フェルナンド・ペソア

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『不穏の書』の主人公、リスボン在住のベルナルド・ソアレスは、繊維輸入の

ヴァスケス商会の会計助手として、ささやかな俸給を得、余暇はひたすらノー

トを埋めることで過ごしている。独身で、食事は外食、旅行を夢みながらもリ

スボンの街から出ることはほとんどなく、人とつきあうこともない孤独な生活

を送っている。ベルナルド・ソアレスは、作者フェルナンド・ペソアの文学的

分身なのである。
             (p215、澤田直の解題より)。

天才とは勤勉なり

偉人たちにとっては、日々の生活をつらぬいて作業が続くあの断章群に比べれ

ば、完成した作品などたいした重みをもたない。というのも、弱い才能、散漫

なものだけが、完結に無上の喜びをおぼえ、さてこれでまた自分の生活に戻れ

た、などと感じるのだから。創造的精神(ゲーニウス)にとっては、あらゆる

中間休止(ツエゾーア)が、運命の重い打撃さえもが、安らかな眠りと同じよ

うに、彼の工房の勤勉さそのものの真っ只中に入りこんでくる。そして、この

工房の呪縛圏を示す線を彼は断章において引くのだ。「天才とは勤勉なり」。
                ヴァルター・ベンヤミン

『不穏の書』の

「作者ペソアはリスボンの貿易会社で商業通信文を翻訳することで慎ましく生

計を立て、生活に必要な収入を得るために最低限の仕事だけをこなし、残りの

時間はすべて執筆に充てていた」

「独身で、食事は外食、旅行を夢みながらもリスボンの街から出ることはほと

んどなく、人とつきあうこともない孤独な生活を送っている。」(p215、

澤田直)

「大航海時代の詩人が、無限への旅を、当時の世界の覇者にふさわしい勇壮さ

で叙事的に謳い上げたのにたいして、ペソアは、無限への旅を果てしない虚無

の感覚で、英雄的な言辞に背を向けて、書きつづってゆく。そのなかでも、虚

無の極北に位置するのがソアレスという人物であり、『不穏の書』なのだ。」
                         (p220、澤田直)

郷愁(サウターデ)

「しばしばポルトガルという国を理解する鍵語と言われる郷愁(サウターデ)

は、じつは同じ問題系の裏面に他ならない。だが、ペソアにおいては郷愁もま

た、かつて存在したことのないものへの郷愁であり、ここでも絶対的な非在こ

しが、生の中心に巣喰っているのである。」(p219、澤田直)

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