医事課物語

医師や看護師をも凌駕する!病院の影の集団 ”医事課” の夜に迫る!

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我々は、夜の医事課。



皆さんが すやすや グーグー がぁ〜がぁ〜と、いびき いや・・・・、寝息をたて気持ちよく睡眠して
いるときに、少人数で、ささやかに働いている。


また急患がくるという連絡が入った。
妊婦さんが産気づいたらしい。



患者さんがどのような状態で来院するのか考えながら、テキパキと医療機材を用意する医師と看護師

そして、
受け入れ態勢をイメージする医事課要員。



「はぁ?事務屋も患者の病態を予測する必要があるのか???」と思った方もいらっしゃるだろう。





必要あるんです、これが・・・・・。





車椅子が必要な状態だったら・・・、
自力で来院する予定だったのに、実は救急車だったら・・・、とか。


ましてや、妊婦さんが来院するなんて時は・・・・・、

破水してるのか、してないかで車イスの準備が決まり、今すぐ産まれそうか、まだ余裕があるかで、
「保険証お願いします」というタイミングも変わってくる。





ある日のこと。
深夜、もう陣痛が2〜3分感覚で襲ってくる状態の妊婦さんが到着した。

付き添いで、今まさに“おばあちゃん”となる母親と、妊婦さんの旦那がいる。



この時、ほとんどの旦那は、痛がり絶叫する妻に、どうにも為す術がなく、

まるで・・・・・
“ちょっと怖そうな八百屋のおっちゃんに迫力負けし、声が掛けられずモジモジするおつかいのチビッコ”

のような表情で佇む。



その旦那をよそに、往年の出産経験者「おふくろさん」は、

「だいじょうぶ? りきんじゃダメょ!・・・。出ちゃうからね!!」
と、真剣かつ深夜の病院ではマズイ大声で“激励”をしている。



準備も完璧。あとは、担当の看護師さんに連れられて分娩室にレッツゴー!である。

と、思いきや・・・・・・・、


「う〜〜んっ!あーーー!」と、妊婦さんの絶叫が・・・・・・。



百戦錬磨の医事課要員も、さすがに焦る“雄叫び”であった。



「ちょっとぉ! あたま出ちゃったって?」
「いーっ! がまんできないーつ!」
「だめっ!!! チカラ入れないでっ! がまんよガマン〜ッ!!」
「押したら戻るかしら?」
「・・・・・・。」



往々にして、トンでもない事態が“夜の医事課要員”たちを襲うことは、世界の常識であるといって
よい。

それはまるで、
“ 「マルチャン赤いきつね」 には「ジューシーお揚げ」が必ずはいっている ”
くらい当たり前のことであるのだが、

今回は、さすがに「観月ありさ主演“ナースのお仕事”」の一場面でも見ているような錯覚に陥って
しまうほどビビッてしまった。



たとえが、ちと古いか・・・・・・。






何を思ったか、それともワラにもすがる思いであったのか、
当直窓口に駆け寄る旦那さん。


冷静に一言、
「産まれるって・・・・・・、言ってます。」

「は? はい・・・・・・・・・・・。」
分かってますっ! 充分すぎるほど・・・・・。


緊急コール適応です。
早く来てくれ、担当看護師さん!と、思いながら院内電話をかける私であった。


「はぁ〜い!いま行きま・・・・・」
「いや、もうアタマが出ちゃってるって・・・、お願いします」
「ええーっ!救命救急部にも応援頼んでっ、ストレッチャーの用意を依頼してっ!」
「はいっ」



焦るなっ! そう、こういうときこそ心で歌うんだっ!と、純粋に思った私。
「い〜いなぁ、い〜い〜なぁ、に〜んげんって、いっい〜な〜っ! あ、ほいっ!・・・・・・」

あとから思うに、
「ぼおや〜っ、良い子だ、寝んねしなぁ〜・・・・・・」のほうが、場面にフィットしていたかも知れな
かった・・・・。



それはさておき・・・・・。




私は思う。
深夜、迎えの看護師さんが遅い時って、きっと化粧してるんだろうなって・・・・・・・。

お肌に悪いから、
仮眠時は、“ポンズ”でお化粧を落として寝ちゃうからなんだろうなって・・・・・・・。



スッピンでいいじゃん! はやく来てっちゅうの!




程なく、担当看護師さんといっしょに産科のドクターと看護師数名が来た。

「せんせーいっ!」
「うん!出てるよっ!すぐ運んで! 準備に時間かけるなっ!」
「はいっ!」



やはり、出てるか・・・・・。



実はこのようなドタバタの中、我々“夜の医事課要員”は、次の仕事をこなしていたのであった。

● 妊婦さん来院時に、痛がる本人を避け、家族をつかまえて「保険証と母子手帳」を確認する。
(このときばかりは、旦那さんが活躍することが多い・・・・)
そして、
診察券を預かり、患者番号を確認する。
(同姓同名の患者さんが結構多いので、間違い防止の基本テクです)

● 確認させてもらった「保険証・母子手帳」を“必ず手渡しで”返却する。
(あとで、「渡した!」、「いや、返されてない!」となるから・・・・・)

● ドクターがカルテをすぐ見られるように、手元に準備する。
(他人のカルテと間違わないように、患者番号が威力を発揮!)

● 茫然自失の旦那さんを気遣い、見守る。

などなど・・・・・。



このとき、新しいカルテ用紙を用意しておく。

「なぜかいな?」
それは、赤チャンが産まれるからなのです・・・・。


あれから数分・・・

「いま、産まれました。女の子でーす! カルテお願いしま〜す」
「はーいっ!(・・・って、もう産まれてたんじゃ・・・・・・・)」




今日の格言   「 『案ずるより産むが安し』は、果たして本当なのだろうか・・・・・。 」

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私も、破水寸前で駆け込んだクチです…ホントにご苦労さまです。この世界に入門して、夜勤のおっちゃん、素晴らしく感じている毎日です☆

2006/7/6(木) 午後 5:48 ママ


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