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日本の研究費は、ここ20年ほどは増えていないそうです。
それどころか、減る傾向にあるのです。

地震研究も同様のようです。
そんな傾向の中で、研究費を獲得するため、研究者は研究内容の重要性をアピールするわけです。
しかし、出資側(国や企業)が、研究内容の造詣が深ければ良いのですが、素人同然であれば、アピールの方法も変わってしまいます。
素人は、「その研究は何の役に立つのですか?」と問うてくることが多いでしょう。
地震研究の場合、「地震の予知に繋がります」と答えるのが、素人への説明が容易だと誰にでも分かると思います。
これが繰り返された事で、俗に言う地震ムラが形成されたのかもしれません。



ところで、最近、私が早川氏を批難しなくなっていることを不思議に思っている方も少なくないかもしれません。
確かに、昨年(2017年)7月を最後に、早川氏の記事を書いていません。
なぜかと言うと、早川氏は既に「予知するアンテナ」を離脱しており、有償の地震予知会社から距離を取っていると思われるためです。

有償の地震予知を行う方々は、その理由(言い訳?)を研究費の確保としています。
すると、有償地震予知をやめた早川氏は、何から研究費を得ているのでしょうか。
どうやら、クラウド・ファンディングを始めたようです。
他の研究者も、研究費の確保のためにクラウド・ファンディングを利用しています。
早川氏も、同じ手法を行うことにしたようです。
クラウド・ファンディングなら、出資者が内容をチェックするし、目的と出資が一致しているので、私が文句を言うことではありません。


最後に言っておきますが、早川氏の手法で地震予知ができるとは思っていませんので!

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地震予知の実力

あるブログ主様からコメントを戴きました。
2年余り前の話です。

その方は、地震予知をされていましたので、ブログを訪問してみました。
残念ながら、地震発生時期は、明確な表現では記載されていませんでした。
そこで、掲載のグラフから読み取りました。
2018年4月15日頃に東京でM7.0以上の地震が起きると読み取れました。
既に、1ヶ月余りが経っていますが、まだ関東で大規模な地震は発生していません。

私のグラフの読み間違いの可能性もありますし、グラフを読み取ったのは2年以上も前の事ですから、時期や規模の修正もあったかもしれません。
それ以前に、一般の方が無償の地震予知をする事をとやかく言う方が不粋でしょう。



さて、一般人でもなく、無償ではない地震情報をばらまいている村井俊治氏とJESEAの地震予知は、どの程度なのでしょうか。
前述のピンポイントの地震予知とは違い、全国の7〜8割に延々と警戒を発し続ける手法で成功率を稼いでいますが、現時点でどうなのでしょうか。

JESEAが対象としている震度5弱以上の地震は、今年は以下の4回です。

 3月 1日 西表島付近   M5.6 最大震度5弱
 4月 9日 鳥取県西部   M6.1 最大震度5強
 4月14日 根室半島南東沖 M5.4 最大震度5弱
 5月12日 長野県北部   M5.2 最大震度5弱

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これに対し、JESEAは、通常の地震予知とAI地震予知の2種類があります。
更に、村井氏が雑誌に発表する地震予知があります。
しかも、それぞれの地震予知は、警戒エリアが微妙にずれているのです。
元々、それぞれが、全国の7割から8割を警戒エリアにしているので、3種類の地震予知を重ね合わせると、警戒エリアから外れる地域はほぼありません。

残念ながら、雑誌は詳細を知らないので、それ以外について判定してみましょう。

 週間MEGA地震予測・・・4件中4件成功(100%)
 AI地震予知    ・・・4件中1件成功( 25%)

「100%」という数字を見て「やっぱり村井氏は凄い!」と思うかもしれませんが、確率でみるとマグレでも2〜4割の確率なので、特別なことはありません。
警戒エリアは地震頻発地域を網羅しているので、外す方が難しいとも言えます。
逆に、AI地震予知の成功1回だけの方が、5%前後の確率でしかできません。
地震予知ができていて、わざと予知を外したのではと思えるほどの確率です。


まあ、これが地震予知の実力。
デタラメではないとする根拠を、地震予知の成功率に求めることは無理でしょう。


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5月12日10時29分に長野県で起きたM5.2の地震を「予知していた」と、
はしゃぐエセ研究者がおられるようです。

地震というのは、どこであれ、必ず発生時期は近づいてきます。
そして、いずれ起きるものです。
「もう直ぐ起きる」「もう直ぐ起きる」と唱えて入れば、いずれ地震は起きます。
ほとんど祈祷のようなものです。



さて、先日、JAMSTEC横須賀本部の一般公開に行ってきました。
その中で、DONETのリアルタイム表示が、展示されていました。
 
イメージ 1
【DONET】

DONETの地震計が、いくつもの振動を捉えていました。
でも、地震動と考えると、やたらと長く続いています。
時間にすると、長いものは10分以上です。
また、振動はゆっくりと始まり、ゆっくりと収まっていっています。
これも、地震動としては少し変です。
お話を伺うと、船の振動(エンジンやスクリュー、造波等)や動物(クジラの鳴声等)なのだそうです。
地震動の場合、複数の地震計がほぼ同時に振動を捉えるのだそうです。
「10時半ごろの長野の地震では、多くの地震計が大きく振れたのですよ」とのこと。
写真を見ると分かるように、あと10分余り早く見ていれば、長野県北部の地震の
様子を映すことができたのですが、残念です。
 
地震計ですが、潜水艦の探知を目的としたSOSUS網とは違い、海底を更に掘って
埋設してあります。
それでも、海上の船舶を捉えることができるほどの感度があるのですから、驚きです。
逆に言えば、ノイズが少ないはずの海底でも、人工のノイズがあるのですから、地震の研究も大変です。
 
 

最近、ネットニュースに村井氏が登場すると、コメント欄は非難の嵐が吹き荒れます。
そろそろ化けの皮が剥がれてきたということでしょうか。
電子基準点のノイズに執着する村井氏ですから、DONETを見れば、またノイズを「地震の前兆に違いない!」と言い始めるかもしれません。
彼には、DONETを教えない方が得策かもしれませんね。
 

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地震シミュレーションの更新が滞っています。
なぜかと言いますと、最大規模の地震しか発生しなくなってしまったのです。

シミュレーションのプログラムを第2ステージに切り替えたところ、大半が最大規模の地震になってしまい始めたのです。
その原因は、考えてみると単純なものです。


地震は、ある点の歪(圧力)が限界に達し、破壊が連鎖する現象と思われます。
ある点の範囲が半径1mだとします。歪の量は、面積に比例すると考えると、半径1mの面積 約3m²に歪が溜まっていることになります。
これが、破壊によって歪が解放され、周囲に拡散します。
周囲は、元々の歪に加えて、破壊で解放された歪が加わります。
仮に、元々の範囲の周囲1mの範囲に歪が拡散したなら、半径2mの内の中心部の半径1mを除いた面積 約9m²に約12m²の歪が掛かることになります。
比率で言えば、歪は3分の4倍になることになります。

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これで支え切れなければ、更に外側に歪が拡散することになります。
半径3mに拡散するとすると、内側の半径2mの歪を外側の16m²で歪を支えることになります。比率は、5分の9倍になります。

イメージ 2

つまり、破壊が進めば進むほど、元々の歪を支えるための面積が、相対的に小さくなっていくのです。

イメージ 3

上のグラフでも分かるように、歪を支える比率が高まっていくので、破壊が拡がるにつれて破壊が止まりにくくなっていくのです。

ですが、実際の地震の規模の分布は、マグニチュードが1上がる毎に発生頻度が10分の1になると言われています。
シミュレーション方法に間違いがあるか、地震の拡がりの考え方に間違いがあるのか、検討しているところです。
その結論が出ない場合は、プログラムを最終形にまで一気に改造し、試してみるかもしれません。
なので、しばらくは本テーマで書くことは難しそうです。

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先日、TV番組「1番だけが知っている」の中で、冤罪事件が扱われていました。
リアル99.9%」です。


冤罪事件の概要は、次のようなものでした。

(1)某銀行で、記帳台に起き忘れた封筒から66,600円が抜き取られる事件が
   あった。
    ・警備員が記帳台に忘れられていた封筒を発見。
    ・中にあった市民税振込用紙からAさんに連絡。
    ・封筒内の納税額66,600円が無いとの被害届をAさんが提出。

(2)監視カメラの映像からBさんが逮捕された。
    ・Aさんが記帳台を離れてから警備員が封筒を見つけるまで、一人だけ
     記帳台に近付いた人物(Bさん)を監視カメラで確認。
    ・警察はBさんを逮捕。

(3)裁判では、一審と二審が有罪、三審で無罪となった。
    ・一審と二審では、現金を抜き取るチャンスがあったのはBさんだけとして
     有罪の判断。
    ・封筒にはBさんの指紋は無く、監視カメラの映像から再現した記帳台上の
     Bさんの手の動線が封筒まで及んでいないことも証拠として採用せず。
    ・三審では、そもそも封筒に現金が入っていなかった可能性を認め、無罪。

 
さて、番組では、例によって公平性を無視した演出が行われ、Bさんを中心と言うより、全て敵の如く扱っていました。典型が、番組内における警察と検察の扱いです。
警察と検察は、Bさんの敵である以前に、被害者であるAさんの代弁者でなければなりません。しかも、Bさん以外に犯行が可能だった人物がいないことは明らかでした。
 
立場を替えて考えてみましょう。
ここからは、私たちはAさんの立場で考えます。
Aさんは、入れていたはずのお金が封筒に残っていない事に気付きます。
記帳台に起き忘れてから随分と時間が経っていたはずなので、「盗まれた」と考えても無理はありません。
(連絡先の確認に手間取ったはずで、Aさんが銀行を出てから連絡が入るまで時間が掛かったと推察されます)
被害届を受け取った警察は、盗まれたとする金額が封筒内の振込用紙の金額と一致していることから、合理性があると考えたのでしょう。
警察から「封筒に何が入っていたか証明しろ。証明できなければ被害届は受理しない」と言われたなら、Aさんの立場で考えた時、どうでしょう。
封筒にお金を入れた証拠は、無いことの方が自然です。精々、中に入っていた振込用紙の金額を示すくらいでしょう。
だから、警察は被害届を受理したのでしょう。
 
元に戻りましょう。
警察は、監視カメラとATMの利用記録(Bさんは銀行内のATMから現金を引き出している)等からBさんを特定し、捜査を絞りました。
被害者Aさんの立場で物事を進める警察と検察が、唯一、犯行が可能だったBさんを起訴するのは妥当な判断だと思います。

問題は、裁判所にあるように思います。
被害者の立場である検察と、容疑者の立場である弁護側の主張を聞き、裁判所は第三者の立場で判断しなければなりません。
今回の冤罪事件は、お金を抜き取られた封筒からBさんの指紋が検出されていません。
事件が起きたのは9月下旬で、事件当日の最低気温は約19℃でした。手袋をする人は皆無と思われます。記帳台に封筒を忘れることを予期できないことから、計画的ではないことは明らかであり、手袋を持参していたとは考えられません。
検察は、監視カメラの映像から、封筒らしきものを手に持つBさんを確認しています。
封筒から指紋が検出されなかったことは、少々不自然です。
仮に、記帳台やペンからBさんの指紋が検出されていたのなら、紙からの指紋検出が難しいとしても、封筒から指紋が検出されていない事実は著しく不合理です。
このあたりの確認は為されていたのでしょうか。初動捜査で記帳台の指紋採取を行なっていないはずはなく、気になるところです。

更に、二審では、記帳台上での手の動きの鑑定書を提出しています。
これを証拠として認めなかったのは、元の画像が粗く、1秒刻みの画像で検証しているので、証拠としては弱いとされても仕方ありません。
ですが、検察側の証拠としては、同じ監視カメラの画像を証拠として認めているのは、解せません。
私なら、監視カメラの画像は、Bさんが記帳台にいたという事実以上の証拠としては考えないでしょう。
監視カメラの画像から言えるのは、犯行が可能だったのはBさんしかあり得ないという事実ですが、実行した証拠は何一つなく、犯行は難しかったする状況証拠ばかりが出てきているのです。

全体を考慮すると、合理性があるのは、そもそも封筒にはお金が入っていなかったとの考えです。
封筒にお金を入れたのは事件の前日であり、お金が入っていた証拠はこれだけだったようです。つまり、お金を入れてから警備員と行員が確認するまで、半日程度の空白の時間があるのです。
Bさんへの嫌疑は、この中の最後の数分だけです。
封筒を確認できるのも最後の16分間だけですから、「犯行が可能だったのはBさんだけ」と言えるのは最後の16分間に限定されるのです。
それ以前の半日は、誰が犯行が可能だったのかさえ、分かっていないのです。
よつて、「Bさんのみ犯行が可能だったから有罪」と考えるわけにはいきません。
少なくとも、『疑わしきは被告人の利益に』との原則で、証拠不十分として無罪にすべきだったと思います。
ところが、「犯行を証明する物証はないが、監視カメラの死角で封筒からお金を抜き取った可能性がある」としたのです。
完全に、第三者の立場を逸脱し、検察側の立場で判断しています。


三審で、ようやく無罪判決となりました。
番組内では、二審で問題になった「監視カメラの死角」に対して1秒のアリバイを証明したことを高く評価していましたが、実はアリバイ不成立なのです。

「監視カメラの死角」について、弁護側の理解は「どの監視カメラの視野からもBさんが外れる」ことでした。
なので、丹念に全ての監視カメラの画像をチェックし、Bさんが全ての監視カメラの視野から消える瞬間は1コマしかないことを発見したのです。
封筒からお金を抜き取るには一般人なら最低6秒、マジシャンでも2秒は必要なことを確認し、1コマ(これを1秒と解釈していた)ではお金を抜き取れないと主張しました。
これって、証明になっていないのですが、気付かなかったのでしょうか。
監視カメラは1秒刻みに撮影していました。
なので、通常でも個々の画像の間は1秒離れているのです。元々、監視カメラの画像と画像の間は、1秒の空白があるのです。1コマ抜けたのですから、監視カメラにBさんが映らなかった時間は2秒間です。
Bさんにマジシャン並みの器用さがあれば、この2秒でお金を抜き取ることは不可能ではないのです。

また、「監視カメラの死角」には、監視カメラに背を向けている状況や、他者がBさんと監視カメラの間に居た状況なども含まれます。
体が監視カメラに映っていても、手元が見えないなら「監視カメラの死角」になります。
手元が監視カメラに映っていない瞬間は、もっと長かったはずです。
なので、三審で無罪判決になったのは、「監視カメラの死角」そのものを有罪の根拠から外したものと思われます。
逆に、最高裁がこんな証拠を採用するようでは問題です。


今回の事件は、Bさんが犯人であれば計画性はないことは明らかです。
ならば、記帳台に忘れられている封筒にお金が入っているとは知らずに犯行に及んだことになります。窃盗の常習犯ならともかく、初犯ではそれは不自然です。
仮に、お金が見えていたとしても、それが硬貨なら犯行に及ぶとは考えにくく、お札であればお札だけを抜いて硬貨まで抜く可能性は低いでしょう。
更に、封筒ごと持ち去るのも、リスクが高い行為です。おまけに、退店時には記帳台に戻していますが、これはリスクが高いだけでなく、証拠隠滅を考えれば、記帳台に戻した理由が見えてきません
しかも、Bさんは記帳台のそばを通っただけで、肩や肘に動きが見られません。利き腕が記帳台から遠い側を通っているので、利き腕で置こうとすると、上体は左に少しねじれるはずですが、その気配さえないのです。

一審は、「犯行を証明できる証拠はなく、有罪とするには記帳台に起き忘れた時点でお金が入っていたことを証明しなければならない」とすべきでした。そうすれば、検察側にボールが渡り、お金を入れた前日の夜から記帳台に置かれるまでの捜査が進み、冤罪を晴らす時期も早まったと思います。
おそらく、検察は上告しなかったのではないかと、想像します。


一方、私は検察側が起訴したことを責めるつもりはありません。
被害者Aさんの立場で考えるなら、お金が入っていたことを完璧に証明することは困難であり、証明を求められるなら、被害届は出せなくなります。
そうなれば、実際に盗まれていたとしても、被害者は泣き寝入りするしかありません。
今回の場合、銀行内での犯行はBさん以外に考えられず、記帳台から離れる際に手を伸ばして封筒らしき物を取る動きもあり、警察と検察が疑いを持つのも、やむを得ないところです。
だからこそ、裁判所は検察側の意見を鵜呑みにするのではなく、第三者の立場を堅持しなければなりません。



最後に一言。
99.9%は問題か?
99.9%は、刑事裁判における有罪率であることは、よく知られていると思います。
仮に、刑事裁判の有罪率が90%だったとしましょう。
この場合、起訴された容疑者の1割が冤罪だということになります。
起訴されれば、様々な問題が発生します。
無実で起訴されるが10%も生み出されるのは、大問題です。

また、仮に犯罪検挙率が現状を維持しつつ、有罪率が90%になるとすれば、起訴件数は現状の100倍になってしまいます。
それを踏まえると、有罪率が高いと考えるのは思慮不足ではないでしょうか。

 
刑事裁判の問題は、法曹界の構造にあります。
司法資格者は、判事も検事も弁護士も一緒に研修を受けます。
極論すると、裁判所での弁論は、一企業内の会議と同レベルです。
特に、判事と検事は公的機関の職員ですから、立場が類似し、判断も検察側の意見を鵜呑みにしてしまい易い環境です。
99.9%云々の前に、数字に踊らされるのではなく、問題の本質的な部分に光を当てるべきだと思います。
番組では、空白の時間を1秒だと思い込んでいました。数字に対しては、その程度の能力しかないのです。
数字に拘る前に、本質に迫る努力をするべきでしょう。
でなければ、間違った認識を世間に流すことになりますよ。
  

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ブログの名前を変えました。

新しい名前
         と  よ  あ  し  は  ら  の  な  か  つ  た  に
もう一つの
です!!

親ブログの名前を に変えたので、
それに合わせる形で当ブログの名前も変更しました。

名前は変えましたが、内容は変える予定はありません。
これからも、親ブログにそぐわない内容を書いていこうを考えています。



※当ブログの名前は、「もう一つの豊葦原中津」としていますが、
 古事記に詳しい方は豊葦原中の間違いと思われているのではないでしょうか
 としたのは、古いブログ名「風のの生活」のを継続するためです。

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前兆現象で地震を予知する際、前兆現象がどの地震と関係しているのか、同定するのが難しいことは説明してきました。

地震予知を可能にするためには、前兆現象と実際の地震との組み合わせを明確にしなければなりません。
前兆現象は、理論で導いたものではないので、経験を積み上げる必要があります。
この経験とは、前兆現象の特徴と実際に起きる地震との関係性です。
数えきれないほど起きる地震のどれと前兆現象が関係しているのかが分からなければ、地震の予知ができないのです。
つまり、地震と前兆現象との同定です。


さて、地震と前兆現象の同定ができたなら、次は両者の相関です。
しかし、「地震と前兆現象の同定について 3」にも書いたように、前兆現象で地震予知の三要素の決定するのは容易ではありません。
なぜなら、決めなければならない要素が複数あるからです。
これを行うためには、重相関をみる必要があります。
ですが、それを行うためには、出来るだけ多くの地震と前兆現象を調べなければなりません。
真っ当な地震学者が下記のように言うのは、何らかの重相関を調べるための地震の経験が足りないことを意味しているのでしょう。
「地震には色々な種類がある。地震を予知するためには、地震の経験が不足している」

これに対して、地震予知ができたとする方々は、実にいい加減です。
その典型的な例が、長尾氏の地電流による地震予知でしょう。
己が求める結果を得るために、地震予知の三要素を調整しています。
村井氏や早川氏、串田氏らも、類似の手法です。
そして、前兆現象と地震の相関も、示されていません。
おそらくは、地震と前兆現象の同定も、正しくは行われていないのでしょう。
単純に、前兆現象が起きた後に起きた目立った地震を、前兆現象と関係する地震と決め付けているだけだろうと、私は推定しています。


ここまでは、地震の前兆現象が存在し、かつ容易に観測できると仮定して、地震と前兆現象との同定について述べてきました。
次回以降は、もう少し現実的な内容にしようと考えています。

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地震予知では、時期・場所・規模の三要素が明確でなければなりません。
この三要素を前兆現象で予測するのが、一般的な地震予知です。
「前兆現象を用いて地震予知を行う」ためには、過去の地震と前兆現象の関係を調べ、前兆現象と三要素の関係性を確認したはずです。
 
と言うわけで、前兆現象と地震との同定について、三要素を軸に確認していきましょう。
前回は時期と場所について、サラリと流しましたので、ガッツリと規模について考えてみましょう。
 
前兆現象で地震の規模を知るための手法としては、次の2種類が多く用いられているように思います。
・前兆現象の有無で判定
・前兆現象の強度で判定
 
まずは、『有無』で判定する場合です。
これは、ある程度以上の規模の地震だけ、前兆現象が現れるとする考えです。
例えば、M7.0以上の地震だけに前兆現象が現れると考えます。
具体的な例として、京大の梅野氏が主張する『電離層の電子数の異常』は、2016年4月の熊本地震(M7.3)では観測され、2016年10月(M6.6)の鳥取県中部地震では観測されませんでした。
単純には、前兆現象(電離層の電子数の異常)と対応する地震は、少なくともM6.6よりも大きいはずと考えられます。
ところが、2015年5月30日にM8.1の地震が発生していますが、「前兆現象が観測された」とは聞いていません。
この地震の震源は深さ682kmで、観測史上で最深の地震でした。
深さでは、熊本地震の50倍以上にもなります。
地震のエネルギーは8倍程度ですから、遠方に届くエネルギーは距離の自乗に反比例することを踏まえると、地表(海面)に届くエネルギーは約300分の1になります。
震源の深さを踏まえれば、電離層の電子数に影響が出なくても、説明はできそうです。
 
ですが、実際に同定を行おうとすると、そう単純にはできません。
一つは、『地震の規模』と『震源の深さ』の二つの要素を加味しなければならないのに、現れるか、現れないかの一つしか、前兆現象は情報を持たないことです。
前兆現象が起きた時、『地震の規模』と『震源の深さ』は確定できないのです。


このように見てくると、「地震予知ができている」と主張する方々、特に村井氏、早川氏、長尾氏、串田氏らは、本当にきちんと地震と前兆現象の同定を行っているのか、疑問に感じてしまうのです。

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地震予知と陰謀論

地震予知は可能」と主張する人々。
地震予知は不可能」と主張する人々。
その根拠の中に、少なからず『陰謀論』が出てきます。

陰謀論』は、概ね反対勢力に対する反発から出てきているようです。
例えば、「地震予知は可能」と考えている人々は、
地震予知は不可能と言う人々は、地震保険会社から研究費を受け取っている
と主張します。

逆に、「地震予知は不可能」と考えている人々は、
地震予知は可能と言う人々は、原発を推進するために予知できることにしたいのだ
と主張します。


こんなものは利害立場で簡単に変わる代物でしかありません。
つまり、立場が変われば地震予知が可能になったり、不可能になったりする程度のものであり、普遍性がない非科学的な論拠にすぎないのです。
地震予知が可能か否かは、科学的な見識であり、利害を根拠にするのは間抜けです。
特に、陰謀論を根拠にする『地震予知不可能論』は最低です。
地震予知が可能であることが証明された後に、それが世の中に出されるのか、あるいは世の中で適切に運用されるのかが問題になった時、陰謀論は意味を持つのです。



繰り返しますが、
地震予知の可否は科学的な見識であり、陰謀論で結論付けることはできません。
読み物としては地震予知陰謀論も面白いと思いますが・・・
 
地震予知の可否に興味がある方は、陰謀論は無視していただければ、と思います。

 
最後に、私は、地震予知は不可能と言って良い難しさだと考えています。
また、誰も地震予知に成功していないと思っています。
 

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前兆現象を用いた地震予知において、前兆現象と地震の関係付けは必須です。
前兆現象自体が、論理的に発見したのではなく、大地震の前に起きていたことを調査して見つけたものばかりです。
なので、地震予知を行う前に、前兆現象と地震の関係を確認しておく必要があります。


前回は、場所と時期について、サラリと流しました。
今回は、規模について、サラリと流しておきましょう。
ポイントは、前兆現象で地震の規模を予想する方法です。

仮に、東日本大震災の1週間前に発生した前兆現象の強さが「100」とします。
同様に、熊本地震の1週間前に発生した前兆現象の強さは「37」だったとします。
これは、それぞれ東日本大震災と熊本地震の前兆だったのでしょうか?
東日本大震災大震災(Mw9.0)と熊本地震(Mw7.0)の強さは、1000倍にもなります。
先程の前兆現象の強さの比は、2.7倍ほどです。
地震の強さの違いとは、まったく一致しません。
それぞれの前兆が東日本大震災と熊本地震を指しているとは、考えにくいところです。

では、前兆現象は、どの地震を指していたのでしょうか。
ちょっと調べてみましょう。
東日本大震災では、前後にどんな地震があったか、Mj7以上をまとめてみました。
・3月 9日 11:45  Mj7.3  Mw7.3
・3月11日 14:46  Mj8.4  Mw9.0 <本震>
・3月11日 15:08  Mj7.4  Mw7.4
・3月11日 15:15  Mj7.6  Mw7.7
・3月11日 15:25  Mj7.5  Mw7.5

熊本地震も、主要な前震・余震をまとめてみました。
・4月14日 21:26  Mj6.5  Mw6.2
・4月14日 22:07  Mj5.8  Mw5.4
・4月15日 00:03  Mj6.4  Mw6.0
・4月16日 01:25  Mj7.3  Mw7.0 <本震>
・4月16日 01:45  Mj5.9  Mw5.8
・4月16日 03:55  Mj5.8  Mw5.6
・4月16日 09:48  Mj5.4  Mw5.2

(※Mj:気象庁計算値のマグニチュード。 Mw:モーメントマグニチュード)


地震の強さで2.7倍の違いは、マグニチュードに換算すると0.3に相当します。
東日本大震災と熊本地震でMw=0.3の差になる組み合わせは、次の地震だけです。

 東日本大震災:2011年 3月 9日 11:45  Mw=7.3
 熊本地震  :2016年 4月16日 01:25  Mw=7.0

更に小さな地震まで広げれば、Mw差が0.3になる組み合わせは増えます。
仮定の話で進めていますが、前兆の差に見合う地震の組み合わせは、より小さな地震になってしまうので、地震の前兆としては問題でしょう。


前兆現象と地震を同定する時、前兆の規模を踏まえて該当の地震を見つけ出すのは、
意外に難しいことを御理解頂けたでしょうか。
「大きな地震の前に起きている現象だから、その地震の前兆だ」と考えているようでは地震予知は実現できないと思います。


            


PS:前兆現象と地震の同定については、まだまだ大量にネタがありますので、
   これからも不定期で続けていきます。

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