ここから本文です

カルデラ噴火

阿蘇山のカルデラ噴火によって、近隣の原発への影響を懸念する人々がいます。
想定している噴火は、阿蘇山の過去最大の噴火(ASO4)と同レベルです。
 
正直なところ、原発への影響より、我が身を心配するべきだと言いたいですね。
阿蘇山のカルデラ噴火で最も小さなASO1ですら、阿蘇山のカルデラ内に住む数万の人々は誰一人助からないでしょう。
降灰の影響は、風向きにもよりますが、九州の広い範囲を覆い尽くし、避難さえままならず、苦しみながら命を落とす人も少なくないでしょう。
これが、ASO4と同レベルになると、ほぼ日本全土で降灰すると考えられており、日本が全滅する可能性さえあります。
死者は、1億人を超えるかもしれません。
影響は日本に留まらず、地球全体で異常気象が起こると考えられています。その影響も含めた世界の死者数は、いったい何億人になるのか、想像することも難しいくらいです。
 
こんな状況を想定しておきながら、原発への影響だけを取り上げるのは、馬鹿馬鹿しいだけです。
原発がどうなろうと関係なく、数百年は西日本に住むことも、場合によっては近付くことさえも難しくなるはずです。
誰のために、ASO4を想定してまで原発に反対するのでしょう。
 
 
本題に入りましょう。
今回の目的は、『阿蘇山は、現時点でASO4レベルの噴火が起こる可能性はあるのか?』です。
そのために、『カルデラ噴火の仕組みは?』と題して考えてみたいと思います。
 
カルデラ噴火(プリニー式噴火の一種)であろうと、ストロンボリ式噴火であろうと、ブルガノ式噴火であろうと、火口からマグマを押し出すための力が必要です。
特に、噴出量が多いカルデラ噴火は、絞り出すように噴火するので、その仕組みは他とは違うはずです。
 
噴火を起こすための力として考えられるのは、ガスによる圧力です。
マグマは高温なので、内部の揮発性の高い物質はガスになろうとして圧力を高めます。
この圧力が、周囲を押し広げる力として働き、弱い部分を押し広げていきます。
通常、土被りが少ない上側ほど土圧は低いので、マグマ溜まりの上部の弱い部分を更に押し広げながら上昇するはずです。
上昇すればするほど土圧は低くなるので、マグマは上昇しやすくなりますが、熱源からも遠ざかるので、冷えてマグマは粘性を増し、揮発分の力も弱くなります。
マグマの上昇は、ガス圧が、土圧にマグマ自体の粘性と釣り合ったところで止まります。
 
イメージ 1

噴火は、ガス圧が土圧を完全に上回った際に起こることになります。
マグマが地表に達すると、土圧が無くなるので、一気に発泡が起こり、爆発的に膨れ上がります。
ただ、これではカルデラ噴火にはなりません。
ASO4は、2兆6000億トンが噴出したとされています。(別のデータでは約1兆トン)
これだけの噴出物があったから、巨大なカルデラが生まれたのですが、噴出物が山麓に留まったのなら、カルデラは埋め尽くされていたはずです。
噴出物の多くは、遥か遠くまで飛ばされ、カルデラを埋め戻すことはなかったのです。
実際、ASO4では、北海道でも数センチの降灰の痕跡が残っています。
このことから、マグマはかなりの高さまで噴き上がったことがわかります。
ASO4では、2兆6000億トンもの噴出物がありました、
これが、平均100mの高さまで噴き上がったと仮定すると、255京ジュールのエネルギーを持っていたことになります。
これほど莫大なエネルギーは、何によってもたらされたのでしょうか。
 
仮に、ガス圧でもたらされたと考えてみましょう。
その場合、二つの疑問が湧きます。
一つは、『圧力を維持できるのか?』です。
例えば、マグマ溜まりのマグマの1%を噴出したとします。
元々のマグマ溜まりの容積の一割が、空洞に変わります。
この状態で、マグマ溜まりからマグマを10km分持ち上げるだけの圧力があるとします。
噴火が続いて、マグマ溜まりの2%が空洞になったとします。
ガスの量が一定であれば、空洞が2倍になったのだからガス圧は半分になり、マグマを持ち上げる力も半分になってしまいます。
もちろん、圧力が下がれば、マグマからの発泡も活発になりますが、必ず圧力は下がっていきます。
マグマの上面は下がり、圧力も下がるので、マグマは火口縁まで上昇できなくなり、噴火は終息すると思います。

イメージ 2

二つめは、火道です。
マグマを噴出して空洞ができれば、火道とマグマ上面との間にも空洞ができ、マグマを噴き上げることはできなくなります。
ちょうど、ジュースの表面にストローが届いていないのと同じです。
吸っても空気しか入ってこないように、マグマはほとんど噴き上げることはできなくなります。
爆発的にガスは噴出するでしょうが、マグマは多くなく、ガスの放出が終われば噴火も終わることになります。
ASO4では、2兆6000億トン(※1)ものマグマが噴出したと推定されています。これは、約1兆m3の体積で、よく使われる東京ドームに例える80万個分に相当します。
マグマ溜まりのマグマを全て絞り出したような量です。
こんな大量の噴出物がマグマ溜まりのほんの一部とは考えにくいので、マグマ溜まりの大半を絞り出す仕組みがあるはずです。
少なくとも、ガス圧だけで説明することは難しいように思います。
 
 
 
※1:伊牟田個人は、この数値に疑問を持っています。
   別の資料では、噴出量を384km3としています。
   これに比重2.6を掛けると約1兆トンとなります。
   この時、単位をトンではなくm3と間違えると、噴出量は2兆6000億トンと
   なります。
   噴出量を384km3とすると、現在の阿蘇カルデラの大きさから見積もった
   噴出量に近い値になります。
   それゆえ、噴出量を2兆6000億tとする見積もりには疑問を持っています。
 

この記事に

開くトラックバック(0)

2019年の地震予知

2018年も、残り僅かとなりましたね。
著名な地震予知研究者は、各誌の年始増刊号に合わせ、2019年の予測を執筆しているのではないかと思います。
私は、更に上を行き、彼らがどんな予測を書くか、予想してみようと思います。
 



まずは、こんな文章から・・・

首都直下型地震の危険が迫っている!

よく見かける文章です。
ポイントは、いつ起きるかを書かないことです。
研究者は、「危険が迫っている」とか、「危険が高まっている」といった曖昧な表現になるでしょう。
一方、「◯◯月に重大事が起きる」と書くのは、占いや超能力で地震を予測する方々でしょう。時期は明確でも、場所や内容は曖昧にする場合が多いでしょう。
どちらも、ニュースになるレベルの揺れ(震度5程度以上)があれば、「この地震は、◯◯氏によって予測されていた」となります。時期がずれていても、「僅かに時期はずれていたが、見事に的中した」と、予知成功を謳うでしょう。

首都圏以外では、南海トラフ地震や北海道東部、三陸沖などが2019年の地震予知の対象となるでしょう。



地震以外では、富士山の噴火を取り上げる研究者が多いでしょう。
富士山噴火のXデーが迫っている!
といった感じです。
富士山以外の噴火では、阿蘇山と喜界カルデラが定番です。浅間山や箱根山、三原山が出てくるものもありますが、この手の山は、富士山の噴火予測と結び付け、例えば「2019年は浅間山の噴火の可能性がある。これは、富士山噴火への序章に過ぎない」みたいな流れです。


予測の中には、一捻りしたものもあるでしょう。
2019年首都直下型地震は起きない。ただし、北関東や東北南部で中規模の地震が活発になり、首都直下に歪みを溜める働きをする」なんてのは、定番型でしょう。
「南海トラフ地震は、40年くらい前から近畿地方で地震が増えることがわかっている。大阪北部の地震や古くは阪神淡路大震災も、南海トラフ地震が近付いていることを示している。2019年は最後の地震が発生し、南海トラフ地震は秒読み体勢に入る」などと、わかったような説も出てくるでしょう。


来年は、オリンピックイヤーの前年です。
これを受けて、2019年より2020年に寄った地震予知が増えるだろうと思います。
ただ、これを見越して、更に先送りする地震予知研究者も現れるでしょう。
2021年以降が危ない!」てな調子です。
このような方々を含め、基本は「大地震が間近に迫っている!」と、危機感を煽る内容になることは間違いないでしょう。
2019年は、オリンピックイヤーを翌年に控える関係で、例年とは少し違う形になるでしょう。ですが、基本は危機感を煽るだけの地震予知が乱発される形態に大きな変化はないはずです。


思い返してください。
2017年は地震が少なくなる」と予測していた地震予知研究者はいたでしょうか。
2017年は、28年ぶりに地震が少ない年でした。
近年では稀なほど地震が少ない年になるだろう」と言った研究者はいたでしょうか。
私の記憶する範囲では、「◯◯が危ない」「△△が危ない」といった感じで、多くの地震予知研究者が日本中に危険箇所を乱発していました。そして、その全てが外れたのです。
2017年の最大の地震は、M6.4でした。M6.0以上は8回しかありませんでした。最大震度は5強止まり、5弱以上も8回しかありませんでした。
どちらも、ここ数年で最小でした。
これを予想した人は、どこにもいませんでした!

年末・年始に雑誌などに掲載される地震予知は、いつでも危機感を煽るだけで、中身はないことを理解して頂ければと思います。


 
2019年の地震を予測できる」と豪語する地震予知研究者らの言動を予測する
伊牟田でした。






なお、現時点では、地震予知は不可能です。
少なくとも、地震予知を実現するための条件を満たした地震予知手法はありません。
従いまして、雑誌などで書かれている「首都直下地震が起きる!」などの地震予知はデタラメですので、惑わされないようにお願い致します。
ですが、
地震が起きないわけではありません。
いつ、どこで大地震が起きても、不思議ではないのです。
私達は、正しく地震などの災害に備えなければなりません。


なぜ地震予知が不可能なのかは、当ブログで説明しています。
御覧戴ければ幸いです。
 

この記事に

開くトラックバック(0)

地震予知研究者に共通するものとして、研究者自身が前兆だとしている現象について、前兆現象として確定しているかのように説明しているところでしょう。

典型が、早川氏と村井氏です。


早川氏曰く、
電離層と 〜<中略>〜 地震が起きる前に2〜3km下がることがわかっています

村井氏も、電子基準点に関連して、このように言っています。
不思議なことに地震の前に地球は変な動きをすることが分かっています


申し合わせたように、実によく似た表現です。
「分かっています」と言っていますが、どちらも事実ではありません。

「地震の前」にこだわらなければ、両氏が言うような現象が見られる事もあります。
例えば、電離層は磁気嵐で乱されることがあります。当然、電離層の下層の高度が変わることがあります。
東日本大震災が発生した頃、ちょうど磁気嵐が起きていたので、早川氏が言う「地震が起きる前」の電離層の異常は、この磁気嵐によるものと考えられます。

電子基準点も同じです。
プレートの動きに伴い、1週間で1mm程度のゆっくりとした動きの他に、大地震発生時とその後の余効変動では、一気にcm単位(東日本大震災ではm単位)で動くこともあります。

上記とは別に、様々なノイズによっても観測値が乱れます。
気象や太陽フレアなどのノイズも含め、生の観測値は頻繁に揺れ動くのです。
それは、「地震が起きる前」には関係なく起こります。
かなりの頻度で起きる現象なので、少し待てば中規模の地震は起きます。
起きた地震から過去を振り返れば、大概は現象が起きているように見えるのです。



ところで、「地震が起きる前」とは、どれくらいの時間幅を指すのでしょうか。

実は、早川氏も村井氏も、この時間幅について、極めていい加減です。
特に、村井氏はデタラメで、当初は10日間としていましたが、現在では6ヶ月になっています。
なぜ、こんな事になるのでしょうか?

理由は、地震の前兆としている現象から目立った地震が起きるまでの最大値で決めているからなのです。

例えば、電子基準点で前兆現象らしき異常が起きると、近隣で目立った地震が起きるまで待ちます。それが10日後であれば、「地震が起きる前」は10日間になります。
次の事例では、現象から地震までが2ヶ月なら、「地震が起きる前」は2ヶ月間に変わります。その次の事例で現象から地震が6ヶ月かかったなら、「地震が起きる前」は6ヶ月間になってしまうのです。


さて、早川氏が「地震が起きる前」を1週間(誤差を含めると3週間)としているのに対し、村井氏の「地震が起きる前」は6ヶ月です。
なぜ、二人の間に差が生じたのでしょうか。
理由は、対象とする地震の発生頻度によるものでしょう。
早川氏は、M4.3以上の地震を対象としていました。
これは、1年間に240回も起きます。
これに対し、村井氏は震度5弱以上の地震を対象としていました。
こちらは、1年間に10回程度しか起きません。
その差は、24倍です。
二人の期間の差は、1週間と半年(26週間)ですので、発生頻度の差である24倍と似ています。

両氏は、まったく異なる地震予知手法を用いています。
それにもかかわらず、期間(「地震が起きる前」)と発生頻度の関係に近似があると言うことは、両氏の地震予知がマグレ当たりを狙っていることの間接的な証拠と言えそうです。



今回は、「地震が起きる前」をキーワードに、地震予知の真偽を見てみました。
こんなところにも、偽地震予知の証拠が見え隠れしているのです。

面白いものですね!

この記事に

開くトラックバック(0)

こんな時間に目が覚めてしまいました。
今から、JAMSTEC横浜研究所の一般公開に行ってきます。

これを読んが方も、興味があるなら行きませんか。
開場は、10時ですから、今(記事を書いている時刻)からは4時間もあります。


場所は、横浜市 金沢区 昭和町 3173番地25 です。

・JR根岸線の「新杉田」駅から徒歩13分
・京急本線の「杉田」駅から徒歩15分
・横浜新都市交通金沢シーサイドライン「南部市場」駅から徒歩15分

イメージ 1


詳しくは、こちらです。



この記事に

開くトラックバック(0)

国土地理院より、断層の立体視のビュワーが提供されました。
そのリンクは、以下です。


(以下は、国土地理院の平成30年北海道胆振東部地震の震源断層モデル(暫定))


上記を用いて、下から余震域が最も薄く見えるように描画した画像は、以下です。

イメージ 1



ちょうど反対方向になりますが、私のツールで断層面に沿って上か見下ろした画像も貼り付けておきます。

イメージ 2

やはり、実力の次元が違いますね。
私(いむたかつみ)のツールは、特殊な条件下を除いて使うことはなくなりそうです。

最後に、10月24日までの余震データから算出した断層の対地傾斜角は49.972度、方位は真北から東へ8.376度でした。
この数値は、過去の計算と概ね似た数値です。




この記事に

開くトラックバック(0)

スロースリップが起きると、大地震に発展するとの考え方があります。
スロースリップは大地震に発展できるのでしょうか。
 
怪しいように思います。
 
 
地震は、岩盤が破壊されることで起きます。
スロースリップが起きている場所は、既に滑っています。破壊が起きる場所は、残されていません。破壊による地震は、起きようがないのです。
 
では、地震が岩盤破壊ではなく、摩擦で止まっていた境界面が摩擦力を超える力によって一気に滑ることで起きると考えてみましょう。
この場合、静止摩擦係数と動摩擦係数との差が大きいことが条件になります。
スロースリップは、静止摩擦係数と動摩擦係数の差が小さい場合に起きると考えられるので、スロースリップから地震になるということは、動摩擦係数が途中で極端に変わることを意味します。
大地震は、少なくとも10km四方を超える震源域を持つので、突然、全域で動摩擦係数が激変するのは極めて不自然です。
あり得ないと考えるべきでしょう。


どうやら、スロースリップを起こしている震源域で地震に発展する事はなさそうです。




こんな情報があります。

東日本大震災では、1ヶ月ほど前から、震源域の北側でスロースリップが発生していたそうです。
スロースリップは、徐々に南下していき、東日本大震災が発生したのだそうです。
 
では、この情報を基に、震災発生前に地震を予知できたでしょうか。
地震予知の3要素(場所・規模・時期)について、要素毎に考えてみましょう。
 

まず、場所です。
スロースリップの震源域は、南へと移動していました。
地震が発生する場所は、『スロースリップの移動方向である南側だ』とは言えるかもしれませんが、スロースリップがどこまで移動を続けるのか、決め手がありません。
精々、日本海溝の西側で、宮城県沖より南側としか言えません。
特に、南側は範囲を定めることが難しいと思います。
 
次は、規模です。
これも、精々『大地震が発生するリスクがある』としか、言えなかったと思います。
スロースリップが発生しても、大地震になることは稀です。
ほとんどの場合、周辺で中規模以下の地震が増える程度です。
規模を特定するための根拠が見当たりません。
東日本大震災を経験した現在においても、スロースリップだけで規模を予測することは無理だと思われます。
 
最後は、時期です。
『スロースリップは発生しているので、遠くない将来に地震が発生しそうだ』としか言えないでしょう。
『場所』の項でも説明したように、スロースリップの震源域が南下を続けていて、そのどこで大地震になるのかを決定できない以上、いつ地震が発生するのかを特定することもできません。
しかも、発生する地震が大規模なものになるとは言い切れないので、『とにかく地震は起きそうだ』くらいのニュアンスになりそうです。


これに加え、東日本大震災では、2日前にM7.3の地震が発生しており、スロースリップが対応する地震の判別は難しかったと考えています。
M7.3の地震自体が、阪神淡路大震災や熊本地震と同規模の巨大地震であり、スロースリップが指し示す地震がこの地震だったと考えても不思議ではありません。
また、スロースリップが継続していたか否かは、この地震による余効変動に隠れてしまい、確認はできなかったはずです。
 

以上からみても、スロースリップで大地震を予測することは難しいと思います。
 

この記事に

開くトラックバック(0)

先日、刷新されたJESEAのHPを見て驚きました。
熊本地震が発生した2016年は、予知失敗が1件もないことになっているのです
この変化は、JESEAの新しい自己判定基準によるものと思われます。


熊本地震発生直後、村井氏は、自らのTwitterで予測を外したことを謝罪しています。また、2017年4月9日のMrサンデーに村井氏が出演した際には、「熊本地震を予測できなくてすみませんでした」と泣いたのだとか・・・
念のため、村井氏のTwitterを見直したところ、2016年6月1日以前の記事が消されていました。実に都合の良い部分で、消えているのです。

ですが、熊本地震(前震)が起きた時、MEGA地震予測は熊本を含む九州全域を予測エリアから外していたのは事実ですし、MEGA地震予測の2016年4月6日の記事には、鹿児島県・宮崎県・熊本県について、「レベル2⇒削除」の記事が残っています。

JESEAのHPの刷新に合わせて、熊本地震に関わる都合の悪い部分を改竄・削除したように感じています。(MEGA地震予測の記事は消し忘れ?)
このようなやり口は、詐欺師的と言わざるを得ません。



というわけで、旧:風の谷の生活に2016年4月22日01時37分に掲載した記事を転記することにしました。


以下、転載部分


【題名】
村井氏(JESEA)の地震予知の批判を再開します


【本文】
村井氏は、20日には予定通りに「週刊MEGA地震予測」を掲載しました。
まだ、余震が続いている現在、地震予知の批判を行うのは心苦しいのですが、既に村井氏(JESEA)はデタラメ地震予知を再開しており、これを見過ごすわけにはいかないと感じた次第です。



「週刊MEGA地震予測」ですが、その冒頭には以下のような一文が入っています。

> JESEAではメルマガ「週刊MEGA地震予測」及び「nexi地震予測」にて
> 3月30日発行号まで「熊本県」を地震予測エリアに入れて 参りましたが、
> 4月6日発行号で地震予測エリアから外しました。
> 予測を取り下げる際には慎重を期すよう心がけておりましたが、
> その直後に地震は起きてしまいました。

これより先は定期購読者のみが読める部分なので、何が書いてあったかは想像するしかありませんが、『地震予測期間の精度を向上させるように努めてまいります』くらいが書かれているのでしょう。
そして、どのような精度向上施策かと言うと、
おそらくは『前兆から地震発生までの期間は、これまでの推定より長い可能性がある』として、延々と予知期間を継続するのでしょう。

もう一つ、この「週刊MEGA地震予測」4月20日号では、『熊本・大分・鹿児島・長崎等は警戒エリア』(警戒レベル4か5くらい?)と再指定されているのではないかと、想像を巡らせています。もしかすると、『中央構造線周辺』として、『愛媛・香川・徳島・和歌山・奈良・愛媛・愛知』も指定されているかもしれません。

私の想像が当たっているなら、定期購読者を馬鹿にしています。



本日の最後に、村井氏のTwitterの記事から、揚げ足取りをしておきましょう。


まずは、4月14日のTwitterから
熊本地震で亡くなられた方に哀悼の意を表します。地震予測は難しいですね。
 数か月前からメルマガで鹿児島・熊本・宮崎周辺に「3月末頃まで」ということで
 要注意を呼びかけていました。
 4月になったので4月13日に取り下げたところ昨日熊本で震度7の大きな地震が
 起きました。反省しています

取り下げたのは、4月6日です。
これは、前述の「週刊MEGA地震予測」の中にも書かれていましたね。


次は、4月15日のTwitterから
今年の正月(1月5日発売)に出た週刊ポストの迎春合併特大号に掲載された
 JESEAの「異常変動全国MAP'16」では九州南部警戒ゾーンを地図で示し
 「熊本・鹿児島に顕著な沈降現象」と言う見出しで警戒を呼び掛けていました。
 週刊誌が出てから4か月半後に熊本地震が起きたことになります

地震が発生したのは、正月から3か月半後です。
1月5日の4か月半後は、5月20日頃です。


まあ、どっちも、どうでも良い話です!


以上、転載部分


この記事に

開くトラックバック(0)

国の防災科学技術研究所が発表している地震発生確率(地震ハザードマップ)は、一度も外れたことはありません。

イメージ 1



これに対して、多くの有料地震予知は、何度も予知を外しています。
では、有料地震予知の代表としてJESEAとの対比で見てみましょう。
 
 
まず、熊本地震です。
JESEAが熊本地震を外したことは知られています。
※注:最新のJESEAのホームページを見ると、2016年は1件も予測失敗がなかった
   ようになっていますが、予知の成否判定の自己基準の変更によるものです。
   熊本地震の例では、JESEAが警戒解除した後に地震が発生しています。
   これを「予知成功」と判断するわけにはいきません。
前の週まで南九州を対象エリアに入れていたのは事実ですが、地震発生時は解除されており、「外した」との認識で間違いないでしょう。
また、エリアの北端付近で熊本地震が発生しており、仮に解除していなかったとしても、評価の分かれるところです。
当時は早川氏が地震解析ラボに所属していましたが、こちらも「日向沖M5.0程度」としていて外れています。
「熊本地震を当てた」と主張しているブレイン地震予報は、まだ営業していなかったようで、成否を検証できません。
これに対し、地震ハザードマップは、低いながらも地震発生の可能性を指摘していました。
 
対象エリアを解除していたJESEAと、地震発生の可能性を指摘していた防災科学研究所では、軍配は防災科学技術研究所に上げるべきでしょう。
他の地震予知も、同レベルです。
 
 
 
次は、大阪北部の地震です。
JESEAは、全くの無警戒でした。
完全に外しています。
他の有料地震予知も、大阪北部の地震を的中させたと主張しているところを、私は知りません。
これに対し、地震ハザードマップは、該当地域を最高レベルか二番目のレベルで発生の可能性を指摘していました。
 
防災科学技術研究所の圧勝です。
 
 
最後は、記憶も新しい胆振東部地震です。
JESEAは要注意エリアとしていましたので、予知成功と言えなくありません。
ただ、予測範囲の東端付近で地震は発生しており、危険度も3段階の中間としていたことは、評価を下げるところです。
地震ハザードマップも中間の危険度としていました。
これは、引き分けと見做すのが妥当でしょう。
 
 
総合評価は、2勝1分で、防災科学技術研究所の圧勝と言って良いでしょう。
 
 
 
こんなことを書くと、有料地震予知の支持者からは、『防災科学技術研究所が出す地震ハザードマップと地震予知は違う』とか、『熊本地震の発生確率は5%未満となっていたはずなのに予知していたとは言えない』といった反論があるでしょう。
でも、考えて欲しいのです。
有料地震予知より、防災科学技術研究所の地震ハザードマップの方が、国民の安全に寄与しているのです。
 
有料地震予知は、よく外します。
大阪府北部の地震は、『的中した!』と主張する有料地震予知は現れていません。
また、網羅率100%を主張する有料地震予知もありません。地震予知で危険とされていない場所でも、地震が起きる可能性があるわけです。
これでは、地震ハザードマップとの差別化は無理です。
それどころか、有料地震予知は例外なく複数県に跨がるような広域を一つにまとめた形にしています。
『南関東』だの、『東北地方の太平洋岸』だの、大雑把に地域を指定する有料地震予知に比べ、地盤を考慮して詳細に記載されている地震ハザードマップの方が有用であることは、明らかです。
 



 
有料地震予知の有益性は、どこにあるのでしょうか。
私には、見当たりません。

この記事に

開くトラックバック(0)

スロースリップと大地震の関係を考えてみましょう。

大地震の前にスロースリップが観測されている場合があります。
これをもって、前兆現象としてスロースリップが注目されたようです。
そこで、少し深掘りしてみましょう。


スロースリップ』とは何か?
簡単に言うなら、地震に似た現象ですが、地震よりはるかにゆっくりと滑る点が違います。非常にゆっくりと動くので、有感の震度を計測することはありません。

具体的な現象ですが、ここからは私見で書きます。
地震とは違い、おそらくは岩盤の破壊は起きていないだろうと思います。
静止摩擦係数と動摩擦係数の差が小さい境界面において、ある一点で静止摩擦係数を超える力が加わることから始まると推測します。
一点で滑ると、周辺に加わる力が増えるので、連鎖的に滑り始めます。しかし、動摩擦係数との差が小さいので、一気に加速するのではなく、緩やかに加速していくのだろうと考えています。
このように、滑る範囲が広がっていくと、どこかで滑りにくい岩盤に行き当たります。
この部分が、スロースリップの外縁となります。
やがて、スロースリップの震源域が支えていた力が周辺に移り終わると、スロースリップは完了すると考えています。

さて、滑りにくい岩盤側から見ると、スロースリップの震源域が支えていた力が、新たに加わります。
加わった結果、限界に達したなら、岩盤の破壊が起き、地震となります。
これが、スロースリップに伴う余震です。


ここで、『前震、本震、余震の定義』を確認しましょう。
まず、本震です。
本震は、一連の地震活動の中で最大規模の地震を指します。
従って、厳密には、地震活動が終息するまで本震を確定することはできません。
本震が決まれば、本震より前に起きた地震は前震で、本震より後に起きた地震は余震に分類されます。
前震、本震、余震には、物理的な性質の違いはありません。

   熊本地震の前震の後に本震が来ることを予知できたと主張する地震予知会社がありますが、
   物理的な性質から予測したのではなく、統計的に予測したようです。
   もちろん、熊本地震の例はまぐれ当たりで、統計的な処理で算出される地域特性を示す係数を
   用いたデタラメ予測法です。実際、別の地震では同じ手法を用いて外しているそうです。


スロースリップとその後に起きる大地震との関係に戻りましょう。

大地震の前にスロースリップが発生している」との考えがありますが、因果関係を踏まえると正しい表現ではありません。
未来の事象(大地震)が、過去の事象(スロースリップ)に影響を与えるはずがありません。
となると、前述の表現は「スロースリップによって大地震が引き起こされる」と改めるべきです。

では、スロースリップが起きると、必ず大地震が起きるのでしょうか。
房総沖では、1996年、2002年、2007年、2011年、2018年と、何度もスロースリップが起きています。
ですが、スロースリップを超える規模の地震は発生したことがありません。
スロースリップが起きても、大地震を引き起こすことは稀だと言えそうです。
ただ、スロースリップの震源域周辺では、小規模の地震が頻発します。
スロースリップが発生すると、スロースリップの震源域が支えていた歪みが周辺に移り、限界に達した場所で余震が発生すると考えられます。



大地震の前にスロースリップが観測されていることは、確かにあります。
この事実は、どう説明すればよいのでしょうか。

この問題を考えるために、一度、『前震と本震と余震の定義』に戻りましょう。

この定義では、最も規模の大きな地震を本震と呼ぶことを確認しました。
規模の大きさ以外に前震・本震・余震の区別はないのですから、スロースリップと大地震の関係も同様に捉えることができます。
つまり、スロースリップを含めた一連の地震活動において、最大規模の地震がスロースリップではなく、その後に起きた地震だったと考えるのです。
ちょうど、熊本地震における前震と本震の関係に似ています。
この場合、「大地震の前にスロースリップが起きていた」ように見えます。

大地震は、スロースリップが起因している可能性はありますが、大地震になるのは偶然と見るべきです。
たまたま、スロースリップの震源域の近隣に大きな歪みが溜まっている領域があり、スロースリップによって歪みが増えて地震に至ったと考えるのです。
そうであれば、色々と説明ができます。

通常、本震に比べて余震は小さいのですが、最大余震の規模と本震の規模との比率は、概ねM1.0程度です。
ただし、確率として言えるだけです。
地震の規模は、マグニチュードが1大きくなると、発生回数は1/10になると言われています。地震の10回に1回程度は、本震とほぼ同じ規模の余震が発生すると考えて良いでしょう。
でも、実際の地震では、一連の地震活動で最大の地震を本震とするので、本震より大きな余震が発生した時点で、『本震』は『前震』に、『余震』は『本震』に、扱いが変わります。なので、本震より大きな余震の存在は消されてしまいます。

閑話休題!

スロースリップの規模は、M6〜7くらいですから、10回に1回程度はM6〜7の地震が周辺で起きても不思議ではありません。
100回に1回は、M7〜8の地震が起きても不思議ではありません。
大地震の前にスロースリップが起きている」との事実は、単にスロースリップより大きな余震が起きただけと考えるべきでしょう。
この考え方で、スロースリップが起きても大地震が起きることは稀である事実も、うまく説明できます。



いつものように、ごちゃごちゃと書いてきましたが、スロースリップで大地震を予測するのは無理だと考えた方が良いように感じます。

この記事に

開くトラックバック(0)

胆振東部地震について、ツールを改良して検証してみました。


まずは、国土地理院の干渉SAR画像に、私が計算した断層線を描いてみました。
以下を見て戴ければわかりますが、私が計算した断層線付近に特別な変位は見られません。
 
イメージ 1
イメージ 2
イメージ 3

(国土地理院:http://www.gsi.go.jp/cais/topic180912-index.html )





さて、断層面の3D画像ですが、少しでも立体的に見えるように、奥行きを色分けして描いてみました。

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

あまり代わり映えしませんね。
コメントできるような情報を見いだせていません。



最後は、時系列で色分けしてみました。

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

こちらからは、時間の経過と共に余震の発生場所が浅くなる傾向が見られます。
深さの一次回帰を行っても、時間の経過と共に余震の発生場所が浅くなる傾向が見られました。
現時点では、余震活動も落ち着いているので、発生場所が浅くなる傾向を心配しなくても良いのかもしれません。

素人の私がこれ以上の事を言うのは、無責任すぎるでしょう。

ここらで終わることにします。






上記のデータは、地震を予知するものでも、危険な場所を探すものでもありません。
あくまでも、伊牟田個人の科学的好奇心から調べたものです。
何かの参考になるものではありませんので、御注意ください。




この記事に

開くトラックバック(0)

[ すべて表示 ]

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事