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ロンドン・NY時間(16:00〜翌7:00頃)の市況情報
ドル
本邦企業によるスイス企業の買収観測が引き続き円売り要因として意識された中、欧州市場では英消費者物価指数が強い数字になるとの噂を背景としたポンド/円の上昇もサポートになったほか、GLOBEXのNYダウ先物の上げ幅拡大を受けたリスク選好の円売りもあり、ドル/円は一時81.75円付近まで4月28日以来の高値を更新。しかし、この水準では売りオーダーが厚かったこともあり、ドル/円は上値が重くなると、米住宅着工件数が年率換算52.3万件と予想の同56.9万件を大幅に下回り、米建設許可件数も同55.1万件と予想の同59.0万件から下振れしたほか、米鉱工業生産指数も予想を下回るなど、米経済指標の弱い結果を受けて米景気回復鈍化懸念が高まり、米長期金利の低下と共にドル売りが優勢になったことから、NY市場序盤に81.30円付近まで押し戻された。また、GLOBEXのNYダウ先物や金・原油相場の下落を受けて、リスク回避の円買いが優勢になったことも重石となった。売り一巡後はしばらく81.40円付近でドル/円は小動きが続いたものの、その後はNY原油先物に値ごろ感から買い戻しが入り急速に持ち直したほか、弱い米経済指標や米IT大手HPの業績見通しの下方修正を受けて軟調に推移していたNYダウが下げ幅を縮小したこともあり、クロス円でリスク回避の後退に伴う円売りが優勢となった中、NY市場中盤に一時81.60円付近まで浮上。しかし、上値を積極的に追う動きともならず、NY市場終盤にかけては81.35円付近へと押し戻された。なお、NYダウは前日比68ドル安で終了した。引き続き本邦企業によるM&A絡みの円売りフローに関心が集まっており、ドル/円も底堅い動きとなりそうだ。また、明日の本邦第1四半期GDP・1次速報値や今週金曜日の日銀金融政策決定会合の政策発表を控えている中、円は積極的に買いづらいだろう。さらにMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)による銘柄入れ替え(日本株の新規採用はなく、除外は20銘柄)を受けた日本株売り・円売りの観測にも注意したい。今夜27時に公表される4月26・27日分のFOMC議事録がタカ派的な内容になるとの噂も一部で流れており、ドルを売り込みづらいムードもあろう。一方、米経済指標が軒並み下振れし、米長期金利が一時3.09%台と年初来最低水準になっていることから、ドル/円は82円台へと買い上がることも困難か。
【予想レンジ】 ドル/円 80.80-81.90
ユーロ
欧州市場序盤は英消費者物価指数が上振れするとの噂を受けたユーロ/ポンドの下落が波及し、対ドルは一時1.4135付近へと下落。その後は好調なスペインの国債入札に加え、独ZEW景況感調査で現状指数が好結果になったこともサポートとなり、対ドルは一時1.4220付近へと反発。その間、対円は本邦企業のM&Aに絡んだ思惑に伴う円売り地合いに加え、GLOBEXのNYダウ先物や金・原油相場などの上昇を背景としたリスク選好ムードも追い風となり、一時116.20円付近まで上昇。しかし、その後はユンケル・ユーログループ議長が「ギリシャはソフトな債務再編が必要になるだろう」との認識を示したことが嫌気され、ユーロは弱含みの展開になると、弱い米経済指標などを嫌気してGLOBEXのNYダウ先物やNY原油先物が下落に転じたことを背景に、リスク回避のドル買い・円買いが強まった中、NY市場序盤に対ドルは一時1.4120付近、対円も114.95円付近まで反落した。売り一巡後は軟調に始まったNYダウが下げ幅を縮小したほか、値ごろ感からNY原油先物に買い戻しが入ったこともあり、リスク許容度が改善すると、NY市場中盤に対ドルは一時1.4235付近、対円も116.00円付近まで持ち直した。ギリシャの債務問題に関しては楽観視できないものの、市場では債務期間延長など緩やかな再編シナリオが織り込まれつつあり、急激なユーロ安にもひとまず歯止めがかかりそうだ。また、ヘッジファンドの解約に伴う換金売りもピークを越えたことから、ユーロはしばらく落ち着きどころを探る展開か。一方、対円は本邦企業によるM&A絡みの円売り観測もくすぶっており、円安方向に水準を訂正する可能性があるだろう。
【予想レンジ】 ユーロ/ドル 1.4160-1.4270 ユーロ/円 114.70-116.70 ユーロ/ポンド 0.8700-0.8790
ポンド
欧州市場序盤は前年比+4.1%が予想されていた4月英消費者物価指数が同+4.4%、若しくは同+4.5と強い数字になるとの噂が一部で広がった中、ポンドは強含みの展開になると、実際に発表された4月英消費者物価指数が同+4.5%と上振れしたことを受けて、英利上げ期待が高まると共にポンド買いが活発化し、対ドルは一時1.6300付近、対円も133.15円付近まで上昇。しかし、その後はキング英中銀総裁がオズボーン英財務相宛ての書簡で「高水準の英インフレ率はエネルギー価格・輸入物価・付加価値税の上昇によって起こっており、これらの要因を除くと目標の2%を下回るだろう。インフレ率を早急に目標水準へと戻そうとすることは、生産活動の望ましくない変動につながる」などと早期利上げに消極的な見解を示したこともあり、ポンドは上値を抑えられると、弱い米経済指標を受けた米景気減速懸念を背景に、NYダウ先物やNY原油先物が下落し、リスク回避のドル買い・円買いが強まった中、NY市場序盤に対ドルは一時1.6190付近、対円も131.70円付近へと反落した。なお、オズボーン英財務相も「緊縮財政により、金利引き上げ圧力は緩和される」と発言しており、キング総裁の見解に理解を示した。英中銀は消費者物価指数が前年比+5.0%まで上昇することは想定済みで、今回の結果で早期利上げ時期が高まるとみるのは早計か。また、本日17時30分に公表される5月4・5日開催分の英中銀金融政策委員会議事録では、利上げ支持派は前回同様3名(センタンス委員、デール委員、ウィール委員)にとどまる見通しで、引き続き「英インフレ率の上昇は一時的」との見解を示す可能性が高いだろう。ポンドは昨日の高値を超えることは困難とみる。
【予想レンジ】 ポンド/ドル 1.6180-1.6310 ポンド/円 131.00-133.40 ポンド/スイス 1.4240-1.4410
豪ドル
NY市場では米経済指標の下振れを背景に金・原油相場が下落し、NYダウも一時下げ幅を大幅に拡大するなど、リスク回避・資源国通貨敬遠の動きが強まり、中盤に対ドルは1.0510付近まで下落。対円は本邦企業によるスイス企業の買収観測にサポートされたドル/円やユーロ/円の上昇につられたほか、GLOBEXのNYダウ先物や原油相場の上昇を背景としたリスク選好姿勢が追い風となり、欧州市場で一時86.70円付近まで上昇したものの、NY市場では株安・商品安を背景としたリスク回避の動きから、85.50円付近まで反落。しかし、その後は金・原油相場が持ち直すと共に、NYダウが下げ幅を縮小したことを受けてドルや円が売り戻され、NY市場終盤に対ドルは1.0625付近、対円も86.50円付近まで反発した。ただし、株式・商品市場は不安定な値動きが続いており、市場のムードはリスク選好からは程遠いだろう。また、昨日公表された豪準備銀行理事会議事録がインフレに楽観的で、景気に慎重なトーンだったことから、豪利上げ期待も後退しており、金利面からも豪ドルの買い妙味は後退しているとみる。引き続き豪ドルは調整局面にあるとみられ、慎重スタンスを維持したい。
【予想レンジ】 豪ドル/ドル 1.0540-1.0670 豪ドル/円 85.60-87.10 豪ドル/NZドル 1.3480-1.3570
NZドル
NY市場では米経済指標の下振れを受けた株安・商品安を背景にリスク回避のドル買い・円買いが優勢となり、中盤に対ドルは0.7770付近、対円も63.20円付近まで下落。しかし、その後は米株式・商品市場が下げ幅を縮小する展開になったことから、NY市場終盤に対ドルは0.7845付近、対円も63.85円付近まで反発。東京市場朝方にはNZ第1四半期生産者仕入・出荷指数がともに前期から上昇率が拡大したことを受けてNZドル買いが強まり、対ドルは0.7865付近、対円も64.00円付近まで上値を伸ばした。目先はM&A絡みの円売りフローへの期待から、円と対極にある高リスク通貨のNZドルは特に対円で底堅い動きとなりそうだ。しかし、NZ準備銀行は当面の間、政策金利を据え置く姿勢を示している上、他に新たな材料や話題も見当たらないことから、NZドルの買い妙味は乏しいとみる。また、株式・商品市場の調整局面も一巡したとはいえず、下値警戒を継続するべきだろう。
【予想レンジ】 NZドル/ドル 0.7790-0.7880 NZドル/円 63.20-64.20
カナダドル
欧州市場ではGLOBEXのNYダウ先物や原油相場が上昇したことを背景にリスク選好姿勢が強まり、ドル/カナダドルは一時0.9720付近へと下落し、対円は84.05円付近まで上昇。しかし、NY市場では米経済指標の下振れを受けて株安・商品安が進行するなど、リスク回避のドル買い・円買いが強まったことから、中盤にドル/カナダドルは0.9790付近へと反発し、対円は83.10円付近まで反落。その後は米株式・商品市場がそろって下げ幅を縮小する展開になったことを受けてドルや円が売り戻され、NY市場終盤にドル/カナダドルは0.9720付近まで反落し、対円は83.75円付近まで持ち直した。ただし、商品相場は依然として不安定な値動きが続いており、調整局面が終わったとは言い難いだろう。また、ヘッジファンドの半期末である6月末にかけては商品相場や資源国通貨に対する手仕舞い売り・換金売り圧力が続く可能性があり、慎重スタンスを維持したい。
【予想レンジ】 ドル/カナダドル 0.9690-0.9770 カナダドル/円 83.00-84.30
スイスフラン
欧州市場序盤は英消費者物価指数の上振れ観測を背景にポンド買い・スイスフラン売りが強まったことが波及し、ドル/スイスは0.8880付近へと上昇。対円は本邦企業によるスイス企業の買収観測にサポートされたこともあり、欧州市場で92.25円付近まで上昇した。その後は材料出尽くし感から対ポンドでスイスフランを買い戻す動きが優勢になったほか、株式・商品市場の下げ渋りを背景に全般的にドル売りが優勢になったこともあり、NY市場終盤にドル/スイスは0.8800付近まで反落し、対円は92.50円付近まで続伸した。英消費者物価指数の急伸にもかかわらず、キング英中銀総裁は利上げに消極的な姿勢を示しており、ポンドは目先的に売られやすい地合いとみられ、相対的にスイスフランは堅調に推移しそうだ。また、ギリシャの緩やかな債務再編の可能性が高まっているため、対ユーロでも安全通貨のスイスフランを買う動きが強まる可能性があるだろう。本邦企業とスイス企業のM&A絡みの需要を巡る思惑もあり、スイスフランは対ドル、対円でも底堅く推移するとみる。
【予想レンジ】 ドル/スイス 0.8770-0.8860 スイス/円 91.70-92.90
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