|
「所長、小銭のコレクションやめたんですか?」 神経にさわる物言いはアシスタントの片桐くんだ。 「コゼニじゃない古銭(コセン)だっちゅうの」 私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。 中国の始皇帝の秦の時代から満州族の清王朝までの歴代銭、くわえて安南(ベトナム)・朝鮮の貨幣を対象に収集していたものだ。 中国古代には刀や農機具等の形をした貨幣が存在するが、私は好まない。 円形方孔の穴銭、主に周囲に四文字の漢字があるものでないといけない。 ずいぶん集めたし、同好会にも入り研究も重ねた。 しかし・・・。 「どうしたんですか?ずいぶんお金もかけたのでしょう?」 口うるさくとも心配してくれてはいるようだ。 「所有することに意味を感じられなくなってしまったんだよね」 「はぁ〜!?」 好奇心にかられ、歴史を勉強し、古銭情報をかき集め、やみくもにヤフオクに入札した。 数百万円投入して、それで到達した境地は、 1.すべてを集めることは不可能。 2.人間の命は有限で、死んだら古銭も絵画も宝石もなんの意味がない。 3.投入したお金は帰ってこない。 ※売っても半額以下。値上がりするものは10万円以上するような高額品くらい。 ということ。 「そんなことは先刻承知のはず」という声もあるだろう。 たしかにその通りだが、果てのないコレクター道をただ前を向いてひた走っている時はいい。しかし、一度足下を見てしまってはもうダメだ。 情熱・夢は覚(冷)めてしまったわけだ。 大系としての古銭情報は学び得たし、知識欲はそれなりに充たした。 帰りなんいざ、である。 同好の士に直接声がけもしたが、これを機にヤフオクにはじめて出品してみた。 興味ある方は以下のオペレーションを。 ヤフー・オークション http://auctions.yahoo.co.jp/ 「アンテイーク、コレクション」>「貨幣」>「世界」>「アジア」とクリックしていく。 税務署の目があるので、出品者名は伏せさせていただくが、11/5の時点で「残り3日」のあたりに全部で12点出品している。 いずれもだいぶお安くさせていただいた。 これから古銭収集を始めてみたいという方、お得ですぞ。 「なあんだ、ご自分のオークションへの販促ですか。ばかみたい」 ううっ・・・ 今日も精進の日々である。
|
Antique
[ リスト | 詳細 ]
|
私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。 わが孤高の趣味、古銭収集。オタクと言われようが、女性にモテなくなると誹られようが、邁進している。 先の8月5日(日)、穴銭の同好会の細道の会の例会が行われた。 その時の収穫は次のとおりだ。 左から、永昌通宝・大字、爪正隆手延寧通宝、明宋手天禧通宝・濶縁である。 永昌通宝は中国の貨幣。明王朝に対して反乱を起こし滅ぼした李自成が鋳造したもの。 書体が大きく立派な「大字」。まずまずの状態だ。\3,700でゲット。 真ん中は安南=ヴェトナム銭。 「爪のある(正の字の第5画が第4画の縦ボウの横に突き出ている)正隆元宝」を代表として、書体・金質等が同じグループを「爪正隆手」という。 この延寧通宝は既に入手済みなのだが、初鋳とおぼしく、銭径大きく彫りが深い一品。これはラッキーと\1,000でゲット。いい買い物をした♪ 右端も安南銭。明宋定宝を代表としたグループ。篆書体で「天禧通宝」とある。 「濶縁」とは縁が厚くなっていることを意味する。 状態はかなり良く、\1,500は安い。 さらに3品。いずれも安南銭の祥元手というグループ。 小さくて読みにくいと思うが、左から祥元通宝、天聖元宝、萬暦通宝。 \3,500、\3,500、\1,000。 祥元手というのは、だいたい20mm前後の可憐な貨幣で、繊細な字が4つ並ぶ。これで5点入手済みだ。1点あたりが\3,000〜5,000とやや高い。まだ十数点残っている。完収は大変である。 ほんと可憐だよなあ。この色艶はどうだ。 −−と振り向いたが、アシスタントの片桐くんはPCから視線を外そうとしない。 ふうーっ。 この銅銭たち、かなしい色でもあるねえ。 今日も精進の日々である。
|
|
私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。 昨日7/1(日)、古銭収集家の集い「細道の会」7月例会に行ってきた。 ちょっと古銭への関心が低くなっていたのだが、研究材料として他のメンバーに貸していたものの返却受取りもあって、重い腰をあげた。 いろいろとお金使いすぎたからなー、セーブしないと(ため息)。 でもやっぱり購入してしまったあ〜。 画像左から、明命通宝・コ頭通細字広郭、称法手宣和通宝、爪正隆手大和通宝の3点だ。 これで\7,600。 その他中国の古銭関連の書籍を含めて\13,000が飛んで行ってしまった・・・。 どうせ私は意志が弱い男ですよ。 いじいじ・くよくよしていても仕方ないので品物の説明をしよう。 3点いずれも安南=ヴェトナムの貨幣。 以前にも述べたが、安南銭には歴代王朝が正規に作った銭「歴代銭」と、一時的な軍事政権や地方政権の手になる銭「手類銭」とがある。 明命通宝は歴代銭。 阮(グエン)朝の第2代の明命帝の時代(1820〜1840年)に鋳造されたもの。 本品は、通の字の頭がカタカナの「コ」になっていて(普通はマ)、内郭が大きく盛り上がっており、そして明命通宝の4文字が細字になっている。 珍しい一品だ。 称法手宣和通宝は手類銭。 これも以前説明したが、「○○手」というのは、○○通宝あるいは元宝を代表として、それと書体や金属の質、大きさが同じグループを意味する。 称法元宝というもののグループで、面文は「宣和通宝」である(篆書体)。 少し流入したが、まだそう多くないもの。 爪正隆手大和通宝も手類銭。 正隆元宝が代表銭。これは量多く安い。 状態まずまず、銭径たっぷりでOKである。 ふふー、どうだーカワイイものだな♪ 「片桐くん、ちょっと見てみなさい。お〜い、どこに行く。お〜い」 Gone with the wind.いなくなってしまった・・・ 今日も精進の日々である。
|
|
「所長、最近小銭の方はどうなんですか?」 「小銭 コゼニじゃない、古銭 コセンだっちゅうの!」 「もうそんなタレントいませんよぉ」 私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。 冒頭からアシスタントの片桐くんと漫才の掛け合いみたいで恐縮である。 ほんと若い連中はアンティーク収集を理解する者が少ない。 ましてや古銭というと、年寄り扱いである。 やはり団塊の世代の大量リタイアもあるし、これからはシニアの時代だよ、「サライ」だ「ラピタ」だ。 このGW中にちょっとレアな一品をゲットした。 オークション・ネットという入札会で落札したのだ。 「順治通宝背二」というもの。 中国の清王朝のごく初期の貨幣である。 以前に「順治通宝のコレクションに注力している」と書かせていただいた。 http://blogs.yahoo.co.jp/ikkousan1101/4223523.html 明の末期、中国東北部の満州族が大挙して国境に迫っていた。 明は、主力を差し向けて例の長城で万全のディフェンスを敷く。 山海関という巨大な城塞都市が中核で、元気いっぱいな満州族も釘づけにされていた。 余談だが、豊臣秀吉は唐入りと称して明を目指したが、仮に朝鮮全土を征服できたとしても、この山海関を抜くのはとうてい無理だったろう。 さて明の首都北京は、主力軍がいなくなっているところに農民反乱軍に攻められてあえなく陥落、最後の皇帝の毅宗・崇禎帝(朱由検)は紫禁城裏山で縊死した。 山海関を守っていた明将の呉三桂は、その報に接して満州族に寝返り、先導して北京を攻めて、かくして満州族の支配する清王朝が成立。 呉三桂の寝返りの理由は、百姓を皇帝に戴きたくなかったということだが、北京に残していた愛人が奪われたせいともいう。まあ両方かもね。 今回ゲットした「順治通宝背二」というのは、バリエーションの中の一つでちょっと珍しい。 ごく初期の製作と思われ、よく言えば素朴、悪く言うと粗製。 普通「背二」というと二文銭なのだが(折ニ銭という)、どうも一文銭(小平銭)で通用していたらしい。 銭径もそう大きくない(本品は27.6mm。もっとも前代の崇禎通宝の折二銭には小さいものがあるが)。 鋳造場所も満州エリアとの説が有力ではあるが、山西省あたりで鋳られたと言う人もいる。 記録が一切ないので謎なのだ。 私が属する同好会「細道の会」で成分分析が進められようとしている。 難物のひとつをクリアして、これで順治通宝完収の目処がついた♪ 「所長、これって本物なんですか〜。えらくキタナイですよ」 「な、何バカなこと言ってんの。本物に決まっているだろ」 実は、この「背二」では真贋で苦労したことがある。すったもんだして返品した。 情報が少なく、また近年中国から新規に入ってきたものもありで混乱した。 「いくらで落札したんですか?」 片桐くんは案外しつこい。 「…2万2,000円」 「ええっ!そんなんだから女性とデートするお金なくなるんですよ」 収集と恋愛、双方成り立たぬものか。 まあ、どちらも妄執、錯誤なのかもしれぬ。 今日も精進の日々である。
|
|
私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。 3月4日(日)、趣味の古銭研究会『細道の会』3月例会に出かけた。 以前にも書いたが、『細道の会』とは古銭アンティーク・コイン、とりわけ日本・中国・朝鮮・ヴェトナム(安南)の古い貨幣の収集家の集まりである。 中国の太古の刀とか農機具とかの形をしたものを集めている人もいるが、多くは円形に四角い穴があいたもの(穴銭)が中心。 数十年にもわたるコレクターがコアの会で、私は入会して3年目の新参者だ。 やれ金質がどうだ、錆がニセモノ、これは中国銭をもとにした安南の写しだなどと超マニアック。 こんなこと書くと、女性たちに引かれるんだろうな・・・ さて、毎月第1日曜日に開催される例会である。 古銭についての各自の展示発表とそれについての論評のほかに、所持品の売買がある。 今回の私の収穫は次のとおりだ。 左から皇恩手皇恩通宝、別炉正隆手治平元宝、結淳熈手宣和通宝の3品。 いずれも安南銭で、「○○手」というのは地方政権のもので特定のタイプを表している。 例えば、「皇恩手」というのは、皇恩通宝を代表として、それと同じ金属質・同じクセの書体のグループという意味。 この3品はそうレアではないが状態がかなり良く、ゲットできたのは幸運だ。 ヴェトナムに頻繁にいき、かなりの量を発掘している原田氏からあわせて\7,000で購入。 満足、満足。 ヴェトナムの古銭はほとんど海外に流失してしまっているという。 日本には数十トン(数百トン?)入っているだろう。 シンガポールなど華人のコレクターも多い。 現在ヴェトナムは経済発展を遂げつつあるが、豊かになったヴェトナムの人々が自国の古銭のコレクションを始めようとしても、外国から輸入するしかない。 中国も同様の状況で(ただ膨大な鋳造量なのでたくさん出土しているが)、いま富裕層が買いまくっている。 私に入会を勧めてくれた静岡の杉山氏がこうつぶやいた。 「渡辺さんも、この道にはまってしまったねえ・・・」 帰らざる河!? 吾唯足知、か・・・全然だめだな。 今日も精進の日々である。 ◆追補
図にある古銭3点のうち、真ん中のものは「安法手・治平元宝篆元」であることが判明。 似ているのだが、やはり銭径が小さい。「宝」の冠が深いのも安法手の特徴。 |




