日日是精進〜わたなべ企画事務所物語

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私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

昨日4/12、友人のラジオ局のNさんから招待状をいただいて、クラシック・コンサートに行ってきた(Nさん、ありがとうございました)。
会場は、墨田区錦糸町の「すみだトリフォニーホール(小ホール)」で、自宅の近くだ。
演奏者は、「トリオ リナシメント」というピアノ三重奏トリオ。
ピアノ三重奏とは、ピアノ、ヴァイオリン、チェロという組み合わせである。
古くは、コルトー、ティボー、カザルスという伝説のトリオがいたなあ(って、生れるはるか前)。
トリオ リナシメントは、ピアノが本多友子さん、ヴァイオリンが鈴木加寿美さん、チェロがテーム・ミュオハネンというフィンランドの男性の構成。

このホール、行くのは初めてでちょっと迷い、入場はギリギリになってしまった。
客の入りは7割程度か、オバサマたちと年頃の娘という人たちが多いようだ。
音響がいまいちだが(もっと良くなるという意味で)、いいホールだ。
「のだめカンタービレ」第16巻に出てきたオジイサンのように、フニョフニョとど真ん中の席に陣取る(全席自由なので)。
プログラムは何だっけ?

J.ハイドン:ピアノ三重奏曲イ長調、作品15-9(1785)
ショスタコーヴィッチ:ピアノ三重奏曲 第2番ホ短調、作品67(1944)
ブラームス:ピアノ三重奏曲 第2番ハ長調、作品87(1882)

イメージ 1う〜む、各々の時代がずいぶん異なるなあ。
意欲的といえようが、様式がだいぶ違うから聴く方は大変じゃないか。
ハイドンはロココ時代。親しみやすいけど、まあサロン・ミュージック。あまり印象に残らないんだよね。肩ならしなんだろうか。
ショスタコーヴィッチはソ連の代表的な作曲家。
スターリンに反発しつつ(大変なことだ)折り合いをつけ、それを潔しとしなかったという複雑な人。曲も複雑だ。
このピアノ三重奏は初めて聴いた。きれいな旋律が奏でられるかと思えば、理解困難な動機が提示される。冒頭のフラジオレットは悲痛で忘れがたい。
ここで20分休憩。
再開第2部は、ブラームス。ああ、ヴァオリニストが衣装替えているぞ。華やかな感じ。曲はというと、うむ、しっくりくるなあ。パチパチ。
アンコールは2曲。最後のピアソラは十八番のようで、一番よかった。

それにしても、ピアノ三重奏というのは響きのバランスがよくないなあ。ピアノという楽器が強すぎるんだな。
ハイドンの時代は、ハープシコード(=チェンバロ、クラヴサン)で、ピアノは発明されたばかりで音量はそんなになかった。ブラームスの時代だって、弦はガット弦で張力もそう高くなかった。
つまり、作曲時の響きと異なるわけだ。「古楽」演奏がいまさかんな理由だ。

演奏者は頑張ってた。とくにヴァイオリンは艶やかに歌っていた。
ノースリーブの白い二の腕が気になって仕方なし。弓をグイッとアップする様が・・・

「けしからん!所長はやっぱオヤジですね」
すっ、すみません。

今日も精進の日々である。
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳あげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
               三好達治 『測量船』より

私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

東京は桜(染井吉野)が満開である。
春風が吹き渡り、花びらが舞い落ちる。日本人のDNAに植えつけられてしまったかのような、世界に誇る情景だ。
中国は宋の詩人・蘇軾は「春宵一刻値千金」と、本朝の菅原道真は「天も花に酔へり」と詠じたが、さもありなんである。
「ありがとう、今年も見事に咲いてくれて」
木に思わず声をかけたくなる。

こんなとき聴きたくなる曲がある。
 サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番

第1楽章 Allegro non troppo
 スペインを思わせるラテン風の曲調。情熱的にソロ・ヴァイオリンが歌い上げる。
第2楽章 Andantino quasi allegretto
 舟歌のような基調のリズムの上をソロ・ヴァイオリンがロマンティックな旋律を奏でる。
 音楽史上最も美しい楽章の一つだ。
 最後のフラジオレットがクラリネットのオブリガートで夕暮れの鐘のように響く。印象的だ。
第3楽章 Molto moderato e maestoso; Allegro non troppo
 ロンド形式。勇ましい序奏、颯爽としたロンド主題、優しく懐かしい副主題が繰り返され、やがて弦と金管の圧倒的なコラール。副主題が昇華されていき、エンディング。

イメージ 1ディスクは、フランチェスカッティ(Vn)、ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(SONY)がお奨めだ。
フランチェスカッティの甘い音色がまさに春爛漫にマッチしている。
春霞、絢爛たる桜、たゆたう流れ、花びらが懐に・・・そんな幻想的な演奏。
一聴措く能わざる名ディスクだ。
これはモノラル録音なので、ステレオで聴きたいよという方は、ベルギーの巨匠・グリュミオーの盤がいいだろう。
フランコ・ベルギー派の総帥。艶やかな名演だ。

イメージ 2いやいや、もしかするとこっちが本命かも。
キョン・チョンファ(Vn)、フォスター指揮ロンドン交響楽団(DECCA)
女性らしいニュアンス豊かな美演。第2楽章最後のテンポを落としてグッと聴かせるところ、第3楽章の自在な弓さばきと絶妙の間のとりようは筆舌に尽くしがたい。
さっき聴き直してみたら、なんとも素晴らしいのだ。
オケがドイツ風で、まるでワーグナーの曲の如きユニークなミルシュタイン盤は、残念なことに現在廃盤のようだ。

シャルル・カミーユ・サン=サーンスは、例の「白鳥」で有名。
幼い頃からピアノを演奏し、モーツァルトと見紛うばかりの神童とうたわれた。
古典的枠組みの中にロマン派の盛り付けをしたスタイルだが、当時は保守的・表面的ととらえられ、評価はいま一つ。
しかし現代からの眼で見ると、肥大した後期ロマン派とは異なり、スタイリッシュに映る。
ズーンという深さはないが、キラキラと色彩を感じさせ、目をとじると映像作品を連想させる。
ああ映画音楽の作曲家みたいだと思っていたら、ウィキペディアに「最初の映画音楽を作曲」との記述があるではないか!
イメージ 3それをよく感じさせる作品が交響曲第3番だ。
なんとオルガンとピアノが編成に加わっている。
自身が卓越した演奏者であったサン=サーンスのすべてが凝縮したかのような曲といえよう。
ディスクは、プラッソン指揮トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団(EMI)をどうぞ。

年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず・・・
せいぜい春の風情を楽しむことにしよう。

今日も精進の日々である。
私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

一昨日3月11日(日)に行った演奏会について書こうと思う。
初台の東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアルにおける、東北大学男声OB合唱団・Chor青葉の演奏会だ。
イメージ 1東北大学とは縁がないのだが、ここの音楽監督・指揮を務めている岩渕秀俊さんが友人なのである。
昨年の演奏会も素晴らしかったが、今年もとてもよかった。
チケットは完売だったとか。たしかに大入りだった。
テーマは「時を超えて」。
絵本作家の安野光雅さんの詩に、作曲家の森ミドリさんが曲をつけた混声合唱のための組曲「津和野」。
ピアニストの小原孝さんとのコラボレーションの「少年時代」(井上陽水作詞作曲)、「大きな古時計」、「さくら」(森山直太朗作詞作曲)、そして「瑠璃色の地球」(松本隆作詞・平井夏美作曲)などが歌われた。
このコーラスの特徴は「爽やか」と言い表せるだろう。
テーマを据え、構成をきっちり練るものの、メッセージを強く訴求するのではなく、サーッと風のように吹き抜けていく。
昨年も聴いた「津和野の風」、やはりいい曲だ。イギリス民謡「ロンドンデリーエア」、それこそ時を超えて愛唱されている。
トリの「瑠璃色の地球」はさすがにスゴイ。感動した。
そして、アンコール。
指揮をしていた岩渕さんが、ちゃっかりピアノ連弾。
メンバーの人たちもノリノリで心から楽しんでいる様が伝わってくる。
笑顔笑顔。
あーっ、心洗われました。ありがとうございました。お疲れさまでした。

イメージ 2岩渕さんは、某メーカーの北米担当から外資系のライセンス・ビジネス(ワンコで有名なところ等)のトップ、それからビル・ゲイツ氏がオーナーの日本法人の社長というキャリア。
本国で急な戦略変更があり、それならと退職されたばかりだ。
英語堪能、マネジメント能力抜群、著作権等の知識豊富。
そればかりか、ピアノを5歳から弾き、毎朝バッハに浸っているという、とんでもない人である。
普段は自家用車通勤なので絶対飲まないが、どんなに飲んでも顔色ひとつ変えない酒豪でもある。
サムライ、明治の人みたいだ。

とにかくいい演奏会だった。これで横に妙なる女性がいたなら最高だったんだが・・・
「所長、演奏会よかったみたいですね。で、どなたと行かれたのですか?」
そらきたな。アシスタントの片桐くんだ。
「それは秘密に決まっているでしょうが」
「ふっ」
な、なんだその笑いは!?
「所長が4連敗して一人で行かれたのは知っていますよ」
こいつは公儀隠密か(公儀はないか)!?
あっ、声がけの順番は申せませぬ。「貴女が一番です」。

今日も精進の日々である。
私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

3月初旬。この季節になると必ず聴きたくなる曲がある。
モーツァルトのピアノ協奏曲第27番変ロ長調(K595)だ。

天才モーツァルトの真骨頂はオペラにあるが、彼の数ある要素をもっとも凝縮しているのはピアノ協奏曲だと思う。
ソリストとしての技巧、オーケストレーションの点で、それぞれがとてもユニークな作品群である。
その最後の作品が第27番である。発表されたのは、死の年の1791年1月。
一言でいうと「清澄な世界」だ。
小林秀雄は「モーツァルトの短調」を称揚したが、ほんとうは長調の作品に醍醐味があるかと思う。
とくに後期の作品は、「涙でいっぱいの目をした微笑み」が感じられてならない。
それがいちばん強く思われるのが、このピアノ協奏曲第27番だ。
 第1楽章 Allegro(速く)伸びやかで軽快な旋律が快い。
 第2楽章 Larghetto(ゆるやかに・やや速く)哀しいまでの独白。木管が効果的だ。
 第3楽章 Allegro 歌曲「春への憧れ」の旋律を転用。明るく力強いエンディング。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870168/img_870168_6757568_1?1182002457

凛としたハスキル、真珠のように粒立ったカサドッシュ、メロウなギレリス、ノーブルなアシュケナージ、天使の如きヘブラー・・・名ディスクがたくさんあるが、演奏はヴィルヘルム・バックハウス(piano)、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団にとどめをさす。
もっと細身の音がほしいとも思うが、飾らないバックハウスがかもし出す味はまさに絶妙。
オケはさすがにウィーン・フィル。古雅でいて華やかだ。
併せて収められているブラームスの協奏曲第2番も絶品(村上春樹「ノルウェイの森」に出てくるディスクだ)。
SACD録音で鮮明で生々しい音になった。
一聴をお奨めしたい。

春への憧れ。
暖冬で有り難味が少し減じてはいるが、萌え出ずる春はやはりいいなあ。
別れと、そして出会いと。
ちょっとセンチメンタルな季節である。

「あれ、所長、泣いているんですか!?}
「ち、ちがうよ。花粉のせいだよ」

今日も精進の日々である。

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私は渡辺いっこう。フリープロデューサーである。

この2月の3連休、自宅で最近購入したCDをじっくりと聴いた。
私の場合、たいていはクラシック音楽だ。
まずは、ブラームスの交響曲全集ほか、ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団。
モノラル録音だが、古くより名盤とされてきたもの。カリスマ?評論家の宇野功芳氏の激賞もあり、ずいぶんと評価が高い演奏である。
ブラームスが好きで交響曲全集は何種類も所持しているが、当然入手済み(ソニーの国内盤)。
それが、新たにリマスターされて「驚異の音質で復活」といううたい文句。本当なのか?が今回の購買動機だ。
レーベルは、ユナイテッド・アーカイブス(United Archives / UAR004 3CDs)。どうもフランスらしい。
「Remastering : Art & Son Studios, Paris」、「Reissue Producer : Eric Guillemaud」とある。
フランスは、SPやモノラル録音のリマスターには定評がある。楽しみである。

  https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870168/img_870168_4840647_2?1182000334

第1番から早速聴く。
う〜む、なにか違う。ストップ。ソニーの国内版のCDに変えてみる。う〜む。また新盤にチェンジ。う〜む。
同一演奏なのに、どうも音が異なっているのである。
新盤のユナイテッド・アーカイブスの方は、すっきりしていて全体が見渡せる、ただ薄いというかパンチ、メリハリがないというか、そういう音。
ソニーの方は、弦や金管などがはっきり聞こえるが、細部ははっきりしないし、実演ではこんな音聴けやしないという音。
たぶん、新盤の方がナチュラルに近いのだろう。
第2番から第4番も同様だ。
ううむ、今までの認識がひっくり返ってしまった。
悪い演奏なのではない。やはり巨匠ワルターの素晴らしい演奏だ。
2番第1楽章の早春の萌え出すような低音の動機、3番第3楽章の叙情、4番第2楽章の人生のあじわい、すべて極上。
でも、前提が変わってしまったようで、すんなり上書きできないんだなあ。
これは面倒だし、金がかかるが、オリジナルのLP(米コロンビアML5124〜5127)を聴かなければならないだろうな。
学生時代に、オリジナルLPに凝って、300枚ほど集めた。
「オリジナルLP」というのは、(主に1950年代)録音源盤から最初にプレスされたもの。
ぜいたくに作られていて、後にプレスした盤と比べて格段に音質が良い。
中古市場から購入するわけだが、これが値段が高い!
もう25年前になるが、伝説の名盤、フルトヴェングラーの「ウラニアのエロイカ」を15万円で購入。
しかし、やはり無理は禁物、資金繰りに困り、まもなく16万円で手放したということがあった。
それに装置をずっと使ってないしなあ・・・
評価はペンディングだな。

  https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/80/6e/ikkousan1101/folder/870168/img_870168_4840647_3?1182000334

もう1枚のディスク。これもブラームス。交響曲の第1番、いまは亡きカルロ・マリア・ジュリーニ指揮バイエルン放送響楽団だ。
最近クオリテイの高いライブ・ディスクを立て続けに出しているドイツのProfilというレーベルである。
1979年1月26日のライブ。オケの音が豊麗。ジュリーニのカンタービレにぴったりだ。
いい演奏だ。渋くて甘い、ブラームスの本来の特質がよく出ている。
第2楽章の弦の艶やかさ、第4楽章のホルン、特筆に価する。
これはお奨めである。

あらためて、レコード(CD)は再生芸術であることを思い起こさせられた。
やはり生を聴かないと・・・でも、ワルターもジュリーニも、ギュンター・ヴァントもカルロス・クライバーもこの世にいない。やはり、高くてもコンサートに行けばよかった。

ディスクを聴いていると、ケータイに着メール。もうっ、こんなときに。
見ると、大手居酒屋チェーンの取締役商品部長のIさんからだ。
「いま蔵元で新酒味わいました」「名料亭の得月楼、梅が満開です」「盛り上がってます」・・・次々と画像を送ってこられる。
ああ、仲間連中で高知に「司牡丹」蔵元見学と得月楼、土佐料理ツアーに行かれていたんだ。
私も誘われたが、ビンボーだし、ちょっと家庭の事情ありで参加できなかった。
ちぇっ、みんな楽しそうだな・・・
独りの夜は、ブラームスがちょうどいい。

今日も精進の日々である。

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