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マラはクセになる。
誤解のないように言っておくが、マラとはマラソンのことだ。
以前、週に3回位、5キロ程走っていると書いたのだが、その5キロが6キロになり、
7キロ、8キロ・・・・
今では10キロ位走っている。
もちろん、若い頃のようにガンガンはできない。
しかし、年とともに粘りができるようになってきた。
勢いだけがテクニックじゃない、大事なのはねちっこさだ。
時には焦らし、時には強弱をつけて・・・
その辺は、おいちゃんは凄いよ〜。
話が別の方向に行きそうなので、本題へ。
牧薩次『完全恋愛』を読了。
本年度本格ミステリ大賞受賞作だ。
俺の予想では、三津田信三が受賞すると思っていたのだが、その予想は大ハズレ。
次点にもならず(次点は連城三紀彦『造花の蜜』)であった。
帯から引用すると
昭和20年……アメリカ兵を刺し殺した凶器は忽然と消失した。
昭和43年……ナイフは2300キロの時空を飛んで少女の胸を貫く。
昭和62年……「彼」は同時に二カ所に出現した。
平成19年……そして、最後に名探偵が登場する。
う〜む、本格ミステリファンを魅了するネタ揃いだ。
実際読んでみると、この惹句は正確に内容を伝えてはいないのだが。
作者の正体は某ベテランミステリ作家。
あとがきにはモロに名前が書いてあるので、隔す必要もないのであるが、某作家の本格
といえばメタ・ミステリというイメージがある。
本作もその傾向は違わないのだが、主人公の巨匠画家の人生・恋愛を通じた大河小説、
という側面も持っており、飄々とした某作家の作風はどこへやら、重厚な物語が展開して
いく。
惜しむらくは、時代が飛びすぎて、巨匠作家が少年ボーイから中年ナイスミドル・老年
テクニシャンへの変貌が唐突すぎる点であろうか。
ミステリ的なトリックとしては、大体想像がつくものであり、どちらかといえば本格としては
「そりゃ反則!」というようなネタのオンパレードで、正直「これで本格ミステリ大賞はない
だろう」というようなモノであったのだが、最後の最後でアレがアレで、というような伏線の
回収で、物語をひっくり返すテクニックにはスッカリやられてしまった。
それでも、俺が本格ミステリ大賞に投票するとしたら、本格に真正面から取り組んだ『山魔の
如き嗤うもの』の方に1票入れるだろう。
このあたりは好みの問題であると思うが。
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この作品もベテランならではのねちっこさが感じられた覚えがあります。本格ミステリ大賞も獲られたのでしたっけ。“本ミス第3位”と言われてさえ「う〜ん?」と思ったので、大賞だったとは信じ難かったのか、全然覚えていませんでした(笑)。
2009/7/17(金) 午後 0:53
冴さん、ベテランならではのリーダビリティは安心して読めましたね。本格ミステリ大賞は先月くらいに発表になったばかりなので、皆さん知らないかもしれません。でも、コレが大賞だと、今年度の本格ミステリクラブ会長へのお礼、みたいな感じがしてしまうのです。
2009/7/18(土) 午前 0:51
こんばんはiizukaさん。結構賑やかで退屈はしない作品でした。まあ、最近風にというところはしかたがないとは思いますが・・。ラストは少しへええ〜っていう感じでずっこけました(笑)。辻さんのなかではよくできた作品です。
2009/7/19(日) 午後 10:13
もねさん、結構もりだくさんでしたね^^ ベテランならではのリーダビリティと強力なオチで^^; 僕は結構楽しめました。辻先生(おれ、言っちゃったよ^^)の本は初期の一部を除いてほとんど読んでいないんですが。
2009/7/21(火) 午前 1:15
反則!とずっこける部分も含めて楽しめました。
師匠の記事を読むまで本書を自分には縁のない恋愛小説だと思っていたので、一番びっくりしたのは事件の真相よりも本書がミステリなんだ!と知ったときです。
2009/9/7(月) 午前 10:02
しら菊さん、この題名と表紙であれば、そう思うのはムリのないところですね。もう少しミステリらしい表紙にしてあげればよかったのではないでしょうか。
内容については、僕も充分に楽しめました。
2009/9/22(火) 午後 9:53
私は本書、サイコーでした!!なんかもう全部許しちゃう〜〜、って気分で^^。辻作品には泣かされた(←期待はずれとかの意味で)ものもあったんですけど、これは、そんな思いを吹っ飛ばしてくれるような力作でした。ほんとすごいですよね、この人!
2010/8/18(水) 午後 9:21