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超越的なものへの憧れ

私たちは個人差はあれ、超越的なものへの「憧れ」という欲求を持っている。現にないもの、自分に充たされないものを、自分を超越した何処かに欲望するのである。
 ロマンティシズムは、こらから先の何処かに、今にないものを、より恍惚とさせてくれるもの・より高揚させてくれるもの・より感動させてくれるものを、欲求し憧れるのである。だからロマンティストはいつも夢見る人なのだ。
 センティメンタリズムは、今にないものを、より恍惚とさせてくれるもの・より高揚させてくれるもの・より感動させてくれるものを、過去にあった自分の生きられた体験の中に探し求め、そうした記憶を言わば「純化・美化」した
形で想像的に創り上げるのである。
 ロマンティシズムには、自分の生きられた体験の中にあった、今になく、かつて高揚・恍惚・感動させてくれたと思われる記憶の想起が、投射・投影されている。

魂の要素

人間の体内にあって、精神の働き(思考・感情の働き)を司るものとしての「魂」は、どこから起こって来るのか。
自分の「生来のゲノム・遺伝子に変異した遺伝子が加えられたゲノム・遺伝子」と、「自分を取り巻く様々な環境との相互関係性」が、魂の構成要素となる。

「魂」を、ある辞典には「人間の体内に宿り、精神の働きを司ると考えられているもの。昔から肉体とは別に存在すると考えられてきた」とあるが、「魂=精神の働き(思考・感情の働き)を司る」として、魂について考えてみたい。
(1)徹底した自己懐疑と反省的直観を必要とするフッサール現象学I(と現象学的還元)の理解は、自分にとって、何ゆえに現象学的還元が遂行されないといけないのか・何ゆえに徹底した自己懐疑と反省的直観がなされないといけないのか、ということについての、生きていく中での、何らかの<要請>がなければ生き生きとした実感として理解できない。
(2) 本来的な生き方に目覚めさせるのは、<良心の呼び声>である(ハイデガー)。
 上の「要請」と「良心の呼び声」は<魂>に該当する。

自然とひとつ

暑い晴天の日々が長く続いているときに雨が降ると、私は何となく気持ちが落ち着いてくる。乾いて熱した土は、雨水が滲み入ってくるのを喜んでいる。その様子を感じて気持ちがむのである。自分も自然なのだと感じるときである。また森閑とした夜明けの公園の林で佇むとき、気持ちが落ち着いてくる。自然と一体の自分を感じるのである。
 主観・客観だの、主体・客体だの、認識主体・対象だのと、人間が考え言い始めるよりの前の「人間の感じ」とはこのようなものであったのではないかと思うひと時である。

言葉と区分け

ある幼児が初めて車に乗ったとき、「これ人間?人形?」と叫んだ。車に乗る前までは、幼児は身近にいつも触れる対象を、「柔らかく温かく動くもの」が<人間>で、「固くて冷たくて動かないもの」が<人形>というふうに、人間・人形という2つの言葉で区分けていた(分節していた)。それが「固くて動くもの」に乗ってみて、人形でも人間でもないと身体感覚したのであるが、幼児の脳にインプットされている言葉が人形・人間だけだったので、そう叫んだのである。
 大人であってもインプットされている言葉(とその意味)は限定されていて、言葉にし得ない自分の感情や思考というものは多いのである(その分、世界を分節していない)。
(2)眼の動きや光、表情、動作・仕草、何となくかもし出されているその人の雰囲気や場の雰囲気などが、「沈黙において語る」という、もう1つの語りである。

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