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済州の伝説も自然伝説・歴史伝説・信仰伝説などに分類される。自然伝説は自然事象の物語で、歴史伝説歴史的人物と事件に対する説明、信仰伝説は風水地理・俗信など、民間信仰に関する説明説話である。
この三種に対する伝説は、対象物によって次にように説明される。
自然伝説 : 山岳・島嶼・池沼・平野・岩石
歴史伝説 : 忠孝・烈女・官員・英雄・異人・名医・富豪・壮士・女傑・建物・地名・名 犬・墓
信仰伝説 : 地官・地形・禁葬・名墓・神堂など
済州の自然伝説には山岳と池沼、岩石に対する伝説が多い。済州は島で中央に漢拏山が突出しており、その周辺に小さな火山が多い。これらは死火山でほとんどが噴火口を持っている。地質は火山灰土で地質が不毛で、湧泉が少なく河川は降水の時以外は水が流れない。それで田んぼが少なくて畑が多く、それに石が多く奇巌絶壁も少なくない。
このような地理的条件下で自然現象を説明する自然伝説が増えたのである。この地理的特殊条件を説明するに当たって島民たちは様々なモチィ─ブを通じてその理由を合理的に説明している。
山岳の形成には「巨人伝説」モチィ─ブで説明することが多く、岩石の形態と田んぼのない理由を説明するには風水地理信仰に基礎を置いて解釈する場合が多い。自然条件をこのように説明するのは、島という限界状況に対する対応意識といえよう。
「九九谷伝説」や「ソルムンデ婆さん伝説」のように一つの谷が足りなくて虎や獅子などの猛獣がいなくなっただけでなく、優秀な人物も出なくなったと言う話や、巨人が服を一つだけでも作ることが出来たら本土までの橋が出来たのに布が少し足りなくて服を作れず、橋が出来なかったという話が多い。このような伝説は王やえらい人物がおらず政治的不毛性から抜け出せなく、地理的制約のせいで困難な生活から脱出できない島民の場合は、島という地理的条件では解決できない限界意識を説明している。
歴史的伝説では、官員・壮士・異人・女傑などに対する伝説が多い。官員に対する物語は主に島の行政責任官である牧使に関する物語で「堂五百寺五百伝説」や「奇虔牧使伝説」のように巫俗打破の安寧のために善政した伝説が多い。壮士伝説は風水地理設と関連して羽の生えた異人壮士の誕生に関するものが多い。すなわち、先祖の墓の墓地精気で羽の生えた男の子が生まれるが、社会的な固定概念のせいでその羽を取ってしまい、結局は壮士になれなかったという話である。異人・女傑に関する物語は、瞳孔が二つある英雄、50人分の食事をこなす壮士、男も相手にならない女人の話などが多い。これらは済州特別自治道の風土的条件と歴史的条件の特殊性、そのような環境で暮してきた済州特別自治道民たちの生活史・夢・世界観などが反映されたものといえる。
一方、信仰伝説には風水地理に対する伝説、死神伝説などが多く、巫俗の神壇にまつわる由来談など、伝説と言うよりは堂ボンプリとして神話の性格を持つ物語が多い。これは済州特別自治道民の信仰の特性と説話の分類意識を反映したものと見られる。済州特別自治道の代表的伝説には、自然伝説の「九九谷伝説」や「ソルムンデハルマン伝説」(ソルムンデ婆さん伝説)などを挙げることができ、人物伝説では「コジョンダル伝説」「赤ちゃん将帥伝説」、信仰伝説では「高典籍と父親墓」、壮士伝説では「ノンハニ」、女壮士伝説では「始興里玄氏兄妹」などを代表的に挙げることが出来る。
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