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私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。 ケーキ屋が一年でもっとも忙しく、もっとも稼ぎ時である。 近くの店に立ち寄って、いつものチーズケーキをと見回したがない。 クリスマス・ケーキにシフトしているんだ。 ケーキ屋というとかつての銀座の名店を思い出す。 いまや存在しないその店の名前は「銀座エルドール」という。 数寄屋橋交差点を新橋方面に進み、二つ目の信号を左に折れたところ、藤井画廊の並びにあった。 長細いビルの上の階で製造し、1Fで販売していた。 いまは寿司店になってしまっている。 ビルの名前に「エルドール」と残ってはいるものの、記憶は日々風化していくようだ。 銀座で一番高かった。ということは、日本で一番高かったケーキ屋ということだろう。 オーセンティックなタイプだったが、生クリームは絶妙、リキュール類はすべてフランスのものを使っていた。高級素材をふんだんに使用していたわけだ。 味は段違い平行棒、他の追随を許さない高みにあった。 名前は忘れたが、オレンジリキュールのコアントローと生クリームの正方形のケーキをよく贈答用に買ったりもしたものだ。 15時くらいに行っても、ショーケースにはあまり種類がない。 店員に尋ねると、「20時過ぎにいらしていただければフルライン揃っています」と。 銀座の夢は夜開く。 そう、閉店時刻は23時だった。 私も、銀座でデートした後、この店でベイクド・チーズケーキ\500を2つ賈って、女性とパクつきながら歩いたものだ。 銀座という立地ならでは成立した高級高額な洋菓子店。 そうそう、上品なお年寄りがいらしたが、あの女性がオーナーだったのだな。 検索すると、日本各地に「エルドール」と名のつく店はいくつもあるが無関係。 また、かつての職人が「ピエス・モンテ」という店を並木通り8丁目に出しているが、レシピは異なるという。 cf. http://livingroom.exblog.jp/2594536 伝説の銀座のケーキ。 いま一度賞味したいものである。 今日も精進の日々である。
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2007年12月25日
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