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ほうれんそう(菠薐草)
プロフィール
アカザ科ホウレンソウ属の一・二年草で、学名は Spinacia oleracea。
トルコの東部からアフガニスタンあたりの中央アジアが原産です。古代ペルシャにおいてすでに栽培され、食用にされていました。その後東西に伝わり、中国とヨーロッパでそれぞれ独立した品種群が形成されました。雌雄異株で、4月から6月ごろ小さな黄緑色の花を咲かせます。雄花は茎の先の穂状花序に、雌花は葉腋につきます。名前の「ほうれん(菠薐)」とは、中国語でペルシャを指すそうです。
系統・品種と用途
「ほうれんそう」は、大別すると3つの系統になります。中国で土着した東洋系(在来種)、ヨーロッパで育成された西洋系、それにこれらの正逆交雑や系統内交雑による交配系があります。東洋系は日長に敏感で抽苔が早いので、秋・冬栽培に利用され、葉の切れ込みが深く根ぎわが赤いのが特徴です。また西洋系は日長に鈍感で、春・夏栽培にも利用され、葉が厚く丸みのあるのが特徴です。
栽培のステップ
「ほうれんそう」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。
ステップ
内容
畑の準備
(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに石灰を施し、よく耕します。
(2) 畝の真ん中に深さ20〜30センチの溝を掘り、堆肥と油かす、化成肥料を施し、埋め戻します。幅60センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
種まき
(1) 種皮が固く、発芽抑制物質がついているので、タネをまく前に、一晩冷水に浸します。種皮を取り除いたネーキッドシードの場合は、水に浸す必要はありません。
(2) 畝の表面を木ぎれなどで均し、畝と直角に条間20センチ、深さ1〜2センチほどのまき溝をつけます。
(3) タネを1センチくらいの間隔で条まきします。覆土を掛けて軽く転圧し、たっぷりと水を与えます。
間引き・追肥
(1) 本葉が1〜2枚のころに、3センチ間隔に間引きます。
(2) 本葉が4〜5枚のころに、5〜6センチ間隔に間引きます。
(3) 2回目の間引きの後に、化成肥料を条間に施し、土寄せします。
収穫
(1) 草丈が20〜25センチくらいになったら、大きなものから収穫します。
(2) 日が長くなってくると、抽苔(とうだち)します。「ほうれんそう」は雌雄異株で、雄株と雌株があります。写真は雄株の花。
おもな病害虫
「ほうれんそう」には、アブラムシやヨトウムシなどの害虫がつき、べと病やモザイク病も発生します。
病害虫名
症状 対策
アブラムシ類
体長2〜4ミリの小さな虫が、新芽や茎に群がって汁を吸います。
パイベニカ乳剤やオレート液剤などの殺虫剤を散布します。小面積の散布には、スプレータイプが手軽です。
ヨトウムシ類
昼間は株もとなどに潜み、夜に葉を食害します。
探し出して駆除します。
べと病
低温多湿時に発生し、葉に表面に不規則な黄斑ができ裏側にかびが生えます。
通風をよくして、ダコニール1000やサンボルドーなどの殺菌剤を散布します。
モザイク病
アブラムシによって媒介され、葉が萎縮して奇形になります。
病気の株を抜き取って処分するしかありません。アブラムシの飛来を防ぐために、寒冷紗を掛けることが有効です。
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