††† 独り言 †††

バルセロナという街に、恋をしてしまいました。

スペインつゆだく滞在記 2002

[ リスト | 詳細 ]

独りでふらりとスペインに行ってみた。

記事検索
検索

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 次のページ ]

*エピローグ

 暑く、熱い、つゆだくな1ヶ月が終わってしまった……。まだ、はなたれ小僧の青二才とわいえ、今までの人生で一番濃ぃい1ヶ月になったのは間違いない。帰ってきてからも、いい意味でも悪い意味でも、オレの体内にわスペインの風が渦巻いていた。正確に言うと、体内時計が、生活のリズムがスペインのそれになっていること、山の如し。夏休みの続きだというのに、朝8時には目が覚めてしまう。そして、当然のよーに、おひるゴハンを食べた後は……zzz....シエスタ!お昼寝しなきゃ、夜までもたねぇ。ま、その生活リズムも、だんだんと日本リズムへと直ってしまうんだけどね。悲しいかな。

 そしてまた、一人旅という旅のスタイルにも味をしめまくった。友達との楽しい思い出作りは出来ないけど、とりあえず、友達は現地調達ってことにして、何がいいって、フットワークが軽い。ノープランだろーがなんだろーが、自分の行きたいところに行きたい時に行けて、そこにいたいだけいれる。フリーダム・オレ。就職する前に、コレだけは見とかなきゃな、と思い、ギザのピラミッドを見るためにエジプトに赴き、カイロからナイル川を南に下り、途中またも行き当たりバッタリで、紅海でダイビングライセンスを取りつつ、ルクソール、アスワン、アブシンベルを制覇したと思いきや、その勢いで、アテネまで飛んでみて、アクロポリスで歴史の重さを感じつつ、メテオラの山中で野犬に足を激しく噛まれ、道に迷っていた心優しいイギリス人に本気で心配され、そいつのバイクの後ろに乗っけられつつ、「オレ、こんなとこで血だらけになって何やってんだろーなー。」と思いながら病院に連れてってもらい、サディスティックなグリーク・ナースに「あら、アジア人、ちょっとオシリを出してごらんなさい♪」とか何とか言いながら、オレのシリに思い切り注射の針を突き立てながら、彼女は楽しそーに笑っていた。もう、この文の主語がダレだったのか、もはやオレにわワカラナイ。とにかく、外人になれる快感が、一人旅にはあった。

 しかし、現実の時の流れは、そんな放浪の旅を愛する少年から甘い感傷と、生ぬるい夢物語を一気に奪い去った。就職。そして、忙殺。もう、なにがなにやら。毎日が、音も立てずに過ぎ去ってゆく。季節の移り変わりすら感じることが出来ない。何かがオカシイ、何かが。あなたのよーになりたいが、会社とわなんだ、人生とわなんだー!・・・おー、たみお!君もか、ブラザー!このままぢゃ、この鼻血だらけの激務薄給のスパイラルから抜け出せない。……スペインで何かやってやる。

 「っあ、なんかもう、くだらねぇから、辞めるわ、オレ。」

 というワケで、2006年11月26日、スペインへの留学、しゅっぱーつ。1年間、必死で汗かいてきます。大学生の留学とはワケが違う。会社を辞めて、自腹をきっての留学。まさに切腹。気合を入れて死ぬ気でやらなきゃ、オレの留学に反対したヤツラの言うとーり、オレはただの大バカヤロウで終わってしまう。てめーら、ナメんなよ。この歳からだって、夢の続きを見れるってのを見せたるわ!


 ……あのー、誰かボクに、計画性をください・・・。エピローグなのに、なんかプロローグっぽいとことか。

 欧米の人々が抱いている「典型的な日本人観光客像」とわ?それは、休暇中にもかかわらず、セミフォーマルな服装で首から日本製のカメラを提げている姿。……そー思ってた。しかし、それは「日本人が抱いている『欧米人が抱いているであろう典型的な日本人観光客像』」であり、日本人はそのスタイルにコンプレックスを抱いているためか、ところかまわず写真を撮りまくる人はいなかったように感じられた。ま、ヘネラリフェで遭遇した関西人は、それわそれわもっすごかったけどね。逆に、欧米人のほうが、デジカメやインスタントカメラ、さらにデジタルビデオなどで終始その場の雰囲気を記録に収めていた。

 でね。何が言いたいかっつーとだね。オレはどーせアジア人まる出しのモンゴロイド系の顔をしているから、スペインの街を歩けばどっからどー見たって観光客にしか見えないため、べつに周りがどー見ているかなんかは気にしなかった。だから感動したポイントや記録に残したいところはシャッターを切りまくった。このモチベーションのおかげで、この旅のはじめの目的である、サグラダ・ファミリアに行った時は飽きるぐらい写真を撮ることができた。しかし!そこであの事件が起きたのであった。のであったー!

 サグラダ・ファミリアの目の前でカメラを盗られて以来、写真に対する絶対的かつ盲目的信頼をなくしたと言うか、写真を撮ってでしか人は記憶に残せないものか、と考えまして、ハイ。結果、自分の中で答えは「否」!カメラを盗られ、ビジュアル的に記録ができなくなった状態。ならばオレは、経験という名のファインダーから覗いたモノを、心の一眼レフに、印象という名のフラッシュをたき、記憶という名のシャッターを切ればいいでわないか。でわないかー!

 写真は確かに、連続の中の一瞬を切り取ることができるという点ではすばらしい。しかし、記録に残せるというところから来る甘えによって、記憶に残すことを怠ってしまいかねない。プリクラの前で無邪気に喜んでいる中学生たちよ。大いに語り合え。プリクラでは、見えないものは写らないんだから。

 まぁ、ぶっちゃけ、カメラを盗られた後、インスタントカメラを買って、写ルンですで写しちゃったんですけどね。

開く トラックバック(1)

 ヤヴェ・・・今日、朝のフライトで帰らなきゃいけないってのに荷物が全然まとまってねぇ。昨日のうちに終わらせとこーとわ思ってたんだが、途中で豪眠しちまった。もう、最後の最後までオレってヤツわ・・・。というワケで、身支度をさっさと済ませ、朝メシもそこそこにバラハス空港へと向かうことに。

 バスで空港まで行くより、もう最後だからタクシーを使っちまおう。まだ寝ぼけている街の空気の中、大通りに出てタクシーを捕まえる。このタクシーのオヤジが朝からテンションが高かった。と、言うより、寝グセがスゴかった。まぢ、アトムが運転してんのかと思った。このアトムがまたよくしゃべるしゃべる。「おー、でけー荷物だな。今日帰るのか?コゾウ。」「そうそう。午前の便で。」「スペインにはどのくらいいたんだ?コゾウ。」「ちょうど1ヶ月だね。」「ずいぶん長ぇーな。マドリーだけか?ほかはどこ行った?バルセロナは?コゾウ。」「バルセロナも行ったよ。それから、バレンシア、グラナダ、マラガに行って、トレモリノスにも海見に行って、そのあとアルヘシラスからモロッコ行ってから、セビージャとトレド行った。」「そりゃいい旅だったな。にしても、オマエそれ、やりすぎだ。コゾウ。」「ちょー楽しかったもん。」「どこの航空会社で帰るんだ?コゾウ。」「KLM。」「KLMは安くていい航空会社だ。KLMで来る観光客いっぱいいるぞ。コゾウ。」「うん。安かったからね。」「オマエ、なに人だ?日本人?中国人か?コゾウ。」「オレ日本人。」「……。」

 ……って、オマエ、しかとかよ!そこでいきなり黙っちゃうのかよ!オマエが聞いてきたから答えたんだろーが!おもしろすぎるぞ、このアトム。

 「っえ?で、なに?日本では何やってんの?コゾウ。」……って、オマエ、聞いてたのかよ!だったらさっきなんかリアクションしろよ!ま、いいんだけどね。「大学生。」「じゃ、夏休みでスペインに来たんだな?コゾウ。」「そうそう。でも、帰ったら友達とわ早く会いたいんだけど、大学に行かなきゃならんからね。だから、まぢ帰りたくないんだよね。」っつーか、アトム。リアシートに座ってるオレの方は見なくていいから、頼むから前を見て運転してくれ。「はっはっは。だったらまたマドリーに来りゃいいよ。そーだろ?コゾウ。」「また来たいね。」「ぉおっと、もうそろそろ空港に着くぞ。コゾウ。」

 アトムのすっとぼけた絶妙な“間”を楽しみながら、タクシーは空港に着いてしまった。それにしても・・・。なんだかんだで、アトムの言ってることがなんとなく理解できて、言いたいことがなんとなく言えて、なんとなく会話になってたな。そりゃ、オレが外人だから簡単なわかりやすい言葉を選んでくれていたんだろーけど、こんぐらいだったらノリで何とかなるもんだ。逆に、おそろしい。

 最後に、アトムが荷物をオレに渡しながらでかい声で言った。「コゾウ!またスペイン来いよ!じゃあな!ステキな空の旅を!」「グラシアス!」

 旅の最後を「ありがとう!」と言って終われるってのは、なんて気持ちいいんだろう。待ってろよ、エスパーニャ。いつかゼッテーまた来てやるゃ!

 とりあえず、夢の中で「ゲルニカ」の牛やら馬やらにうなされまくって、汗だくで目覚めたって話は置いといて。あ゛ー、まぢ死ぬかと思った。昨日、トレドから帰ってきて、その足で国立ソフィア王妃芸術センターに行き、ピカソの「ゲルニカ」の迫力に圧倒され、ダリのCGのよーな「記憶の固執」のとろりと溶けた時計を鼻先5cmの距離でガン見し、ミロのオレでも描けそうな絵を堪能していたら、どーやらそれが脳裏に焼きついてしまった模様。プラド美術館でさんざん懲りたハズなのに、また気合を入れすぎてしまった。

 汗をふきふき、明日帰らなけりゃならんっつーことで、今までめんどくさくて先延ばしにしていたおみやげを買いにいく。しょーがないから買いにいく。……っつーか、おみやげなんてハッキリ言って旅行してきたヤツの自己満足なんだよなー。何にしよーか考えるのもめんどくせーし。ま、しゃーねーから買ってくるか。

 家族にはテキトーにチョコでも買うとして、まずわ、自分自身へのものを。なんと言っても、「音」がほしい。バルセロナで入ったバルでかかってた曲、マラガでのお祭りで流れてた曲、この旅を彩ってくれた曲たちをなんとしても日本に輸入したい。fnacという、日本でいうHMVみたいなところで目当てのCDを探す。今まで何度かCDショップに入って目をつけていたCDを選ぶ。ほかのCDにも目移りしてしまうが、結局オムニバスみてーな4枚組みを2つ買うことにする。CDプレイヤーを持ってきていないので、日本で聞くのが楽しみだ。

 次は、友達へのおみやげ。大学の友達には……タバコでいいな、アイツラには。DUTY FREEで買うと1カートンまでしか免税されないから、もうフツーに街のタバコ屋で買って脱税しちゃおっかな。ま、スペインには税金払ってるってことだから、脱税とわ言えますまい。で、幼なじみと高校の友達には……何にしよっかな。んー・・・ムズカシイ。というより、めんどくせー。とりあえず、もっかいfnacに行って考えよう。ってことで、fnacをぶらぶら歩いていたら、見つけました。心揺さぶるものを。日本が世界に誇るもの……“MANGA”!決まりだな。幼なじみには「ドラゴンボール」。やべー、ウーロンがスペイン語しゃべってやがる。高校の友達には「ドラゴンヘッド」。世紀末的なクセして、スペイン語だとなんかまぬけだ。そして、自分には「火の鳥」。手塚治虫、あんた、偉大だよ。それにしても、マンガ高いなー。一番安くてもだいたい€7は下らない。なのに、スゲェ売れてるっぽいし。ま、本棚の前で立ち読みしてる人種も……いわゆる“オタク”っぽいヤツばっかだけどな。オタク・エスパニョール。

 よし。これでおみやげ終了。……いーのか、これで。ま、いっか。めんどくせーし。

 よーし。今日もいい天気だ!おし!トレドに行くぞ!……というワケで、コルドバにいる時にさんざん悩んだ結果、日帰りでトレドに行くってことだけわ決めていたのでわあるが、行き当たりバッタリゆえ、天気もいいので今日行くことにしてみました。紅芋アイスをロシアンクレープで包んでみました。・・・包んでみるな!

 バスに揺られること小1時間。トレドといえば、城塞都市。バスターミナルからどーやって城壁の中に入るんだ?とりあえず地図を頼りにそれらしい方向に歩いてみる。「……この道、あってんのかよ?」この旅で何度この独り言をつぶやいただろう。スペインでしゃべった日本語ランキング独り言部門、堂々第1位。やっぱりDHCだねっ!途中で道を聞いたおばちゃんは「坂を道なりに上っていけば、あと7分で着くよ。」なんてテキトーなこと言いやがるし。でもこれまでの経験で、だいたいの場合、道はあっている。知らない道だから、辿り着くまでに我慢ができなくなって不安になるってだけだ、ということをオレは知っている。熟知している。はたして、城塞への入り口が突然オレの前に現れた。ビンゴ!

 さらに街の中心へと歩みを進めていると、絶景ポイントに到着。さっきまでいたバスターミナルが、眼下に小さく見える。だいぶ上ってきたんだね、オレ。だいぶ歩いてきたんだね、オレ。もうそろそろ、この気ままな旅も終わるんだね、オレ。……オレ。もぅ、オレ、アピールしすぎ。近くにはタホ川が悠然と流れている。この川がポルトガルに入るとテージョ川になる。どっかで聞いた話だけど、ま、いっか。

 いかにもゴシックな感じの白亜のいかついカテドラルを出た後、サント・トメ教会に行ってみる。小さくてかわいい教会。オマエ、かわいいなー。エル・グレコは晩年をここトレドで過ごした。教会にはグレコのあの有名な葬式のドでかい絵が置いてある。どーでもいいが、グレコの絵に描かれてる人って、みんな顔ちっちぇな。アイツ、乱視だったって話もあるけど、そのせいか?イヤ、むしろ、その成果?もっと言っちゃえば、卵子の成果?……ヤベ、図らずもまたウマいことを言っちゃうこの才能がにくいよね。憎しみの連鎖だよね。1回、死ねばいいよね。

 っつーか、この街、ドラクエに出てきそうだな。何が多いって、武器屋が多い。もちろん、みやげ物だけど。とりあえず、オレは勇者だからかたっぱしから覗いてみよう。意味もなく武器屋めぐりをするオレの姿は、勇者というより、職業は遊び人。少年時代、男ならば誰しもがあこがれる中世ヨーロッパの騎士たちの武器が目白押し。その中でも、ひときわオレのいたいけなハートをわしづかみにして離さなかったのが・・・ボーガン。カッコよすぎる。値札を見ると、€16。・・・え、まぢで!?安くね?「おい、オヤジ。このボーガンどーやって使うの?」と聞くと、オヤジがイヒヒと嬉しそうにボーガンに槍をセットする。そして、次の瞬間!店の柱にマンガみてーに、“ヴィー…―ン”と槍が突き刺さった。……ア!アブネーだろーがスットコドッコイ!!こんなの持ってたら飛行機に乗る時、ゼッテー捕まるわ。言い訳できなすぎ。殺傷能力ありすぎ。遊び人にわ装備できないな。っつーか、柱のいろんなところにたくさん傷やら穴やらがついてるけど、オマエの店、いつか倒れるぞ。いろんな意味で。

 バスでの帰り道、バルセロナにいた時以来のスコールが降ってきた。15分ほどの土砂降りの後、カラッと晴れた蒼空に今まで見たこともないぐらい大きく鮮やかな虹が架かった。決して届かない虹をめがけて、バスはまた一つギアを入れなおした。

 ……うあ、なんか、うさんくせー小説みたいになっちまった。

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事