説明書きには、

「外に出て他の猫との接触の可能性が多い猫」が最もワクチンの必要なケースになっています。

そりゃそうでしょう。

でも、ワクチンを3回も打ってあげるほど大事にしてくれて熱心な飼い主さんは

あんまり猫を外に出さないんじゃないかな。



一年目に普通の3種や4種のワクチンを2〜3回打たなきゃならないのに、

さらにエイズのワクチンを3回打つとなると、

1年に5回か6回もワクチンを打たなければなりません。

安全性は大丈夫そうですが、どれだけの人がこの手間と費用をかけられるのか。

やっぱり、外に出さないようにして欲しいです。





まとめ


新しく一緒に飼ってあげたいけど、(どちらかがキャリアーだった場合)お互いの感染が心配だ。

こんなケースにはもってこいのワクチンかもしれません。




興味がある方は、お問い合わせください。

閉じる コメント(12)

あん先生に猫エイズの事を何時か詳しく聞こうと思ってたんですよ.何だか最近,猫の家になりつつあるもので….
3回のワクチンよりも,その後の検査が大掛かりなのは問題かもしれませんねぇ.

2008/7/31(木) 午前 0:40 [ Mucha ]

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はじめましてです。あ、ようやく日本でも、FIVワクチンが発売されたんですね!!初めてしりました。
そのうち、この記事を引用させていただき記事にしたいと思います。
その節はヨロシクお願いします。

2008/7/31(木) 午前 1:16 タロ

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はじめまして。
猫エイズワクチンのことが分かりやすく書かれていたので、こちらの記事を紹介させていただきました。

2008/7/31(木) 午後 8:13 [ しげっち ]

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Muchaさん

基本的には、ワクチン接種前にきっちりと検査を済ませて、
その後毎年ワクチンを打ち続ければ
そのあとの検査というのは必要ありません。
ワクチン打ってるから大丈夫という扱いになります。
ただ、ちゃんと3回打たずに途中でやめてしまった場合、
また、毎年打たずに途中で何年も開いてしまった場合には
その間に感染したかどうかは、院内のキットでは調べられなくなります。
打つならとことん、きっちりと打たないとですね。

2008/7/31(木) 午後 11:28 [ an_*ni_**sp ]

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TAROさん

発売してしばらくは品薄になりそうです。
元々の出荷本数が少ないことに加えて、
1頭につき3本使うわけですから、
3回目接種しにいったら、
「在庫切れで打てません」
なんてことが起きなければいいのですが。

転載できるように設定し直しておきました。

2008/7/31(木) 午後 11:31 [ an_*ni_**sp ]

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shigecheさん

できるだけわかりやすく説明できるように心がけていきたいと思います。
また見に来てくださいね。

2008/7/31(木) 午後 11:32 [ an_*ni_**sp ]

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では、転載させていただきますね。

2008/7/31(木) 午後 11:36 タロ

初めまして 月の猫です こちらの記事、転載させて下さいm(_ _)m
「エイズのワクチン」とても興味があるのですが・・・
エイズ陰性の子がワクチン接種で結果陽性になる、という事は
一般的に「エイズのキャリアになる」という事なのでしょうか?
例えば・・・ 陰性の子がワクチン接種した子に噛まれた場合
「エイズキャリア→発症の危険」になってしまうのでしょうか
ワクチン接種する事によってエイズキャリアが増えてしまう危険もあるのでしょうか・・・
パンフレットを読んでも不安な事が沢山あり過ぎます(x_x:)/

またお勉強に来たいのでファンポチして帰ります(⌒∇⌒*)/

2008/8/5(火) 午前 11:05 月の猫

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月の猫さん

初めまして。
ファンポチありがとうございます。
質問の答えですが、文章が長くなってしまいそうなため、
新しく投稿しましたので参考にしていただけると幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

2008/8/5(火) 午後 5:11 [ an_*ni_**sp ]

ご丁寧に有難うございますm(_ _)m
早速確認させていただきました!

2008/8/5(火) 午後 5:18 月の猫

はじめまして。
色々と詳しく書いていただいているので、
食い入るように色々な記事を読ませていただきました。

今年の4月に保護した野良猫を飼うことにしました。
実は「猫エイズと白血病」の検査で共に陽性。
現在(猫ハジラミもいるので)先住猫を2階、
保護猫を1階と隔離しているのですが一緒に走り回らせて
あげたいです。

まだまだ問題も多そうなワクチンなので
ためらいます…。

ファンぽちさせて頂きました。^^

2010/6/25(金) 午前 2:58 チョイスのケイコ(*^-^*)

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ケイコさん
なかなか大変な問題をかかえているようですね。
保護した時点で仔猫だった場合、白血病ウイルス検査はもしかしたら
「移行抗体」のせいかもしれません。
半年後にもう一度検査したら陰性になっている可能性もありますので、ぜひ再検査を受けてみてください。
すぐに知りたい場合には、遺伝子検査で調べることも可能です。
エイズだけなら、エイズワクチンを考慮ですね。

2010/7/26(月) 午前 10:11 [ an_*ni_**sp ]


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