医事課物語

医師や看護師をも凌駕する!病院の影の集団 ”医事課” の夜に迫る!

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ものごとには、決まりや制度、そして暗黙の了解がある。

それがあって、万事うまく流れているといえる。

我々の医事課にも、ごたぶんに漏れず決まり事があるのだ。
そう、あるのだ、が・・・。


今回は“夜の医事課”の門外不出の“決まりごと”をご披露したいと思う。
皆さん、ハンケチをお手元に用意されたい。

あふれる涙を拭くために・・・。




夜の医事課の法則
『 汝、分からない事は・・・、とりあえず自己判断でしのげよ 』
『 イケニエ制度 』


まるで、
「まんが日本昔話」で目にする、

「庄屋さんの美しいひとり娘を、化け物に“イケニエ”として差し出す」ような
悲しい、せつない、やるせない法則なのである。


というよりは、「お前ら、医事課のくせに“そんなことも判らないのかっ!」
という、お叱りを受けそうなことでもあるのが悲しい。



話を元に戻そう。



たいがい病院は、夕方5時〜6時で診療時間が終了となっているが、患者さんが多い時などは診察が終わらない。

昼の医事課のお姉さまたちは、夕方にもなると・・・・・、

● 答えの出せない苦情
● 何百人もの患者さんの受付・接遇
● 何件もの書類の取り扱い
● 診察伝票をちゃんと書かないドクターへの問い合わせ
● 労災の処理
● 交通事故の自賠責保険の処理
● マンモグラフィ・胃がん検診・乳幼児検診・公害認定患者票・更正医療票・結核医療・生保書類・・・・・などの数限りない書類処理・説明

などで、お疲れである。機嫌も悪い。


その結果、夕方、定時を過ぎた患者さんの会計は我ら“夜の医事課要員”が全権をになう。
というと格好がいいが、


実際は、にないたくはない・・・。

(夕方の病院の窓口に見慣れない係りが一人、ポツンと座っているのがまさに“全国の私たち”である)



ところで、
ウチの病院の“夜の医事課要員”は、全員、複数科の基本的〜中級クラスの算定が出来るのだ。
夜中の支払いもいわゆる“定額預り金”ではない。その場で計算し、請求する。

いや、これは自慢ではない。
算定がひと通り出来ないと地獄を見るので、おのずと身体が覚えたとでも言おうか。





ある日の夕方

「お願いします」
「はい、お預かりします。お掛けになってお待ちください」
「はい」


「たのむ、難しい会計じゃないようにっ!」と、思いつつ・・・
さも慣れているように、格好をつけておもむろにファイル入れの伝票を開く。


心の中では緊張MAXである。
まさに、
「黒ひげ危機一髪ゲーム」で、樽にプラスチックの剣を刺す瞬間の心境だ。


「お〜〜」
腎盂造影とカテーテル留置やってますかっ!
どうやって計算するの?

しかも、

「まだ、何か入ってる・・・・」
まるで、とどめを刺すように・・・。



「お〜〜」
書類出てますかっ!
「なんちゃらかんちゃら現況届」の証明書・・・・・。


わからない。なんじゃこりゃぁ〜!



おっ、そうだ!
捨てる神あれば、拾う神ありだ。


相棒が知ってるかもしれない。“当直事務室にいる要員”に院内電話をかける。



「腎盂造影とカテーテルと、書類、知ってる?」
「知らない。」

「そ、そう・・・・・・・。」



受話器を置く。
神はいなかった・・・。



「むむっ・・・」
視線を感じ、患者さんをチラリと見る。

「こ、こっちを凝視しているではないかっ!」
しかも、「早くせよ!」オーラがでているではないか。


「・・・・オホンッ」
意味もなく咳払いをする。



昼の医事課のお姉さんに聞くしか、のこされた道はないっ!
「むちゃくちゃ機嫌悪いんだろうな・・・」と、ビビリながら算定の部屋に行く。



”昼の医事課”にとって、”夜の医事課”は、そうとう「お荷物」らしい・・・。
だから、我々が近づくと・・・・・、

「うわっ! くさいカメムシよっ! あっち行け!」

バリの”オーラ”を痛いほど感じる・・・。



それでも、背に腹はかえられないのである。
あのカメムシも、けなげに民家へ侵入するではないか。

”昼の医事課”部屋へのドアを開ける。


「あ・・・・・・・・。」
「暗い。誰もいない」 全員帰ってしまったようだ。

“一切終了”である。


こうなったら、患者さんに訳を言って説明する以外にない。次回の来院時にお支払いをお願いするしかない。

「すいません」
「はいはい、おいくら?」
「それが、私の勉強不足でわからないもので、次回にご請求という形を取らせていただけませんでしょうか?」

「は? こんなに待たせておいて? ダメよ!ダメっ!今日払います!」



怒ってる。



「で、でも間違えてしまうと、追加金が発生したりと、ご迷惑をお掛けしてしまい・・・・」
「そんなの!そちらの都合でしょ。早くしなさいよッ!」




ごもっともです・・・。




その月の終わり、レセプト(一ヶ月の診療費のまとめの紙)点検で弾かれたその患者さんのレセプト用紙が、昼の医事課から送られてきた。



昼の医事課のお姉さんの顔が怖い。



「なんでこういう風に計算やるのよっ?よく伝票を読みなさいよ!」
「すいません」
( だって、こんな難しい計算やったことないから知らないんだもん・・・)


「追加のお金が出るからね!あんた責任もってお詫びの電話しなさいよっ!」
「は、はい・・・・」





その日の夕方、間違えたレセプトに群がるカメムシ・・・いや、“夜の医事課要員たち”


「ほうほう、これが腎盂造影の時の基本形・・・、こうやって入力すればいいのね」
「う、うん。そうみたい・・・」


「あっちゃ〜。ま〜た追加金の額がデカいねぇ。ついてなかったね。」
「う、うん。そうだね・・・」


「この失敗で、みんなが救われるね」
「そ、そうね・・・・」



このように、
昼間のように、聞きたい時に、その道に詳しい人がいないのが“夜の医事課の悲しさ”であり、

「どうしよう・・・」

となったときには、
『 汝、分からない事は・・・、とりあえず自己判断でしのげよ 』
となる。



よく今まで「 大事故 」が無いものだと思うが・・・。



また、
『 イケニエ制度 』 とは、
ひとりの“夜の医事課要員”の失敗によって、他の全員が救われるという切ない制度である。



実のところ、“昼の医事課”に嫌われているのであろう、我々“夜の医事課要員”は、昼にどのような
事が起きていて、どのように運営されているかを知るすべがない。



このため、誰かの失敗によって、一つひとつを学び、成長していくのである。



ゆえに、どうしても
『 イケニエ 』
が必要になってしまうのである。




ここは、戦国時代か・・・・。




今日の格言   「 イケニエになった者は、末永くその功績を自負するが、
                              その人への感謝心はあっという間に消える ]

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(?)の旦那の教育をしっかりやるべきだよ〜。

2006/7/12(水) 午後 9:07 [ 子犬大好き ]

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お久しぶりです。そろそろ味川柳似のおやじのブログ、楽しみにしてます。おじゃるおじゃるシゲノでおじゃる

2006/7/18(火) 午後 6:02 [ ヒバゴン ]

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お久しぶりです。やっぱりいつ読んでも面白い事が起こっていますね、私の働いている病院の当直でメンバー五人の中の二人が対立しています。なんだかなぁ〜?←(なんでもねーよ!)

2006/8/1(火) 午後 9:57 [ まけ ]

めっさ笑けるね♪♪ 失礼。けど・・・やっぱり医事課はスゲー所やったんやね。 受付の奥には(ゴソゴソ・・・)なんぞ蠢いておるるんだな〜!! うちの事務の子も毎日、あちらで(苦笑)泣いてますわーーーー★

2007/1/19(金) 午後 10:50 corocoro-rin


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