日日是精進〜わたなべ企画事務所物語

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私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

また本の紹介だ。
いずれも少し前に出たものだが、面白かったのでとりあげる。

 『短歌があるじゃないか。』 穂村弘・東直子・沢田康彦 角川書店 \1,300(税別)
 『短歌はじめました。』 同上 角川ソフィア文庫 \690(税別)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870158/img_870158_6150433_0?1182000180

私は三十一文字が好きで、ときおり激しく本を買う。
古典和歌が主なのだが、いわゆる短歌も範ちゅうだ。

古代から明治前期までが古典和歌。
明治20〜30年代の与謝野鉄幹や正岡子規らの革新運動の中で新しい日本語、口語をベースにして生れたのが「短歌」である。
和歌、とくに天皇・上皇の命で編まれた勅選和歌集は、当時の最高のインテリ達が心血注いだ作品群。
そこには政治史・美意識・言語史が凝縮されていて、大変面白い研究素材だ。
『新編国歌大観』全10巻・全20冊(角川書店刊)なんて、とんでもなく高いバイブルを買ってしまったりした。
一方、短歌も明治から現代にかけての超ハイスピードの文化の受容と創造が反映されていて、また人間の生き様がうかがわれて新鮮な驚きだったりする。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870158/img_870158_6150433_1?1182000180

さて、今回の本は「現在」の短歌だ。
プロ歌人の作品ではなく、素人さんたちの作品集。
「猫又」という短歌の同人誌があり、そこに参加している人たちにテーマを与えて作品を募り、二人のプロ歌人が選抜して品評し合ったものである。
みずみずしい作品がたくさんあって、言葉の魅力を再発見できる。
私の気に入ったものをいくつか順不同であげる。

 言の葉につくせぬ想ひ持て余し素足になりて草を踏みしむ            金澤佐記
 楽しかったね 春のけはいの風がきて千年前のたれかの結語         井辻朱美
 暗い春りんごの花のひらく夜にロシア版の「イマジン」を聴く            宇田川幸洋
 大川の鉄の架橋の錆色はわが身ひとつの傷のいろかも             太田和彦
 曲がり角 ぱっと広がる連翹の黄「どうぞ ようこそ 待っていました」      大内恵美
 つかまえてくれない人と帰りみち今日はルパンにさらわれたいよ        中村のり子

どうです?ワクワクとか、ゾクゾクとか感じるでしょう?
頭もリフレッシュされること請け合いだ。
一読をお奨めしたい。

それにしても、「今日はルパンにさらわれたいよ」、か・・・。
女性にこんなこと言われちゃあなあー。
ええい、おまえはクラリスか!

「なにかトラウマがあるんでしょう?」
のぞき込んでいたアシスタントの片桐くんがいきなりズバッときた。
「そ、そんなことあるわけないじゃないか」
「所長はスウィート・ネイルズだって一部では有名ですよ」
はぁ〜!?
「ツメが甘いんですって♪」
・・・・・・

今日も精進の日々である。
私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

昨日は旧暦の元日。東京は氷雨の降る寒い一日だった。
台湾にいる友人の井口貢さん(モスフードサービス海外事業部)からは、「こちらは春節でみんな休みですよ」とメールが届いた。
東京では、東京マラソンで中心街は交通規制され、また大勢の市民ランナー、見物客が繰り出していると聞き、こんな日は読書にかぎると、何冊もの本を読みふけった。
そんな中から、何点か紹介しよう。推薦本の第2弾である。

今回はコミックだ。
『JIN-仁- 第7巻』 村上もとか 集英社 \505(税別)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870158/img_870158_5290447_2?1182000235
   『JIN-仁- 第7巻』の表紙カバー

大学病院の脳外科医局長の南方仁が、幕末の江戸にタイムスリップしてしまう。
攘夷派に斬りつけられた瀕死の英国人水兵を手術したり、安政・文久年間に猖獗をきわめた(死者数万人)コレラに立ち向かい、自身が罹病し死に掛かったり、麻疹を治したりと活躍。
しかし、輸血できず抗生物質がなくまた頑固な迷信と、彼を取り巻く環境は厳しい。
勝海舟、坂本龍馬と知り合い、ペニシリンの原始的な抽出に成功したりとワクワクさせる展開が続く。
この最新刊では、京都にのぼり、長州軍vs幕府・会津・薩摩・諸軍の禁門の変に遭遇する(元治元年7月19日/1864年8月20日)。
京都は戦災で焼けていないとよく言われるが、この戦闘の際に発生した大火災で市内は相当なダメージを受けている。
焼け出された庶民の治療にあたっていると、新選組そして薩摩藩から呼び出される。
薩摩藩の京屋敷で待っていたのは大島吉之助。そう西郷隆盛だ。
その西郷が尋常ならざる腹痛で苦しんでいるという。南方が診察すると虫垂炎、それも腹膜炎を起こしかけている!
どうです、面白そうでしょう?
村上もとかは、渾身の大作『龍-RON-』(全42巻 小学館)を書き上げ脂がのっている。いまもっとも充実している作家の一人だ。

もう1冊。
『のだめカンタービレ 第17巻』 二ノ宮知子 講談社 \390(税別)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870158/img_870158_5290447_3?1182000235
   『のだめカンタービレ 第17巻』の表紙カバー

先ごろTVドラマ化されて一般にも話題となった。もうすぐアニメ化もされるという。
上野樹理は可愛かったし、ドラマもまずまずだったが、やはり脚本がねー。
わるいというのではなく、原作のコミックそのまま、新しい世界観がなかった感じ。
クラシック音楽の世界を題材とした作品。
ヴァイオリンのジュニアコンクール優勝で、ピアノは難曲ラフマニノフの2番をバリバリ弾いてしまう、それでいて指揮者志望の美形の男、登場(よくあるパターン)。
一方で掃除できず、料理できず、楽譜読めない、それでいて大きな手で個性豊かに演奏してしまう天才型ピアニストの女学生。
二人の織りなすエピソードもかなり面白いが、脇で登場するキャラも実にユニーク。
多重人格?の指揮者、あまりに個性的なコンマス、バソンとファゴットの闘い、団員の練習嫌いとブラボーの達成感・・・
オーケストラの経験がある人は、随所でニヤリとしてしまうだろう(私も高校時代にクラリネットなぞを)。
一人ひとりの悩みと成長、恋する二人のスレ違い、父と子との葛藤、深遠なる音楽、そしてユーモア・・・こんなに優れた音楽小説が他にあるだろうか。
クラシック好きのみならず、多くのファンを獲得したのもむべなるかな。
「のだめカンタービレ」、どうぞお手にとってみてくださいな。

日本のコミック、アニメが世界を席巻している。
世界で放送されているアニメの65%は日本製というし、世界の家庭の書棚を日本のコミックがうめつつある。
いまもっとも強力な輸出商品とも言われている。ビジネスを推進するプロデューサーの育成が急務と国が提言している。
その通りだろう。私の師匠の小学館・久保雅一さんのような豪腕プロデューサーが何人も出たら、そりゃあ心強い。
でも、もっとも大切なのは作品を創造する人たちだ。
ファンタジーや夢を次々と紡ぎ出す作家・漫画家、アニメーター、そして共感し時には鋭い批評家となるファンがあって、いまがある。
韓国や中国が追いかけてきているというが、決定的に縮まらないのはこの部分だ。
国家がリードできるものではない。みんな叱られながらマンガを読み、ノートに画いていたのだから。
かつて、経済産業省メディアコンテンツ課のK課長がこんなことを言った。
「渡辺さん、ポケモンのプロデューサーの久保さんを紹介してください。コミックやアニメは今まで一度も国の助成を受けたことがないんです。役所としたら、なんのとっかかりがない」
みなさん、コミックを読みましょう。アニメを見ましょう。

「片桐くん、きみも『のだめ』読まなきゃだめだよ」
「所長、なにエラソーに調子こいてるんですか!」
ギロッ。アシスタントの片桐くんが眉をつりあげてにらむ。
「私が『のだめ』教えてあげたんでしょう!!」
ぎゃぼーっ。

今日も精進の日々である。
「もう、また仕事しないで本なんか読んで。そんなことでいいんですかあ」
毎度口うるさいのはアシスタントの片桐くんだ。
(ええい、ウルサイ。いまいいところなんだよ!)
喉まで出かかるのだが、もちろん正論は彼女の方にある。
「はい、はい」
栞をはさんで本をとじ、心を静めてPCに向かう。
やれやれ、酔いどれ小藤次の来島水軍流の強剣がうなりをあげるところだったのになあ・・・

私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。
今回は本の紹介をしたいと思う。

仕事に関連する本も読むが、量的に多いのはミステリ、時代小説、コミックだ。今日は新刊をさっそくゲットしてきた。

 『子育て侍』 佐伯泰英著  幻冬社刊 \600(税込)
 『空から見た殺人プラン』 柄刀一著  祥伝社刊 \920(税込)

前者は、人気絶頂の時代小説家の佐伯泰英の「酔いどれ小藤次シリーズ」最新刊。文化文政年間の江戸を舞台に、貧乏藩を浪人した赤目小藤次を主人公にしたものだ。

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870158/img_870158_5102881_2?1182000280

瀬戸内水軍の将だった来島氏は、関ヶ原以降、豊後・森藩1万4千石に封じられる。陸にあがった海賊である。8代目の藩主・来島通嘉の時代が舞台。
森藩には城がない(柳生藩なども城はない)。江戸城の詰の間で同席の大名にそれを揶揄されたのがシリーズの発端。
厩番の赤目小藤次に殿様が愚痴る。しゃあーっ、主君の恥を雪げ!と脱藩して相手方大名の参勤下番の行列に突っ込み、先導の鑓の穂先を斬り払って奪う。これが第1作目『御鑓拝借』。本書は第7冊目だ。
佐伯泰英はこの5、6年で急速にヒット作家としての地位を確立した。「彗星の如く」とは彼を評するにピッタリだ。
「密命シリーズ」祥伝社、「居眠り磐音江戸双紙シリーズ」双葉社、「鎌倉河岸捕物控シリーズ」角川春樹事務所、「狩りシリーズ」光文社、「吉原裏同心シリーズ」光文社など、すべて文庫書き下ろし。脅威のヒットメーカーである。
未読の方は是非トライしてみてほしい。抜群のストーリーテラーだ。どれか1つというならば、個人的には「居眠り磐音」をお奨めする。現在文庫20冊。端正な語り口、各々のキャラクターの明瞭な書き分けに感心する。読後、必ずや日頃のストレスが一掃されるだろう。
「20冊もあるんじゃあ・・・」という方は、この「酔いどれ小藤次シリーズ」を。まだ7冊だ。(いずれも1冊ごとに完結しているけど)
おおっと、本書である。
酔いどれ小藤次は、前巻末で決闘して倒した子連れ侍の子を育てるはめになる。その遺児にまつわる騒動を軸に話が展開する。
相変わらず人情機微の描写が巧みだ。他の作品でもそうなのだが、江戸時代のデータや挿話を取り込み、作品に活かそうという工夫がみられる。
近いうちに、引退した松平定信や精力さかんな将軍家斉が登場するんじゃないかしらん。

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870158/img_870158_5102881_3?1182000280

後者、『空から見た殺人プラン』は奇想天外な着想で魅せる柄刀一の最新作。
発見された3000年前のミイラは密室殺人事件の被害者だったという『3000年の密室』、密室を打ち砕く驚きの銃弾『fの魔弾』、禁じ手?連作の妙『OZの迷宮 ケンタウロスの殺人』、詩情すら漂う『ゴーレムの檻』・・・。彼こそジョン・ディクスン・カーの血脈を継ぐ者である。
未読という人は、すぐさま書店に向かうか、amazon.co.jpに殺到すべし。彼の作品が読める幸福をかみしめたい。暖かくしてベッドに入り、『空から見た殺人プラン』を味読することとしよう。読後のレポートは後日に。

「えっ、所長もう帰るんですかあ?」
「家で本を読むんだよーだ。戸締りよろしくね」
「もうっ。そんなんだからカノジョできないんですよ」
「ええい、やかましい。オレはロマンに生きるんだよん。独り歩み去るジョー・ブラッドレーとはオイラのことさ」
ふふん、小娘には分かるまい。
「やめてくださいよー。グレゴリー・ペックが可哀相」
ふぇっ!?

今日も精進の日々である。

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私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

本が届いた。
(また友人の誰かが新著を出したのかな)そう思って開封し、著者名を見ると「木村尚三郎」とある。
木村先生・・・
奥様、嵯峨子様からお送りいただいたのだった。

木村尚三郎先生は、東京大学名誉教授・静岡文化芸術大学学長。公職はたいへん多く(たぶんご本人も正確にはご存知なかったかも)、有名なところでは愛知万博の総合プロデューサーを務められた。
軽妙洒脱、浪花節的な話の中にもキラキラッと光る理知の瞳、接する者みな先生のファンになった。
昨2006年10月17日、彼岸に旅立たれた。
その年の賀状に「お酒の飲めない体になりました」と書かれてきた。
ご高齢のこともあり心配申し上げたが、平城京遷都1300年記念委員会の理事長職につかれるなど精力的に活動されていたので、安堵していたところであった。
朝刊に先生の訃報が出て、呆然としたのは記憶にまだ新しい。
すぐさま奥様あてに、お悔やみと想い出と悔しい思いをFax申し上げた。

木村先生は、食べることが好きで、日本酒が好きで、話が大好きな方であった。
若い者からの視点で情報を提供し、また歴史に詳しかったこともあり、ずいぶんと可愛がっていただいた。
「ニーズとシーズ(種)を結びつけて新しい価値をつくる。これをプロデューサーというのです」
座右の銘である。
日本全国いろいろなところにご一緒した。
京都の「露庵菊乃井」、金沢の「千取寿司」、広島の「白鷹」、高知の「得月楼」、東京銀座の「青木鮨」・・・。
函館では、早朝にホテルのロビーで待ち合わせて、すぐ近くの市場にある道南食堂へご案内いただいた。
「ここです。ここが美味しいんですよ。渡辺さん」
ウニとイクラの「ミックス丼 時価」を二人でかき込んだ(時価といっても@\1,500くらいだった)。
7時の待ち合わせで、少し前に参上したのだが、もうジリジリされていたなあ(笑)。
東京では、新宿の「中嶋」がお気に入りで、何度もご馳走になった。

そうそう、別府温泉で晩飯を接待申し上げた時のこと。
地元の取引先の若手社長に紹介してもらって、「とみなが」という知事もよく使う料亭旅館に行った。
東京からの最終便に同行させていただき、タクシーを飛ばして別府へ。店に着いたのは9時近くになった。門前には女将や店の方たちが出迎えてくれていた。
料金の支払いに時間がかかっている間に、先生はすでに座敷にすわっておられた。
女将が伊万里の大皿に盛り付けられているフグの刺身を披露している。
あっ、予約の際に「フグは要らない、予算オーバーだから」と言っていたのに。
「いやあ、美味しそうなフグですねえ」
数万円自腹だろうけど、もう、なるようになれ!でも元はとらないとね。
「先生、私の結婚式の時に主賓でスピーチをお願いできませんか?」
「(モグモグ)いいですよお。で、相手は決まっているの?」
「いえ、これからです」
「あっそうなの。私が元気なうちに頼みますよ(パクパク)」
それからお会いするたびに「渡辺さん、まだなの?」、ご一緒に飲むたびに「渡辺さん、男は猪突猛進ですよ」と。
先生にご依頼できなかった・・・

先生の遺稿集『日本の美風』(潮出版社刊)を読む。
「知恵は大学のなかにも、企業の長時間会議のなかにも、ITのなかにもない。町中の雑踏のなかで、居酒屋で、大きな声で叫んでいる」
「・・・年寄りが革命を成功させた、などという話は古来聞いたことがない。変革を現実に推進するのは、若者の体力と情熱である。これと年寄りの知恵とをいかに結びつけるか・・・」
木村節だ。思い出が走馬灯のようにグルグルと。涙がにじむ。

「所長。紅茶を淹れましたよ。特上のダージリンです」
・・・ありがとう。

今日も精進の日々である。

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