読書録

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門前典之 『屍の命題』

最近はマラソン三昧。

何せ、古本屋に行くのに走って行くくらいだ。

以前なら300m先のコンビニに行くのに車に乗って行っていた頃とは大違いだ。

汗だくのまま、加齢臭を漂わせて店に入るのは忍びないが、俺の趣味「マラソン」と

「古書店めぐり」の両方を満たしてくれる至福の時間だ。

独身女性に対し「こんな彼氏が欲しい」というアンケートをしたら常に1・2を争う

「マラソンランナー」と「古本コレクター」の両方の顔を持つ事になってしまった。



門前典之『屍の命題』を読了。

鮎川哲也賞に応募され、鮎川哲也自体はこの作品を推したが、惜しくも受賞せず、

その後自費出版され一部では話題になっていた本だ。

俺はその本を手に入れることはできず、気になってはいたが未読であった。

前作『浮遊浮館』のブッ飛び方が気に入っていたこともあり、また原書房さんから

『扼殺のロンド』を頂いた義理もあり、即購入して読んだ。


物語は「嵐の山荘」で集められた人々が次々に死んでいき「そして誰もいなくなった」

という古典的本格ガジェット満載。

しかも、物語が始まる前に「読者への挑戦」が提示される徹底ぶり。

しかし、この作者のこと、当たり前の展開になることはなく、「徘徊する巨大カブトムシ」

の登場にはじまり、特に探偵登場からのブッ飛びぶりはこの作者の本領発揮。

ある意味「バカミス」とも言えるトリックの連続一般常識からすると推理不能なところ

ではあるだろうが、その構成は実にオーソドックス。

冒頭の「読者への挑戦」から大体の予想は推理可能ではあるのだが、その推理が真相の

表層を著しただけのものであり、ミスディレクションになっている周到さは秀逸である。


以下ネタに触れるので一部反転。

例の「カブトムシ」は島田荘司風奇想ミステリを思い出されるが、その真相は麻耶雄嵩

「翼ある闇」
を連想させられ、最後の言葉遊びには綾辻行人「霧越邸殺人事件」を連想

させられる。

バカミスというよりも新本格を連想するのは作者の世代的なものに起因されるのであろう。



といいつつも、俺にはツボの作品ではあったのだが、万人受けとはいい難い。

キワモノ好きにはオススメである。

開く トラックバック(3)

『TRICK×LOGIC』という推理ゲームがPSPで発売されるらしい。

シナリオは綾辻行人、有栖川有栖、我孫子武丸、竹本健治、麻耶雄嵩、大山誠一郎、黒田研二、

という豪華作家陣。

コレは即買いだな。

問題は、俺がPSP本体を持っていない、ということだけだな。


小島正樹『扼殺のロンド』を読了。

原書房様より頂きモノ。

原書房編集部様、ありがとうございました。

タイトルだけを見たら、折原一の新作?と思ってしまう様なタイトルだが、デビュー作『十三回忌』

で島田荘司風不可能犯罪のオンパレードを見せた小島正樹氏の新作。

今作の帯にも『不可能状況の連打』とあり、コレが誇大表示でも何でもない。

第一の殺人は、工場に突っこんだ車の助手席に内蔵が抜き取られた死体、運転席には高山病の死体。

しかも、車には開けられた形跡はなく、突っ込んだ直後に鍵をかけられている、という二重密室。

第二の殺人は密室の部屋の中で見つかった死体には、顔と両手に包帯が巻かれていた。

しかも、その前には現場で包帯に巻かれた両手と生首が目撃されている。

しかも、宙に浮いた状態で、というまさに島田荘司風の状況。

第三の殺人は、またしても密室状態から急に現れた死体。

とまぁ、よくコレだけの不可能状況が思いつくな、と感心させられる。

しかし、殺人の生々しさと相反し、物語は世界一のノーテンキ探偵により、何の陰鬱さも感じさせず

進んでいく。

だが、そのデタラメな不可能状況を解いてく構成は本格ミステリとして非常にオーソドックス。

また、意味深なプロローグから結末への微妙な味付けや、解決の糸口となる部分の提示など、非常に

技巧的であり、本格ミステリファンであれば、楽しめるのは間違いないだろう。

あえて苦言を言うのなら、解決編でのトリック説明が、文章だけでは理解しにくく、説得力に欠ける。

島田荘司御大であれば、その豪腕で読者をねじ伏せてしまうのであろうが、そこまでの文章力はない。

また、そのオーソドックスさ故に、伏線もオーソドックスに提示されており、ミステリをよく読んで

いる人には、その部分がハッキリ伏線と認知されてしまうであろう。

しかし、デビュー作と比べると物語全体に行き届いた神経の細やかさに格段の進歩があり、今後どんな風

に変化していくか楽しみな作家である。

皆さん、明けましておめでとうございます!

って、いつの話やねん〜!

いや、コレには訳が・・・・

去年の夏から始めたマラソン。

ついに3月末にハーフマラソンの大会に出ることなり、トレーニングをしていたのだ。

元々夜型人間の俺なのだが、さすがに10k以上走った後に、夜更かしは出来ん。

アダルトサイトを見る時間も必要だしな〜。

それでも、本は多少読んでいる。

書いていない読書録は10冊くらいはあるんじゃないか。

これからは心を入れ替えて(?)多少なりとも更新ペースを早くしたいと思うので、

見棄てないで(^^;



というわけで、まずは詠坂雄二『電氣人間の虞』

う〜む、どうなんだろう・・・・

正直、俺はあまり評価が出来なかった。

コレは俺の読み方に間違いがあったのも原因の一つである。

その要因としては、「初詠坂作品」だということがある。

友人ブログを見ても芳しいことは書いていないのであるが、評価の分かれ目となるのは

1.この小説の技巧的な部分をどう評価するか。

2.この結末をどう感じるか。

という2点にポイントがあると思う。

以下ネタに触れるので反転


まず、メインのネタであるが、読者が「神の視点」と思っていたこの小説が、実は

電氣人間の視点であった、という事実から、物語が一転する仕組みとなっている。

この手法は技巧的には感心させられるものではあったのだが、反面この手法ゆえ、

登場人物の考えや描写が必然的に希薄となり、俺は小説のヘタな作者、という考えを

持ってしまったのである。

また、作者と同名の探偵役の推理も非常にユルいモノであったのだが、作者と同名の

探偵役を道化役にする構成は、前例はあるものの、効果的ではなかったのだろうか。

だが、如何せん俺は初詠坂作品ゆえ、これらの仕掛けがある作者という心構えが出来ず、

何となく読み進めてしまったので、結末前には評価が出来上がってしまっていた。

こういう作風の作者だということが分かっていれば、違った評価も出来たのだと思う。

「綾辻氏の推薦を貰った」という伏線すら気にしていなかったのである。


以上のことから、「詠坂氏の小説をある程度読んだことがある人」には充分楽しめる

作品ではないだろうか。

相変わらず走っている。

だが不思議と、なかなか速くはならない。

これは歳のせいかと思うのだ。

体力が今後、上昇する事は考えられない。

ということは、今後も速くならないのか?

それは寂しい。

そうなると、アイテムに頼るようになる。

新しいシューズを買った。

速乾シャツを買った。

ファイテンのネックレスを買った。

GPS付腕時計を買った。

走っているときは退屈なので、ipodを買った。

ウェストポーチとアームポーチも買った。

そうすると、NIKE+が使いたくなって、シューズを買い換えた。

高機能タイツを買った。

ファイテンのネックレスを2本に増やした。

タイムは10kmで15秒位縮まった・・・・・・



三津田信三『水魑の如き沈むもの』読了。

刀城シリーズ最新作。

読んだ感想を一言で言うと・・・


地味だ。


物語は、エキセントリックな先輩に誘われて(?)雨乞いの儀式のある村に行くことに

なった刀城視点と、母がその村出身で満州から帰郷した少年ボーイ視点が交互に描かれ

ていくが、本の半ばに差し掛かっても、誰も死なない。

ようやく、儀式の最中に湖中の船で殺人がおこる、という不可能犯罪を勃発として、

死者が続出する。

ゆったりとした序盤と死者が出てきてからの急ぎ足の殺人に、俺のペースは乱されて

いたが、それは刀城も同様なようで、ほとんど推理のできていないまま謎解きを始めて

しまう暴挙をしてしまう。

ここで、作者お得意の「疑問点の羅列」が登場するのであるが、『首無』がある一点の

「気付き」からドミノ式に謎が氷解する、ということもなく、『山魔』のように、謎を

快刀乱麻の如く解きまくる、ということもない点が地味な印象を受ける原因なのだろう。

不可能犯罪のトリックや禍々しい儀式などは『凶鳥』を彷彿させるものの、『凶鳥』

ほどアッチの世界に行ってしまうこともなく、またあからさまに真相が書かれているの

に気付かせない、という趣向は『厭魅』を髣髴させたりするのであるが、あれほど強烈

さはない。

とはいうものの、読み終わってみると、二視点の構成により読者を誤った方向に誘導する

仕組みに気付かされたり、刀城がやたらと「名探偵」扱いされる所すらも伏線であったり

するなど、随所にテクニックの冴えを見せ、水準以上のものには仕上がっているのでは

ないだろうか。

個人的にはラストのシーンに心温められたりして、それだけで禍々しい儀式の真相の嫌悪

感を払拭させてくれた事に満足した次第である。

このシリーズも(長編に限ると)5作目。

綾辻氏・二階堂氏の言葉を借りると、「第一期終了」なのだが、シリーズの他作を髣髴

させるところなどは、ある意味集大成とも言えるのではないだろうか。

あちゃちゃ〜。

また前回の更新から日が開いてしまった。

コレもマラのせいだ。

フットサルの体力強化の為に始めたのだが、最近では走ることが主になって、

走りすぎで疲れてフットサルに行かない日も多い。

そう思うと、タイガーウッズは凄いね〜

アレだけのスポーツ選手が、更に愛人を11人も相手にするとは・・・

毎日ナニしたとしても、月に3回も相手できないから、当然2ラウンド位は

いくだろうしな〜。


竹本健治『ツグミはツグミの森』

竹本健治と綾辻行人は非常に良く似ていると思う。

寡作なことはもちろんだが、ホラー趣味やギミックの使い方、「狂気」という

テーマなど、共通点は多い。

コレは綾辻氏が竹本氏から影響を受けている、ということもあるのだろうが、

『Another』と同時期に発売された新作は、これが『Another』

同様に「学園ミステリ」というのは非常に興味深い。

『Another』が作者も言及しているように、『悪を呼ぶ少年』をモチーフ

にしており、竹本氏のデビュー作『匣の中の失楽』に登場する双子の少年が、

『悪を呼ぶ少年』に登場する「ナイルズ」「ホランド」であることも興味をそそる

一因であるだろう。

だが、スーパーナチュラルを題材とした『Another』と違い、物語は過去の

少女誘拐殺人事件や天文学などを絡めた、竹本節満載で進み、途中のエロシーン

(キララがR−18指定なら、R−15指定程度のものだが)などは、『悪を呼ぶ少年』

よりも、同じトライオンでも『悪魔の収穫祭』を連想させられたりするのであるが、

終わってみれば・・・・

作品の性質上、これ以上書けないのであるが、ミステリ性と幻想性のバランスは

非常によく、これぞ竹本ミステリ、といった感じであり、竹本ファンであれば楽しめる

こと間違いなしである。

『Another』と読み比べてみるのも面白いと思う。

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